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「京急1000形電車 (2代)」の版間の差分

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{{pp-vd|small=y}}
{{鉄道車両
{{鉄道車両
|車両名=京急1000形電車(2代)
| 車両名 = 京急1000形電車(2代)
|色=#CC1144
| 背景 = #CC1144
| 文字色 = #FFFFFF
|画像=Keikyun1000-kzb-kzh.jpg
| 画像 = Keikyu-Main-Line Type1000-355 445.jpg
|画像説明=京急1000形電車(2代)<br/>(2007年7月5日 / 金沢文庫 - 金沢八景)
| 画像説明 = 京急1000形電車<br/>(ステンレス車1355・アルミ車1445)
|編成=4両・6両・8両編成
| 運用者 = [[京浜急行電鉄]]
|起動加速度=3.5
| 製造所 = [[東急車輛製造]]→[[総合車両製作所]]横浜事業所<ref name="DJ342p124"/><br/>[[川崎重工業]]→[[川崎車両]]
|営業最高速度=120
| 製造年 = 2002年 -
|設計最高速度=130
| 製造数 = 486両<ref group="注釈">2019年9月の踏切事故で廃車になった1137編成8両を含む</ref>
|減速度(常用最大)=4.0
| 運用開始 = 2002年4月15日
|減速度(非常)=4.5
|編成定員=
| 編成 = 4・6・8両編成
| 軌間 = 1,435 mm([[標準軌]])
|車両定員=・1 - 5次車:座席の「+」は補助座席使用時<br/>先頭車122(座席41+4)人<br/>中間車130(座席48+8)人<br/>・6次車以降<br/>先頭車119(座席39)人<br/>中間車130(座席52)人
| 電気方式 = [[直流電化|直流]]1,500 [[ボルト (単位)|V]]([[架空電車線]]方式)
|全長=18,000<!-- 各項目のカンマは消さないこと -->
| 最高運転速度 = 120 km/h<ref name="RF493p75"/>
|全幅=2,780<!-- 車体基準幅 -->
| 設計最高速度 = 130 km/h<ref name="RP717p101"/><ref name="RP791p148"/>
|全高=4026.5mm<br/>パンタグラフ付き車両:4,050
| 起動加速度 = 3.5&nbsp;km/h/s<ref name="RP791p148"/><ref name="N1000 KeikyuA"/><ref name="giho119"/><ref group="注釈">[[#鉄道ピクトリアル717|鉄道ピクトリアル通巻717号 p101]]、[[#鉄道ファン493|鉄道ファン通巻493号 p75]]に記載の諸元表には0.917&nbsp;m/s/s (3.3&nbsp;km/h/s) と記載されているが、京急のサイトの記載などと異なるため、誤植の可能性がある</ref>
|編成重量=
| 常用減速度 = 4.0&nbsp;km/h/s<ref name="RP717p101"/><ref name="RP791p148"/>
|車両重量=本文参照
| 非常減速度 = 4.5&nbsp;km/h/s<ref name="RP717p101"/><ref name="RP791p148"/>
|軌間=1,435
| 車両定員 = 1 - 5次車<ref name="RP717p101"/>:座席の「+」は補助座席使用時<br/>先頭車122(座席41+4)人<br/>中間車130(座席48+8)人<br/>6 - 9次車<ref name="RP791p148"/><br/>先頭車119(座席39)人<br/>中間車130(座席52)人<br/>10 - 15次車<ref name="Train2018-0">エリエイ「とれいん」2018年1月号MODELERS FILE「京浜急行電鉄新1000形電車ステンレス鋼製グループ」折り込みページ。</ref><br/>先頭車118(座席39)人<br/>中間車129(座席52)人<br/>16次車以降<ref name="Train2018-0"/><br/>先頭車116(座席38+2)人<br/>中間車126(座席50+4)人<br />20次車<ref name="toyokeizai20210417" /><br />先頭車101人<br />中間車107・111人
|電気方式=[[直流電化|直流]]1,500V([[架空電車線]]方式)
| 自重 = 本文参照
|モーター出力=1 - 5次車:190kW(連続定格)<br/>ただし、3次車以降は出力を125kW相当に抑えている。<!-- 性能欄参照 --><br/>6次車以降:155kW(1時間定格)
| 全長 = 18,000 mm<ref name="RP717p101"/><ref name="RP791p148"/><!-- 各項目のカンマは消さないこと -->
|主電動機=[[かご形三相誘導電動機]]
| 全幅 =
|歯車比=83:14 (5.93)
| 全高 = 4,026.5 mm<ref name="RP717p101"/><ref name="RP791p148"/><br/>4,050 mm(パンタグラフ付き車両)<ref name="RP717p101"/><ref name="RP791p148"/>
|駆動装置=[[TD平行カルダン駆動方式|TD継手式平行カルダン]]
| 車体長 =
|台車=円筒案内支持方式[[空気バネ]]台車<br/>TH-2100A形・TH-2100B形
| 車体幅 = 2,830 mm(1 - 5次車)<ref name="RP717p101"/><ref name="年鑑2004諸元"/><br/>6次車以降2,791.8<ref name="RP791p148"/><!-- 車体幅 -->
|制御装置=[[ゲートターンオフサイリスタ|GTO]]または[[絶縁ゲートバイポーラトランジスタ|IGBT]][[半導体素子|素子]]による<br/>[[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ制御]]
| 車体高 =
|ブレーキ方式=[[回生ブレーキ]]併用[[電気指令式ブレーキ|電気指令式空気ブレーキ]]([[応荷重装置]]、増圧ブレーキ付)
| 車体 = 1 - 5次車 [[アルミニウム合金]]<br/>6次車以降 [[ステンレス鋼|ステンレス]]
|保安装置=[[自動列車停止装置#C-ATS|C-ATS]]
| 台車 = 円筒案内支持方式[[空気ばね]]台車<br/>TH-2100A形・TH-2100B形<ref name="RP717p101"/><ref name="RP791p148"/>
|製造メーカー=[[東急車輛製造]]・[[川崎重工業車両カンパニー|川崎重工業]]
| 主電動機 = [[かご形三相誘導電動機]]<ref name="RP717p102"/><br/>1- 19次車 自己通風式<br/>20次車以降 全閉外扇方式<br />[[永久磁石同期電動機]](一部編成)| 主電動機出力 = 1 - 5・20次車:190 [[ワット|kW]]<ref name="RP717p101"/>(連続定格)<ref name="佐藤2003p151"/><br/>ただし、3 - 5次車(シーメンスIGBT車)は出力を抑えている<ref name="年鑑2005p135"/>。<br/>6 - 19次車:155 kW(1時間定格)<ref name="RP791p148"/>(一部除く)
|備考=
| 駆動方式 = [[TD平行カルダン駆動方式|TD継手式平行カルダン]]<ref name="RP717p101"/><ref name="RP791p148"/>
| 歯車比 = 83:14 (5.93)<ref name="RP791p148"/><ref name="年鑑2004諸元"/>
| 制御方式 = [[ゲートターンオフサイリスタ|GTO]]<ref name="RF493p75"/>または[[絶縁ゲートバイポーラトランジスタ|IGBT]]<ref name="年鑑2005p134"/>または[[パワーMOSFET|MOSFET]][[半導体素子|素子]]による<br/>[[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ制御]]<ref name="RF493p75"/>
| 制御装置 =
| 制動装置 = [[応荷重装置]]付[[回生ブレーキ]]併用[[電気指令式ブレーキ|電気指令式空気ブレーキ]]<ref name="RP717p101"/><ref name="RP791p148"/>
| 保安装置 = [[自動列車停止装置#1号型ATS|1号型ATS]]<ref name="RP717p101"/>、[[自動列車停止装置#C-ATS|C-ATS]]<ref name="RP791p148"/>
| 備考 =
| 備考全幅 = {{ブルーリボン賞 (鉄道)|65|2022}}{{right|※受賞車両は[[#20・21次車『Le Ciel』|1890番台]]}}
}}
}}
'''京急1000形電車'''(けいきゅう1000がたでんしゃ)は、[[2002年]]([[平成]]14年)[[4月15日]]に営業運転を開始した[[京浜急行電鉄]]の[[通勤形電車]]。
'''京急1000形電車'''(けいきゅう1000がたでんしゃ)は、[[2002年]]([[平成]]14年)[[4月15日]]に営業運転を開始した<ref name="RM226p138"/>、[[京浜急行電鉄]](京急)の[[通勤形車両 (鉄道)|通勤形電車]]。


[[2010年]](平成22年)6月28日までは[[1959年]]([[昭和]]34年)登場の[[京急1000形電車 (初代)|初代1000形]]と同時に営業運転に使用されており、区別のため本形式は'''新1000形'''と呼称される<ref><!-- 京浜急行監修で公式情報 -->[http://www.keikyu.co.jp/about/train/index.html 公式サイト内両図鑑]において記載されている</ref>。
[[1959年]]([[昭和]]34年)登場の[[京急1000形電車 (初代)|初代1000形]]と同時に営業運転に使用された期間があり、区別のため本形式は'''新1000形'''と呼称されており、初代1000形の引退後も「新1000形」と呼称されることが多い<ref group="注釈" >{{Cite web|和書|url=https://www.keikyu.co.jp/ride/train/|accessdate=2020-07-24|publisher=京浜急行電鉄|title=京急の電紹介}}など、多数の資料で「新1000形」と紹介されている。</ref>。なお、京急電鉄社内では初代1000形の引退後である[[2011年]]4月ごろ「新1000形の呼称ではなく、1000形の呼称を使う旨」の通達が出されているほか<ref name="ディテールp4"/>、初代1000形が引退してから時間が経過し、2021年頃から表記も順次「新」の付かない1000形に改められつつある<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.tetsudo.com/report/427/|accessdate=2023-11-05|publisher=鉄道コム|title=京急の1000形はいつから「新1000形」ではなくなった? 京急に聞くその理由}}</ref>。

本項では、特記のない限り、各種文献に倣い、[[京急本線]]上で南側を「[[浦賀駅|浦賀]]寄り」または「浦賀方」、北側を「[[品川駅|品川]]寄り」または「品川方」、東側を「海側」、西側を「山側」と表記する。編成番号は浦賀方先頭車の車両番号で表記する。また、「新1000形」は本形式、「1000形」は[[1959年]](昭和34年)登場の[[京急1000形電車 (初代)|1000形(初代)]]、「700形」は[[1967年]](昭和42年)登場の[[京急700形電車 (2代)|700形(2代)]]、「600形」は[[1994年]](平成6年)登場の[[京急600形電車 (3代)|600形(3代)]]を指すものとする。文中の編成表では左側を浦賀方とする。また、本形式についてはアルミ合金製車体の編成群(1 - 5次車)を'''「アルミ車両」'''、ステンレス製車体の編成群(6次車以降)を'''「ステンレス車両」'''と表記する。


== 概要 ==
== 概要 ==
本形式は老朽化した[[京急1000形電車 (初代)|1000形]]と[[京急700形電車 (2代)|700形]]の置き換え用として[[京急2100形電車|2100形]]の車体や主要機器をベースとした新形式の車両として製造された。設計にあたっては快適性の向上、環境への配慮、[[省エネルギー]]化、保守の低減などを目指したものとした<ref>鉄道ファン2002年5月号新車ガイド「京浜急行電鉄新1000形」参照。</ref>。[[概念|コンセプト]]は「人に優しい新1000形」であると京急の駅や車内に[[広告]]が掲示されている
初代1000形と[[京急700形電車 (2代)|700形]]の置き換え用として[[京急2100形電車|2100形]]の車体や主要機器をベースとして設計され<ref name="RP717p98" />、快適性の向上、環境への配慮、[[省エネルギー]]化、保守の低減などを目指した<ref name="RP717p98" />。


[[鉄道車両の座席|座席]]は1 - 5、16次車以降では客用扉間にはロングシートを、車端部にはクロスシート<ref group="注釈">16次車は通路の片側のみ</ref>を採用した<ref name="RP717p99" />が、6 - 15次車では車端部も全てロングシートとなった<ref name="RP791p146" />。製造時期によって各種設計変更が行われており、2007年導入分からは車体の材質や制御機器が変更される<ref name="RP791p146" />等、その内容は非常に多岐にわたることが特筆される。
車体全長18m、片側3扉構造を採用し、[[都営地下鉄]][[都営地下鉄浅草線|浅草線]]への[[直通運転|乗り入れ]]規格(「1号線直通車両規格」)に基づいた車両である。外観[[デザイン]]は[[京急600形電車 (3代) |600形]]や2100形の三次元曲面を踏襲した形状とし、正面向かって左端には[[非常口|非常用]]の[[プラグドア]]を設置した。


[[鉄道の車両番号|車両番号]]は、1 - 19次車では[[浦賀駅|浦賀]]寄りから連番とされた。8両編成は百の位を0として1001から<ref name="RP717p101"/>、6両編成は当初百の位を3として1301から<ref name="DJ330p122"/>、2016年(平成28年)度製造の16次車以降は百の位を6として1601から<ref name="rf20161027"/>、4両編成は百の位を当初4として1401から<ref name="RF493p71"/>、2015年(平成27年)度製造の15次車以降は百の位を8として1801から<ref name="Keikyu20151222"/>付番されている。<br/>20次車以降では表記にハイフンが用いられるようになり、編成番号の後にハイフン以下一桁で浦賀方から編成内の順位を表すように付番されるようになった。4両編成では2021年(令和3年)度製造の20次車以降に1891-1から<ref name="Keikyu20210120"/>、6両編成では2023年(令和5年)度製造の22次車以降に1501-1から付番されている。各製造時の車両番号は製造時のバリエーションを参照のこと。
[[鉄道の車両番号|車両番号]]は、車種にかかわらず8両編成が[[浦賀駅|浦賀]]寄りからデハ1001-サハ1002-サハ1003-デハ1004-デハ1005-サハ1006-サハ1007-デハ1008とされ、第2編成は1009 - 1016、第3編成は1017 - 1024といった編成を通した連番で付番されている。4両編成については、百の位を4として、1401 - 1404、1405 - 1408、1409 - 1412、6両編成は、百の位を3として、1301 - 1306、1307 - 1312、といった8両編成と同様の連番で付番されている。また、正面には車両番号の下3桁がプラグドアに表示されている。


車両の略号は4両編成が「4V」、6両編成が「6V」8両編成が「8V」あるが、停駅予報装置を装備する8編成は「8VF」となる<ref>京浜急行電鉄製作の車運用表より。</ref>。
[[2016年]]3月31日現在、8両編成22本(176両)、6両編成12本(72両)4両編成25本(100両)の計59本・348両在籍し、京急最大車両数の形式る<ref name="数"/>。

製造時期により外観や材質、各部の構造、主要機器などが大きく異なる。最も大きな違いは車体の素材で、1 - 5次車は[[アルミニウム合金]]、6次車以降は[[ステンレス鋼]]を使用している。本項では、アルミ合金製でシーメンス社製の制御装置を搭載する編成群を'''「アルミ車両(1 - 5次車)」'''、ステンレス製で日本国内製の制御装置を搭載する編成群を'''「ステンレス車両(6次車以降)」'''として記述する。


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ファイル:Keikyu-N1000-ALcar.jpg|アルミ車の外観
ファイル:Keikyu-N1000-ALcar.jpg|アルミ車の外観
ファイル:Keikyu-N1000-SUScar.jpg|ステンレス車の外観
ファイル:Keikyu-N1000-SUScar.jpg|ステンレス車の外観
ファイル:Keikyu series 1000-sus 16 tdr.jpg|ステンレス車体・ラッピング車の外観
ファイル:ステンレス 前面塗装車両の外観.png|ステンレス車体・全塗装車の外観
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本形式は京急で最多の車両数を誇り、[[2010年]]度投入分(28両予定)で、8両編成18本(144両)と4両編成23本(92両)の計41本・236両となっているが、今後、新たに6両編成が製造され更に数を増やす見込みである。
[[鉄道車両の座席|座席]]は1 - 5次車では客用扉間にはロングシートを、車端部にはクロスシートを採用したが、6次車以降は車端部もロングシートとされた。[[バリアフリー]]対策として各先頭車に[[車椅子スペース]]を配置し、同スペースには安全手すりと[[車内非常通報装置|非常通報装置]]を備えている。


