コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

埼玉県第14区

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
埼玉14区から転送)
日本の旗埼玉県第14区

行政区域 草加市八潮市三郷市
(2024年1月1日現在)
比例区 北関東ブロック
設置年 1994年
2022年区割変更)
選出議員 鈴木義弘
有権者数 401,927人
1.773 倍(一票の格差鳥取1区との比較)
総務省・2023年9月1日)
テンプレートを表示

埼玉県第14区(さいたまけんだい14く)は、日本衆議院議員総選挙における選挙区1994年平成6年)の公職選挙法改正で設置。

区域

[編集]

現在の区域

[編集]

2022年令和4年公職選挙法改正以降の区域は以下のとおりである[1][2]。八潮市と三郷市は変更されなかったが、3区から草加市が編入する一方、久喜市の旧栗橋町・旧鷲宮町域、幸手市、北葛飾郡杉戸町13区へ移行、春日部市の旧庄和町域と吉川市、北葛飾郡松伏町は新設の16区に分区となり、当区の区域は埼玉県の東部から南東部に大きく変わった。

2022年以前の区域

[編集]

2013年平成25年)公職選挙法改正から2022年の小選挙区改定までの区域は以下のとおりである[3][4]

2002年平成14年)公職選挙法改正から2013年の小選挙区改定までの区域は以下のとおりである[6]

  • 八潮市
  • 三郷市
  • 幸手市
  • 吉川市
  • 北葛飾郡

1994年平成6年)公職選挙法改正から2002年の小選挙区改定までの区域は以下のとおりである[7]

  • 八潮市
  • 三郷市
  • 幸手市
  • 北葛飾郡

歴史

[編集]

1996年には三ッ林幸三(元衆議院議員、行幸村長)の長男で科学技術庁長官を歴任した三ッ林弥太郎が、旧埼玉4区から続く議席を守った。

三ッ林弥太郎は2000年の第42回衆議院議員総選挙の際に引退を表明したが、後継に自身の長男である三ッ林隆志を指名したことに自由民主党埼玉県連の一部が反発。世襲に加え、開業医で全く政治経験のないことを問題視したもので、三ッ林隆志擁立反対派の中心で当時県議であった福野幸央が強行出馬し、自民分裂選挙となった。しかし、結果は三ッ林隆志が父の地盤を受け継いだ安定した選挙戦で次点を大きく引き離して初当選し、第44回まで連続で小選挙区の議席を守った。

第43回では民主党の新人中野譲重複立候補していた比例北関東ブロック比例復活をしたが、第44回では小泉旋風に追い落とされ、比例復活すらできずに落選した。しかし第45回では民主大勝の風に乗り、選挙区で議席を初獲得。三ッ林隆志は比例復活もならず落選。翌2010年に死去した。

第46回では、自民党は三ッ林隆志の弟で医師の三ッ林裕巳を公認。その傍ら、自民党県議だった鈴木義弘が離党・議員辞職し、日本維新の会から出馬。三ッ林裕巳は選挙区、鈴木は重複立候補していた比例北関東ブロックで、それぞれ初当選した。比例代表では、八潮市と三郷市で維新の会が自民党を上回り得票数で第1党になる現象が発生した。同様の現象は、維新の会の本拠地である近畿地方以外では福島4区会津若松市などが選挙区域)において発生している。 

第47回では前回と同様に三ッ林裕巳が選挙区で当選し、鈴木が比例復活をした。第48回では三ッ林裕巳が鈴木らを引き離し当選し、鈴木は比例復活ができずに落選した。第49回では三ッ林裕巳が11万票以上を獲得し4期目を勝ち取った。一方で元職の鈴木は国民民主党から立候補し、比例復活して議席を獲得した。

2024年の第50回では区割り変更に伴い三ッ林裕巳が13区に移行したことにより、自民党は新たな候補者の擁立を目指したが、そこに難色を示したのは連立を組む公明党だった。公明党は、幹事長(当時)の石井啓一比例北関東ブロックから移行する形で出馬すると発表したため、自民党との候補者調整が一時難航したものの、自民党が石井の出馬を容認する事で妥結し、自民党の候補者を擁立しないいわゆる「自民空白区」となった。代わりに自民党は、公明党の代表に就任したばかりの石井を推薦する事になった。前職の鈴木との戦いとなったが、鈴木が1万票余りの差をつけて初の小選挙区当選を果たし、当選確実と報じられた直後のインタビューで、「アリさんが象を倒した」とその喜びを語った。一方、比例区への重複立候補を辞退して出馬した石井は、第45回太田昭宏東京12区)以来15年ぶりに党代表の落選という結果となり、10月31日に石井は会見で公明党代表を辞任すると発表した。なお、国政政党の党首が衆院選で落選するのは、第47回海江田万里民主党代表東京1区及び比例東京ブロック)以来10年ぶりという事態であった。

