樺山紘一
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人物情報 | |
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生誕 |
1941年5月8日(83歳) 日本東京都 |
出身校 | 東京大学 |
子供 | 樺山三英(SF作家) |
学問 | |
研究分野 | 西洋史(西洋文化史) |
研究機関 | 東京大学、国立西洋美術館、印刷博物館 |
樺山 紘一(かばやま こういち、1941年5月8日 - )は、日本の歴史学者。専門は、フランス中世史・西洋中世史・西洋文化史。東京大学文学部教授を経て、東京大学名誉教授。東大退官後に国立西洋美術館館長、印刷博物館館長等を歴任。現在(2024年4月時点)は渋沢栄一記念財団理事長。
経歴
[編集]1941年、東京都生まれ。幼少期は内務官僚の父の転勤に伴って、上海や仙台などを転々とした。都立日比谷高校を卒業し、1961年に東京大学文学部西洋史学科に入学。しかし、当時は学生運動全盛期であった。1965年に卒業し、東京大学大学院人文科学研究科に進んだ。当時は村川堅太郎、林健太郎らの教授陣がおり、堀米庸三に師事。1968年、修士課程を修了。
1969年、京都大学人文科学研究所助手に採用された。1976年、東京大学文学部助教授に就任。1990年に同教授に昇格。1998年からは文学部長を務めた。2001年に東京大学を退官し、名誉教授となった。その後は、国立西洋美術館館長。2005年、印刷博物館館長となった。
- その他役職ならびに社会的活動
- 2020年 渋沢栄一記念財団理事長
- 2022年7月 学士会理事長
- 2022年10月 印刷博物館顧問
- 日本学術会議第一部会会員(第20期)
- 国立大学法人東京外国語大学経営協議会委員
- 国際歴史学会議副会長
受賞・栄典
[編集]- 1989年 『情報の文化史』(朝日新聞社)により第5回電気通信普及財団賞(テレコム社会科学賞)を受賞。
- 2005年 紫綬褒章[1]
- 2015年 『歴史の歴史』(千倉書房)により第69回毎日出版文化賞(人文・社会部門)。
- 2024年 瑞宝中綬章[2][3]。
研究内容・業績
[編集]専門は西洋史中世史、西洋文化史。
東大文学助教授時代には、NHK教育テレビの『人間大学』講師、テレビ朝日の『やじうまワイド』水曜コメンテーターなどとしてテレビ番組に出演した事があった。また、放送大学特別講義「わたしの学問研究~哲学者として生きた昭和~」において久野収の聞き手役を務めた。
家族・親族
[編集]著書
[編集]- 単著
- 『ゴシック世界の思想像』岩波書店 1976
- 『「地域」からの発想 』日本経済新聞社 1979
- 『ルネサンス周航』青土社 1979
- 文庫化:福武文庫
- 『カタロニアへの眼 歴史・社会・文化』刀水書房 1979
- 文庫化:中公文庫
- 『西洋学事始』日本評論社 1982年
- 文庫化:中公文庫
- 『地中海の誘惑』中央公論社 1985
- 文庫化:中公文庫
- 『ヨーロッパの出現』講談社 1985
- 『ローマは一日にしてならず 世界史のことば』岩波ジュニア新書 1985
- 『都市へのまなざし』講談社 1986
- 『西東禽獣譚』思潮社 1986
- 『ルネサンス逍遥』六興出版 1986
- 『中世の路上から』王国社 1986
- 『歴史のなかのからだ』筑摩書房・ちくまライブラリー 1987
- 『ルネサンスの人と文化』日本放送出版協会・NHK市民大学 1987
- 『情報の文化史』朝日選書 1988
- 『中世からの光』王国社 1989
- 『パリとアヴィニョン 西洋中世の知と政治』人文書院 1990
- 『比較社会史』(放送大学 1990
- 『歴史のトポロジー』青玄社 1991
- 『世界史への扉』朝日新聞社 1992
- 『ルネサンス』講談社学術文庫 1993
- 『異境の発見』東京大学出版会 1995
- 『ルネサンスと地中海』(世界の歴史 16) 中央公論社 1996
- 中公文庫 2008年
- 『ヨーロッパの歴史 基層と革新』放送大学教育振興会 1996
- 『宮廷びとの生活術 本格派のヨーロッパ学入門』王国社 1997
- 『肖像画は歴史を語る』新潮社 1997
- 『世界を俯瞰する眼 比較社会史入門』新書館 1999
- 『エロイカの世紀 近代をつくった英雄たち』(講談社現代新書 2002
- 講談社学術文庫 2020年