== アルミ車両 ==
車内ドア上部には旅客への[[発光ダイオード|LED]]を使用した文字[[スクロール]]表示式の[[車内案内表示装置|車内案内表示器]]を設置する。ただし、2010年度製の10次車の案内表示器は[[液晶ディスプレイ|液晶モニタ]]方式の2画面設置である。本形式は京急の新製車両としては初めて[[ドアチャイム]]を設置した。このドアチャイム音は山側と海側とでは異なるものである。ドアエンジンには戸閉力弱め機構を搭載し、閉扉後6秒間は戸閉力が24%となる機能がある。
=== 外観 ===
車体は軽量化と保守の軽減を狙ったアルミ軽合金製で、外板塗装は600形・2100形と同様赤い車体、窓周り白塗装である<ref name="RP717p99"/>。ロングシート主体の車両であることから、当初はそれまでの慣例に倣い、赤い車体に白帯の塗装とすることも検討されていたが、[[1998年]]に開業した[[羽田空港第1・第2ターミナル駅|羽田空港駅]]ホームの照明によって停車する車両の発色が悪くなってしまい、駅の雰囲気が重苦しくなることから、「全く新たな色の明るい塗装」とすることも含めて再検討されたが、最終的にはそれまで特別な車両に塗られてきたこの塗装が施された<ref name="ディテールp112"/>。[[樋|雨樋]]や[[集電装置|パンタグラフ]]からの高圧配管など、車体妻面にある配管類は車体埋め込み形となっている<ref name="RF563p95"/>。


先頭形状は2100形の三次元曲面を踏襲し、正面向かって左端には[[非常口|非常用]]の[[プラグドア|スイングプラグドア]]を設置した<ref name="RP717p98" />。スカートと一体感を持った3次元曲面で構成されている<ref name="RP717p99"/>。先頭車の正面の[[ワイパー]]カバーには2100形同様に形式名が[[スリット]]で打ち抜かれ、[[増解結|連結作業]]時に[[運転士]]から[[連結器]]先端が見えるよう配慮されている<ref name="RP717p99"/>。形式名と併せ、車両番号の下3桁が貫通扉に表示され、遠方からでも600形・2100形との識別ができる<ref name="RP717p99"/>。ワイパーはフレキシブルケーブルで連結された電動2連式で、使用時以外はワイパーカバー内に収納される<ref name="RP717p102"/>。正面運転席上行先表示器両脇に[[前照灯]]を、腰部に[[通過標識灯|急行灯]]と[[尾灯]]を備える<ref name="RP717p102"/>。尾灯は電球式で、2100形4次車以降と同様急行灯の内側に置かれている<ref name="RP717p102"/>。
[[エアー・コンディショナー|冷房装置]]には[[三菱電機]]製の[[集中式冷房装置|屋根上集中式]][[CU-71|CU-71H形]]・能力41.86kW(36,000kcal/h)の装置を搭載する。


客室窓はすべて固定窓とされ、車体清掃の容易化のため車体外板との段差がなくなるよう設計されている<ref name="RP717p99"/>。扉間の窓は幅2,325 [[ミリメートル|mm]]、中央部に75 mmの柱があり、車端部は幅1,455 mmの1枚構成である<ref name="RP717p98"/>。
4両編成の先頭車[[排障器]](スカート)裏の[[連結器]]の下部には連結部注意放送装置の[[スピーカー]]を設置している。これは他の車両と連結している場合に、[[視覚障害者]]が連結間から転落する事故を防止するためのものである。車両の前後切換スイッチが「中」(中間車扱い)位置にあり、ドアが開いた場合に警報音と注意放送を流すものである。


車端部から客扉の中心までの寸法は3,345&nbsp;mmで、[[京急600形電車_(3代)|600形]]の3,200&nbsp;mm、[[京急2100形電車|2100形]]の3,150&nbsp;mmより長く確保されており、車端部をロングシートにした際に5人掛けにできるよう設計されている<ref name="ディテールp82"/>。
特記のない限り以下の文中では各種文献に倣い、京急本線上で南側を「[[浦賀駅|浦賀]]寄り」または「浦賀方」、北側を「[[品川駅|品川]]寄り」または「品川方」、東側を「海側」、西側を「山側」と呼ぶ。編成番号は浦賀方先頭車の車両番号で代表する。また、「新1000形」は本形式、「1000形」は[[1959年]](昭和34年)登場の[[京急1000形電車 (初代)|1000形(初代)]]、「700形」は[[1967年]](昭和42年)登場の[[京急700形電車 (2代)|700形(2代)]]、「600形」は[[1994年]](平成6年)登場の[[京急600形電車 (3代)|600形(3代)]]を指すものとする。


=== 内装 ===
; 運転台
[[File:KeikyuN1000_Msc1464_Controler.jpg|thumb|240px|運転台(デハ1464)]]
{{wakumigi|[[File:Keikyu N1000 inside.jpg|thumbnail|240px|none|1次車の車内]]}}
内装は暖色系を採用し、温かみのある親しみやすい空間を目指した<ref name="RP717p99"/>。内張りは白色系の[[デコラ|化粧板]]を、乗務員室背面仕切壁や妻面にはピンク色の化粧板を採用し、床材には明るい青色のロンリウム材を使用した<ref name="佐藤2004p90"/>。乗客が触れやすい部分である、客用ドアの袖や化粧板の縁押しなどはビス頭をモールで隠されている<ref name="ディテールp82"/>。京急の車両では初めて[[動力車|電動車]]床面の点検蓋が省略された<ref name="RP717p100"/>。


扉間は脚台をなくし、座面に暖房装置を取り付けた片持ち式[[鉄道車両の座席#ロングシート(縦座席)|ロングシート]]、車端部が補助いす付きの[[鉄道車両の座席#クロスシート(横座席)|クロスシート]]である<ref name="RP717p99"/><ref name="佐藤2014p76"/>。先に3扉ロングシート化改造が行われた[[京急2000形電車|2000形]]にて、工事が急がれたことからやむを得ず残された車端部のクロスシートが好評で、かつ混雑時間帯でも問題なく使用可能なこと<ref name="ディテールp82"/>、「[[少子高齢化]]が進む中で、座りやすい椅子が重要であることや家族連れが快適に利用できるように」という議論がなされたことで配置された<ref name="ディテールp109" />。
[[操縦席|乗務員室]]内は基本的に2100形を踏襲し、室内はベージュ色、運転台計器台周辺はダークグレーを使用し、落ち着いた色調とした。


ロングシートは内部構造にバネを使用した[[バケットシート|バケットタイプ]]を採用、1人分の掛け幅は455 mmとした<ref name="ディテールp41" /><ref name="RP717p99"/>。座席端の袖仕切は大型板とされ、扉間の8人掛ロングシートを3人と5人に分割する仕切板と握り棒(立席ポスト)を設置した<ref name="RP717p99"/><ref name="RP717p100"/>。座席表地はロング・クロスシートとも赤系色としている。計画段階では、座席の表地に2100形と同様に[[スウェーデン]]のボーゲサンズ(Bogesunds)社の製品が使用される予定であったが、[[1998年]]に3扉化改造を施した[[京急2000形|2000形]]で採用した国産の蘇芳色の表地のデザインが好評で汎用性も高かったことから、同様の物へと変更された<ref name="ディテールp115" />。補助いすは[[操縦席|乗務員室]]からの操作で施錠と解錠が可能で、閑散時には使用可能となり、混雑時には収納状態で固定される<ref name="RP717p99"/>。<!-- 細かな観察は不要。製造次車ごとの違いは別途記述。 -->
[[マスター・コントローラー|主幹制御器]](マスコンハンドル)は1号線直通規格に基づいたT字形ワンハンドル式を採用した。([[力行]]1 - 5・常用ブレーキ1 - 5段・[[非常ブレーキ|非常]])マスコンの右側には[[緊急列車防護装置|緊急スイッチ]]を設置した。また、乗務員室背後の仕切部には折りたたみ式[[梯子|非常ハシゴ]]を設置している。


[[バリアフリー]]対応のため各先頭車に安全手すり付きの[[車椅子スペース]]を設け、乗務員との通話が可能な[[車内非常通報装置|非常通報装置]]を備えている<ref name="RP717p100"/>。
乗務員室仕切りは仕切窓が3枚並び、そのうち中央は仕切扉である。[[遮光幕]]はロールアップ式で3枚とも設置されている。


中央天井部はリサイクル性を考慮し、2100形の[[繊維強化プラスチック|FRP]]製からアルミ化粧板に変更され、各車両にラインフローファン4台が設置されている<ref name="RP717p100"/>。側窓も同様に、ロールカーテンのガイドを兼ねた内キセを、FRPからアルミ製に変更している<ref name="佐藤2014p76"/>。固定式のため、非常時の換気を考慮し、[[二次電池|蓄電池]]を電源として[[停電]]時でも約1時間運転可能な[[換気扇|排気扇]]を各車2台搭載している<ref name="RP717p103"/>。
== アルミ車両(1 - 5次車) ==
=== 外観 ===
車体はアルミニウム合金製とし、外板[[塗装]]は[[京急600形電車 (3代)|600形]]や2100形を踏襲する。[[樋|雨樋]]や[[集電装置|パンタグラフ]]からの高圧配管など、車体妻面にある配管類は車体埋め込み形となっている。<!-- この記述は6次車以降と比較のために記載しています。 -->


車内[[騒音]]の低減を図る目的から客用窓はドアガラスも含めて[[複層ガラス|複層構造]]による固定窓とされた<ref name="RP717p100"/>。室内側の窓枠はアルミ製とし、遮光用の[[カーテン|ロールカーテン]]を設置する<ref name="RP717p100"/>。
先頭車の正面には2100形同様に[[ワイパー]]カバーに形式名が打ち抜かれている。印刷表記ではなく打ち抜き([[スリット]])となっているのは[[増解結|連結作業]]時に[[運転士]]から[[連結器]]先端が見えるように、との実用上の理由からである。


客用ドアは幅1,300&nbsp;mm、高さ1,850 mmで室内側は化粧板で仕上げられ、軽量化のためペーパー[[ハニカム構造]]を採用、扉本体とガラス面をフラットにすることで手などの巻き込みを防止するよう配慮されている<ref name="RP717p100"/>ほか、副次的に[[結露]]の防止にも役立っている<ref name="ディテールp82"/>。車両間を仕切る[[貫通扉]]は2次車までは奇数号車の[[浦賀駅|浦賀]]寄りに設置<ref name="RP717p100"/>、3次車以降は浦賀方先頭車を除く全車の浦賀寄りに設置した<ref name="年鑑2005p134"/>。貫通路扉は客用ドア同様にペーパーハニカム構造と10 mm厚の単層ガラスの採用で軽量化をはかると共に開閉操作を容易にした<ref name="RP717p100"/>。ドアエンジンには戸閉力弱め機構を搭載し、閉扉後6秒間は戸閉力が24%となる戸閉め力弱め機能が追加された<ref name="RP717p100"/>。
[[2003年]](平成15年)度製の2次車からは側面窓を大形のグレー色1枚窓とし、[[方向幕|種別・行先表示器]]に[[ローマ字]]を併記の上、行先表示器の字幕下地の色を白とした。この白地表示は1次車や2100形・[[京急1500形電車|1500形]]など他形式にも普及している。


車内ドア上部には旅客への[[発光ダイオード|LED]]を使用した文字[[スクロール]]表示式の[[ドアチャイム]]内蔵[[車内案内表示装置|車内案内表示器]]が設置された<ref name="RP717p101"/>。
[[2005年]](平成17年)度製の4次車からは[[列車種別|種別]]表示器が[[フルカラー]][[発光ダイオード|LED]]式、行先表示器が白色LED式、[[列車番号|運行番号]]表示器が3色LED式となった。側面表示器はローマ字を表記するが、前面はローマ字表記を省略したが、2010年春からは行先とローマ字を交互に表示する方式に変更した。走行中にLED表示を消す制御は行わない。なお、[[2009年]](平成21年)には方向幕を搭載していた一部編成がLED式表示器に交換された<ref>「[http://railf.jp/news/2009/12/19/205000.html 京急新1000形、表示器のLED化が進む]」[[交友社]]『[[鉄道ファン (雑誌)|鉄道ファン]]』railf.jp 2009年12月19日</ref>。
=== 運転台 ===
[[File:Keikyu 1001 cabin.JPG|thumb|200px|運転台(デハ1001)]]
[[操縦席|乗務員室]]基本構成は2100形を踏襲、視認性を考慮し運転台計器台周辺はダークグレーの落ち着いた色調とした<ref name="RP717p101"/>。


[[マスター・コントローラー|主幹制御器]](マスコンハンドル)は1号線直通規格に基づいた[[力行]]1 - 5段、常用ブレーキ1 - 5段、[[非常ブレーキ|非常]]のT字形ワンハンドル式を採用、マスコンの右側には非常ブレーキ動作、パンタグラフ降下、非常発報がボタンひとつの操作で行える[[緊急列車防護装置|緊急スイッチ]]を設置した<ref name="RP717p100"/>。また、乗務員室内には折りたたみ式[[梯子|非常ハシゴ]]を設置している<ref name="RP791p148"/>。
このことから、アルミ車両の行先表示器は8両編成が白地幕7本・LED式2本、4両編成が白地幕6本・LED式6本となる。


乗務員室仕切りは仕切窓が3枚並び、そのうち中央は仕切扉である。
<!-- 出典明記のこと [[2009年]](平成21年)に一部編成で白地幕表示機器からLED式に交換されたものがあり、[[2010年]]2月現在、アルミ車両の行先表示器は8両編成が白地幕5本・LED式4本、4両編成が白地幕4本・LED式8本となっている。 -->
{{-}}


=== 内装 ===
=== 主要機器 ===
{{試聴 |filename = Keikyun1000.ogg |title = 京急 新1000形(1・2次車)のインバーター動作音(加減速部のみ) |description = 磁励音に特徴的な音階が流れる。}}
{{wakumigi|
600形4次車で[[MT比]]1:1を採用したが、雨天時などの粘着低下により加速度低下、前後衝動が発生したため、2100形ではスリップ・スライド制御を盛り込んだ[[ドイツ]]・[[シーメンス]]社製制御装置を採用した<ref name="RP717p102"/>。本形式の制御装置は2100形での試験データを反映させて改良されたものである<ref name="RP717p102"/>。
[[File:Keikyu N1000 inside.jpg|thumbnail|240px|none|1次車の車内]]
}}
本形式の車内内装は暖色系を採用し、温かみのある親しみやすい空間を目指した。内張りは白色系の[[デコラ|化粧板]]を、乗務員室背面仕切壁や妻面にはピンク色の化粧板を採用し、床材には明るい青色のロンリウム材を使用した。なお、京急の車両では初めて[[動力車|電動車]]床面の点検蓋が省略された。


[[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ制御]]装置は、1・2次車では2100形と同じく[[ゲートターンオフサイリスタ|GTOサイリスタ]][[半導体素子|素子]](素子耐圧4,500 [[ボルト (単位)|V]] - 3,000 [[アンペア|A]])によるものを採用した<ref name="RP717p102"/>。2100形と同様にシーメンス独特の[[京急2100形電車#機器類|音階による磁励音]]を主電動機およびインバータ装置から発する<ref group="注釈">[[#年鑑2005|『鉄道車両年鑑2005年版』p134]]に「3次車以降主制御機の使用素子変更により2100形以来親しまれていた音階が流れなくなった」旨の記述があり、1次車と2次車では音階が流れていたことが合理的に推定できるが、本形式が「唄う電車」であることを登場時の紹介記事で記載したものはない。</ref>。{{Audio|Keikyun1000.ogg|動作音}}この制御装置はVVVFインバータ制御装置本体、断流器、[[フィルター|フィルタ]][[リアクトル]]等を「トラクションコンテナ」と呼ばれる一体の箱に収納している<ref name="RP717p102"/>。3 - 5次車では同じシーメンス社製であるが、使用素子は[[絶縁ゲートバイポーラトランジスタ|IGBT]]に変更され<ref name="年鑑2005p134"/>、{{要出典範囲|[[純電気ブレーキ]]が搭載された。|date=2011年9月}}
扉間は脚台をなくした片持ち式[[鉄道車両の座席#ロングシート(縦座席)|ロングシート]]、車端部が補助いす付きの[[鉄道車両の座席#クロスシート(横座席)|クロスシート]]である。ロングシートには家庭のソファーの座り心地を目指した[[バケットシート]]を使用し、1人分の掛け幅は455mmとした。座席端の袖仕切は大型板とされ、ロングシート間の中央部には仕切板と握り棒(立席ポスト)を設置した。座席表地はロング・クロスシートとも赤系色としている。この補助いすは[[操縦席|乗務員室]]からの操作で施錠と解錠が可能で、閑散時には使用可能となり、混雑時には収納状態で固定される。<!-- 細かな観察は不要。製造次車ごとの違いは別途記述。 -->


