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アスカクリチャン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アスカクリチャン
第57回産経大阪杯パドック(2013年3月31日)
欧字表記 Asuka Kurichan[1]
香港表記 飛鳥阿栗
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 2007年4月11日(17歳)[1]
抹消日 2014年11月12日
スターリングローズ[1]
ローレルワルツ[1]
母の父 ダイナレター[1]
生国 日本の旗 日本北海道新冠町[1]
生産者 つつみ牧場[1]
馬主 上野武
栗本博晴
[1]
調教師 須貝尚介栗東
厩務員 阿南勝[2]
競走成績
生涯成績 46戦7勝[1]
獲得賞金 2億4083万4000円[1]
勝ち鞍
GII アルゼンチン共和国杯 2013年
GIII 七夕賞 2012年
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アスカクリチャン(欧字名:Asuka Kurichan2007年4月11日 - )は、日本競走馬種牡馬[1]。主な勝ち鞍は2012年七夕賞2013年アルゼンチン共和国杯

馬名の意味は冠名(共有)+愛称。

経歴

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2歳(2009年)

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アスカクリチャンは2009年9月6日、小倉芝1200mの2歳新馬戦で酒井学とのコンビでデビューしたが3着に敗れる[3]。その後5戦出走したが、掲示板には載るものの勝ち切ることができなかった。

3歳(2010年)

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年が明けて3歳になったアスカクリチャンだったが、なかなか勝ち切れず、初勝利を挙げたのは5月の新潟芝1600mの3歳未勝利戦だった。デビューから11戦目のことだった。初勝利の後、500万下条件戦を2戦したが、いずれも3着に敗れた。

4歳(2011年)

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5月の新潟競馬で復帰したアスカクリチャンは2戦目の松浜特別(500万下)で差し切り勝ちを決め、1年ぶりに勝ち星を挙げた。1年ぶりに勝利したアスカクリチャンは夏になると新潟で2戦し、村上特別(500万下)、月岡温泉特別(1000万下)を連勝した。その後、アスカクリチャンは清水ステークス5着、紅葉ステークス2着と1600万下条件戦で好走すると、12月の阪神で行われたゴールデンホイップトロフィー(1600万下)で勝利[4]し、オープン入りを果たした。

5歳(2012年)

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オープン入りしたアスカクリチャンは京都金杯6着、東京新聞杯10着と重賞の壁に跳ね返され、一旦夏まで休養することになった。夏に復帰すると、7月の福島で行われた七夕賞では14番人気と低評価だったが、1番人気のトーセンラーの追撃を振り切り、重賞初制覇を果たした[5]

重賞初制覇を果たしたアスカクリチャンだったが、その後は小倉記念6着、新潟記念3着、福島記念10着、金鯱賞7着といまいちな成績で終わった。

6歳(2013年)

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4月に休養から復帰したアスカクリチャンだったが、産経大阪杯は7着、読売マイラーズカップは11着、新潟大賞典は8着と春シーズンは不振から抜け出せなかった。抜け出すきっかけになったのは7月の函館記念。ここで3着になると、札幌記念2着、オールカマー5着と好走。そして、オープン特別のアイルランドトロフィーで4着になったアスカクリチャンは11月の東京で行われたアルゼンチン共和国杯で直線で鋭く抜け出し重賞2勝目を飾った[6]

重賞2勝目を飾ったアスカクリチャンは香港へ遠征し、香港ヴァーズに出走したが7着に終わった[7]

7歳(2014年)

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同年は日経賞から復帰したが8着に終わった。その後、天皇賞(春)18着、目黒記念10着、函館記念11着と二桁着順が続いた。不振から抜け出すためにダートの重賞エルムステークスを使ったが12着に敗れた。

そして新潟記念6着、オールカマー12着と2戦使って迎えた天皇賞(秋)では、優勝したスピルバーグから4秒2、17着のトーセンジョーダンからも3秒2も離された18着に敗れた。ゴール後、騎乗していた三浦皇成が異変を感じ、すぐに下馬。診療所で診察した結果、レース中に左後肢の繋靱帯断裂を発症していたことが判明。競走能力喪失と診断され、事実上引退が決まり、11月12日付で競走馬登録を抹消された[8]

