第67回皐月賞
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第67回皐月賞は、2007年4月15日に中山競馬場で行われた競馬の競走である。
第67回皐月賞 | |
---|---|
開催国 | 日本 |
主催者 | 日本中央競馬会(JRA) |
競馬場 | 中山競馬場 |
施行年 | 2007年 |
施行日 | 4月15日 |
距離 | 芝2000m |
格付け | GI |
賞金 |
1着賞金9700万円 |
出走条件 | 3歳牡・牝(指定)(国際) |
負担重量 | 定量 |
出典 | [1] |
天候 | 晴 |
馬場状態 | 良 |
優勝馬 | ヴィクトリー |
優勝騎手 | 田中勝春(美浦) |
優勝調教師 | 音無秀孝(栗東) |
優勝馬主 | 近藤英子 |
優勝生産者 | ノーザンファーム |
出走馬の状況
[編集]トライアル競走の結果
[編集]映像外部リンク | |
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2007 皐月賞 レース映像 jraofficial(JRA公式YouTubeチャンネル)による動画 |
- 第44回報知杯弥生賞 GII (2007年3月4日)
着順 | 競走馬名 | 性齢 | 騎手 | タイム | 着差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | アドマイヤオーラ | 牡3 | 武豊 | 2.00.5 | - |
2 | ココナッツパンチ | 牡3 | 吉田豊 | 2.00.5 | クビ |
3 | ドリームジャーニー | 牡3 | 蛯名正義 | 2.00.8 | 1馬身3/4 |
4 | メイショウレガーロ | 牡3 | 武幸四郎 | 2:00.9 | 1/2 |
5 | サムライタイガース | 牡3 | 後藤浩輝 | 2:01.5 | 3馬身1/2 |
- 若葉ステークス (2007年3月17日)
着順 | 競走馬名 | 性齢 | 騎手 | タイム | 着差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | ヴィクトリー | 牡3 | 岩田康誠 | 2.01.2 | - |
2 | サンライズマックス | 牡3 | 池添謙一 | 2.01.2 | クビ |
3 | ナタラージャ | 牡3 | 武豊 | 2.01.7 | 3馬身 |
4 | マイネルアナハイム | 牡3 | 武幸四郎 | 2:01.9 | 1馬身 |
- 第56回フジテレビ賞スプリングステークス GII (2007年3月18日)
着順 | 競走馬名 | 性齢 | 騎手 | タイム | 着差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | フライングアップル | 牡3 | 横山典弘 | 1.49.0 | - |
2 | マイネルシーガル | 牡3 | 後藤浩輝 | 1.49.1 | 3/4 |
3 | エーシンピーシー | 牡3 | 蛯名正義 | 1.49.2 | 1/2 |
4 | ショウワモダン | 牡3 | 勝浦正樹 | 1:49.5 | 1馬身3/4 |
5 | スクリーンヒーロー | 牡3 | 木幡初広 | 1:49.5 | クビ |
出走馬の状況と単勝人気
[編集]8番人気までの各出走馬と皐月賞で5着内に入った計10馬について、皐月賞以前の戦績をまとめる。
- アドマイヤオーラ - 1番人気。騎手は武豊。父はアグネスタキオン、母はビワハイジ。デビュー戦を1着で飾ると、報知杯中京2歳ではダイワスカーレットに次ぐ2着。2007年に初めて挑んだ重賞シンザン記念でG3初勝利を飾る。さらに、弥生賞で重賞2勝目を挙げて、皐月賞の優先出走権を確保。皐月賞出走時の戦績は、4戦3勝(うち重賞2勝)、2着1回[4]。
- フサイチホウオー - 2番人気。騎手は安藤勝己。父はジャングルポケット、母はアドマイヤサンデー。デビュー戦を1着で飾ると、東京スポーツ杯2歳ステークスで重賞初勝利。ラジオNIKKEI杯2歳S、共同通信杯も勝利で飾り、皐月賞出走時の戦績は4戦4勝(うち重賞3勝)[5]。
- ドリームジャーニー - 3番人気。騎手は蛯名正義。父はステイゴールド、母はオリエンタルアート。デビュー戦を1着で飾り、3戦目となった東京スポーツ杯2歳ステークスでは、フサイチホウオー 、フライングアップルに次ぐ3着となる。続いて挑んだ朝日杯フューチュリティSでG1初勝利を収めた。その後、弥生賞で3着に入り、滑り込みで優先出走権を確保。皐月賞出走時の戦績は5戦3勝(うちG1・1勝)、3着2回[6]。