[[かご形三相誘導電動機|主電動機]]の仕様も2100形と同一で、シーメンス社製1TB2010-0GC02系、出力190 k[[ワット|W]]<ref name="年鑑2002諸元"/>、1 - 5次車では互換性があるが、3次車以降は速度センサを制御に使用していないため、センサが実装されていない<ref name="年鑑2005p135"/>。シーメンス製電動機の出力は1時間定格出力ではなく、連続定格出力である<ref name="佐藤2003p151"/>。
中央天井部はアルミ化粧板で構成され、補助送風機(ラインデリア)は各車両に4台が設置されている。さらに側窓が固定式のため、非常時の換気を考慮して[[換気扇|排気扇]]を各車2台搭載する。
なお、シーメンス社は日本市場から既に撤退しており<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46582410W9A620C1XA0000/ 京急の「歌う電車」絶滅寸前 シーメンス日本撤退で(2019年6月26日 日本経済新聞 電子版記事) ])</ref>、1・2次車に対する更新工事も進められた結果、最後に残った1033編成も2021年7月20日を以て運用を終了し、起動時に音階の流れる編成は消滅した<ref name="report20210721">{{Cite web|和書|url=https://www.keikyu.co.jp/report/2021/post_305.html|archiveurl=https://web.archive.org/web/20210807175507/https://www.keikyu.co.jp/report/2021/post_305.html|title=お知らせ 通称「ドレミファインバータ」は運行を終了しました|date=2021-07-21|archivedate=2021-08-07|accessdate=2021-08-07|publisher=京浜急行電鉄|language=日本語}}</ref>。


補助電源装置は[[三菱電機]]製のIGBT素子 ([[インテリジェントパワーモジュール|IPM]]) を使用した[[静止形インバータ]] (SIV) を採用し、8両編成では150 k[[ボルトアンペア|VA]]のNC-EAT150Aを、4両編成では75 kVAのNC-EAT75Aをそれぞれ編成に2台搭載しており、出力電圧は[[三相交流]]440 Vとしている<ref name="年鑑2004諸元"/><ref name="RP717p102"/><ref name="年鑑2004p164"/>。
車内[[騒音]]の低減を図る目的から側窓は全て[[複層ガラス|複層構造]]による固定窓とされ、いずれも熱線吸収ガラスを使用している。室内側の窓枠はアルミ製とし、遮光用の[[カーテン|ロールカーテン]]を設置する。


[[圧縮機|空気圧縮機]] (CP) はドイツ・[[クノールブレムゼ]]社製のスクリュー式の装置で、除湿装置、起動装置などを一体形としたものである<ref name="RP717p102"/>。8両編成ではSL-22形(吐出量1,600 [[リットル|L]]/[[分|min]])、4両編成ではSL-6形(吐出量800 L/min)を編成に各2台搭載する<ref name="年鑑2004諸元"/><ref name="RP717p102"/><ref name="年鑑2004p164"/>。
客用ドアは室内側を化粧板仕上げとし、軽量化のためペーパー[[ハニカム構造]]を採用した。ドアガラスにおいても[[結露]]防止のため、複層ガラス構造を採用した。車両間を仕切る[[貫通扉]]は2次車までは1500形と同様、[[奇数]]号車の[[浦賀駅|浦賀]]寄りにしか設置していなかったが、3次車以降は各号車の浦賀寄りに設置した。貫通扉は600形と同じくドアガラスはワイドとしてドアチェッカーを廃止、さらに客用ドア同様にハニカム構造の採用で扉を軽量化するとともに開閉操作を容易にした。


[[集電装置]]は[[東洋電機製造]]製のPT7117-A形シングルアーム式パンタグラフを搭載している<ref name="RP717p101"/>。駆動装置は2100形と同一の[[TD平行カルダン駆動方式]]だが、たわみ板材質を特殊鋼から[[炭素繊維強化プラスチック]] (CFRP) へ変更し、継ぎ手カバーを不要として保守の容易化を図った<ref name="RP717p102"/>。
=== 主要機器 ===

[[可変電圧可変周波数制御|VVVFインバータ制御]]装置は、1・2次車では2100形と同じく[[ゲートターンオフサイリスタ|GTOサイリスタ]][[半導体素子|素子]](素子耐圧4,500V-3,000A)による[[ドイツ]]・[[シーメンス]]社製を採用した。2100形と同様にシーメンス独特の音階による[[磁励音]]を主電動機およびインバータ装置から発するが、同形式とは若干異なる。{{Audio|Keikyun1000.ogg|動作音}}この制御装置はVVVFインバータ制御装置本体、断流器、[[フィルター|フィルタ]][[リアクトル]]等を「トラクションコンテナ」と称する一体の箱に収納している。3 - 5次車では同じシーメンス社製であるが、使用素子は[[絶縁ゲートバイポーラトランジスタ|IGBT]]に変更され、[[純電気ブレーキ]]が搭載された。
[[鉄道車両の台車|台車]]は乗り心地・走行性・保守性の点から乾式ゴム入り円筒案内式のボルスタ付き台車を採用し、車体支持装置は車体直結[[空気ばね]]方式である<ref name="RP717p102"/>。この台車は2100形とほぼ同形だが、軽量化のため付随車用に主電動機架軽量化を省略した専用台車を用意した<ref name="RP717p102"/>。2次車までは軸ダンパを準備工事としているが、3次車からは省略され、台車形式を変更している<ref name="年鑑2005p135"/><ref name="年鑑2005諸元"/>。


[[エア・コンディショナー|冷房装置]]には、[[冷媒]]にオゾン破壊係数が0の[[代替フロン|新代替フロン]]である[[ハイドロフルオロカーボン|HFC]]-R407Cを使用した<ref name="ディテールp82"/>、三菱電機製の[[集中式冷房装置|屋根上集中式]]CU-71H形・能力41.86&nbsp;kW (36,000 kcal/h) を搭載する<ref name="RP717p103"/>。暖房装置は出庫時に外気気温が[[セルシウス度|摂氏]]10度以下、かつ室内外の気温差が10度以上の際に室温が15度以上になるまで補助ヒーターとして作動する6kWの急速暖房器を備える<ref name="RP717p103"/><ref name="ディテールp82"/>。2100形に搭載されたCU-71G形では[[境界層]]と呼ばれる空気の流れにより、車速が速くなった際に[[熱交換器]]である凝縮器の冷却風が排出出来ずに過熱し、冷房能力が極端に下がる現象が問題となっていたことから、排風が流れる隙間を生み出す整流板を取り付けた<ref name="ディテールp113" />。
[[かご形三相誘導電動機|主電動機]]の仕様も2100形と同一で、シーメンス社製の190kW出力品である。細かな違いはあるが、1次 - 5次車では互換性がある。なお、アルミ車電動機出力は1時間定格出力でなく、連続定格出力である。
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ファイル:KeikyuN1000-G1430D1130-560M5-1A.jpg|1次車のトラクションコンテナ(VVVFインバータ装置)
ファイル:Keikyu 1009 Traction container.JPG|1次車のトラクションコンテナ(VVVFインバータ装置)
ファイル:Keikyu-N1000-SIV1.jpg|アルミ車8両編成のSIV装置(150KVA・NC-EAT150A形)
ファイル:Keikyu-N1000-SIV1.jpg|アルミ車8両編成のSIV装置(150 kVA・NC-EAT150A形)
ファイル:KeikyuN1000-NC-EAT75A.jpg|アルミ車4両編成のSIV装置(75kVA2台・NC-EAT75A形)
ファイル:KeikyuN1000-NC-EAT75A.jpg|アルミ車4両編成のSIV装置(75 kVA2台・NC-EAT75A形)
ファイル:KeikyuN1000-SL-22-1.jpg|クノールブレムゼ社製のスクリュー式空気圧縮機
ファイル:KeikyuN1000-SL-22-1.jpg|クノールブレムゼ社製のスクリュー式空気圧縮機(1600 L/min・SL22形)
ファイル:TH-2100AM on 1009.JPG|TH-2100AM形台車(1009号車)、TH-2100ATも外観は同じ
ファイル:PT-7117.JPG|PT-7117-Aパンタグラフ
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1次車 - 3次車は正面・側面の行先・運行番号・種別表示は幕式<ref name="RF493p73"/>だったが、[[2005年]](平成17年)度製の4次車からは[[列車種別|種別表示器]]が[[フルカラー]][[発光ダイオード|LED]]式、行先表示器が白色LED<ref name="動向2006"/>となった。


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補助電源装置には三菱電機製のIGBT素子([[インテリジェントパワーモジュール|IPM]])を使用した[[静止形インバータ]](SIV)を採用し、8両編成では150kVA出力品を、4両編成では75kVA出力品を搭載しており、出力電圧は[[三相交流]]440Vとしている。
ファイル:Keikyu Ltd Exp to Misakiguchi.JPG|側面種別・方向幕

ファイル:KeikyuNew1000 LtdExp for Misakiguchi(LED).JPG|LED式側面行先種別表示装置(快特三崎口行・旧仕様)
[[圧縮機|空気圧縮機]](CP)はドイツ・[[クノールブレムゼ]]社製のスクリュー式の装置で、除湿装置、起動装置などを一体形としたものである。8両編成ではSL-22形(吐出量1,600L/min)、4両編成ではSL-6形(吐出量800L/min)を搭載する。
ファイル:KeikyuNew1000 LtdExp for Uraga(LED Japanese).JPG|LED式側面行先種別表示装置<br />(快特浦賀行・2010年以降の仕様・日本語表記)

ファイル:KeikyuNew1000 LtdExp for Uraga(LED English).JPG|LED式側面行先種別表示装置<br />(快特浦賀行・2010年以降の仕様・英語表記)
1・2次車の先頭台車の先頭軸には、[[非常ブレーキ]]、[[回生ブレーキ]]失効時に[[セラミックス]](アルミナ・[[酸化アルミニウム]])の粒子を噴射して制動能力低下を防止する[[砂撒き装置|セラジェット]]を、1001編成は砂撒き装置を搭載していたが、使用頻度が少ないために3次車以降では廃止されている。<!-- 鉄道ピクトリアル鉄道車両年鑑2005年版ではこう記載。 -->動作条件は京急線内でワイパースイッチを投入し、一定速度以上での回生失効や非常ブレーキを操作した場合に、1回につき6秒間セラミックを噴射するものである<ref name="RP2005-10EX">鉄道ピクトリアル2004年10月臨時増刊号鉄道車両年鑑2004年版「京浜急行電鉄新1000形(2次車)を参照。</ref> 。
</gallery>


1・2次車の先頭台車の先頭軸には、[[非常ブレーキ]]・[[回生ブレーキ]]失効時に[[セラミックス]](アルミナ・[[酸化アルミニウム]])の粒子を噴射して制動能力低下を防止する[[砂撒き装置|セラジェット]]を搭載していた<ref name="年鑑2004p165"/>が、かつて使用していた[[鋳鉄]][[制輪子]]で沿線の自動車を傷つけた事例があったこともあり、撒く場所によって人や自動車に影響を与えることが懸念されたうえ<ref name="ディテールp110"/>、使用頻度が少ないために3次車以降では廃止されている<ref name="年鑑2005p134"/>。動作条件は京急線内でワイパースイッチを投入し、一定速度以上での回生失効や非常ブレーキを操作した場合に、1回につき6秒間セラミックを噴射するものである<ref name="年鑑2004p165"/>。
; 以下の項目は6次車以降も共通である。
[[集電装置]]は[[東洋電機製造]]製のPT7117-A形シングルアーム式パンタグラフを搭載している。駆動装置は2100形と同一の[[TD平行カルダン駆動方式]]だが、たわみ板材質を特殊鋼から[[繊維強化プラスチック|CFRP]](炭素繊維強化プラスチック)へ変更し、継ぎ手カバーを不要として保守の容易化を図った。[[歯車比]]は83:14 (5.93) である。


[[鉄道車両の台車|台車]]は高速走行時における乗り心地の良い、乾式ゴム入り円筒案内式のボルスタ付き台車を採用し、車体支持装置は車体直結[[空気バネ]]方式である。この台車は2100形とほぼ同形だが、台車枠を電動台車・付随台車共通から、軽量化のために専用の付随台車を用意した。2次車までは軸ダンパを準備工事としているが、3次車からは省略され、台車形式を変更している。


プラットホームでの安全対策として、各車両の連結面には[[転落防止幌]]が設置されているほか、4両編成の先頭車[[排障器]](スカート)内側には、他の車両と連結して運転される際に連結間から転落する事故を防止するため連結部注意放送装置の[[スピーカー]]が設置されている<ref name="年鑑2004p165"/><ref name="佐藤2004p91"/>。車両の前後切換スイッチが「中」(中間車扱い)位置にあり、ドアが開いている間警報音に続いて「車両連結部です。乗車口ではありません。ご注意ください」という注意放送が流れる<ref name="年鑑2004p165"/><ref name="ディテールp82"/>。
車両性能は最高速度を130km/hとしており、営業運転では120km/hに抑えられている。[[起動加速度]]は3.5km/h/s(0.97m/s<sup>2</sup>)、減速度は常用最大で4.0km/h/s(1.11m/s<sup>2</sup>)、非常減速度が4.5km/h/s(1.25m/s<sup>2</sup>)となっている。


=== 製造時のバリエーション ===
=== 製造時のバリエーション ===
==== 1次車 ====
==== 1次車 ====
製造メーカーの「東急」は[[東急車輛製造]]製、「川重」は[[川崎重工業車両カンパニー|川崎重工業]]製。以下同じ。
{{wakumigi|

[[File:Keikyu n1000 1sttype.jpg|thumb|180px|none|京急新1000形1次車<br/>(4両固定、1401 - 1404)<br/>(2007年5月24日 / 京急鶴見駅)]]
{{Vertical images list
|幅 = 200px
|枠幅 = 200px
|1=Keikyu n1000 1sttype.jpg
|2=京急新1000形1次車<br/>(4両固定 1401 - 1404)<br/>(2007年5月24日 京急鶴見駅)
|3=Keikyu-Type1000-1001F-Lot1.jpg
|4=京急新1000形1次車<br/>(8両固定 1001 - 1008)<br/>(2020年10月27日 金沢文庫駅 - 金沢八景駅間)
}}
}}
[[2002年]](平成14年)2月 - 6月に8両編成3本、4両編成2本の32両が竣工した<ref name="佐藤2004p142"/>。同年3月23日・24日に試乗会が行われ<ref name="RP718p107" />、直通運転先の各社に乗務員訓練などのため貸し出された後、4月15日から自社線内で営業運転を開始<ref name="RM226p138" />、6月25日から都営浅草線、8月30日から京成線高砂まで、9月4日から北総線への乗り入れ運用に充当された<ref name="RJ434" />。
[[2002年]](平成14年)[[2月]] - [[6月]]に落成した。側窓には緑色に着色された[[複層ガラス]]を採用しており、客室側窓にはセンターピラーが取り付けられている。これらの編成は登場時黒地幕であったが、[[2008年]](平成20年)[[7月]]までにすべて白地幕に交換された。


パンタグラフの増設などを実施することにより8両編成1本と4両編成1本を3M3Tの6両編成2本に組み替えることが可能な機器構成とされており輸送計画変更など柔軟に対応できる設計とされた。このため一部車両パンタグラフの増設準備がされている。
8両編成1本と4両編成1本を3M3Tの6両編成2本に組み替えられる機器構成とされ<ref name="佐藤2004p90"/>4両編成付随車は[[集電装置]]や[[静止形インバータ|補助電源装置]]が分散配置され、浦賀方には編成替時増設用にパンタグラフの準備工事されている<ref name="佐藤2004p88"/><ref name="佐藤2014p74"/>

1次車のみ、2100形で好評であったブライドスモークガラスは鉛の使用に関する問題で制作できなくなった影響で代替品となるグリーンのガラスを採用した<ref name="ディテールp109" />。