引退後

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引退後はまず繋靱帯断裂の治療に専念し、回復後は白馬牧場にて父スターリングローズの唯一の後継として種牡馬となった[9]

累計出走頭数15頭と、決して多くない産駒の中から2頭の勝ち馬を出し[10]、そのうちの一頭であるクリノドラゴンが2022年の浦和記念を勝ち、産駒の重賞初制覇となった。

競走成績

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競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量 1着馬(2着馬)
2009.09.06 小倉 2歳新馬 芝1200m(良) 15 7 13 59.3(09人) 3着 1:10.2(35.5) -0.4 酒井学 54kg アグネスティンクル
0000.09.20 阪神 2歳未勝利 芝1400m(良) 11 4 4 03.9(02人) 3着 1:22.8(35.9) -0.2 武豊 54kg メイショウタフ
0000.10.25 京都 2歳未勝利 芝1600m(良) 11 3 3 04.3(03人) 2着 1:34.7(35.9) -0.0 武豊 55kg アイファーハイカラ
0000.11.07 京都 2歳未勝利 芝1400m(良) 11 8 11 03.4(02人) 4着 1:23.4(34.9) -0.2 武豊 55kg カルロスバローズ
0000.11.28 京都 2歳未勝利 芝1600m(良) 18 2 3 06.8(04人) 5着 1:35.7(36.9) -0.2 武豊 55kg エーシンウェズン
0000.12.06 阪神 2歳未勝利 芝1800m(良) 18 3 5 16.4(04人) 4着[† 1] 1:48.4(36.1) -0.6 武豊 55kg ヤマニンシャスール
2010.01.23 中京 3歳未勝利 芝2000m(良) 18 5 10 13.9(06人) 5着 2:03.1(36.8) -0.4 酒井学 56kg ドリームマジシャン
0000.02.13 東京 3歳未勝利 芝1800m(稍) 16 8 15 22.7(08人) 3着 1:49.6(35.2) -0.4 藤田伸二 56kg ゲームマエストロ
0000.02.28 阪神 3歳未勝利 芝1800m(稍) 16 1 1 13.6(08人) 9着 1:50.3(35.1) -0.6 藤田伸二 56kg シャイニーナイト
0000.05.08 新潟 3歳未勝利 芝1600m(良) 16 6 11 03.7(02人) 3着 1:36.3(33.8) -0.2 酒井学 56kg ボーンコレクター
0000.05.23 新潟 3歳未勝利 芝1600m(良) 16 8 16 04.6(02人) 1着 1:34.1(33.3) -0.4 酒井学 56kg (ヒーロー)
0000.06.12 東京 3歳上500万下 芝1800m(良) 16 7 13 06.9(02人) 3着 1:47.4(34.1) -0.2 後藤浩輝 56kg サイレントメロディ
0000.10.03 札幌 3歳上500万下 芝1500m(良) 14 5 7 05.9(03人) 3着 1:30.4(36.2) -0.4 柴山雄一 55kg サクラクローバー
2011.04.23 新潟 4歳上500万下 芝1600m(良) 16 7 14 03.8(02人) 4着 1:34.7(34.1) -0.2 武幸四郎 57kg ストロングロビン
0000.05.07 新潟 二王子特別 500万下 芝1800m(良) 11 6 6 02.8(01人) 3着 1:48.1(33.8) -0.8 丸山元気 57kg アドマイヤコスモス
0000.05.28 新潟 松浜特別 500万下 芝1600m(良) 16 7 13 03.4(01人) 1着 1:36.1(33.2) -0.0 上村洋行 57kg (ゴーゲッター)
0000.06.26 阪神 南港特別 500万下 芝1600m(良) 12 6 7 10.4(04人) 3着 1:33.6(34.3) -0.2 酒井学 57kg フラッパーウィング
0000.07.24 新潟 村上特別 500万下 芝1600m(良) 16 5 10 07.9(04人) 1着 1:33.7(33.8) -0.2 田中勝春 57kg (マイネルゴラッソ)
0000.08.28 新潟 月岡温泉特別 1000万下 芝1600m(良) 13 3 3 04.2(02人) 1着 1:33.5(32.9) -0.0 田中勝春 57kg (オルトリンデ)
0000.10.16 京都 清水S 1600万下 芝1600m(稍) 15 2 2 13.8(07人) 5着 1:33.6(34.1) -0.4 田中勝春 55kg ミキノバンジョー
0000.10.29 東京 紅葉S 1600万下 芝1600m(良) 9 1 1 15.1(05人) 2着 1:33.1(33.1) -0.1 北村宏司 57kg ヒットジャポット
0000.12.04 阪神 GホイップT 1600万下 芝1600m(良) 15 3 5 08.3(02人) 1着 1:34.1(33.8) -0.0 J.ムルタ 58kg (リフトザウイングス)