小選挙区選出議員

[編集]
選挙名 当選者 党派
第41回衆議院議員総選挙 1996年 三ッ林弥太郎 自由民主党
第42回衆議院議員総選挙 2000年 三ッ林隆志
第43回衆議院議員総選挙 2003年
第44回衆議院議員総選挙 2005年
第45回衆議院議員総選挙 2009年 中野譲 民主党
第46回衆議院議員総選挙 2012年 三ッ林裕巳 自由民主党
第47回衆議院議員総選挙 2014年
第48回衆議院議員総選挙 2017年
第49回衆議院議員総選挙 2021年
第50回衆議院議員総選挙 2024年 鈴木義弘 国民民主党

選挙結果

[編集]
第50回衆議院議員総選挙2024年(令和6年)10月27日 埼玉県第14区

時の内閣:第1次石破内閣 解散日:2024年10月9日 公示日:2024年10月15日
当日有権者数:40万192人 最終投票率:49.21%(前回比:減少 0.87%) (全国投票率:53.85%(減少2.08%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
鈴木義弘61国民民主党70,608票
37.04%
――
石井啓一66公明党60,249票
31.61%
85.33%自由民主党推薦
加来武宜43日本維新の会28,792票
15.10%
40.78%
苗村京子65日本共産党17,981票
9.43%
25.47%
関根和也44無所属7,486票
3.93%
10.60%×
高橋易資68日本保守党[注釈 1]5,514票
2.89%
7.81%
第49回衆議院議員総選挙2021年(令和3年)10月31日 埼玉県第14区

時の内閣:第1次岸田内閣 解散日:2021年10月14日 公示日:2021年10月19日
当日有権者数:44万2310人 最終投票率:50.08%(前回比:増加1.52%) (全国投票率:55.93%(増加2.25%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
三ッ林裕巳66自由民主党111,262票
51.56%
――公明党推薦
比当鈴木義弘58国民民主党72,553票
33.62%
65.21%
田村勉73日本共産党31,969票
14.82%
28.73%
第48回衆議院議員総選挙2017年(平成29年)10月22日 埼玉県第14区

時の内閣:第3次安倍第3次改造内閣 解散日:2017年9月28日 公示日:2017年10月10日
当日有権者数:43万8883人 最終投票率:48.56%(前回比:減少0.94%) (全国投票率:53.68%(増加1.02%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
三ッ林裕巳62自由民主党98,443票
47.53%
――公明党
鈴木義弘54希望の党62,733票
30.29%
63.73%
苗村京子58日本共産党32,017票
15.46%
32.52%
榛野博47日本維新の会13,926票
6.72%
14.15%
第47回衆議院議員総選挙2014年(平成26年)12月14日 埼玉県第14区

時の内閣:第2次安倍改造内閣 解散日:2014年11月21日 公示日:2014年12月2日
当日有権者数:42万3816人 最終投票率:49.50%(前回比:減少5.40%) (全国投票率:52.66%(減少6.66%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
三ッ林裕巳59自由民主党96,511票
47.56%
――公明党
比当鈴木義弘52維新の党73,320票
36.13%
75.97%
苗村光雄58日本共産党33,103票
16.31%
34.30%
第46回衆議院議員総選挙2012年(平成24年)12月16日 埼玉県第14区

時の内閣:野田第3次改造内閣 解散日:2012年11月16日 公示日:2012年12月4日
当日有権者数:41万9574人 最終投票率:54.90%(前回比:減少9.16%) (全国投票率:59.32%(減少9.96%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
三ッ林裕巳57自由民主党84,263票
37.92%
――公明党
比当鈴木義弘50日本維新の会71,949票
32.38%
85.39%みんなの党
中野譲45民主党42,655票
19.20%
50.62%国民新党
苗村光雄56日本共産党20,190票
9.09%
23.96%
大塚克雄65無所属3,161票
1.42%
3.75%×
第45回衆議院議員総選挙2009年(平成21年)8月30日 埼玉県第14区