デハ1401は試験車両的な意味合いがあり、前面と側面の行先・種別表示器をフルカラーLEDとしたほか、IGBT素子のVVVFインバータ制御装置を搭載していた。表示器は前面・側面ともにローマ字も表示していたが、2005年[[3月]]下旬頃に前面については[[日本語]]表示のみとした。その後、表示器は[[2006年]](平成18年)2月頃に従来の幕式に戻され、同年[[4月]]に白地幕に変更した。VVVFインバータ制御装置についても元のGTOサイリスタ素子のものに戻された。2011年現在、1405編成が[[東芝]]製のIGBT素子を使用した2レベルVVVFインバータ制御装置に更新されている。この際、車内掲示の製造ステッカーは2100形と同様「Powered by SIEMENS」表記のないものに変更されている。
{{-}}
:; 8両編成
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|+8両編成
|-
|-
|style="background-color:#ccc; width:6em;"|&nbsp;
|style="background-color:#ccc; width:6em;"|&nbsp;
|colspan="8"|{{TrainDirection|浦賀・三崎口・新逗子・羽田空港国内線ターミナル|品川・泉岳寺・押上・青砥・印旛日本医大}}
|colspan="8"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="2"|&nbsp;
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;" rowspan="4"|製造<br/>メーカー
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;" rowspan="4"|竣工時期
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
! 号車
| 1 || 2 || 3 || 4 || 5 || 6 || 7 || 8
!rowspan="4"|製造<br/>メーカー<ref name="ディテールp133" />
!rowspan="4"|竣工時期<ref name="ディテールp133" />
|-
|-
!形式・車種
!形式・車種
| '''デハ1000形'''<br/>(Muc)
| {{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(Muc)
| '''サハ1000形'''<br/>(Tpu)
| {{left|<}}{{right|>}}<br/>{{Nowrap|'''サハ1000形'''}}<br/>(Tpu)
| '''サハ1000形'''<br/>(Tu)
| {{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''サハ1000形'''}}<br/>(Tu)
| '''デハ1000形'''<br/>(Mu)
| {{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(Mu)
| '''デハ1000形'''<br/>(Ms)
| {{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(Ms)
| '''サハ1000形'''<br/>(Ts)
| {{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''サハ1000形'''}}<br/>(Ts)
| '''サハ1000形'''<br/>(Tps)
| {{left|<}}{{right|>}}<br/>{{Nowrap|'''サハ1000形'''}}<br/>(Tps)
| '''デハ1000形'''<br/>(Msc)
| {{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(Msc)
|-
|-
!搭載機器
! 搭載機器<ref name="RP717p101"/>
| VVVF,CP || SIV,BT || &nbsp; || VVVF || VVVF || &nbsp; || SIV,BT || VVVF,CP
| VVVFCP || SIVBT || &nbsp; || VVVF || VVVF || &nbsp; || SIVBT || VVVFCP
|-
|-
! 自重([[トン|t]])<ref name="RP717p101"/>
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"|車両重量
| 33.0 t || 27.0 t || 23.0 t || 31.0 t || 31.0 t || 23.0 t || 27.0 t || 33.0 t
|style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 33.0t ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 27.0t ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 23.0t ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 31.0t ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 31.0t ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 23.0t ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 27.0t ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 33.0t
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
! rowspan="3"| 車両番号
| 1001 || 1002 || 1003 || 1004 || 1005 || 1006 || 1007 || 1008
| 東急 ||2002年2月23日<ref name="年鑑2002一覧"/>
|-
|-
| 1009 || 1010 || 1011 || 1012 || 1013 || 1014 || 1015 || 1016
! 車両番号
| 東急 ||2002年6月28日<ref name="年鑑2003一覧p211"/>
| 1001<br/>1009<br/>1017 || 1002<br/>1010<br/>1018 || 1003<br/>1011<br/>1019 || 1004<br/>1012<br/>1020
|-
| 1005<br/>1013<br/>1021 || 1006<br/>1014<br/>1022 || 1007<br/>1015<br/>1023 || 1008<br/>1016<br/>1024
| 1017 || 1018 || 1019 || 1020 || 1021 || 1022 || 1023 || 1024
| 東急車輛<br/>東急車輛<br/>川崎重工 ||2002年2月<br/>2002年6月<br/>2002年5月
| 川重 ||2002年5月31日<ref name="年鑑2003一覧p211"/>
|}
|}

:; 4両編成
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|+4両編成
|-
|-
|style="background-color:#ccc; width:6em;"|&nbsp;
|style="background-color:#ccc; width:6em;" |&nbsp;
|colspan="4"|{{TrainDirection|浦賀・三崎口・新逗子・羽田空港国内線ターミナル|品川・泉岳寺}}
|colspan="4"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="2"|&nbsp;
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;" rowspan="4"|製造<br/>メーカー
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;" rowspan="4"|竣工時期
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
! 号車
| 1 || 2 || 3 || 4
!rowspan="4"|製造<br/>メーカー<ref name="ディテールp135" />
!rowspan="4"|竣工時期<ref name="ディテールp135" />
|-
|-
!形式・車種
! 形式・車種
| '''デハ1000形'''<br/>(Muc1)
| '''デハ1000形'''<br/>(Muc1)
| '''サハ1000形'''<br/>(Tpu1)
| '''サハ1000形'''<br/>(Tpu1)
176行目: 211行目:
| '''デハ1000形'''<br/>(Msc1)
| '''デハ1000形'''<br/>(Msc1)
|-
|-
!搭載機器
! 搭載機器<ref name="RF493p71"/>
| VVVF,CP || SIV,BT || SIV,BT || VVVF,CP
| VVVFCP || SIVBT || SIVBT || VVVFCP
|-
|-
! 自重([[トン|t]])<ref name="佐藤2004p87"/>
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"|車両重量
| 33.0 t || 26.5 t || 26.5 t || 33.0 t
|style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 33.0t ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 26.5t ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 26.5t ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 33.0t
|-style="border-top:solid 4px #c14;"
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
! 車両番号
! rowspan="2"| 車両番号
| 1401<br/>1405 || 1402<br/>1406 || 1403<br/>1407 || 1404<br/>1408
| 1401 || 1402 || 1403 || 1404
| 川 || 2002年6月
| 川重 || 2002年6月29日<ref name="年鑑2003一覧p212"/>
|-
| 1405 || 1406 || 1407 || 1408
| 川重 || 2002年6月29日
|}
|}
::; 凡例
; 凡例
::* VVVF:主制御器(1C4M)
:* VVVF:主制御器 (1C4M)
::* SIV:補助電源装置(静止形インバータ)
:* SIV:補助電源装置(静止形インバータ)
::* CP:空気圧縮機
:* CP:空気圧縮機
::* BT:蓄電池
:* BT:蓄電池
:
::; 備考
; 備考
::* パンタグラフは、8両編成ではTpuとTpsに2基、4両編成では中間車の品川方に1基ずつを搭載し、浦賀方は準備工事とした。
:* パンタグラフは、8両編成ではTpuとTpsに2基、4両編成では中間車の品川方に1基ずつを搭載し、浦賀方は準備工事とした<ref name="佐藤2004p88"/>。


==== 2次車 ====
==== 2次車 ====
{{wakumigi|[[File:Keikyu-Type1000-1409F-Lot2.jpg|thumb|180px|none|京急新1000形2次車<br/>(4両固定 1409 - 1412)<br/>(2020年10月27日 金沢文庫駅 - 金沢八景駅間)]]}}
<!--
[[2003年]](平成15年)5月 - 7月に8両編成2本、4両編成2本の24両が竣工した<ref name="年鑑2004一覧"/>。車体見付・機器配置の仕様変更を行い、乗客へのサービス向上とコストダウンを図った<ref name="年鑑2004p164"/>。
{{wakumigi|
[[File:1025(1025 - 1032).JPG|thumb|180px|京急新1000形2次車<br/>(8両固定、1025 - 1032)<br/>(2007年7月1日 / 金沢文庫駅)]]
}}
-->
[[2003年]](平成15年)5月 - 7月に落成した。2次車では車体見付・機器配置の仕様変更を行い、乗客へのサービス向上とコストダウンの図ったものとした<ref name="RP2005-10EX"/>。

1次車では8両編成1本と4両編成1本から6両編成2本へ組み換えができる機器構成としていたが、2次車では組み換えをしない機器配置とした。この結果、T車に[[二次電池|蓄電池]]を、Tp車にパンタグラフとSIVを搭載して機器の集約を図った。故障時の[[冗長化]]のため、Tp車に1次車と同形の75kVA出力SIVを2台搭載した。ただし、8両編成については機器配置の変更は行っていない。

前述したが、種別・行先表示器が白地に黒文字のタイプとなり、ローマ字表記が加わった。側窓は上方に20mm拡大し、ドア間の窓は1次車のグリーン色の2連分割窓から大形の1枚窓とし、色はサンユーログレーに変更した。車内においては、1次車では[[つり革]]をドア付近を3個並び、それ以外を2個並びとしていたが、2次車では全て3個並びに増設した。


*車体
8両編成は、[[2004年]](平成16年)[[12月1日]]の[[東京国際空港|羽田空港第2ターミナル]]開業を記念して、スカイブルーをベースに、[[三崎口駅|三崎口]]・[[羽田空港国内線ターミナル駅|羽田空港]]寄り4両(第2ターミナル)に[[全日本空輸]] (ANA) 機を、品川寄り4両(第1ターミナル)に[[日本航空インターナショナル|日本航空]] (JAL) 機を配したラッピング電車として運転された。車内は[[長井秀和]]を起用した広告で統一された。
**種別・行先表示器が白地に黒文字となり、ローマ字表記が加わった<ref name="年鑑2004p164" />。

**側窓は上方に20 mm拡大し、ドア間の窓は上方向に1次車のグリーン色の2連分割窓から大形の1枚窓とし、色はサンユーログレーに変更した<ref name="年鑑2004p164" />。技術開発により、当初から計画されていたスモークガラスを使用した窓となった<ref name="ディテールp109" />。
下記の写真は2005年3月13日、京急蒲田駅にて撮影
**1次車ではワイパーカバーの「1」の数字が2100形と同じ切り欠き形状で、飛び出ている部分は黒く塗られていたが、2次車からは色が塗られていた部分もスリットになっている<ref name="ディテールp84" />。なお、1次車でもワイパーカバーの交換で2次車以降と同様の形状になった車両が存在する(2023年3月現在は1017号が該当)<ref name="ディテールp84"/>。
<gallery widths="180" style="font-size:90%">
<gallery>
File:Keikyu-n1000-blue-20050313.jpg|第2ターミナル開業記念編成
ファイル:1次車のワイパーカバー.png|alt=新1000形1001編成|1次車のワイパーカバー。「1」の飛び出た部分は黒塗りになっている(1001編成)
File:Keikyu-n1000-blue-jal-20050313.jpg|JAL機がラッピングされた車両
ファイル:2次車のワイパーカバー.png|alt=新1000形1025編成|2次車のワイパーカバー。黒塗りだった部分もスリットになっている(1025編成)
File:Keikyu-n1000-blue-ana-20050313.jpg|ANA機がラッピングされた車両
</gallery>
</gallery>
*車内設備
**1次車では枕木方向の[[つり革]]をドア付近を3個並び、それ以外を2個並びとしていたが、2次車では全て3個並びに変更した<ref name="年鑑2004p164" />。
**車内座席ソデと床敷物の表面仕上げが変更され、汚れ付着防止と清掃性の向上が図られた<ref name="ディテールp86" />。
*乗務員設備
**運転台コンソールの塗装がスエード調塗装から保守が容易な半光沢塗装に変更された。
*走行機器
**1次車では8両編成1本と4両編成1本から6両編成2本へ組み換えができる機器構成としていたが、2次車では組み換えをしない機器配置とした<ref name="年鑑2004p164"/>。8両編成については機器配置の変更はないが、4両編成ではT車に[[二次電池|蓄電池]]を、Tp車にパンタグラフとSIVを搭載して機器の集約を図った<ref name="年鑑2004p164"/>。故障時の[[冗長化]]のため、Tp車に1次車と同形の75 kVA出力SIVを2台搭載した<ref name="年鑑2004p164"/>。
**[[炭素繊維強化プラスチック|CFRP]]継手のたわみ板の設計が見直され、騒音の低減が図られた<ref name="ディテールp86" />。


{{-}}
:; 8両編成
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|+8両編成
|-
|-
|style="background-color:#ccc; width:6em;"|&nbsp;
|style="background-color:#ccc; width:6em;" |&nbsp;
|colspan="8"|{{TrainDirection|浦賀・三崎口・新逗子・羽田空港国内線ターミナル|品川・泉岳寺・押上・青砥・印旛日本医大}}
|colspan="8"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
| style="background-color:#ccc; width:6em;" colspan="2"|&nbsp;
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;" rowspan="2"|製造<br/>メーカー
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;" rowspan="2"|竣工時期
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
! 号車
| 1 || 2 || 3 || 4 || 5 || 6 || 7 || 8
!rowspan="2"|製造<br/>メーカー<ref name="ディテールp133" />
!rowspan="2"|竣工時期<ref name="ディテールp133" />
|-
|-
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"|形式・車種
!形式・車種
|style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(Muc)
| '''デハ1000形'''<br/>(Muc)
|style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''サハ1000形'''<br/>(Tpu)
| '''サハ1000形'''<br/>(Tpu)
|style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''サハ1000形'''<br/>(Tu)
| '''サハ1000形'''<br/>(Tu)
|style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(Mu)
| '''デハ1000形'''<br/>(Mu)
|style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(Ms)
| '''デハ1000形'''<br/>(Ms)
|style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''サハ1000形'''<br/>(Ts)
| '''サハ1000形'''<br/>(Ts)
|style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''サハ1000形'''<br/>(Tps)
| '''サハ1000形'''<br/>(Tps)
|style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(Msc)
| '''デハ1000形'''<br/>(Msc)
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
! rowspan="2"| 車両番号
| 1025 || 1026 || 1027 || 1028 || 1029 || 1030 || 1031 || 1032
| 東急 || 2003年5月19日<ref name="年鑑2004一覧"/>
|-
|-
| 1033 || 1034 || 1035 || 1036 || 1037 || 1038 || 1039 || 1040
! 車両番号
| 川重 || 2003年6月24日<ref name="年鑑2004一覧"/>
| 1025<br/>1033 || 1026<br/>1034 || 1027<br/>1035 || 1028<br/>1036
| 1029<br/>1037 || 1030<br/>1038 || 1031<br/>1039 || 1032<br/>1040
| 東急車輛<br/>川崎重工 || 2003年5月<br/>2003年6月
|}
|}

:; 4両編成
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|+4両編成
|-
|-
|style="background-color:#ccc; width:6em;"|&nbsp;
|style="background-color:#ccc; width:6em;" "|&nbsp;
|colspan="4"|{{TrainDirection|浦賀・三崎口・新逗子・羽田空港国内線ターミナル|品川・泉岳寺}}
|colspan="4"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="2"|&nbsp;
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;" rowspan="4"|製造<br/>メーカー
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;" rowspan="4"|竣工時期
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
! 号車
| 1 || 2 || 3 || 4
!rowspan="4"|製造<br/>メーカー<ref name="ディテールp135" />
!rowspan="4"|竣工時期<ref name="ディテールp135" />
|-
|-
!形式・車種
! 形式・車種
| '''デハ1000形'''<br/>(Muc1)
| '''デハ1000形'''<br/>(Muc1)
| '''サハ1000形'''<br/>(T)
| '''サハ1000形'''<br/>(T)
254行目: 301行目:
| '''デハ1000形'''<br/>(Msc1)
| '''デハ1000形'''<br/>(Msc1)
|-
|-
!搭載機器
! 搭載機器<ref name="年鑑2004諸元"/>
| VVVF,CP || BT || SIV,SIV || VVVF,CP
| VVVFCP || BT || SIVSIV || VVVFCP
|-
|-
! 自重([[トン|t]])<ref name="年鑑2004諸元"/>
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"|車両重量
| 33.0 t || 24.0 t || 27.0 t || 33.0 t
|style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 33.0t ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 24.0t ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 27.0t ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 33.0t
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
! rowspan="2"| 車両番号
| 1409 || 1410 || 1411 || 1412
| 東急 || 2003年7月26日<ref name="年鑑2004一覧"/>
|-
|-
| 1413 || 1414 || 1415 || 1416
! 車両番号
| 川重 || 2003年7月26日
| 1409<br/>1413 || 1410<br/>1414 || 1411<br/>1415 || 1412<br/>1416
| 東急車輛<br/>川崎重工 || 2003年7月
|}
|}
::* 凡例は1次車と同じ。
* 凡例は1次車と同じ。
::* 8両編成の機器配置に変更はない。
* 8両編成の機器配置に変更はない<ref name="年鑑2004p164"/>
::* 4両編成のパンタグラフは、Tp車に2台搭載とした。
* 4両編成のパンタグラフは、Tp車に2台搭載とした<ref name="年鑑2004諸元"/>
{{-}}
{{-}}