2012.01.05 京都 京都金杯 GIII 芝1600m(良) 16 3 5 16.3(06人) 6着 1:33.2(34.4) -0.3 田中勝春 55kg マイネルラクリマ
0000.02.05 東京 東京新聞杯 GIII 芝1600m(良) 16 4 8 40.0(11人) 10着 1:33.6(33.9) -0.8 田中勝春 56kg ガルボ
0000.07.08 福島 七夕賞 GIII 芝2000m(稍) 16 3 6 54.4(14人) 1着 2:01.1(36.0) -0.0 内田博幸 55kg トーセンラー
0000.08.05 小倉 小倉記念 GIII 芝2000m(良) 12 5 6 18.0(07人) 6着 1:58.1(35.1) -0.8 田辺裕信 57kg エクスペディション
0000.09.02 新潟 新潟記念 GIII 芝2000m(良) 18 5 9 16.4(08人) 3着 1:57.7(32.6) -0.1 内田博幸 57kg トランスワープ
0000.11.18 福島 福島記念 GIII 芝2000m(稍) 16 6 11 06.6(04人) 10着 2:00.6(35.9) -1.1 田中勝春 57kg ダイワファルコン
0000.12.01 中京 金鯱賞 GII 芝2000m(良) 12 2 2 38.1(10人) 7着 2:00.9(35.7) -0.5 松山弘平 56kg オーシャンブルー
2013.03.31 阪神 産経大阪杯 GII 芝2000m(良) 14 6 9 216.7(09人) 7着 1:59.8(33.9) -0.8 D.バルジュー 56kg オルフェーヴル
0000.04.21 京都 マイラーズC GII 芝1600m(良) 18 4 8 187.3(16人) 11着 1:33.2(34.8) -0.6 酒井学 56kg グランプリボス
0000.05.05 新潟 新潟大賞典 GIII 芝1600m(良) 16 5 10 25.5(09人) 8着 1:58.0(35.1) -1.1 勝浦正樹 57kg パッションダンス
0000.07.14 函館 函館記念 GIII 芝2000m(良) 16 8 15 20.4(08人) 3着 1:58.9(35.1) -0.3 岩田康誠 56kg トウケイヘイロー
0000.08.18 札幌 札幌記念 GII 芝2000m(重) 16 7 13 35.7(08人) 2着 2:07.5(39.6) -1.0 岩田康誠 57kg トウケイヘイロー
0000.09.22 中山 オールカマー GII 芝2200m(良) 16 4 7 20.3(07人) 5着 2:12.1(34.6) -0.1 柴田善臣 56kg ヴェルデグリーン
0000.10.13 東京 アイルランドT OP 芝2000m(良) 9 5 5 06.8(02人) 4着 2:01.1(33.2) -0.2 柴田善臣 59kg レインスティック
0000.11.03 東京 アルゼンチン共和国杯 GII 芝2500m(良) 18 6 12 12.7(07人) 1着 2:30.9(34.7) -0.2 戸崎圭太 56kg アドマイヤラクティ
0000.12.08 沙田 香港ヴァーズ G1 芝2400m(良) 12 9 9 7着 2:28.7 岩田康誠 57kg DOMINANT
2014.03.29 中山 日経賞 GII 芝2500m(良) 15 4 7 30.9(06人) 8着 2:35.2(35.0) -0.8 戸崎圭太 57kg ウインバリアシオン
0000.05.04 京都 天皇賞(春) GI 芝3200m(良) 18 1 1 201.1(15人) 18着 3:18.8(38.3) -3.7 秋山真一郎 58kg フェノーメノ
0000.06.01 東京 目黒記念 GII 芝2500m(良) 16 5 10 18.8(11人) 10着 2:31.9(35.7) -0.9 北村宏司 57.5kg マイネルメダリスト
0000.07.20 函館 函館記念 GIII 芝2000m(良) 16 6 11 38.6(13人) 11着 2:01.1(36.6) -1.0 松岡正海 57.5kg ラブイズブーシェ
0000.07.27 札幌 エルムS GIII ダ1700m(不) 13 6 9 35.0(11人) 12着 1:44.3(37.8) -3.4 N.ローウィラー 58kg ローマンレジェンド
0000.09.07 新潟 新潟記念 GIII 芝2000m(良) 18 8 18 70.5(14人) 6着 1:58.5(34.3) -0.2 柴田大知 57.5kg マーティンボロ
0000.09.28 新潟 オールカマー GII 芝2200m(良) 18 1 1 51.7(13人) 12着 2:12.7(34.6) -0.5 勝浦正樹 57kg マイネルラクリマ
0000.11.02 東京 天皇賞(秋) GI 芝2000m(良) 18 8 17 250.3(18人) 18着 2:03.9(37.5) -4.2 三浦皇成 58kg スピルバーグ
  1. ^ 5位入線だが、3位入線のセイルラージが降着のため繰り上げ。