- ココナッツパンチ - 4番人気。騎手は吉田豊。父はマンハッタンカフェ、母はココパシオン。デビュー戦を1着で飾り、続く弥生賞で2着に入って優先出走権を確保。皐月賞出走時の戦績は2戦1勝、2着1回[7]。
- ナムラマース - 5番人気。騎手は藤岡佑介。父はチーフベアハート、母はビストロドゥパリ。函館2歳新馬のデビュー戦を5着。その後、函館で未勝利戦に進むが、3戦連続で2着を取り続け、8月19日に札幌で行われた未勝利戦で初勝利。コスモス賞(OP)では騎手を藤岡に変え、2勝目。札幌2歳S(G3)で重賞初勝利を飾る。その後、騎手をペリエに変更するが、ラジオNIKKEI杯で3着、きさらぎ賞で2着と勝利には後一歩及ばなかった。藤岡に騎手を戻して挑んだ毎日杯で重賞2勝目を飾る。皐月賞出走時の戦績は、10戦4勝(うち重賞2勝)、2着4回、3着1回、掲示板1回[8]。
- アサクサキングス - 6番人気。騎手は武幸四郎。父はホワイトマズル、母はクルーピアスター。デビュー後2連勝のまま挑んだラジオNIKKEI杯は5位に沈むが、続くきさらぎ賞で重賞初勝利。皐月賞出走時の戦績は、4戦3勝(うち重賞1勝)、掲示板1回[9]。
- ヴィクトリー - 7番人気。騎手は田中勝春。父はブライアンズタイム、母はグレースアドマイヤ。デビュー戦は鞍上武豊で勝利を飾り、続くラジオNIKKEI杯で2着。騎手を岩田康誠に変更して挑んだ若葉ステークスで1着となり、皐月賞の優先出走権を手にする。皐月賞出走時の戦績は、3戦2勝、2着1回[10]。
- フライングアップル - 8番人気。騎手は横山典弘。父はRahy(外国産馬)、母はローザロバータ。デビュー戦では2着となるも、翌月の未勝利戦で1着。4戦目となる東京スポーツ杯2歳ステークスでは、アドマイヤオーラにつぐ2着となった。朝日杯フューチュリティS、共同通信杯ではそれぞれ、4着、3着と勝利から遠のいていたが、騎手を岩田から横山に変更したスプリングステークスで1着となり、重賞初勝利。皐月賞出走時の戦績は、7戦3勝(うち重賞1勝)、2着2回、3着1回、掲示板1回[11]。
- メイショウレガーロ - 11番人気。騎手は福永祐一。父はマンハッタンカフェ。母はコッコレ。9月の札幌2歳未勝利戦で初勝利を収め、京成杯2着、弥生賞4着。皐月賞出走時の戦績は、5戦2勝、2着2回、掲示板1回[12]。
- サンツェッペリン - 15番人気。騎手は松岡正海。父はテンビー、母はプラントオジジアン。10月の東京2歳未勝利で初勝利を収め、ホープフルステークスで2着。続く京成杯で2勝目、かつ重賞初勝利を挙げた。直前のスプリングステークスでは8着に沈む。皐月賞出走時の戦績は、8戦2勝(うち重賞1勝)、2着2回、掲示板1回[13]。
出走馬と枠順
[編集]枠番 | 馬番 | 競走馬名 | 性齢 | 騎手 | オッズ | 調教師 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | フサイチホウオー | 牡3 | 安藤勝己 | 3.7(2人) | 松田国英 |
2 | ローレルゲレイロ | 牡3 | 藤田伸二 | 30.7(9人) | 昆貢 | |
2 | 3 | マイネルシーガル | 牡3 | 後藤浩輝 | 67.0(12人) | 国枝栄 |
4 | ブラックシャンツェ | 牡3 | 上村洋行 | 243.2(18人) | 長浜博之 | |
3 | 5 | フェラーリピサ | 牡3 | 岩田康誠 | 94.9(14人) | 白井寿昭 |
6 | ドリームジャーニー | 牡3 | 蛯名正義 | 8.5(3人) | 池江泰寿 | |
4 | 7 | サンライズマックス | 牡3 | 池添謙一 | 79.5(13人) | 増本豊 |
8 | ナムラマース | 牡3 | 藤岡佑介 | 12.0(5人) | 福島信晴 | |
5 | 9 | サンツェッペリン | 牡3 | 松岡正海 | 100.6(15人) | 斎藤誠 |
10 | メイショウレガーロ | 牡3 | 福永祐一 | 54.0(11人) | 小島太 | |
6 | 11 | ニュービギニング | 牡3 | 四位洋文 | 46.7(10人) | 池江泰郎 |
12 | アサクサキングス | 牡3 | 武幸四郎 | 16.0(6人) | 大久保龍志 | |
7 | 13 | モチ | 牡3 | 川田将雅 | 150.1(17人) | 田中章博 |