==== 3次車 ====
==== 3次車 ====
{{wakumigi|[[File:Keikyu-Type1000-048.jpg|thumb|180px|none|京急新1000形3次車<br/>(8両固定 1041 - 1048)<br/>(2021年7月17日 松飛台駅)]]}}
<!--
[[2005年]](平成17年)1月 - 3月に8両編成2本、4両編成2本の24両が竣工した<ref name="年鑑2005一覧"/>。この3次車では大規模な仕様変更が行われた<ref name="年鑑2005p134"/>。また、[[2004年]](平成16年)12月に[[国土交通省]]の[[地下鉄|地下鉄道]]の火災対策の基準が見直され、この新火災対策への対応も行われている<ref name="年鑑2005p134"/>。
{{wakumigi|
[[File:1049(1049 - 1056).JPG|thumb|180px|none|京急新1000形3次車<br/>(8両固定、1049 - 1056)<br/>(金沢文庫駅)]]
}}
-->
[[2005年]](平成17年)[[1月]] - 3月に落成した。この3次車より大きな仕様変更が行われた。基本的な編成構成([[MT比]])を8両編成では4M4Tから6M2Tへ、4両編成は2M2Tから3M1Tに変更した。

これは[[雨|雨天時]]における走行時に、車輪の空転・[[滑走]]が発生して、乗り心地が著しく低下していたためである。これを改善するために電動車比率を上げ、乗り心地の改善を図ることとした<ref name="RP-2005EX">鉄道ピクトリアル2005年10月臨時増刊号鉄道車両年鑑2005年版「京浜急行電鉄新1000形3次車」を参照。</ref> 。この3次車より種別・行先表示器の[[書体]]が太文字となり、視認性が向上した。1次車の白地幕も太文字のものが採用されているため、本形式で細文字となっているのは2次車のみである。
<!-- 出典明記のこと なお、2009年に表示機器がLED式に更新された。 -->


* ''' 車内設備 '''
; 走行機器など
** 車端部のボックスシートが国産の物に変更され、補助いすがボックスシートとの一体形に変更された。これにより、車端部のボックスシートの座席間が80&nbsp;mm拡張されている<ref name="佐藤2014p80" />。
制御素子には1401号車で試験していた[[絶縁ゲートバイポーラトランジスタ|IGBT]]素子(2レベル・素子耐圧3,300V-1,200A)の使用に変更し、冷却方式を[[送風機]](ブロワー)を使用した強制風冷方式から[[ヒートパイプ]]自冷方式に変更した。
** 先頭車両では乗務員室内のみに設置されていた[[消火器]]を併結運転時に乗客が使用できるよう客室内にも設置した<ref name="年鑑2005p134"/>。
** 新火災対策への対応として、以下の点が変更された<ref name="年鑑2005p134"/>。
*** 連結面の車両間[[貫通扉]]を8両編成では3か所、4両編成では1か所であったが、3次車では各車両の浦賀方への設置に増設した<ref name="年鑑2005p134"/>。
*** 天井の[[繊維強化プラスチック|FRP]]製の冷房吹き出し口と補助送風機(ラインデリア)・排気扇の整風板カバーを[[ポリカーボネート]]製から、それぞれアルミニウム製に変更した<ref name="年鑑2005p134"/>。


* ''' 乗務員設備 '''
トラクションコンテナ(主制御装置箱)は、外観が同一のBox-A(8両編成のMuc・M1u・M1s・Mscと4両編成のMuc1・Msc1に搭載・制御側装置)とBox-B(M2u・M2sとM2に搭載・付随側装置)の2種類で構成され、Box-Bには制御アンプや故障表示灯が搭載されず、Box-A側によって1C8M制御される<ref name="RP-2005EX"/>。また、フィルタリアクトルを別構成としたため、トラクションコンテナは小形化されている。
** 当増備分より、[[自動列車停止装置#C-ATS|C-ATS]]が新造時より取り付けたことに伴い、運転台の[[自動列車停止装置|ATS]]表示器がランプ式から[[ドットマトリクス#LEDマトリクス|ドットマトリクスLED]]表示に改められた<ref name="ディテールp89" />。


* ''' 走行機器など '''
** [[雨|雨天時]]に、車輪の多少の空転・[[滑走]]を許容する制御をおこなっていたため、乗り心地が低下していたことへの対策として編成構成を8両編成では4M4Tから6M2Tへ、4両編成は2M2Tから3M1Tに変更した<ref name="年鑑2005p134"/>。
** 編成構成の変更に伴い、電動車2両のユニットと、電動車と付随車を組み合わせたユニットの2種類のユニット構成となった<ref name="年鑑2005p135"/>。
** 8両編成のMuc・M1u・M1s・Mscと4両編成のM1uc1・Msc1にはBox-Aまたは制御側装置と呼ばれるトラクションコンテナ(制御装置箱)が、8両編成のM2u・M2sと4両編成のM2には外観が同一のBox-Bまたは付随側装置と呼ばれるトラクションコンテナが搭載され、M2系車両のBox-Bは隣り合うM1系車両のBox-Aによって1C8Mとして制御される<ref name="年鑑2005p135"/><ref name="年鑑2005p134"/>。編成内のBox-A間とユニットを組むBox-AとBox-B間はそれぞれ別系統の[[バス (コンピュータ)|MVB]](Multifunction Vehicle Bus・車両間伝送バス)で接続した<ref name="年鑑2005p135"/><ref name="年鑑2005p134"/><ref name="ディテールp89" />。
** フィルタリアクトルを別構成としたため、トラクションコンテナは小形化され<ref name="年鑑2005p135"/>、冷房方式が[[電気機器の冷却方式#風冷式|強制風冷式]]から走行風自冷方式に変更された<ref name="佐藤2014p80"/>。
** 1C8M制御されているBox-A・Bのいずれかが故障すると両方が使用不能となるため、残った1C4MのBox-Aにトルクアップを指令、回生ブレーキのカットを行う機能を設けた<ref name="年鑑2005p135"/>。
** 制御装置のデータ読み出しには各車個別処理から1か所で編成全体のデータ読み出しをさせる機能が設けられた<ref name="年鑑2005p135"/>。
** 制御素子には1401号車で試験していた試験品による結果を反映した<ref name="ディテールp125" />[[絶縁ゲートバイポーラトランジスタ|IGBT]]素子(2レベル・素子耐圧3,300 V - 1,200 A)を使用したG145D1130/480M5-1を採用した<ref name="年鑑2005p135"/><ref name="年鑑2005諸元"/><ref name="ディテールp125" />。Box-AとBox-Bでは共通の形式が付与されている<ref name="ディテールp89" />。
** 主電動機は従来品と互換性を保つため出力190 kW品のままとし、軸受けの変更やPGセンサレス方式の採用などで細部が異なるもの、部品の追加変更をすることで従来車両用との互換性が確保されている<ref name="年鑑2005p135"/>。電動車数が増え、定格一杯まで使用すると集電装置の電流容量を超過するため、出力を抑えて使用している<ref name="年鑑2005p135"/>。
** [[鉄道車両の台車|台車]]は、これまでは2100形と共通設計で、[[鉄道車両の台車#ダンパ|軸ダンパ]]を設置準備工事としていたが本形式では設置予定がないことから廃止の上、砂巻きも廃止、車体重量の低減に伴う各種設計が変更された為に互換性が失われたことにより、台車形式を変更した<ref name="佐藤2014p80"/>。動力台車はTH-2100AM形からTH-2100BM形へ、付随台車はTH-2100AT形からTH-2100BT形へと、それぞれ変更された<ref name="年鑑2005p135"/><ref name="年鑑2005諸元"/>。
** ブレーキ制御はM-T2両1ユニットとする[[遅れ込め制御]]からM-TまたはM-Mユニット間での制御に変更されている<ref name="年鑑2005p134"/>。また、新製時より[[自動列車停止装置|C-ATS車上装置]]対応品を搭載した<ref name="年鑑2005p134"/>。
<gallery>
<gallery>
ファイル:KeikyuN1000BoxA-G1430D1130-480M5-1.jpg|3次車のトラクションコンテナ(海側の素子冷却フィン)
ファイル:KeikyuN1000BoxA-G1430D1130-480M5-1.jpg|3次車のトラクションコンテナ(海側の素子冷却フィン)
ファイル:KeikyuN1000BoxA1-G1430D1130-480M5-1.jpg|トラクションコンテナBox-Aの山側。制御側装置である。
ファイル:KeikyuN1000BoxA1-G1430D1130-480M5-1.jpg|トラクションコンテナBox-Aの山側。制御側装置である。
ファイル:KeikyuN1000BoxB-G1430D1130-480M5-1.jpg|トラクションコンテナBox-Bの山側。付随側装置であり、Box-Aと比べて右端の故障表示灯がない(青矢印部)。
ファイル:KeikyuN1000BoxB-G1430D1130-480M5-1.jpg|トラクションコンテナBox-Bの山側。付随側装置であり、Box-Aと比べて右端の故障表示灯がない(青矢印部)。
ファイル:Keikyu 1000 series EMU (II) 006.JPG|TH-2100BM台車。軸ダンパ取付座が無い。
</gallery>
</gallery>
* [[集電装置]]に設けられている[[避雷針]]が、露出形から絶縁カバー付きに変更された<ref name="佐藤2014p80"/>。
主電動機は従来品との共通化のため、出力190kW品を使用している。しかし、電動車数が増えたため、定格一杯まで使用すると集電装置の電流容量を超過するため、出力を125kW相当に抑えて使用している。なお、主電動機は軸受けの変更やPGセンサレス方式の採用などで細部は異なるが、部品の追加変更をすることで従来車両用との互換性が確保されているものである。

[[鉄道車両の台車|台車]]は、これまでは2100形と共通設計で、軸ダンパを設置準備工事としていた。しかし、本形式では設置予定がないことから廃止の上、台車形式を変更した。動力台車はTH-2100AM形からTH-2100BM形へ、付随台車はTH-2100AT形からTH-2100BT形へと、それぞれ変更された<ref name="RP-2005EX"/>。


さらにブレーキ制御については、これまでのM-T2両1ユニットとする[[遅れ込め制御]]からM-TまたはM-Mユニット間での制御に変更されている。また、新製時より従来の1号形ATSに代わり、[[自動列車停止装置|C-ATS車上装置]]を搭載した。

このほか、3次車では編成内での情報伝送速度の向上のため、各トラクションコンテナ間の伝送に[[バス (コンピュータ) |MVB]](Multifunction Vehicle Bus・車両間伝送バス)接続を導入している<ref name="RP-2005EX"/>。これにより1C8Mインバータの故障時には(片方が故障するとBox-A・B両方が使用不能となる)編成でのトルクアップ指令と回生ブレーキのカットを行う機能を設けた。また、制御装置のデータ読み出しには各車個別処理から1か所で編成全体のデータ読み出しをさせる機能が設けられた。

; 新火災対策への対応
[[2004年]](平成16年)12月に[[国土交通省]]の[[地下鉄|地下鉄道]]の[[火災]]対策の基準が見直され、この新火災対策へ対応した仕様とした<ref name="RP-2005EX"/>。

連結面の車両間[[貫通扉]]を8両編成では3か所、4両編成では1か所であったが、3次車では各車両の浦賀方への設置に増設した。さらに客室天井の[[繊維強化プラスチック|FRP]]製の冷房吹き出し口と補助送風機(ラインデリア)・排気扇の整風板カバーを[[ポリカーボネート]]製から、それぞれアルミニウム製に変更した。

このほか、前述の火災対策には関係しないが、先頭車両においては乗務員室内のみに設置していた[[消火器]]を客室内にも新設した。これは併結運転時に[[乗務員]]が不在で、乗客が使用できないことを改善するためである。

車端部の補助椅子とクロスシートは一体化させた形状に変更した。このため、クロスシートの間隔を110mm拡大した。さらに車椅子スペースの表記は600形と同じくプレート式への変更と消火器カバーの形状は埋め込み形から室内側に張り出た形状となった。

:; 8両編成
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|+8両編成
|-
|-
|style="background-color:#ccc; width:6em;"|&nbsp;
|style="background-color:#ccc; width:6em;" |&nbsp;
|colspan="8"|{{TrainDirection|浦賀・三崎口・新逗子・羽田空港国内線ターミナル|品川・泉岳寺・押上・青砥・印旛日本医大}}
|colspan="8"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="2"|&nbsp;
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;" rowspan="4"|製造<br/>メーカー
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;" rowspan="4"|竣工時期
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
! 号車
| 1 || 2 || 3 || 4 || 5 || 6 || 7 || 8
!rowspan="4"|製造<br/>メーカー<ref name="ディテールp133" />
!rowspan="4"|竣工時期<ref name="ディテールp133" />
|-
|-
!形式・車種
! 形式・車種
| '''デハ1000形'''<br/>(Muc) || '''サハ1000形'''<br/>(Tpu) || '''デハ1000形'''<br/>(M2u) || '''デハ1000形'''<br/>(M1u)
| '''デハ1000形'''<br/>(Muc)
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| '''デハ1000形'''<br/>(M2u)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1u)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1s) || '''デハ1000形'''<br/>(M2s) || '''サハ1000形'''<br/>(Tps) || '''デハ1000形'''<br/>(Msc)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1s)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2s)
| '''サハ1000形'''<br/>(Tps)
| '''デハ1000形'''<br/>(Msc)
|-
|-
!搭載機器
! 搭載機器<ref name="年鑑2005p134"/>
| '''VVVF''',CP || SIV,BT || VVVF || '''VVVF''' || '''VVVF''' || VVVF || SIV,BT || '''VVVF''',CP
| VVVF-A・CP || SIVBT || VVVF-B || VVVF-A || VVVF-A || VVVF-B || SIVBT || VVVF-A・CP
|-
|-
! 自重([[トン|t]])<ref name="年鑑2005諸元"/>
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"|車両重量
| 32.0 t || 27.0 t || 30.0 t || 30.0 t || 30.0 t || 30.0 t || 27.0 t || 32.0 t
|style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 32.0t ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 27.0t ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 30.0t ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 30.0t ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 30.0t ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 30.0t ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 27.0t ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 32.0t
|-style="border-top:solid 4px #c14;"
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
! 車両番号
! rowspan="2"| 車両番号
| 1041<br/>1049 || 1042<br/>1050 || 1043<br/>1051 || 1044<br/>1052 || 1045<br/>1053 || 1046<br/>1054 || 1047<br/>1055 || 1048<br/>1056
| 1041 || 1042 || 1043 || 1044 || 1045 || 1046 || 1047 || 1048
| 東急車輛<br/>川崎重工 || 2005年1月<br/>2005年3月
| 東急 || 2005年1月19日<ref name="年鑑2005一覧"/>
|-
| 1049 || 1050 || 1051 || 1052 || 1053 || 1054 || 1055 || 1056
| 川重 || 2005年3月1日<ref name="年鑑2005一覧"/>
|}
|}

:; 4両編成
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|+4両編成
|-
|-
| style="background-color:#ccc; width:6em;"|&nbsp;
| style="background-color:#ccc; width:6em;" |&nbsp;
|colspan="4"|{{TrainDirection|浦賀・三崎口・新逗子・羽田空港国内線ターミナル|品川・泉岳寺}}
|colspan="4"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="2"|&nbsp;
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;" rowspan="4"|製造<br/>メーカー
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;" rowspan="4"|竣工時期
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
! 号車
| 1 || 2 || 3 || 4
!rowspan="4"|製造<br/>メーカー<ref name="ディテールp135" />
!rowspan="4"|竣工時期<ref name="ディテールp135" />
|-
|-
!形式・車種
! 形式・車種
| '''デハ1000形'''<br/>(Muc1) || '''デハ1000形'''<br/>(M2) || '''サハ1000形'''<br/>(Tp) || '''デハ1000形'''<br/>(Msc1)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1uc1)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2)
| '''サハ1000形'''<br/>(Tp)
| '''デハ1000形'''<br/>(Msc1)
|-
|-
!搭載機器
! 搭載機器<ref name="年鑑2005p134"/>
| '''VVVF''',CP || VVVF,BT || SIV,SIV,BT || '''VVVF''',CP
| VVVF-A・CP || VVVF-B・BT || SIVSIVBT || VVVF-A・CP
|-
|-
! 自重([[トン|t]])<ref name="年鑑2005諸元"/>
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"|車両重量
| 32.0 t || 31.0 t || 27.0 t || 32.0 t
|style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 32.0t ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 31.0t ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 27.0t ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 32.0t
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
! rowspan="2"| 車両番号
| 1417 || 1418 || 1419 || 1420
| 東急 ||2005年3月11日<ref name="年鑑2005一覧"/>
|-
|-
| 1421 || 1422 || 1423 || 1424
! 車両番号
| 川重 ||2005年3月11日
| 1417<br/>1421 || 1418<br/>1422 || 1419<br/>1423 || 1420<br/>1424
| 東急車輛<br/>川崎重工 || 2005年3月
|}
|}


