ピースオブワールド
ピースオブワールド | |||||||||
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欧字表記 | Peace of World[1] | ||||||||
品種 | サラブレッド[1] | ||||||||
性別 | 牝[1] | ||||||||
毛色 | 鹿毛[1] | ||||||||
生誕 | 2000年2月18日(24歳)[1] | ||||||||
抹消日 | 2004年3月19日[2] | ||||||||
父 | サンデーサイレンス[1] | ||||||||
母 | ビバムール[1] | ||||||||
母の父 | Caerleon[1] | ||||||||
生国 | 日本(北海道静内町)[1] | ||||||||
生産者 | 千代田牧場[1] | ||||||||
馬主 | 飯田正[1] | ||||||||
調教師 | 坂口正大(栗東)[1] | ||||||||
競走成績 | |||||||||
タイトル | JRA賞最優秀2歳牝馬(2002年)[1] | ||||||||
生涯成績 | 10戦4勝[1] | ||||||||
獲得賞金 | 1億4600万0000円[1] | ||||||||
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ピースオブワールド(欧字名:Peace of World、2000年2月18日 - )は、日本の競走馬、繁殖牝馬[1]。
2002年の阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)とファンタジーステークス(GIII)を含む4戦4勝の成績を挙げ、JRA賞最優秀2歳牝馬に選出された。
経歴
デビュー前
2000年2月18日、千代田牧場にて生まれる。英語で「世界の平和」を意味する「ピースオブワールド」と名付けられたが、これは馬主の飯田正がセリで渡米していた時に、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件を経験したことによる命名で、管理した坂口正大調教師の人柄にも掛け合わされているという[3]。
2歳時
デビュー戦は2002年10月5日、タイキシャトルの近親という血統背景もあり京都ダートの新馬戦で圧倒的1番人気に推され、人気どおりに逃げ切り圧勝した[3]。中1週で出走したかえで賞はエースインザレースと人気を分け合ったものの1番人気は譲らず、レースも2馬身差で快勝し連勝[3]。重賞初挑戦となったファンタジーステークスもまた前走と同じく中1週での出走となったが3戦連続で圧倒的1番人気に推されシーイズトウショウ以下に完勝[3]。無敗で迎えた阪神ジュベナイルフィリーズ。ここでも単勝1.5倍という圧倒的1番人気に推された[3]。これまでと違い中団からの競馬という展開になったものの、外々を回りながらも先行勢をまとめて差し切った上に突き放して4連勝でGIを制覇[3]。文句無しの満票でJRA賞最優秀2歳牝馬に選ばれた。
3歳時
明け3歳。桜花賞の大本命といわれていたが2月の調教中に骨折。桜花賞には間に合わず、骨折明けで出走した優駿牝馬では2歳時の強さを信じたファンの後押しもあり良血アドマイヤグルーヴ、桜花賞馬スティルインラブに続く3番人気に推されたものの、13着に終わる。
休養を挟んで迎えた秋、ローズステークスでは再びアドマイヤグルーヴ、スティルインラブと直接対決し、スティルインラブにこそ先着したが4着に終わる。本番秋華賞でもローズステークス同様アドマイヤグルーヴ、スティルインラブに続く3番人気。小差の4着には敗れはしたものの能力の高さは示すことができた。その後は距離的な問題からエリザベス女王杯を回避し、阪神牝馬ステークスに出走したがファインモーションとハッピーパスを捕らえきれず3着に終わった。
4歳時
京都牝馬ステークス、中山牝馬ステークスに出走するも両レースとも1番人気で惨敗。母ビバムールが急逝したこともあり、中山牝馬ステークス翌日に引退した。
引退後
引退後は、故郷の千代田牧場で繁殖入り、初年度は流産だったが、2006年にキングカメハメハの牝馬を出産した。8番仔はカタールレーシングに購買されてプロミスオブピース(Promise of Peace)と命名されドイツで走り、2017年のドイチェスダービーでは12番人気ながら5着に入線している[4][5]。9番仔も2015年のセレクトセールでゲイ・ウォーターハウス・レーシングに3300万円で落札され[6]、ウルフィー(Wolfe)と命名されてオーストラリアで競走生活を送っている[7]。
2021年1月1日付で用途変更となり繁殖を引退[8]。これ以降も千代田牧場で繋養されている[9]。
競走成績
以下の内容はnetkeiba.comの情報[10]に基づく。
競走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離(馬場) | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 | タイム (上がり3F) |
着差 | 騎手 | 斤量 [kg] |
1着馬(2着馬) | 馬体重 [kg] |
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2002.10. 5 | 京都 | 2歳新馬 | ダ1400m(良) | 12 | 1 | 1 | 1.2 (1人) | 1着 | 1:27.7(38.8) | -1.0 | 福永祐一 | 53 | (ピサノボニータ) | 498 | |
10.20 | 京都 | かえで賞 | 500万下 | 芝1400m(良) | 10 | 1 | 1 | 2.0 (1人) | 1着 | 1:21.5(34.3) | -0.3 | 福永祐一 | 53 | (エースインザレース) | 500 |