14 | エーシンピーシー | 牡3 | 柴田善臣 | 134.9(16人) | 久保田貴士 | |
15 | アドマイヤオーラ | 牡3 | 武豊 | 2.7(1人) | 松田博資 | |
8 | 16 | フライングアップル | 牡3 | 横山典弘 | 19.4(8人) | 藤沢和雄 |
17 | ヴィクトリー | 牡3 | 田中勝春 | 17.3(7人) | 音無秀孝 | |
18 | ココナッツパンチ | 牡3 | 吉田豊 | 10.2(4人) | 大久保洋吉 |
レース展開
[編集]中山競馬場の天気は晴れ、馬場コンディションは良馬場でレースが進められた。
逃げ宣言をしていたサンツェッペリンがまず先頭に立ち、アドマイヤオーラとフサイチホウオーが1コーナーを14番手前後で回り、ドリームジャーニーがこの両馬を見る位置で、2コーナーでヴィクトリーが先頭に並び、前半の1000メートル通過が59秒4とハイペースになった。アドマイヤオーラは後方を、フサイチホウオーは中団を行っていた。人気馬同士の牽制で他の馬が後方を気にしている間に、先行した2頭が3番手以下に10馬身ほど引き離し、決してペースが遅くはなかったのが、このリードが最後に大きかった。第4コーナーを回って最後の直線、サンツェッペリンに抜かれたかに見えたヴィクトリーがもう一度差し返す、そしてサンツェッペリンとヴィクトリーにフサイチホウオーが猛然と追い込んで3頭並んでゴール。写真判定の末、最内にいたヴィクトリーが制した[14][15]。
着順と払戻金
[編集]レース着順
[編集]着順 | 枠番 | 馬番 | 競走馬名 | タイム | 着差 | 騎手 | 人気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 8 | 17 | ヴィクトリー | 1:59.9 | - | 田中勝春 | 7 |
2 | 5 | 9 | サンツェッペリン | 1:59.9 | ハナ | 松岡正海 | 15 |
3 | 1 | 1 | フサイチホウオー | 1:59.9 | ハナ | 安藤勝己 | 2 |
4 | 7 | 15 | アドマイヤオーラ | 2:00.1 | 1 1/2 | 武豊 | 1 |
5 | 5 | 10 | メイショウレガーロ | 2:00.2 | 1/2 | 福永祐一 | 11 |
6 | 1 | 2 | ローレルゲレイロ | 2:00.2 | クビ | 藤田伸二 | 9 |
7 | 6 | 12 | アサクサキングス | 2:00.4 | 1 | 武幸四郎 | 6 |
8 | 3 | 6 | ドリームジャーニー | 2:00.5 | クビ | 蛯名正義 | 3 |
9 | 8 | 18 | ココナッツパンチ | 2:00.5 | クビ | 吉田豊 | 4 |
10 | 2 | 3 | マイネルシーガル | 2:00.6 | 1/2 | 後藤浩輝 | 12 |
11 | 4 | 8 | ナムラマース | 2:00.8 | 1 1/4 | 藤岡佑介 | 5 |
12 | 8 | 16 | フライングアップル | 2:01.0 | 1 1/2 | 横山典弘 | 8 |
13 | 4 | 7 | サンライズマックス | 2:01.1 | 1/2 | 池添謙一 | 13 |
14 | 2 | 4 | ブラックシャンツェ | 2:01.2 | 1/2 | 上村洋行 | 18 |
15 | 6 | 11 | ニュービギニング | 2:01.3 | 1/2 | 四位洋文 | 10 |
16 | 3 | 5 | フェラーリピサ | 2:01.3 | ハナ | 岩田康誠 | 14 |
17 | 7 | 13 | モチ | 2:01.8 | 3 | 川田将雅 | 17 |
18 | 7 | 14 | エーシンピーシー | 2:02.1 | 2 | 柴田善臣 | 16 |
データ
[編集]ハロンタイム | 12.2 - 11.2 - 12.1 - 11.6 - 12.3 - 12.3 - 12.3 - 11.6 - 12.0 - 12.3 |
1000m通過タイム | 59.4秒(ヴィクトリー) |
上がり4ハロン | 48.2秒 |
上がり3ハロン | 35.9秒 |
払戻金
[編集]単勝式 | 17 | 1,730円 |
複勝式 | 17 | 590円 |
9 | 2,110円 | |
1 | 190円 | |
枠連 | 5-8 | 6,360円 |
馬連 | 9-17 | 94,630円 |
ワイド | 9-17 | 20,070円 |
1-17 | 1,190円 | |
