エポカドーロ
エポカドーロ | ||||||
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第78回皐月賞ゴール前 | ||||||
欧字表記 | Epoca d'Oro[1] | |||||
品種 | サラブレッド | |||||
性別 | 牡[1][2] | |||||
毛色 | 黒鹿毛[1][2] | |||||
生誕 | 2015年2月15日(9歳)[1][2] | |||||
抹消日 | 2020年8月21日 | |||||
父 | オルフェーヴル[1][2] | |||||
母 | ダイワパッション[1][2] | |||||
母の父 | フォーティナイナー[1][2] | |||||
生国 | 日本(北海道新ひだか町)[2] | |||||
生産者 | 田上徹[1][2] | |||||
馬主 | (株)ヒダカ・ブリーダーズ・ユニオン[1][2] | |||||
調教師 | 藤原英昭(栗東)[1][2] | |||||
競走成績 | ||||||
生涯成績 | 10戦3勝[1][2] | |||||
獲得賞金 | 2億7636万4000円 | |||||
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エポカドーロ (伊: Epoca d'Oro[1])は、日本の競走馬。主な勝ち鞍は2018年の皐月賞[1][2]。馬名はイタリア語で「黄金の時代」[3]。
経歴
デビュー前
かつてマイネルレコルトやジョウテンブレーヴなど[注 1]を生産した北海道新ひだか町の田上徹牧場において[4][注 2]、2006年のフィリーズレビュー(GII)を制した[4][注 1]ダイワパッションの5番仔として[6]2015年2月15日に誕生[2]。同年7月のセレクトセールにて一口馬主法人「(株)ユニオンオーナーズクラブ」に3,400万円で落札され[7]、同年9月に総額4,500万円(一口9万円×500口)で先行募集された[8]。
2歳 (2017年)
栗東・藤原英昭厩舎に入厩し、10月9日の京都競馬場での新馬戦 (芝外1800m)で北村友一を背にデビューするも、2番手追走から伸びきれず3着に終わる[9]。
3歳 (2018年)
新馬戦後は一息入れ、1月21日の京都競馬場でのマイルの未勝利戦で鞍上・福永祐一で復帰[10]。レースではハナを切ると最後まで勢いは衰えず、2着馬に2馬身半差を付けて初勝利を飾った[10]。3戦目はきさらぎ賞 (GIII)へも登録したが、回避して2月10日に小倉競馬場で行われる自己条件のあすなろ賞 (500万条件・2000m)を選択[11]。この競走から戸崎圭太を鞍上に迎え、スタートから先手を奪うと2着スーパーフェザーに3馬身半差をつける完勝で2連勝を飾った[12]。4戦目はクラシックへの出走権を目指して3月18日のスプリングステークス(GII)に出走し、単騎の逃げ馬から離れた2番手を追走して抜け出しを図るが、ゴール前で強襲してきたステルヴィオにハナ差交わされて2着となった[13]。
この年の牡馬クラシックで本命視されていたダノンプレミアム[注 3]の回避で混戦模様となった[14]皐月賞 (GI)では、7番人気と伏兵の扱いであったが、先行する3頭から離れた4番手を追走すると、最後の直線で抜け出し、追い上げてきたサンリヴァルに2馬身差をつけてGI初制覇を飾り、鞍上の戸崎と馬主の(株)ヒダカ・ブリーダーズ・ユニオン、そしてオルフェーヴル産駒にとって初のクラシック勝利となった[15]。
続く東京優駿 (日本ダービー)では、そのダノンプレミアムやブラストワンピースといった皐月賞不出走組が人気を背負う中、本馬は皐月賞馬ながら4番人気であった。パドックに向かう途中の地下馬道では硬直してしまうアクシデントもあり、誘導馬であったシュガーヒル(アパパネの半弟)と共にパドックを回ることとなった。迎えたレースではスタート直後から先頭を奪ったが、第1コーナー手前で左後脚を落鉄。それでもそのまま4コーナーまでポジションをキープし、最後の直線でも粘り続けてサニーブライアン以来21年ぶりに逃げ切るかと思われたが、残り100mを切ったところでワグネリアンに差され2着に敗れた[16]。