11. 3 | 京都 | ファンタジーS | GIII | 芝1400m(良) | 12 | 8 | 11 | 1.4 (1人) | 1着 | 1:22.2(34.5) | -0.2 | 福永祐一 | 54 | (シーイズトウショウ) | 496 |
12. 1 | 阪神 | 阪神JF | GI | 芝1600m(良) | 18 | 3 | 5 | 1.5 (1人) | 1着 | 1:34.7(35.2) | -0.2 | 福永祐一 | 54 | (ヤマカツリリー) | 492 |
2003. 5.25 | 東京 | 優駿牝馬 | GI | 芝2400m(良) | 17 | 2 | 4 | 10.1 (3人) | 13着 | 2:28.6(34.3) | 1.1 | 福永祐一 | 55 | スティルインラブ | 488 |
9.21 | 阪神 | ローズS | GII | 芝2000m(良) | 12 | 6 | 8 | 7.0 (3人) | 4着 | 2:02.0(34.9) | 0.5 | 福永祐一 | 54 | アドマイヤグルーヴ | 478 |
10.19 | 京都 | 秋華賞 | GI | 芝2000m(良) | 18 | 1 | 2 | 11.8 (3人) | 4着 | 1:59.3(35.2) | 1.2 | 福永祐一 | 55 | スティルインラブ | 482 |
12.21 | 阪神 | 阪神牝馬S | GII | 芝1600m(良) | 16 | 3 | 6 | 5.7 (2人) | 3着 | 1:34.5(33.6) | 0.2 | 福永祐一 | 54 | ファインモーション | 498 |
2004. 2. 1 | 京都 | 京都牝馬S | GIII | 芝1600m(良) | 16 | 2 | 3 | 2.0 (1人) | 6着 | 1:34.5(35.2) | 0.4 | 福永祐一 | 55 | チアズメッセージ | 496 |
3.13 | 中山 | 中山牝馬S | GIII | 芝1800m(良) | 16 | 4 | 8 | 3.3 (1人) | 12着 | 1:47.3(35.3) | 1.2 | 福永祐一 | 54 | オースミコスモ | 490 |
繁殖成績
生年 | 馬名 | 性 | 毛色 | 父 | 馬主 | 管理調教師 | 戦績 | 主な勝利競走 | 供用 | 出典 | |
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初仔 | 2006年 | ラブアンドピース | 牝 | 黒鹿毛 | キングカメハメハ | 飯田正剛 | 栗東・坂口正大 | 1戦0勝 | 繁殖牝馬 | [11] | |
2番仔 | 2007年 | オッドアイビーナス | 牝 | 芦毛 | クロフネ | 不出走 | 繁殖牝馬 | [12] | |||
3番仔 | 2008年 | サトノピースピース | 牡 | 青鹿毛 | ブライアンズタイム | 里見治 →和田博美 |
美浦・国枝栄 →名古屋・荒巻透 |
14戦2勝 | 乗馬 | [13] | |
4番仔 | 2009年 | サトノフロンティア | 牡 | 栗毛 | 里見治 →飯田正剛 |
美浦・国枝栄 →大井・井上弘之 |
3戦0勝 | 乗馬 | [14] | ||
5番仔 | 2010年 | モーニングコール | 牝 | 鹿毛 | 飯田正剛 | 栗東・角田晃一 | 29戦3勝 | 繁殖牝馬 | [15] | ||
6番仔 | 2011年 | ビバワールド | 牡→騸 | 鹿毛 | キングカメハメハ | 窪田康志 | 栗東・浜田多実雄 | 12戦1勝 | 乗馬 | [16] | |
7番仔 | 2013年 | ビバパーチェ | 牝 | 黒鹿毛 | エンパイアメーカー | 飯田政子 | 栗東・角居勝彦 | 3戦0勝 | 繁殖牝馬 | [17] | |
8番仔 | 2014年 | Promise of Peace | 牡 | 栗毛 | キングカメハメハ | Qatar Racing Limited →Mr T. G. Leslie |
ドイツ・Andreas Wohler →ドイツ・Donald McCain |
20戦2勝 | [18][4] | ||
9番仔 | 2015年 | Wolfe | 騸 | 栗毛 | ノヴェリスト | Ms K Waterhouse他[注釈 1] | 豪州・Gai Waterhouse & Adrian Bott | 18戦6勝 | 豪G3クーンジーカップ | [19][6][20][21] | |
10番仔 | 2016年 | タイムレスワールド | 牡→騸 | 黒鹿毛 | 飯田正剛 →鈴木雅俊 |
美浦・武市康男 →水沢・鈴木七郎 |
6戦0勝(うち地方3戦0勝) | [22] | |||
11番仔 | 2017年 | ピースボヌール | 牡→騸 | 鹿毛 | ルーラーシップ | (株)スリーエイチレーシング
→楊明翰 |
美浦・斎藤誠→佐賀・井樋明正 | 26戦1勝 | (現役競走馬) | [23] | |
2018年 | 種付けせず | ||||||||||
12番仔 | 2019年 | インコントラーレ | 牡 | 黒鹿毛 | マクフィ | 高瀬正志 | 美浦・菊沢隆徳 | 3戦1勝 | (現役競走馬) | [24] | |
2020年 | (不受胎) | ビーチパトロール | |||||||||
2021年 | (不受胎) | ビーチパトロール |
- 2022年12月22日現在
血統表
ピースオブワールドの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | サンデーサイレンス系/ヘイロー系 |
[§ 2] | ||
父 *サンデーサイレンス Sunday Silence 1986 青鹿毛 |
父の父 Halo1969 黒鹿毛 |