::; 凡例
; 凡例
::* '''VVVF''':主制御器(Box-A・制御側装置)
:* VVVF-A:主制御器(Box-A・制御側装置
::* VVVF:主制御器(Box-B・付随装置でBox-A側にて1C8M制御される。)
:* VVVF-B:主制御器(Box-B・付随装置でBox-A側にて1C8M制御される。
::* SIV:補助電源装置(静止形インバータ)
:* SIV:補助電源装置(静止形インバータ)
::* CP:空気圧縮機
:* CP:空気圧縮機
::* BT:蓄電池
:* BT:蓄電池
:
::; 備考
; 備考
::* パンタグラフは8両編成・4両編成ともに、付随車に2基を搭載する。
:* パンタグラフは8両編成・4両編成ともに、付随車に2基を搭載する<ref name="年鑑2005p134"/>。
::* 凡例は5次車まで同様である。
:* 凡例は5次車まで同様である。


==== 4次車 ====
==== 4次車 ====
{{Vertical images list
{{wakumigi|
|幅 = 200px
[[File:Keikyu 1000 series EMU (II) 045.JPG|thumb|180px|none|京急新1000形4次車<br/>(4両固定、1425 - 1428)<br/>(2008年3月29日)]]
|枠幅 = 200px
|1=Keikyu 1000 series EMU (II) 045.JPG
|2=京急新1000形4次車<br/>(4両固定 1425 - 1428)<br/>(2008年3月29日)
|3=Keikyu-Type1000-1057F-Lot4-Yellow.jpg
|4=京急新1000形4次車<br/>(8両固定 1057 - 1064)<br/>(2020年10月27日 金沢文庫駅 - 金沢八景駅間)
}}
}}
2005年7月 - 8月に8両編成1本、4両編成4本の24両が竣工した<ref name="2006一覧"/>。
2005年7月 - 8月に落成した。前述したが、種別表示にフルカラーLED式、行き先表示に白色LED式、運行番号表示に3色LED式の表示器がそれぞれ本格採用された。走行中に消灯する制御は行わず、常時点灯する。
*種別表示にフルカラーLED、行先表示に白色LED<!--式、運行番号表示に3色LED式の表示器がそれぞれ-->が本格採用された<ref name="動向2006"/>。

:; 8両編成
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|+8両編成
|-
|-
| style="background-color:#ccc; width:6em;"|&nbsp;
| style="background-color:#ccc; width:6em;" |&nbsp;
|colspan="8"|{{TrainDirection|浦賀・三崎口・新逗子・羽田空港国内線ターミナル|品川・泉岳寺・押上・青砥・印旛日本医大}}
|colspan="8"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="2"|&nbsp;
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;" rowspan="2"|製造<br/>メーカー
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;" rowspan="2"|竣工時期
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
! 号車
|-
| 1 || 2 || 3 || 4 || 5 || 6 || 7 || 8
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"|形式・車種
!rowspan="2"|製造<br/>メーカー<ref name="ディテールp133" />
|style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(Muc) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''サハ1000形'''<br/>(Tpu) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(M2u) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(M1u)
!rowspan="2"|竣工時期<ref name="ディテールp133" />
|style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(M1s) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(M2s) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''サハ1000形'''<br/>(Tps) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(Msc)
|-
|-
! 形式・車種
|'''デハ1000形'''<br/>(Muc)
| '''サハ1000形'''<br/>(Tpu)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2u)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1u)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1s)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2s)
| '''サハ1000形'''<br/>(Tps)
| '''デハ1000形'''<br/>(Msc)
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
! 車両番号
! 車両番号
| 1057 || 1058 || 1059 || 1060 || 1061 || 1062 || 1063 || 1064
| 1057 || 1058 || 1059 || 1060 || 1061 || 1062 || 1063 || 1064
| 東急車輛 || 2005年8月
| 東急 || 2005年8月30日<ref name="2006一覧"/>
|}
|}

:; 4両編成
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|+4両編成
|-
|-
| style="background-color:#ccc; width:6em;"|&nbsp;
| style="background-color:#ccc; width:6em;" |&nbsp;
|colspan="4"|{{TrainDirection|浦賀・三崎口・新逗子・羽田空港国内線ターミナル|品川・泉岳寺}}
|colspan="4"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="2"|&nbsp;
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;" rowspan="2"|製造<br/>メーカー
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;" rowspan="2"|竣工時期
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
! 号車
| 1 || 2 || 3 || 4
!rowspan="2"|製造<br/>メーカー<ref name="ディテールp135" />
!rowspan="2"|竣工時期<ref name="ディテールp135" />
|-
|-
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"|形式・車種
! 形式・車種
| '''デハ1000形'''<br/>(M1uc1)
|style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(Muc1) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(M2) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''サハ1000形'''<br/>(Tp) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(Msc1)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2)
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| '''デハ1000形'''<br/>(Msc1)
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
! rowspan="4"| 車両番号
| 1425 || 1426 || 1427 || 1428
| 東急 || 2005年7月26日<ref name="2006一覧"/>
|-
|-
| 1429 || 1430 || 1431 || 1432
! 車両番号
| 川重 || 2005年7月26日
| 1425<br/>1429<br/>1433<br/>1437 || 1426<br/>1430<br/>1434<br/>1438
|-
| 1427<br/>1431<br/>1435<br/>1439 || 1428<br/>1432<br/>1436<br/>1440
| 1433 || 1434 || 1435 || 1436
| 東急車輛<br/>川崎重工<br/>川崎重工<br/>川崎重工 || 2005年7月<br/>2005年7月<br/>2005年8月<br/>2005年8月
| 川重 || 2005年8月9日<ref name="2006一覧"/>
|-
| 1437 || 1438 || 1439 || 1440
| 川重 || 2005年8月9日
|}
|}


==== 5次車 ====
==== 5次車 ====
{{wakumigi|[[File:Keikyu-Type1000-445.jpg|thumb|180px|none|京急新1000形5次車<br/>(4両固定 1445 - 1448)<br/>(2021年7月18日 [[大森海岸駅]])]]}}
{{wakumigi|
2006年10月 - 11月に8両編成1本、4両編成2本の16両が竣工した。4次車からの変更点はない<ref name="動向2007"/>。
[[File:Keikyu 1000 series EMU (II) 043.JPG|thumb|180px|none|京急新1000形5次車<br/>(4両固定、1441 - 1444)<br/>(2008年5月22日)]]
}}
2006年11月に落成した。4次車からの変更点はない。

:; 8両編成
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|+8両編成
|-
|-
| style="background-color:#ccc; width:6em;"|&nbsp;
| style="background-color:#ccc; width:6em;" |&nbsp;
|colspan="8"|{{TrainDirection|浦賀・三崎口・新逗子・羽田空港国内線ターミナル|品川・泉岳寺・押上・青砥・印旛日本医大}}
|colspan="8"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="2"|&nbsp;
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;" rowspan="2"|製造<br/>メーカー
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;" rowspan="2"|竣工時期
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
! 号車
|-
| 1 || 2 || 3 || 4 || 5 || 6 || 7 || 8
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"|形式・車種
!rowspan="2"|製造<br/>メーカー<ref name="ディテールp133" />
|style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(Muc) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''サハ1000形'''<br/>(Tpu) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(M2u) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(M1u)
! rowspan="2"|竣工時期<ref name="ディテールp133" />
|style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(M1s) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(M2s) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''サハ1000形'''<br/>(Tps) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(Msc)
|-
|-
! 形式・車種
| '''デハ1000形'''<br/>(Muc)
| '''サハ1000形'''<br/>(Tpu)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2u)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1u)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1s)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2s)
| '''サハ1000形'''<br/>(Tps)
| '''デハ1000形'''<br/>(Msc)
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;";
! 車両番号
! 車両番号
| 1065 || 1066 || 1067 || 1068 || 1069 || 1070 || 1071 || 1072
| 1065 || 1066 || 1067 || 1068 || 1069 || 1070 || 1071 || 1072
| 東急車輛 || 2006年10月
| 東急 || 2006年10月30日<ref name="年鑑2007一覧"/>
|}
|}


:; 4両編成
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|+4両編成
|-
|-
|style="background-color:#ccc; width:6em;"|&nbsp;
|style="background-color:#ccc; width:6em;" |&nbsp;
|colspan="4"|{{TrainDirection|浦賀・三崎口・新逗子・羽田空港国内線ターミナル|品川・泉岳寺}}
|colspan="4"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="2"|&nbsp;
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;" rowspan="2"|製造<br/>メーカー
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;" rowspan="2"|竣工時期
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
! 号車
| 1 || 2 || 3 || 4
!rowspan="2"|製造<br/>メーカー<ref name="ディテールp135" />
!rowspan="2"|竣工時期<ref name="ディテールp135" />
|-
|-
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"|形式・車種
! 形式・車種
| '''デハ1000形'''<br/>(M1uc1)
|style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(Muc1) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(M2) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''サハ1000形'''<br/>(Tp) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(Msc1)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2)
| '''サハ1000形'''<br/>(Tp)
| '''デハ1000形'''<br/>(Msc1)
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
! rowspan="2"| 車両番号
| 1441 || 1442 || 1443 || 1444
| 川重 || 2006年11月14日<ref name="年鑑2007一覧"/>
|-
|-
| 1445 || 1446 || 1447 || 1448
! 車両番号
| 川重 || 2006年11月14日
| 1441<br/>1445 || 1442<br/>1446 || 1443<br/>1447 || 1444<br/>1448
| 川崎重工 || 2006年11月
|}
|}


== ステンレス車両(6次車以降) ==
== ステンレス車両 ==
=== 外観 ===
=== 外観 ===
[[File:Keikyu N1000 front.JPG|thumb|110px|ステンレス車両の先頭部]]
コストダウンの観点から基本設計が変更され、[[東急車輛製造]]の標準的構造に準じたステンレス製車体を採用したが、車体幅、車体長、独自配置・寸法の下降窓、客室側窓には従来通り[[カーテン|ロールカーテン]]が設置されているなどの京急独自の特徴がある。
6次車以降の車両では京急初の軽量[[ステンレス鋼|ステンレス]]製車体<ref name="RF554p79"/>とし、外板が[[グラインダー|ベルトグラインダー]]仕上げの無塗装とされた<ref name="佐藤2014p82"/><ref group="注釈">京急が2006年の株主総会で配布した資料には塗装設備を廃止することで環境負荷を低減させる旨の記述がある。</ref>。側面には京急のイメージカラーを踏襲した赤と白のカラーフィルムが貼り付けされた<ref name="RP791p146"/>。前頭部は[[炭素鋼|普通鋼]]製とされ、従来車同様赤く塗装された<ref name="RP791p146"/>。前面はアルミ車のワイパーカバーを廃止し、形式番号は直接表記とされた<ref name="RP791p146"/>。フロントガラスは[[貫通扉]]も含めて左右2分割から運転席前・貫通扉・左右前照灯・種別行先表示器の5分割構成となった<ref name="RP791p148"/>。


側面はブロック共通化により表示器、表示灯は点対称に配置されている<ref name="佐藤2014p82"/>。
京急初の軽量[[ステンレス鋼|ステンレス]]製車体とし、車体は無塗装であるが、窓周りを除き[[京急600形電車 (3代)|600形]]以来の赤地にクリーム色太帯でなく、[[京急1500形電車|1500形]]以前の赤地に白細帯をベースとした[[ラッピング車両|ラッピング]](カラーフィルムを貼り付け)が施されている。


同時期製造の他社のステンレス車に対して車体幅、車体長、独自配置・寸法の下降窓、客室側窓には従来通り[[カーテン|ロールカーテン]]が設置されているなどの京急独自の特徴がある<ref name="RP791p146"/>。高品質・高性能化とともにコストダウンが図られた<ref name="RF554p79"/>。
前頭部のみは[[炭素鋼|普通鋼]]製とし、[[塗装]]仕上げとなっている。前面はアルミ車の[[デザイン]]をアレンジしたものとなり、フロントガラスは[[貫通扉]]も含めて左右2分割から運転席前・貫通扉・左右前照灯・種別行先表示器の5分割構成となった。


[[樋 (建築)|雨樋]]・[[集電装置]]からの高圧配管が車体埋め込みから妻面に露出する形態となった<ref name="RF563p95"/>ほか、[[台枠]]から屋根に向かって車体が0.79度絞り込む台形断面状の車体となった<ref name="RF563p94"/><ref name="RF554p79"/>。
運転席側の[[ワイパー]]は2本から1本となり、ワイパーカバーを廃止し、貫通扉にワイパーが新設された。従来ワイパーカバーに表記していた形式表記は、[[スリット]]状から印刷表記とされた。さらに[[踏切障害事故|踏切事故]]対策として、前頭部はアルミ車両よりも1.5倍以上の強度向上がなされている。


屋根は歩み板が車体全長に渡って設けられ、滑り止めが施された<ref name="佐藤2014p82" />。
[[樋 (建築)|雨樋]]・[[集電装置]]からの高圧配管を車体埋め込みから妻面に露出する形態となったほか、[[台枠]]から屋根に向かって車体が絞り込む台形断面状の車体となった。


=== 内装 ===
=== 内装 ===
[[File:Inside Keikyu 1482.jpg|thumb|200px|ステンレス車(デハ1482)の車内]]
京急では[[1967年]]([[昭和]]42年)の[[京急700形電車 (2代)|700形]]1次車以来40年ぶりとなる[[操縦席|高運転台]]構造で、[[運転士]]用の座席と運転台を150mm高くし、乗務員室の奥行きを200mm拡大した。これは前述した踏切事故対策と運転操作性を考慮したもので、乗務員室背後の座席は廃止され、この場所にあった小窓も廃止された。また、運転席背後には非常用の折りたたみ式[[梯子|ハシゴ]]を格納したため、仕切部の窓が小型化された。
内装はアルミ車同様に暖色系を採用し、温かみある親しみやすい空間を目指した<ref name="RP791p146"/>。内張りはアルミ車同様の白色系[[デコラ|化粧板]]を使用し、アルミ車ではアクセントとして側面より濃い色調とされていた妻面が側面の色調に統一された<ref name="佐藤2014p86"/>。床材についてもロンリウム材ではあるが、色調をグレー系へと変更した<ref name="RP791p146"/>。中央天井部は空調ダクト・ラインフロー(冷風吹出口)一体成形の燃焼基準に適合した[[繊維強化プラスチック|FRP]]製ユニット天井とされ、ラインデリア整風板の形状も変更された<ref name="RP791p146"/><ref name="佐藤2014p86"/>。


車端部の4人掛けクロスシートは5人掛けロングシートに変更され、京急では[[1993年]](平成5年)製造の1500形の最終製造車以来14年ぶりのオールロングシート車となった<ref name="RP791p146"/><ref name="RP791p147"/>が、5次車までと同様の座席の表地や1人分455 mm幅の片持ち式バケットタイプシート構造を採用している<ref name="RP791p146"/>。座席端の袖仕切りと立席ポスト(握り棒)の仕切り板の色はピンク色からベージュ色に変更された<ref name="RP791p147"/>。
内装はアルミ車同様に暖色系を採用し、温かみある親しみやすい空間を目指した。内張りはアルミ車同様の白色系[[デコラ|化粧板]]を使用し、床材についてもロンリウム材ではあるが、色調をグレー系へと変更した。中央天井部は空調ダクト・ラインフロー(冷風吹出口)一体成形の[[繊維強化プラスチック|FRP]]製ユニット天井とされ、ラインデリア整風板の形状も変更された。全体的にはアルミ車よりもコストダウンされたものとなった。


