コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

木畑洋一

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

木畑 洋一(きばた よういち、1946年10月11日 - )は、日本歴史学者。専門は、イギリス現代史・国際関係史東京大学名誉教授、成城大学名誉教授。

経歴

[編集]

岡山県生まれ。岡山県立岡山操山高等学校を経て、1968年イギリス・ウォーリック大学留学(サンケイスカラシップ)の後、1970年東京大学教養学部イギリス分科を卒業、1972年同大学院社会学研究科国際関係論専攻修士課程修了、同年博士課程を中退し、東京大学教養学部助手に就任する。

1977年東京外国語大学専任講師、1982年同助教授を経て1983年より東京大学教養学部助教授、1992年同教授。2002年から2004年まで東京大学評議員、2005年から2007年まで大学院総合文化研究科長・教養学部長、歴史学研究会委員長を務めた。2009年に定年退任し、2016年まで成城大学法学部教授を務める。

1997年『帝国のたそがれ』で、大平正芳記念賞を受賞。2012年秋、紫綬褒章受章[1]

人物

[編集]

左派歴史学者であり、自由主義史観研究会批判、新しい歴史教科書をつくる会批判[2]沖縄戦集団自決の教科書記述削除反対、日韓併合の不当を主張する「2015年日韓歴史問題に関して日本の知識人は声明する」[3]慰安婦への加害の事実と真摯に向き合い被害者に対する誠実な対応をとることを求めるなどのアピール声明に名を連ねてきた。

著書

[編集]

単著

[編集]
  • 『支配の代償――英帝国の崩壊と「帝国意識」』東京大学出版会、1987年
  • 『日独伊三国同盟と第二次大戦』岩波書店岩波ブックレット]、1988年
  • 『帝国のたそがれ――冷戦下のイギリスとアジア』東京大学出版会、1996年
  • 『国際体制の展開』山川出版社[世界史リブレット]、1997年
  • 『第二次世界大戦――現代世界への転換点』吉川弘文館歴史文化ライブラリー」、2001年
  • 『イギリス帝国と帝国主義―比較と関係の視座』有志舎、2008年
  • 『二〇世紀の歴史』岩波新書、2014年 
  • 『チャーチル―イギリス帝国と歩んだ男』山川出版社[世界史リブレット人]、2016年
  • 『帝国航路(エンパイアルート)を往く イギリス植民地と近代日本』「シリーズ日本の中の世界史」岩波書店、2018年

共著

[編集]

編著

[編集]
  • 『大英帝国と帝国意識――支配の深層を探る』(ミネルヴァ書房、1998年)
  • 『「南」から見た世界(6)グローバリゼーション下の苦闘――21世紀世界像の探究』(大月書店、1999年)
  • 『講座戦争と現代(2)20世紀の戦争とは何であったか』(大月書店、2004年)
  • 『ヨーロッパ統合と国際関係』(日本経済評論社、2005年)
  • 『イギリス帝国と20世紀(5)現代世界とイギリス帝国』(ミネルヴァ書房、2007年)

共編著

[編集]
  • 村岡健次)『世界歴史大系 イギリス史(3巻)近現代』(山川出版社、1991年)
  • 佐々木隆爾高嶋伸欣・深澤安博・山崎元・山田朗)『ドキュメント 真珠湾の日』(大月書店、1991年)
  • 尾形勇樺山紘一)『20世紀の歴史家たち・世界編(上・下)』(刀水書房、1997年)
  • 川北稔)『イギリスの歴史――帝国=コモンウェルスのあゆみ』(有斐閣、2000年)
  • イアン・ニッシュ細谷千博田中孝彦)『日英交流史 1600-2000――政治・外交(1・2)』(東京大学出版会、2000年)
  • 山内久明草光俊雄)『ヨーロッパの文化と社会―イギリスを中心として』(放送大学教育振興会、2002年)
  • 小菅信子、フィリップ・トウル)『戦争の記憶と捕虜問題』(東京大学出版会、2003年)
  • 佐々木雄太)『イギリス外交史』(有斐閣、2005年)
  • (車河淳)『日韓歴史家の誕生』(東京大学出版会、2008年)
  • 後藤春美)『帝国の長い影――20世紀国際秩序の変容』(ミネルヴァ書房、2010年)
  • 秋田茂)『近代イギリスの歴史――16世紀から現代まで』(ミネルヴァ書房、2011年)
  • (南塚信吾・小谷汪之)『座談会 世界史の中の安倍政権』(日本経済評論社、2015年)
  • 宮島喬小川有美)『ヨーロッパ・デモクラシー 危機と転換』(岩波書店、2018年)
  • (南塚信吾・小谷汪之)『歴史はなぜ必要なのか―「脱歴史時代」へのメッセージ』(岩波書店、2022年)
  • 岩波講座世界歴史』(岩波書店、2021 - 2023年)、編集委員:第3次版・全24巻

訳書

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ 平成24年秋の褒章受章者(東京都)” (PDF). 内閣府. p. 2 (2012年11月3日). 2013年1月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月30日閲覧。
  2. ^ 「教科書に真実と自由を」連絡会『徹底批判『国民の歴史』』大月書店、2000年5月。ISBN 978-4272520619 
  3. ^ 2015年日韓歴史問題に関して日本の知識人は声明する[1]