Hail to Reason | Turn-to | |
Nothirdchance | ||||
Cosmah | Cosmic Bomb | |||
Almahmoud | ||||
父の母 Wishing Well1975 鹿毛 |
Understanding | Promised Land | ||
Pretty Ways | ||||
Mountain Flower | Montparnasse | |||
Edelweiss | ||||
母 *ビバムール Vivante Meule 1992 栗毛 |
Caerleon 1980 鹿毛 |
Nijinsky | Northern Dancer | |
Flaming Page | ||||
Foreseer | Round Table | |||
Regal Gleam | ||||
母の母 Muffitys1982 鹿毛 |
Thatch | Forli | ||
Thong | ||||
Contrail | Roan Rocket | |||
Azurine | ||||
母系(F-No.) | ビバムール(IRE)系(FN:4-d) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Hail to Reason 3×5 | [§ 4] | ||
出典 |
母のビバムールは、タイキシャトルの母ウェルシュマフィンの全妹である。中央競馬で走り、通算12戦2勝。
脚注
注釈
- ^ Ms K Waterhouse, Mt Hallowell Stud Mgr: C G Thompson), Musk Creek Farm P/L (Mgr: D H Kobritz), D Healey, J W L Tan, B A Stracey, A R Company (Mgr: A T Roberts, Mrs P J Ferguson, J B Bongiorno, Mrs P T Gorman, S D Gorman & D W Lilley
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p “ピースオブワールド”. JBISサーチ. 2022年9月28日閲覧。
- ^ “ピースオブワールド競走馬登録抹消”. ラジオNIKKEI. 2022年4月16日閲覧。
- ^ a b c d e f “【阪神JF】断然人気に応え続けたピースオブワールド/2歳女王列伝”. netkeiba.com. Net Dreamers Co., Ltd.. 2018年12月10日閲覧。
- ^ a b “Horse Form - Promise of Peace(JPN)”. Racing UK. Racing UK. 2018年9月29日閲覧。
- ^ 「【独GI】ウインド、ドイツダービーVでGI初制覇」『サンケイスポーツ』産経新聞社、2017年7月4日。2018年9月29日閲覧。
- ^ a b “ピースオブワールドの仔が3300万円で落札/セレクトセール速報”. netkeiba.com. Net Dreamers Co., Ltd.. 2018年9月29日閲覧。
- ^ “【豪州競馬】メルボルンC前哨戦はサプライジングベイビーが制覇「出走馬を送る事は一生の宝に」”. netkeiba.com. Net Dreamers Co., Ltd. (2019年10月5日). 2019年10月5日閲覧。
- ^ ピースオブワールド(JPN) - 血統書サービス、2022年9月28日閲覧。
- ^ ピースオブワールド | 馬・牧場・施設検索 - 競走馬のふるさと案内所、2022年9月28日閲覧。
- ^ “ピースオブワールド”. netkeiba.com. 2018年10月2日閲覧。
- ^ “ラブアンドピース”. JBISサーチ. 2018年9月29日閲覧。
- ^ “オッドアイビーナス”. JBISサーチ. 2018年9月29日閲覧。
- ^ “サトノピースピース”. JBISサーチ. 2018年9月29日閲覧。
- ^ “サトノフロンティア”. JBISサーチ. 2018年9月29日閲覧。
- ^ “モーニングコール”. JBISサーチ. 2018年9月29日閲覧。
- ^ “ビバワールド”. JBISサーチ. 2018年9月29日閲覧。
- ^ “ビバパーチェ”. JBISサーチ. 2018年9月29日閲覧。
- ^ “Promise of Peace”. JBISサーチ. 2018年9月29日閲覧。
- ^ “Wolfe”. JBISサーチ. 2018年9月29日閲覧。
- ^ “Wolfe (JPN)”. Racing com.. 2019年10月5日閲覧。
- ^ “Wolfe Horse Profile”. racenet. 2019年10月5日閲覧。
- ^ “タイムレスワールド”. JBISサーチ. 2019年10月5日閲覧。
- ^ “ピースボヌール”. JBISサーチ. 2019年10月5日閲覧。
- ^ “インコントラーレ”. JBISサーチ. 2021年9月9日閲覧。
- ^ a b c “ピースオブワールド 血統情報:5代血統表”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年10月5日閲覧。
- ^ “ピースオブワールドの繁殖牝馬情報”. 競馬ラボ. 2021年11月6日閲覧。
- ^ a b “ピースオブワールドの血統表”. netkeiba.com. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年10月5日閲覧。
外部リンク
- 競走馬成績と情報 netkeiba、スポーツナビ、JBISサーチ、Racing Post
- ピースオブワールド - 競走馬のふるさと案内所