時の内閣:麻生内閣 解散日:2009年7月21日 公示日:2009年8月18日
当日有権者数:41万1625人 最終投票率:64.06%(前回比:増加1.49%) (全国投票率:69.28%(増加1.77%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
中野譲42民主党146,148票
57.18%
――
三ッ林隆志56自由民主党100,474票
39.31%
68.75%
谷井美穂46幸福実現党8,993票
3.52%
6.15%
第44回衆議院議員総選挙2005年(平成17年)9月11日 埼玉県第14区

時の内閣:第2次小泉改造内閣 解散日:2005年8月8日 公示日:2005年8月30日
当日有権者数:39万6273人 最終投票率:62.57%(前回比:増加8.52%) (全国投票率:67.51%(増加7.65%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
三ッ林隆志52自由民主党128,642票
53.12%
――
中野譲38民主党92,584票
38.23%
71.97%
苗村光雄49日本共産党20,964票
8.66%
16.30%
第43回衆議院議員総選挙2003年(平成15年)11月9日 埼玉県第14区

時の内閣:第1次小泉第2次改造内閣 解散日:2003年10月10日 公示日:2003年10月28日 最終投票率:54.05%(前回比:減少3.89%) (全国投票率:59.86%(減少2.63%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
三ッ林隆志50自由民主党104,066票
50.25%
――
比当中野譲36民主党86,826票
41.93%
83.43%
苗村光雄47日本共産党16,194票
7.82%
15.56%
第42回衆議院議員総選挙2000年(平成12年)6月25日 埼玉県第14区

時の内閣:第1次森内閣 解散日:2000年6月2日 公示日:2000年6月13日 最終投票率:57.94%(前回比:増加3.84%) (全国投票率:62.49%(増加2.84%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
三ッ林隆志46自由民主党81,652票
37.70%
――
長峯正之65民主党47,305票
21.84%
57.93%
沢口千枝子49日本共産党30,779票
14.21%
37.70%
山田英介55自由党29,960票
13.83%
36.69%
福野幸央57無所属25,447票
11.75%
31.17%×
鷺富士雄50自由連合1,464票
0.68%
1.79%
第41回衆議院議員総選挙1996年(平成8年)10月20日 埼玉県第14区

時の内閣:第1次橋本内閣 解散日:1996年9月27日 公示日:1996年10月8日 最終投票率:54.10% (全国投票率:59.65%(減少8.11%))

当落候補者名年齢所属党派新旧得票数得票率惜敗率推薦・支持重複
三ッ林弥太郎77自由民主党77,260票
39.87%
――
山田英介51新進党76,121票
39.28%
98.53%
山田弘吉38日本共産党34,718票
17.92%
44.94%
鳥海裕36自由連合5,689票
2.94%
7.36%

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 石濱哲信が代表の政治団体で、2023年設立の同名の政党とは無関係。

出典

[編集]
  1. ^ 衆議院トップページ >立法情報 >制定法律情報 >第210回国会 制定法律の一覧 >公職選挙法の一部を改正する法律 法律第八十九号(令四・一一・二八)”. 衆議院 (2022年11月28日). 2023年2月22日閲覧。住居表示などにより変更する可能性がある。
  2. ^ 埼玉県”. 総務省. 2023年1月8日閲覧。
  3. ^ 衆議院トップページ >立法情報 >制定法律情報 >第183回国会 制定法律の一覧 >衆議院小選挙区選出議員の選挙区間における人口較差を緊急に是正するための公職選挙法及び衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部を改正する法律の一部を改正する法律 法律第六十八号(平二五・六・二八)”. 衆議院 (2013年6月28日). 2021年10月1日閲覧。地名は2013年(平成25年)当時のものである。
  4. ^ 埼玉県”. 総務省. 2021年10月1日閲覧。
  5. ^ 暮らしの中の計量器|春日部市公式ホームページ”. www.city.kasukabe.lg.jp. 2022年11月30日閲覧。
  6. ^ 衆議院トップページ >立法情報 >制定法律情報 >第154回国会 制定法律の一覧 >公職選挙法の一部を改正する法律 法律第九十五号(平一四・七・三一)”. 衆議院 (2002年7月31日). 2021年10月1日閲覧。地名は2002年(平成14年)当時のものである。
  7. ^ 衆議院トップページ >立法情報 >制定法律情報 >第131回国会 制定法律の一覧 >法律第百四号(平六・一一・二五)”. 衆議院 (1994年11月25日). 2021年10月1日閲覧。地名は1994年(平成6年)当時のものである。

関連項目

[編集]