客用ドアは車両メーカー標準品を採用、室内側を無塗装とし<ref name="RP791p147"/>、客用ドアガラスは側窓と併せ濃色グリーンの[[単板ガラス|単板]]の熱線吸収ガラスに変更された<ref name="RP791p147"/><ref name="佐藤2014p86"/>。各車両間の[[貫通扉|妻引戸]]は浦賀寄り先頭車を除き全車浦賀寄りに設置、戸閉め方式は傾斜式に変更され、ドアチェッカは廃止された<ref name="RP791p147"/>。
車端部の4人掛けクロスシートは5人掛けロングシートに変更され、京急では[[1993年]](平成5年)製造の1500形の最終ロット車以来14年ぶりのオールロングシート車となった。座席の表地や1人分が455mm幅の片持ち式バケットシート構造は踏襲している。そのほか、座席端の袖仕切りと立席ポスト(握り棒)の仕切り板の色をピンク色からベージュ色に変更した。


客用ドア間の側窓はアルミ車と合わせられ、[[戸袋]]幅が圧縮されてその分窓の幅が広げられ、開口寸法はガラス2枚と間柱を合わせて2,475&nbsp;mm、車端部では1,525&nbsp;mmとなっている<ref name="ディテールp91"/>。中央に桟のある2枚分割構成で片側を開閉可能な一段下降式とし、1両あたり4か所が床面上1,240&nbsp;mmまで開閉可能である<ref name="RP791p147"/>。そのため、アルミ車両にあった[[換気扇|排気扇]]は廃止されている<ref name="RF554p79"/>。側窓枠はFRP製とされ、カーテンの色は青色に変更した<ref name="RP791p146"/>。
客用ドアの室内側は東急車輛標準のステンレス無塗装のものとして、窓ガラスは[[ゴム]]による接着式とされた。側窓・客用ドアガラスはすべて濃色グリーンの[[単板ガラス]]に変更した。各車両間の[[貫通扉]]は傾斜式に変更され、下にあったレールは端部を除き省略した。


=== 運転台 ===
客用ドア間にある側窓は中央に桟のある2枚分割式とし、2枚窓のうち片側を開閉可能な一段下降式とした(1両あたり4か所が開閉可能)。側窓枠はFRP製とされ、カーテンの色は青色に変更した。一部の側窓が開閉可能となったため、アルミ車両にあった[[換気扇|排気扇]]は廃止されている。
{{Double image aside|right|KeikyuN1000 Msc1464 Controler.jpg|200|Keikyu 1453 cabin.JPG|112|ステンレス車(デハ1464)の運転台|運転室に設置された非常用脱出はしご}}
[[踏切障害事故|踏切事故]]対策と運転操作性を考慮し、京急では[[1967年]]([[昭和]]42年)の[[京急700形電車 (2代)|700形]]1次車以来40年ぶりとなる[[操縦席|高運転台]]構造を採用、[[運転士]]用の座席と運転台を150&nbsp;mm高くし、乗務員室を前後に200&nbsp;mm拡大した<ref name="RP791p148"/>。乗務員室背後の座席は廃止され<ref name="RP791p147"/>、この場所側面にあった小窓も廃止された<ref name="RF554p78"/>。乗務員室に非常用脱出はしごが設置された<ref name="N1000 Keikyu2"/>。運転席背後に非常用救出口が設けられたため、仕切部の窓が小型化された<ref name="RP791p147"/>。<!--ここに掲載の写真から、脱出用はしごと仕切り部の窓の大きさは関係ないことがわかるので、矛盾する表現を修正してあります。-->運転席側の[[ワイパー]]は1本となり、ワイパーカバーを廃止、貫通扉に手動式ワイパーが設置された<ref name="RP791p148"/>。[[踏切障害事故|踏切事故]]対策として、前頭部はアルミ車両よりも1.5倍以上の強度向上がなされている<ref name="RP791p145"/>。


=== 主要機器 ===
=== 主要機器 ===
搭載機器は仕様が見直され、国産メーカーの器の搭載となったほか、編成での機器配置が見直されている特に制御装置主電動機は1500形VVVF化改造車で実績のある機器を使し、予備部品の共通化も考慮しものである<ref>鉄道ピクトリアル2007年7月号「京浜急行電鉄新1000形6次車」参照。</ref>。なお、制御機器類は日本製となったため、それまで車内製造所[[銘板]]にあった「Powered by SIEMENS」の表記はされなくなった
搭載機器は仕様が見直され、主制御器・主電動が日本製とな、編成での機器配置も変更された<ref name="RP791p148"/>予備部品の共通化も考慮し、制御装置主電動機は1500形VVVF化改造車で実績のあるものが採された<ref name="RP791p148"/>。

VVVFインバータ装置は日本製の2レベル[[インテリジェントパワーモジュール|IPM]](保護機能付[[絶縁ゲートバイポーラトランジスタ|IGBT]])・PGセンサレスベクトル制御(3300V/1200A)となり、電動機制御は1C4M2群方式に変更された<ref name="RP791p149"/>。8連は[[三菱電機]]製、4連・6連は[[東洋電機製造]]製のインバータ装置を搭載する<ref name="RP791p149"/><ref name="年鑑2010諸元"/>。[[かご形三相誘導電動機|主電動機]]は一時間定格155 kWの誘導電動機で、三菱電機製MB-5121-A形<ref name="RP791p148"/><ref name="RP791p149"/>または東洋電機製造製TDK-6162A形<ref name="ディテールp147" /><ref name="ディテールp148" /><ref name="ディテールp149" />を搭載する。両者とも原設計は4M2Tの6両編成を想定しており、電動車比率の高い4・8両編成では出力を抑えて使用している<ref name="ディテールp93" /><ref name="ディテールp97" />。

補助電源装置はメーカーが変更され、[[東芝]]製の静止形インバータ装置 (INV153-F0) を採用、8両編成・4両編成とも出力は170 kVAとなった<ref name="RP791p149"/><ref name="年鑑2010諸元"/>。電動空気圧縮機 (CP) は三菱電機製のスクロール式CP(MBU1600-Y形)に変更され<ref name="RP791p149"/><ref name="年鑑2010諸元"/>、省スペースと軽量化のため関連機器ごとステンレス製の一体箱に収納された<ref name="RP791p149"/>。


集電装置、駆動装置、歯車比、空調装置、ブレーキ制御装置はアルミ車両と同一、台車は3次車以降と同一の円筒案内式TH-2100BM(電動台車)/TH-2100BT(付随台車)である<ref name="RP791p148"/><ref name="RP791p149"/>が、台枠構造の関係で[[ボルスタアンカー]]の上部が内側に屈折している<ref name="ディテールp92"/>。
VVVFインバータ装置は1500形VVVF化改造車で採用している日本製のインバータ装置(2レベル[[インテリジェントパワーモジュール|IPM]]・PGセンサレスベクトル制御)となり、電動機制御は1C4M2群方式に変更された。8連・東急車輛製は[[三菱電機]]製、4連・川崎重工業製は[[東洋電機製造]]製のインバータ装置を搭載する。[[かご形三相誘導電動機|主電動機]]は三菱電機製の誘導電動機(MB-5121-A形)を使用しており、定格出力は155kWである。なお、アルミ車両と異なり出力は1時間定格である。


[[集中式冷房装置|冷房装置]]は、アルミ車両と比較して屋根が高く、埋没深さが増えた結果、キセが薄くなっている<ref name="ディテールp92"/>。
補助電源装置はメーカーが変更され、東芝製の静止形インバータ装置を採用しており、8両編成・4両編成とも出力は170kVAとしている。電動空気圧縮機 (CP) は三菱電機製のスクロール式CP(MBU1600-Y形)を採用した。このCPは周辺機器も含めてステンレス製の一体箱に収納されたものである。そのほか、台車、ブレーキ制御装置、集電装置の仕様は5次車までと同一としている。


; 6次車以降の機器
<gallery>
<gallery>
ファイル:KeikyuN1000-MAP-138-15V174.jpg|8両編成の三菱電機製VVVFインバータ装置(MAP-138-15V174形)
ファイル:KeikyuN1000-MAP-138-15V174.jpg|8両編成の三菱電機製VVVFインバータ装置(MAP-138-15V174形)
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ファイル:KeikyuN1000-INV153-F0.jpg|東芝製のSIV装置(INV153-F0形)
ファイル:KeikyuN1000-INV153-F0.jpg|東芝製のSIV装置(INV153-F0形)
ファイル:KeikyuN1000-MBU1600-Y.jpg|三菱電機製のスクロール式空気圧縮機(MBU1600-Y形)
ファイル:KeikyuN1000-MBU1600-Y.jpg|三菱電機製のスクロール式空気圧縮機(MBU1600-Y形)
ファイル:Keikyu-N1000-TH2100BM.jpg|TH-2100BM形動力台車(写真は6次車1073編成のものだが、3次車以降で共通のものである)
ファイル:Keikyu-N1000-TH2100BT.jpg|TH-2100BT形付随台車(写真は6次車1073編成のものだが、3次車以降で共通のものである)
</gallery>
</gallery>


=== 製造時のバリエーション ===
=== 製造時のバリエーション ===
==== 6次車 ====
==== 6次車 ====
{{wakumigi|[[File:Keikyu-Type1000-073.jpg|thumb|180px|none|京急新1000形6次車<br/>(8両固定 1073 - 1080)<br/>(2021年7月17日 [[四ツ木駅]])]]}}
{{wakumigi|
6次車は1073編成の8連1本が製造された。[[2007年]](平成19年)3月に落成し、同年[[3月31日]]から営業運転に就いた<ref name="RP791p149"/>。
[[File:Keikyu 1000 series EMU (II) 021.JPG|thumb|180px|none|京急新1000形6次車<br/>(8両固定、1073 - 1080)<br/>(2008年5月22日)]]
}}
[[2007年]](平成19年)[[3月]]に落成し、[[3月31日]]から営業運転に就いた。前述したように、京急の車両で初めてステンレス車体を採用した。[[2008年]](平成20年)[[7月]]頃に7次車に合わせて客用ドアの室内側の戸当たり部分に黄色のマーキングテープが貼り付けされた。


{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|-
|-
| style="background-color:#ccc; width:6em;"|&nbsp;
| style="background-color:#ccc; width:6em;" |&nbsp;
|colspan="8"|{{TrainDirection|浦賀・三崎口・新逗子・羽田空港国内線ターミナル|品川・泉岳寺・押上・青砥・印旛日本医大}}
|colspan="8"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="2"|&nbsp;
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;" rowspan="4"|竣工時期
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
! 号車
| 1 || 2 || 3 || 4 || 5 || 6 || 7 || 8
!rowspan="4"|製造<br/>メーカー<ref name="ディテールp133" />
!rowspan="4"|竣工時期<ref name="ディテールp133" />
|-
|-
!形式・車種
! 形式・車種
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(M2uc)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2uc) || '''デハ1000形'''<br/>(M1u) || '''サハ1000形'''<br/>(Tu) || '''デハ1000形'''<br/>(M1u') || '''デハ1000形'''<br/>(M2s) || '''サハ1000形'''<br/>(Ts) || '''デハ1000形'''<br/>(M1s) || '''デハ1000形'''<br/>(M2sc)
|{{left|<}}{{right|>}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(M1u)
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''サハ1000形'''}}<br/>(Tu)
|{{right|>}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(M1u')
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(M2s)
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''サハ1000形'''}}<br/>(Ts)
|{{left|<}}{{right|>}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(M1s)
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(M2sc)
|-
|-
!搭載機器
! 搭載機器<ref name="RP791p148"/>
| SIV,BT || VVVF || CP || VVVF || &nbsp; || CP || VVVF || SIV,BT
| SIVBT || VVVF || CP || VVVF || &nbsp; || CP || VVVF || SIVBT
|-
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"|車両重量
|style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 33.5t ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 32.5t ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 24.5t ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 32.0t ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 28.5t ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 24.5t ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 32.5t ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 33.5t
|-
|-
! 自重([[トン|t]])<ref name="RP791p148"/>
| 33.5 t || 32.5 t || 24.5 t || 32.0 t || 28.5 t || 24.5 t || 32.5 t || 33.5 t
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
! 車両番号
! 車両番号
| 1073 || 1074 || 1075 || 1076 || 1077 || 1078 || 1079 || 1080
| 1073 || 1074 || 1075 || 1076 || 1077 || 1078 || 1079 || 1080
| 2007年3月
| 東急 || 2007年3月13日<ref name="年鑑2007一覧"/>
|}
|}


::; 凡例
; 凡例
::* VVVF:主制御器(1C4M2)
:* VVVF:主制御器(1C4M2
::* SIV:補助電源装置(静止形インバータ)
:* SIV:補助電源装置(静止形インバータ)
::* CP:空気圧縮機
:* CP:空気圧縮機
::* BT:蓄電池
:* BT:蓄電池
:
::; 備考
; 備考
::* 以降、8両編成は東急車輛製、4両編成は (8次車以降) は川崎重工製である。
:* 以降、11次車までの1000番台の8両編成は東急車輛製(12次車以降は総合車両製作所横浜事業所製)、1400番台の4両編成は川崎重工製である。
::* パンタグラフは、M1u・M1sに2基と、M1u'の品川方に1基を搭載する。
:* パンタグラフは、M1u・M1sに2基と、M1u'の品川方に1基を搭載する<ref name="RP791p148"/>。
::* なお、凡例は以降の次車で共通である。
:* 凡例は以降の次車で共通である。


==== 7次車 ====
==== 7次車 ====
{{wakumigi|[[File:Keikyu-Type1000-1089F-Lot7.jpg|thumb|180px|none|京急新1000形7次車<br/>(8両固定 1089 - 1096)<br/>(2020年10月27日 / 金沢文庫駅 - 金沢八景駅間)]]}}
{{wakumigi|
2008年1月 - 2月に8両編成2本、16両が竣工した<ref name="年鑑2008一覧"/>。6次車とほぼ同等の仕様である<ref name="2008動向">[[#動向2008|『鉄道車両年鑑2008年版』p133]]</ref>が、以下の点が変更されている。
[[File:Keikyu 1000 series EMU (II) 023.JPG|thumb|180px|none|京急新1000形7次車<br/>(8両固定、1089 - 1096)<br/>(2008年3月29日、弘明寺駅)]]

}}
*車内設備
2008年[[1月]] - [[2月]]に落成した。6次車とほぼ同等の仕様であるが、客用ドアの室内側の戸当たり部分に黄色のマーキングテープが貼り付けされている。貫通扉は6次車と同じく傾斜式であるが、隙間をなくすためにゴムを装着したので、貫通扉の下の端にあったレールは廃止されている。
** 優先席部に縦手すりが追加された<ref name="ディテールp150"/>。
** 客用ドアの室内側の戸当たり部分に黄色のマーキングテープが当初より貼り付けされている<ref name="ディテールp150"/>。
** 貫通扉は傾斜式であるが、隙間をなくすためにゴムを装着したため、貫通扉の下の端にあったレールを廃止した<ref name="ディテールp150"/>。

*乗務員設備
**運転状況記録装置が当初より設置されている<ref name="ディテールp23" />。
**乗降のしやすさと安全性向上のため、乗務員室側出入り口の手すりが6次車での上下2点止めから、中間にも支持部を設け3点止めとなった<ref name="ディテールp94"/>。


{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|-
|-
| style="background-color:#ccc; width:6em;"|&nbsp;
| style="background-color:#ccc; width:6em;" |&nbsp;
|colspan="8"|{{TrainDirection|浦賀・三崎口・新逗子・羽田空港国内線ターミナル|品川・泉岳寺・押上・青砥・印旛日本医大}}
|colspan="8"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;" rowspan="2"|竣工時期
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="2"|&nbsp;
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
! 号車
| 1 || 2 || 3 || 4 || 5 || 6 || 7 || 8
!rowspan="2"|製造<br/>メーカー<ref name="ディテールp133" />
!rowspan="2"|竣工時期<ref name="ディテールp133" />
|-
|-
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"|形式・車種
! 形式・車種
| '''デハ1000形'''<br/>(M2uc)
|style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(M2uc) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(M1u) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''サハ1000形'''<br/>(Tu) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(M1u) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(M2s) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''サハ1000形'''<br/>(Ts) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(M1s) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(M2sc)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1u)
| '''サハ1000形'''<br/>(Tu)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1u)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2s)
| '''サハ1000形'''<br/>(Ts)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1s)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2sc)
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
! rowspan="2"| 車両番号
| 1081 || 1082 || 1083 || 1084 || 1085 || 1086 || 1087 || 1088
| 東急 || 2008年1月21日<ref name="年鑑2008一覧"/>
|-
|-
| 1089 || 1090 || 1091 || 1092 || 1093 || 1094 || 1095 || 1096
! 車両番号
| 東急 || 2008年2月8日<ref name="年鑑2008一覧"/>
| 1081<br/>1089 || 1082<br/>1090 || 1083<br/>1091 || 1084<br/>1092
| 1085<br/>1093 || 1086<br/>1094 || 1087<br/>1095 || 1088<br/>1096
| 2008年1月<br/>2008年2月
|}
|}