夏を休養に充て、秋は神戸新聞杯 (GII)から始動。同競走にはワグネリアンも出走しており、18年ぶりにダービー馬と皐月賞馬が対戦する形となった。しかし迎えたレースではスタートで落馬寸前まで躓いて後手を踏むアクシデントがあり、中団から追い込んだが4着に終わった[17]。その後はクラシック三冠目の菊花賞に出走。ワグネリアンが天皇賞(秋)に向かった(後に回避)ため、ブラストワンピース、神戸新聞杯2着のエタリオウに次ぐ3番人気に推された。逃げるジェネラーレウーノを3番手から追走したが、前半1000m1分2秒7、2000m2分6秒9というスローペースながら各馬がばらけず先団に固まる展開となり、瞬発力勝負となった直線では内から伸びきれず8着[18]。管理する藤原調教師は距離を敗因に挙げた[19]。
4歳(2019年)
2019年初戦は中山記念に出走[20]。昨年の香港カップで2着に入ったディアドラ、ダービーの後マイルチャンピオンシップを制した同期のステルヴィオに次ぐ3番人気となり、前を行くマルターズアポジーとラッキーライラックを3番手から追走したが、直線では伸びを欠き0.2秒差の5着に終わった[21]。続く大阪杯には同期のワグネリアン、ステルヴィオ、ブラストワンピースに加え、5歳世代のキセキ、ペルシアンナイト、アルアイン、さらにマカヒキと本馬含めGI馬が8頭揃い、単勝オッズは14.3倍の8番人気に留まった[22]。レースでは先手を取り前半1000m61秒3のペースに持ち込んだが、最後の直線半ばで脚が止まって後退し10着に大敗。レース後に鼻出血を発症していたことが判明した[23]。
5歳(2020年)
休養を経て金鯱賞で復帰を予定していたが、状態が整わず回避[24]。その後は札幌記念へ向けて調整されていたが、8月5日に現役引退が発表された[25]。同月21日付で競走馬登録を抹消され、北海道新ひだか町のアロースタッドで種牡馬となる[26]。なお、種牡馬として買い手がつかず無償譲渡となった。
種牡馬として
2021年度、種付け料50万。種付け頭数52頭というスタートを切った。初年度産駒デビューは2024年。
競走成績
以下の内容は、netkeiba.comの情報[2]に基づく。
競走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離(馬場) | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 | タイム (上がり3F) |
着差 | 騎手 | 斤量 [kg] |
1着馬(2着馬) | 馬体重 [kg] |
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2017.10. 9 | 京都 | 2歳新馬 | 芝1800m(良) | 10 | 6 | 6 | 17.2 (4人) | 3着 | 1:50.9(34.2) | 0.5 | 北村友一 | 55 | タングルウッド | 484 | |
2018. 1.21 | 京都 | 3歳未勝利 | 芝1600m(良) | 15 | 7 | 13 | 4.4 (2人) | 1着 | 1:36.1(35.8) | -0.4 | 福永祐一 | 56 | (ラノカウ) | 498 | |
2.10 | 小倉 | あすなろ賞 | 500万下 | 芝2000m(稍) | 12 | 1 | 1 | 2.5 (1人) | 1着 | 2:00.8(35.2) | -0.6 | 戸崎圭太 | 56 | (スーパーフェザー) | 496 |
3.18 | 中山 | スプリングS | GII | 芝1800m(良) | 13 | 4 | 5 | 5.3 (3人) | 2着 | 1:48.1(34.7) | 0.0 | 戸崎圭太 | 56 | ステルヴィオ | 492 |
4.15 | 中山 | 皐月賞 | GI | 芝2000m(稍) | 16 | 4 | 7 | 14.5 (7人) | 1着 | 2:00.8(35.2) | -0.3 | 戸崎圭太 | 57 | (サンリヴァル) | 492 |
5.27 | 東京 | 東京優駿 | GI | 芝2400m(良) | 18 | 6 | 12 | 10.5 (4人) | 2着 | 2:23.7(34.7) | 0.1 | 戸崎圭太 | 57 | ワグネリアン | 490 |
9.23 | 阪神 | 神戸新聞杯 | GII | 芝2400m(良) | 10 | 7 | 8 | 2.7 (1人) | 4着 | 2:26.1(34.5) | 0.5 | 戸崎圭太 | 56 | ワグネリアン | 486 |
10.21 | 京都 | 菊花賞 | GI | 芝3000m(良) | 18 | 3 | 5 | 5.5 (3人) | 8着 | 3:06.9(34.8) | 0.8 | 戸崎圭太 | 57 | フィエールマン | 490 |
