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数学・自然科学・工学分野で使われるギリシア文字

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ギリシア文字
Αα アルファ Νν ニュー
Ββ ベータ Ξξ クサイ
Γγ ガンマ Οο オミクロン
Δδ デルタ Ππ パイ
Εε エプシロン Ρρ ロー
Ζζ ゼータ Σσς シグマ
Ηη イータ Ττ タウ
Θθ シータ Υυ ウプシロン
Ιι イオタ Φφ ファイ
Κκ カッパ Χχ カイ
Λλ ラムダ Ψψ プサイ
Μμ ミュー Ωω オメガ
使われなくなった文字

()
ディガンマ サン
ヘータ ショー
ギリシアの数字
スティグマ
()
サンピ

()
コッパ

ギリシア文字数学自然科学工学およびそれらの関連分野でよく使われる。典型的な使い方としては数学定数特殊関数、あるいは一定の性質を持つ変数を表す記号が挙げられる。この場合、同じ字母大文字形と小文字形でも完全に無関係なものを表すのは一般的である。また、以下のギリシア文字には同形のラテン文字が存在するのであまり使わない:大文字のABEHIKMNOPTXYZ。小文字のι・ο・υについてもラテン文字のi・o・uとは形が近い故に使われることがまれである。φやπのように、一部の文字の異なる字形が別々の記号として使われることもある。

数理ファイナンス分野においても、グリークスというギリシア文字で表される変数は特定の投資におけるリスクを指す。

英語圏において一部のギリシア文字の読み方は古代ギリシア語現代ギリシア語の発音から離れている。例えばθは古代ギリシア語で[tʰɛ̂ːta]、現代ギリシア語で[ˈθita]と発音されるが、英語圏においては[ˈθtə]と呼ばれる。

フォント

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数理分野で使われるギリシア文字の書体はギリシア語における書体とは大きく違う:数理分野においては一個一個の文字が離れており、その間に繋げる部分が存在しない。また、現代ギリシア語で使われない一部の古字や異体字は数理分野において生き残ったこともある。

OpenTypeフォントには「mgrk」(Mathematical Greek)というフィーチャータグがあり、それでギリシア文字のある字体を「数学用字体」と特定できる。

以下の表ではTeXおよびHTMLにおけるギリシア文字のフォントを比較する。TeXで使われるフォントはイタリック体であり、これは「変数はイタリック体にすべき」という慣習に則ったものである。ギリシア文字は関数や定数を表すときでも変数として扱われることが多いので、数理分野ではイタリック体がよく使われる。

ギリシア文字
字母 TeX HTML 字母 TeX HTML 字母 TeX HTML 字母 TeX HTML 字母 TeX HTML
アルファ Α α ディガンマ Ϝ ϝ カッパ Κ κ ϰ オミクロン Ο ο ウプシロン Υ υ
ベータ Β β ゼータ Ζ ζ ラムダ Λ λ パイ Π π ϖ ファイ Φ ϕ φ
ガンマ Γ γ エータ Η η ミュー Μ μ ロー Ρ ρ ϱ キー Χ χ
デルタ Δ δ シータ Θ θ ϑ ニュー Ν ν シグマ Σ σ ς プシー Ψ ψ
エプシロン Ε ϵ ε イオタ Ι ι クシー Ξ ξ タウ Τ τ オメガ Ω ω

ギリシア文字で表される概念

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Αα(アルファ)

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Ββ(ベータ)

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Γγ(ガンマ)

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Δδ(デルタ)

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Εε(エプシロン)

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Ϝϝ(ディガンマ)

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Ζζ(ゼータ)

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Ηη(エータ)

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Θθ(シータ)

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Ιι(イオタ)

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Κκ(カッパ)

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  • Κ:
    • カッパ数

Λλ(ラムダ)

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Μμ(ミュー)

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Νν(ニュー)

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Ξξ(クシー)

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Οο(オミクロン)

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Ππ(パイ)

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Ρρ(ロー)

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Σσ(シグマ)

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Ττ(タウ)

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Υυ(ウプシロン)

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  • υ:

Φφ(ファイ)

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Χχ(キー)

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Ψψ(プシー)

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Ωω(オメガ)

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関連項目

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脚注

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  1. ^ アーカイブされたコピー”. 2009年5月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年6月1日閲覧。
  2. ^ a b Katzung & Trevor's Pharmacology Examination & Board Review (9th Edition.). Anthony J. Trevor, Bertram G. Katzung, Susan B. Masters ISBN 978-0-07-170155-6. B. Opioid Peptides + 268 pp.
  3. ^ Applied Linear Statistical Models (5th ed.). Michael H. Kutner, Christopher J. Nachtsheim, John Neter, & William Li. New York: McGraw-Hill, 2005. ISBN 0-07-310874-X. xxviii + 1396 pp.
  4. ^ Golub, Gene; Charles F. Van Loan (1996). Matrix Computations – Third Edition. Baltimore: The Johns Hopkins University Press. pp. 53. ISBN 0-8018-5413-X 
  5. ^ ボルツマンの当初の論文 L. Boltzmann, Wien Ber. 66, 275 (1872). では、そもそも H ではなく E で表されていた。H が用いられるようになる過程については S. Hjalmars, "Evidence for Boltzmann's H as a capital eta", Am. J. Phys., 45, 214 (1977). 等を参照のこと。
  6. ^ Pomega - from Eric Weisstein's World of Physics
  7. ^ Outline for Weeks 14&15, Astronomy 225 Spring 2008 Archived 2010年6月15日, at the Wayback Machine.
  8. ^ 空集合の記号はΦに似ているが、Φではない。

外部リンク

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