種牡馬成績

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主な産駒

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グレード制重賞優勝馬

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血統表

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アスカクリチャン血統ミスタープロスペクター系 / Northern Dancer15.63% 4x4x5、Buckpasser 9.38% 4x5、Tom Fool 6.25% 5x5) (血統表の出典)

スターリングローズ
1997 栗毛
父の父
*アフリート
Afleet
1984 栗毛
Mr. Prospector Raise A Native
Gold Digger
Polite Lady Venetian Jester
Friendly Ways
父の母
*コマーズ
Comaz
1983 鹿毛
Danzig Northern Dancer
Pas de Nom
*ミドルマーチ Buckpasser
Nice Princess

ローレルワルツ
1996 鹿毛
ダイナレター
1984 栗毛
*ノーザンテースト Northern Dancer
Lady Victoria
*トゥザレター Arts and Letters
Queen of Capri
母の母
スワンスキー
1979 鹿毛
*マルゼンスキー Nijinsky
シル
*リビーザリブラ Delta Judge
French to Boot F-No.3-n
  • 姉の半兄に重賞2着5回のシグナスヒーローがいる。

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n アスカクリチャン”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年11月23日閲覧。
  2. ^ S.R.Sの一発屋アスカクリチャンが初の国内G1参戦”. 競馬ラボ. 2022年6月25日閲覧。
  3. ^ 世界的名牝の半弟・アグネスティンクルがデビューV”. netkeiba.com (2009年9月6日). 2015年8月28日閲覧。
  4. ^ アスカクリチャンがハナ差制す/ゴールデンホイップT”. netkeiba.com (2011年12月4日). 2015年8月28日閲覧。
  5. ^ 【七夕賞】大波乱!14番人気アスカクリチャン ハナ差しのいでV”. スポニチAnnex (2012年7月8日). 2015年8月28日閲覧。
  6. ^ 第51回 アルゼンチン共和国杯”. JRA (2013年11月3日). 2015年8月28日閲覧。
  7. ^ 【香港ヴァーズ】~アスカクリチャンは7着”. ラジオNIKKEI (2013年12月8日). 2015年8月28日閲覧。
  8. ^ アスカクリチャン号が競走馬登録抹消 Archived 2014年11月12日, at the Wayback Machine. JRA公式サイト 2014年11月12日 2014年11月14日閲覧
  9. ^ アスカクリチャンが引退 今後は種牡馬に転身 サンケイスポーツ 2014年11月5日閲覧
  10. ^ アスカクリチャンの産駒成績|競走馬データ- netkeiba.com”. db.netkeiba.com. 2022年12月31日閲覧。
  11. ^ クリノドラゴン”. JBISサーチ. 2022年11月23日閲覧。

外部リンク

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