2019. 2.24 | 中山 | 中山記念 | GII | 芝1800m(良) | 11 | 7 | 9 | 5.3 (3人) | 5着 | 1:45.7(34.2) | 0.2 | 戸崎圭太 | 57 | ウインブライト | 496 |
3.31 | 阪神 | 大阪杯 | GI | 芝2000m(良) | 14 | 3 | 4 | 14.3 (8人) | 10着 | 2:02.0(36.5) | 1.0 | 戸崎圭太 | 57 | アルアイン | 490 |
血統表
エポカドーロの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | サンデーサイレンス系 |
[§ 2] | ||
父 オルフェーヴル 2008 栗毛 |
父の父 ステイゴールド1994 黒鹿毛 |
*サンデーサイレンス Sunday Silence |
Halo | |
Wishing Well | ||||
ゴールデンサッシュ | *ディクタス | |||
ダイナサッシュ | ||||
父の母 オリエンタルアート1997 栗毛 |
メジロマックイーン | メジロティターン | ||
メジロオーロラ | ||||
エレクトロアート | *ノーザンテースト | |||
*グランマスティーヴンス | ||||
母 ダイワパッション 2003 鹿毛 |
*フォーティナイナー Forty Niner 1985 栗毛 |
Mr. Prospector | Raise a Native | |
Gold Digger | ||||
File | Tom Rolfe | |||
Continue | ||||
母の母 サンルージュ 1992 鹿毛 |
*シェイディハイツ Shady Heights |
Shirley Heights | ||
Vaguely | ||||
*チカノヴァ Tikanova |
Northern Dancer | |||
Cairn Rouge | ||||
母系(F-No.) | (FN:1-n) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | ノーザンテースト4×5=9.38% Northern Dancer4×5=9.38% | [§ 4] | ||
出典 |
表中のアステリスク(*)は、海外で生産された後に日本に輸入された馬を示す。
- 母ダイワパッションはフェアリーステークス、フィリーズレビューの勝ち馬。
- 母のいとこにアメリカとカナダでG1を4勝したVenturaがいる。
- 4代母Cairn Rougeはアイリッシュ1000ギニー、チャンピオンステークスの勝ち馬[29]。
脚注
注釈
- ^ a b マイネルレコルトは朝日杯フューチュリティステークス(GI)など重賞2勝、ジョウテンブレーヴはマイラーズカップ(GII)など重賞4勝、ダイワパッションは他にフェアリーステークスに優勝[4]。
- ^ 上記の馬が誕生した時点の代表者は、徹の父の稔であった[4][5]。
- ^ 前年の朝日杯フューチュリティステークス (GI)に優勝するなどこの時点まで4戦4勝(重賞3勝)の成績を収めていたが、挫跖(蹄の炎症)のために回避した[14]。
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l m “エポカドーロ”. "JBIS-Search". 公益社団法人日本軽種馬協会. 2018年4月17日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n “エポカドーロ”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2018年4月17日閲覧。
- ^ エポカドーロ - ユニオン・オーナーズ・クラブ UNION OWNERS CLUB
- ^ a b c d “通算 重賞勝利レース|田上稔の生産者成績”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2018年4月15日閲覧。
- ^ “重賞ウイナーレポート 2004年12月12日 朝日杯フューチュリティS”. 競走馬のふるさと案内所. 日本軽種馬協会 (2018年4月17日). 2018年4月17日閲覧。
- ^ “ダイワパッションの産駒成績|競走馬データ”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2018年4月17日閲覧。
- ^ “セール結果|SELECT SALE|JAPAN RACING HORSE ASSOCIATION 当歳 上場番号351”. 一般社団法人日本競走馬協会. 2018年4月17日閲覧。