- 『地中海 人と町の肖像』岩波新書 2006
- 『旅の博物誌』千倉書房 2007
- 『歴史家たちのユートピアへ 国際歴史学会議の百年』(世界史の鏡シリーズ 0) 刀水書房 2007
- 『歴史の歴史』千倉書房 2014
- 『印刷博物館とわたし』千倉書房 2020
- 共著
- 『中世の風景』阿部謹也・網野善彦・石井進著、中公新書 1981
- 『対話「東北」論』高田宏編、岩本由輝・米山俊直著、刀水書房 2003
- 『「日本」をめぐって 網野善彦対談集』網野善彦・田中優子・成田龍一・三浦雅士・姜尚中・小熊英二著、講談社 2002
- 『いまヨーロッパが崩壊する』阿部謹也・栗本慎一郎・河上倫逸・山内昌之・山口昌男著、光文社 1994
- 『ユダヤがイスラムを生んだ:日本が知らないもうひとつのヨーロッパ(下)』栗本慎一郎・合田正人・今福龍太著、光文社 1995
- 編著
- 共編著
- (奥田道大)『都市の文化 新しい読みと発見の時代』(有斐閣 1984年)
- (山本哲士)『性・労働・婚姻の噴流』(新評論 1984年)
- (中村尚司)『玉野井芳郎著作集(4)等身大の生活世界』(学陽書房 1990年)
- (岡田英弘・川田順造・山内昌之)『歴史のある文明・歴史のない文明』(筑摩書房 1992年)
- (森田義之)『名画への旅(7)盛期ルネサンス(1) モナ・リザは見た』(講談社 1992年)
- (森田義之)『名画への旅(8)盛期ルネサンス(2) ヴェネツィアの宴』(講談社 1992年)
- (長尾龍一)『ライブラリ相関社会科学(1)ヨーロッパのアイデンティティ』(新世社 1993年)
- (上野千鶴子)『21世紀の高齢者文化』(第一法規出版 1993年)
- (森田義之)『名画への旅(5)初期ルネサンス(1) 天上から地上へ』(講談社 1993年)
- (森田義之)『名画への旅(6)初期ルネサンス(2) 春の祭典』(講談社 1993年)
- (木村精二・窪添慶文・湯川武)『クロニック世界全史』(講談社 1994年)
- (柴田三千雄・福井憲彦)『フランス史(2)16世紀-19世紀なかば』(山川出版社 1995-96年)
- (川北稔・岸本美緒・斎藤修・杉山正明・鶴間和幸・福井憲彦・古田元夫・本村凌二・山内昌之)『岩波講座 世界歴史(全28巻)』(岩波書店 1997-2000年)
- (今谷明・大濱徹也・尾形勇)『20世紀の歴史家たち 日本編』(刀水書房 1997年)
- (尾形勇・木畑洋一)『20世紀の歴史家たち 世界編』(刀水書房 1997年)
- (斎藤精一郎・筑紫哲也・川本三郎)『人物20世紀』(講談社 1998年)
- (石弘之・安田喜憲・義江彰夫)『ライブラリ相関社会科学(6)環境と歴史』(新世社 1999年)
- (坂部恵・古井由吉・山田慶児・養老孟司・米沢富美子)『20世紀への問い(全9巻)』(岩波書店 2000-02年)
- (高田勇・村上陽一郎)『ノストラダムスとルネサンス』(岩波書店 2000年)
- (伊藤貞夫)『地中海世界の歴史像』(放送大学教育振興会 2002年)
- (網野善彦・宮田登・安丸良夫・山本幸司)『岩波講座天皇と王権を考える(全10巻)』(岩波書店 2002年-03年)
- (福原義春)『解はひとつではない グローバリゼーションを超えて』(慶應義塾大学出版会 2004年)
- 訳書
- E・ル=ロワ=ラデュリ『新しい歴史 歴史人類学への道』(新評論 1980年)
- クェンティン・スキナー『グランドセオリーの復権 現代の人間科学』産業図書 1988年)
- ピエール・ヴィダル=ナケ編『三省堂世界歴史地図』(三省堂 1995年)
- C・F・ブラックほか『ルネサンス』(朝倉書店 1998年)
資料
[編集]- 「世界を俯瞰する眼:インタビュー・樺山紘一教授に訊く」『クリオ』15, 2002年, 73-96頁.pdf
脚注
[編集]- ^ “平成17年春の褒章受章者 東京都” (PDF). 内閣府. p. 2 (2005年4月29日). 2005年5月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月16日閲覧。
- ^ 『官報』号外第106号、令和6年4月30日
- ^ “春の叙勲、黒田前日銀総裁ら4108人 桐花に大谷直人氏”. 日本経済新聞. (2024年4月29日) 2024年5月6日閲覧。
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