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アイサコス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヘスペリアーの死を嘆くアイサコス。ヨハン・ウルリッヒ・クラウス英語版による1690年版『変身物語』11巻に対する挿絵。
ジュール=エリー・ドローネーの絵画『ヘスペリアの死』(1859年)。コペンハーゲンニイ・カールスベルグ・グリプトテク美術館所蔵。

アイサコス古希: Αἴσακος, Aisakos, ラテン語: Aesacus)は、ギリシア神話の人物である。トロイアの王プリアモスメロプスの娘アリスベーの子[1]。あるいは河神グラーニーコスの娘アレクシロエーとの子[2]。妻は河神ケブレーンの娘アステロペー[1]

神話

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アイサコスはメロプスから夢占いの術を学んでいたといわれる。ヘカベーパリスを出産したとき、ヘカベーは燃え木を出産し、その火がトロイアを焼き尽くすという不吉な夢を見た。このためアイサコスはプリアモスに頼まれて夢を解き、ヘカベーの生んだ赤子が原因でトロイアが滅びると予言し、赤子を捨てるよう助言した。このためプリアモスは召使いのアゲラーオスに命じて赤子をイーデー山に捨てさせた。その後、アイサコスは妻アステロペーが死んだとき、悲しみのあまり鳥になったという[1]

アイサコスが鳥になった話はオウィディウスでは少し異なった物語になっている。それによるとアイサコスは河神ケブレーンの娘ヘスペリアーに恋をしたが、ヘスペリアーが拒んだので何度も追いかけた。しかし、あるときヘスペリアーが逃げる途中にヘビに咬まれて死に、後悔したアイサコスは崖から海に飛び込んだ。海の女神テーテュースはアイサコスを憐れんで鳥に変えたが、アイサコスは死を望んでいるのにもかかわらず生きなければならないことに怒って、再び死を望んで海に飛び込み、やがて海で生活する潜水鳥になったと述べている[2]

系図

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ラーオメドーン
 
 
 
 
 
 
 
 
 
メロプス
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ティートーノス
 
エーオース
 
プリアモス
 
アリスベー
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
メムノーン
 
エーマティオーン
 
 
 
アイサコス
 
 
 


脚注

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  1. ^ a b c アポロドーロス、3巻12・5。
  2. ^ a b オウィディウス『変身物語』11巻。

参考文献

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