- ^ “当歳先行募集馬第一次受付開始”. "公式ブログ スタッフ★ダイアリー". ユニオンオーナーズクラブ (2015年9月16日). 2018年4月15日閲覧。
- ^ “2歳新馬|2017年10月09日”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2018年4月17日閲覧。
- ^ a b “3歳未勝利|2018年01月21日”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2018年4月17日閲覧。
- ^ “エポカドーロ、きさらぎ賞回避からあすなろ賞へ”. Sponichi Annex. 株式会社スポーツニッポン新聞社 (2018年1月31日). 2018年4月15日閲覧。
- ^ “エポカドーロが人気に応え2連勝/あすなろ賞”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ (2018年2月10日). 2018年4月15日閲覧。
- ^ “【スプリングS】エポカドーロは2着 藤原師「皐月賞までしっかり調整したい」”. サンスポZBAT!競馬. 株式会社産業経済新聞社 (2018年3月18日). 2018年4月15日閲覧。
- ^ a b “三冠馬候補、ダノンプレミアムが皐月賞回避 一気に混戦模様に”. J-CASTニュース. 株式会社ジェイ・キャスト (2018年4月5日). 2018年4月15日閲覧。
- ^ “エポカドーロが混戦に断! オルフェーヴルとの父子制覇達成!/皐月賞”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ (2018年4月15日). 2018年4月19日閲覧。
- ^ “【日本ダービー】エポカドーロ 納得の2着 逃げて粘って…皐月賞馬の意地見せた | 競馬ニュース - netkeiba.com”. netkeiba.com 2018年9月26日閲覧。
- ^ “【神戸新聞杯】エポカドーロ痛ッ…スタートでつまずき4着 | 競馬ニュース - netkeiba.com”. netkeiba.com 2018年9月26日閲覧。
- ^ “【菊花賞】皐月賞馬のエポカドーロは8着に敗れる 戸崎「ペースが遅く、きつい感じになってしまった」”. サンスポZBAT!競馬 (2018年10月21日). 2019年3月30日閲覧。
- ^ “【菊花賞】エポカドーロ、距離長く…8着”. サンスポZBAT!競馬 (2018年10月22日). 2019年3月30日閲覧。
- ^ “【中山記念】皐月賞馬エポカドーロ、実績ある中山で巻き返しへ | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2019年3月30日閲覧。
- ^ “【中山記念】エポカドーロは5着に敗れる 戸崎「時計かかった方が良さそう」”. サンスポZBAT!競馬 (2019年2月24日). 2019年3月30日閲覧。
- ^ “大阪杯(G1) オッズ | 2019/03/31 阪神11R レース情報(JRA) - netkeiba.com”. race.netkeiba.com. 2019年3月31日閲覧。
- ^ “【大阪杯】エポカドーロは10着大敗 レース後に鼻出血が判明”. スポーツ報知 (2019年3月31日). 2019年3月31日閲覧。
- ^ “【JRA】エポカドーロは金鯱賞を回避し放牧へ、次走は未定 | 競馬ニュース - netkeiba.com”. news.netkeiba.com. 2020年8月6日閲覧。
- ^ “18年皐月賞馬エポカドーロが引退 藤原英師「立て直すことは厳しい」今後は未定 | 競馬ニュース - netkeiba.com”. news.netkeiba.com. 2020年8月6日閲覧。
- ^ エポカドーロが競走馬登録抹消 - JRAニュース(日本中央競馬会)2020年8月21日
- ^ a b c “血統情報:5代血統表|エポカドーロ”. JBIS-Search. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2018年4月16日閲覧。
- ^ “エポカドーロの血統データ”. 競馬ラボ. 2020年7月13日閲覧。
- ^ “Cairn Rouge(IRE)|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2019年4月21日閲覧。
外部リンク