1-9 | 8,230円 | |
馬単 | 17-9 | 178,340円 |
3連複 | 1-9-17 | 205,370円 |
3連単 | 17-9-1 | 1,623,250円 |
払戻金は、馬連・馬単・ワイド・三連複・三連単は皐月賞史上最高額となった。
レースの記録
[編集]- 優勝馬ヴィクトリー。音無秀孝調教師と田中勝春騎手はともに初勝利。同馬はその後12連敗して1勝も出来なかった。
- 田中勝春騎手はヤマニンゼファーで勝った1992年安田記念以来、G1/Jpn1連敗記録(139敗)を更新中だった[16]。しかし、ヴィクトリーの勝利で連敗はストップし、15年ぶりの中央競馬のGI/JpnI制覇となった[15]。(それ以前にGI競走は全日本2歳優駿(地方競馬・川崎)で勝利している)
- 6着ローレルゲレイロ。翌々年高松宮記念、スプリンターズステークスを制した[17]。
- 7着アサクサキングス。この後、日本ダービー2着で秋の菊花賞を制す[18]。
- 8着ドリームジャーニー。翌々年宝塚記念と有馬記念を制す[19]。三冠馬オルフェーヴルの兄。
- 外国産馬の出走枠が6頭に拡大。
- 国際セリ名簿基準委員会(ICSC)の勧告によりJpn1に重賞格付けを変更[20]。2010年にG1に戻る。
テレビ・ラジオ中継
[編集]出典
[編集]- ^ a b “報知杯弥生賞|2007年3月4日”. 競馬データベース. 2022年1月10日閲覧。
- ^ “若葉ステークス|2007年3月17日”. 競馬データベース. 2022年1月10日閲覧。
- ^ a b “フジTVスプリングS|2007年3月18日”. 競馬データベース. 2022年1月10日閲覧。
- ^ “アドマイヤオーラの競走成績 | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2022年1月10日閲覧。
- ^ “フサイチホウオー | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2022年1月10日閲覧。
- ^ “ドリームジャーニー | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2022年1月10日閲覧。
- ^ “ココナッツパンチ | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2022年1月10日閲覧。
- ^ “ナムラマース | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2022年1月10日閲覧。
- ^ “アサクサキングス | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2022年1月10日閲覧。
- ^ “ヴィクトリー | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2022年1月10日閲覧。
- ^ “フライングアップル | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2022年1月10日閲覧。
- ^ “メイショウレガーロ | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2022年1月10日閲覧。
- ^ “サンツェッペリン | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2022年1月10日閲覧。
- ^ 「優駿」2010年4月号 25P 皐月賞・桜花賞プレビュー。
- ^ a b “JRAホームページ|データファイル|競走成績データ”. JRA. 2022年1月10日閲覧。
- ^ “競馬・皐月賞15日 勝春、G1連敗139でストップ 鼻差でヴィクトリーV”. 読売新聞 東京朝刊: p. 23. (2007年4月16日)
- ^ “ローレルゲレイロ引退/JRA”. 読売新聞 東京朝刊: p. 25. (2010年10月15日)
- ^ “競馬・菊花賞21日 アサクサキングス制す”. 読売新聞 東京朝刊: p. 21. (2007年10月22日)
- ^ “ドリームジャーニー引退/JRA ”. 読売新聞 大阪朝刊: p. 13. (2011年7月1日)
- ^ “G1レースの一部Jpn1に改称へ ダービーや皐月賞など/JRA”. 読売新聞 東京朝刊: p. 24. (2007年3月24日)