==== 8次車 ====
==== 8次車 ====
{{wakumigi|[[File:Keikyu-Type1000-1449F-Lot8.jpg|thumb|180px|none|京急新1000形8次車<br/>(4両固定、1449 - 1452)<br/>(2020年10月27日 金沢文庫駅 - 金沢八景駅)]]}}
2008年9月 - 12月にかけて8両編成3本、4両編成2本の32両が竣工した<ref name="年鑑2009一覧"/>。ステンレス車体の4両編成、川崎重工業製が含まれる<ref name="年鑑2009一覧"/>。4両編成は全車電動車で、中間に付随車2両を挟むことで6両編成が組成出来るよう設計され、品川寄り中間電動車には付随車への給電用パンタグラフの準備工事が行われている<ref name="giho119"/>。6・7次車とほぼ同様だが、以下の部分が変更された。
*車体
**空調装置横の[[ランボード]]形状を変更<ref name="Train2018-1">エリエイ「とれいん」2018年1月号MODELERS FILE「京浜急行電鉄新1000形電車ステンレス鋼製グループ」pp.26 - 43。</ref>。
**車側灯を白熱灯から[[発光ダイオード|LED]]に変更<ref name="ディテールp94" />。
*車内設備
**バリアフリー対応のため、床敷物のドア周りに黄色を入れ、優先席付近をブルーにするなど客室内の配色が一部変更され<ref name="ディテールp42" /><ref name="動向2009"/>、立席ポスト(握り棒)に黄色の塗装と滑り止め加工を施工した<ref name="年鑑2010p158"/>。
**立ち座りの補助として袖仕切に横手すりを追加<ref name="年鑑2010p158"/>。

{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|+8両編成
|-
| style="background-color:#ccc; width:6em;" |&nbsp;
|colspan="8"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="2"|&nbsp;
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
! 号車
| 1 || 2 || 3 || 4 || 5 || 6 || 7 || 8
!rowspan="2"|製造<br/>メーカー<ref name="ディテールp133" />
!rowspan="2"|竣工時期<ref name="ディテールp133" />
|-
! 形式・車種
| '''デハ1000形'''<br/>(M2uc)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1u)
| '''サハ1000形'''<br/>(Tu)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1u)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2s)
| '''サハ1000形'''<br/>(Ts)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1s)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2sc)
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;";
! rowspan="3"| 車両番号
| 1097 || 1098 || 1099 || 1100 || 1101 || 1102 || 1103 || 1104
| 東急 || 2008年10月27日<ref name="年鑑2009一覧"/>
|-
| 1105 || 1106 || 1107 || 1108 || 1109 || 1110 || 1111 || 1112
| 東急 || 2008年11月17日<ref name="年鑑2009一覧"/>
|-
| 1113 || 1114 || 1115 || 1116 || 1117 || 1118 || 1119 || 1120
| 東急 || 2008年12月15日<ref name="年鑑2009一覧"/>
|}
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|+4両編成
|-
| style="background-color:#ccc; width:6em;" |&nbsp;
|colspan="4"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="2"|&nbsp;
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
! 号車
| 1 || 2 || 3 || 4
!rowspan="4"|製造<br/>メーカー<ref name="ディテールp135" />
!rowspan="4"|竣工時期<ref name="ディテールp135" />
|-
! 形式・車種
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(M2uc1)
|{{left|<}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(M1u1)
|{{left|<}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(M1s1)
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(M2sc1)
|-
! 搭載機器<ref name="私鉄車両編成表2023_p38" />
| SIV・CP・BT || VVVF || VVVF || SIV・CP・BT
|-
! 自重([[トン|t]])<ref name="giho119"/>
| 34.5 t || 32.5 t || 32.5 t || 34.5 t
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
! rowspan="2"| 車両番号
| 1449 || 1450 || 1451 || 1452
| 川重 || 2008年9月22日<ref name="年鑑2009一覧"/>
|-
| 1453 || 1454 || 1455 || 1456
| 川重 || 2008年9月22日
|}

* 4両編成のパンタグラフは、各中間車の浦賀方にそれぞれ1基を搭載する<ref name="年鑑2016p142"/>。M1s車には6両編成化を考慮したパンタグラフの準備工事が施されている<ref name="giho119"/>。
{{-}}

==== 9次車 ====
{{wakumigi|[[ファイル:Keikyu-Type1000-1481F-Lot9.jpg|thumb|180px|none|京急新1000形9次車<br/>(4両固定 1481 - 1484)<br/>(2020年10月27日 / 金沢文庫駅 - 金沢八景駅)]]}}
2009年度には4両編成8本、32両が竣工した<ref name="年鑑2010一覧"/>。仕様は8次車と同一である<ref name="年鑑2010p157"/>。

{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|+4両編成
|-
| style="background-color:#ccc; width:6em;" |&nbsp;
|colspan="4"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="2"|&nbsp;
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
! 号車
| 1 || 2 || 3 || 4
!rowspan="2"|製造<br/>メーカー<ref name="ディテールp135" />
!rowspan="2"|竣工時期<ref name="ディテールp135" />
|-
! 形式・車種
| '''デハ1000形'''<br/>(M2uc)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1u)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1s)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2sc)
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
! rowspan="8"| 車両番号
| 1457 || 1458 || 1459 || 1460
| 川重 || 2009年4月1日<ref name="年鑑2010一覧"/>
|-
| 1461 || 1462 || 1463 || 1464
| 川重 || 2009年4月1日
|-
| 1465 || 1466 || 1467 || 1468
| 川重 || 2009年4月3日
|-
| 1469 || 1470 || 1471 || 1472
| 川重 || 2009年4月3日
|-
| 1473 || 1474 || 1475 || 1476
| 川重 || 2009年5月22日<ref name="年鑑2010一覧"/>
|-
| 1477 || 1478 || 1479 || 1480
| 川重 || 2009年5月22日
|-
| 1481 || 1482 || 1483 || 1484
| 川重 || 2009年6月4日<ref name="年鑑2010一覧"/>
|-
| 1485 || 1486 || 1487 || 1488
| 川重 || 2009年6月4日
|}

==== 10次車 ====
{{wakumigi|[[ファイル:Keikyu-Type1000-1129F-Lot10.jpg|thumb|180px|京急新1000形10次車<br/>(8両固定 1129 - 1136)<br/>(2020年10月27日 金沢文庫駅 - 金沢八景駅間)]]}}
2010年度には、同年[[7月17日]]に開業した京成[[京成成田空港線|成田スカイアクセス線]]の開業準備用として製造された8両編成3本と、4両編成1本の計28両<ref name="年鑑2010p157"/>が竣工した。この10次車では[[バリアフリー]]設備の充実のため、一部で仕様の見直しが実施された<ref name="年鑑2010p158"/>。

*車内設備
**車内では[[京急600形電車 (3代)|600形更新車]]で採用した内容をフィードバックし、ドア上部への[[液晶ディスプレイ]](LCD・17[[インチ]]ワイド形)方式の車内案内表示器(映像情報配信装置・トレインビジョン・[[VIS (鉄道システム)|VIS]])を設置した<ref name="年鑑2010p158"/><ref name="DJ475p33" />([[KIホールディングス|コイト電工]]製<ref name="ディテールp124" />)。液晶モニタは2画面が設置され、左側を広告動画表示用として、右側は次駅案内や乗り換え案内等の旅客案内用として使用する<ref name="RP836p79"/>。
*** 2020年頃にソフトウェアが17次車以降と同様のものに変更されている<ref name="ディテールp124" />。
**ドア上部点検フタ下部にドア開閉時に赤く点滅するドア開閉表示灯を追加し<ref name="年鑑2010p158"/>、客用ドア車外下部のクツズリ部に黄色の注意表記を貼り付けた<ref name="RF592p69"/>。
**6次車より搭載している乗務員室背面収納の非常用ハシゴを車両側面用から、[[トンネル]]内での使用に備えて前面[[貫通扉]]にも使用できるよう改良された。6 - 9次車でも順次改良を実施<ref name="RP836p79"/>。
<gallery>
ファイル:KeikyuN1000-LCD01.jpg|10次車の案内表示器
ファイル:KeikyuN1000-LCD02.jpg|案内表示画面
</gallery>
*乗務員設備
**運転台には他社線(特に[[京成本線]]と[[京成成田空港線|成田スカイアクセス線]]内)で使用する乗務員支援情報(運行情報など)や停車予告機能を有する[[鉄道車両のモニタ装置|車上情報管理装置]]を設置し、運転台計器盤にモニター画面が設けられた<ref name="年鑑2010p158"/><ref name="RP836p79"/>。8両編成は登場時より成田スカイアクセス線乗り入れに対応<ref name="年鑑2010p158"/>。9次車以前の全車もSR無線設置に合わせ、同装置を改造で取り付けている<ref name="ディテールp94" />。
**それまで品川方でしか行えなかった行先表示機の設定が浦賀方の運転台でも行えるようになった<ref name="ディテールp43" />。
**乗務員室昇降ステップ、くつずり部に滑り止めが施工された<ref name="RF592p69"/>。
** 品川方の乗務員室内にFOMAアンテナを設置した(SR無線設置に伴い撤去)<ref name="ディテールp94" />。
{{wakumigi|[[ファイル:Keikyu 1492 opening emergency exit.JPG|thumb|180px|none|貫通扉を開いて非常用ハシゴを取り付けた状態<br/>(2012年5月27日、[[京急ファインテック]]久里浜事業所)]]}}

{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|+8両編成
|-
| style="background-color:#ccc; width:6em;" |&nbsp;
|colspan="8"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="3"|&nbsp;
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
! 号車
| 1 || 2 || 3 || 4 || 5 || 6 || 7 || 8
!rowspan="2"|製造<br/>メーカー<ref name="ディテールp133" />
!rowspan="2"|竣工時期<ref name="ディテールp133" />
!rowspan="2"|廃車<ref name="ディテールp133" />
|-
! 形式・車種
| '''デハ1000形'''<br/>(M2uc)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1u)
| '''サハ1000形'''<br/>(Tu)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1u)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2s)
| '''サハ1000形'''<br/>(Ts)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1s)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2sc)
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
! rowspan="3"| 車両番号
| 1121 || 1122 || 1123 || 1124 || 1125 || 1126 || 1127 || 1128
| 東急 || 2010年5月10日<ref name="年鑑2011一覧"/>
| rowspan="2"|
|-
| 1129 || 1130 || 1131 || 1132 || 1133 || 1134 || 1135 || 1136
| 東急 || 2010年6月2日<ref name="年鑑2011一覧"/>
|-
| 1137 || 1138 || 1139 || 1140 || 1141 || 1142 || 1143 || 1144
| 東急 || 2010年6月21日 || 2020年3月15日
|}
*1137編成は2019年9月の京急本線での踏切事故により廃車
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|+4両編成
|-
| style="background-color:#ccc; width:6em;" |&nbsp;
|colspan="4"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="2"|&nbsp;
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
! 号車
| 1 || 2 || 3 || 4
!rowspan="2"|製造<br/>メーカー<ref name="ディテールp135" />
!rowspan="2"|竣工時期<ref name="ディテールp135" />
|-
! 形式・車種
| '''デハ1000形'''<br/>(M2uc)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1u)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1s)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2sc)
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
! 車両番号
| 1489 || 1490 || 1491 || 1492
| 川重 || 2011年3月17日<ref name="年鑑2011一覧"/>
|}

==== 11次車 ====
[[ファイル:Keikyu 1000 series (II) at Hatchonawate Station (47985558038).jpg|thumb|新1000形11次車 (8両固定 1145 - 1152)<br/>(2019年5月 [[八丁畷駅]])]]
2011年度には8両編成1本、6両編成3本の26両が竣工した<ref name="RF614p85"/>。従来は8両編成と4両編成のみ製造されていたが、今回より[[京急800形電車 (2代)|800形]]の置き換えを目的として6両編成が登場した<ref name="年鑑2012p148"/>。2011年度の6両編成は全車川崎重工で製造され、6両編成の車両番号は「1300番台」に区分されている<ref name="DJ330p122"/>。6両編成は先頭部の電気連結器を装備していないが、運用変更への対応を考慮して8両編成または4両編成への変更が可能な編成形態となっている<ref name="年鑑2012p148"/>。

*車内設備
**2012年3月以降導入の車両は車内照明が直管[[蛍光灯]]から[[LED照明]]に変更された<ref name="RP863p85"/><ref name="Toshiba"/>。

*乗務員設備
**これまでの編成では複数の操作盤を設けると並列動作となって誤動作や機器の故障を招く恐れがあった為<ref name="ディテールp119" />に品川寄り先頭車の乗務員室内にのみ設置されていた空調装置操作器を品川寄り先頭車のみから、両先頭車への設置に変更した<ref name="年鑑2012p148"/>。

{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|+8両編成
|-
| style="background-color:#ccc; width:6em;" |&nbsp;
|colspan="8"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="2"|&nbsp;
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
! 号車
| 1 || 2 || 3 || 4 || 5 || 6 || 7 || 8
!rowspan="2"|製造<br/>メーカー<ref name="ディテールp133" />
!rowspan="2"|竣工時期<ref name="ディテールp133" />
|-
! 形式・車種
| '''デハ1000形'''<br/>(M2uc)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1u)
| '''サハ1000形'''<br/>(Tu)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1u)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2s)
| '''サハ1000形'''<br/>(Ts)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1s) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(M2sc)
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
! 車両番号
| 1145 || 1146 || 1147 || 1148 || 1149 || 1150 || 1151 || 1152
| 東急 || 2012年1月10日<ref name="DJ339p126"/><ref name="年鑑2012一覧"/>
|}
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|+6両編成
|-
| style="background-color:#ccc; width:6em;" |&nbsp;
|colspan="6"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="2"|&nbsp;
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
! 号車
| 1 || 2 || 3 || 4 || 5 || 6
!rowspan="4"|製造<br/>メーカー<ref name="ディテールp134" />
!rowspan="4"|竣工時期<ref name="ディテールp134" />
|-
! 形式・車種
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(M2uc1)
|{{left|<}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(M1u1)
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''サハ1000形'''}}<br/>(Tu1)
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''サハ1000形'''}}<br/>(Ts1)
|{{left|<}}{{right|>}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(M1s1)
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(M2sc1)
|-
! 搭載機器<ref name="RF614p84"/><ref name="年鑑2012p147"/>
| SIV・CP・BT || VVVF || &nbsp; || &nbsp; || VVVF || SIV・CP・BT
|-
! 自重([[トン|t]])<ref name="RF614p84"/><ref name="年鑑2012諸元"/>
| 34.5 t || 32.5 t || 24.0 t || 24.0 t || 32.5 t || 34.5 t
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
! rowspan="3"| 車両番号
| 1301 || 1302 || 1303 || 1304 || 1305 || 1306
| 川重 || 2011年4月15日<ref name="DJ330p122"/><ref name="年鑑2012一覧"/>
|-
| 1307 || 1308 || 1309 || 1310 || 1311 || 1312
| 川重 || 2011年4月22日
|-
| 1313 || 1314 || 1315 || 1316 || 1317 || 1318
| 川重 || 2012年3月9日<ref name="DJ339p126"/><ref name="年鑑2012一覧"/>
|}
* 6両編成ではM1u車浦賀寄りに1基、M1s車に2基のパンタグラフが搭載された<ref name="RF614p85"/><ref name="年鑑2012諸元"/>。

==== 12次車 ====
{{wakumigi|
{{wakumigi|
[[File:Keikyu_1453F_20081025.jpg|thumb|180px|none|京急新1000形8次車<br/>(4両固定、1453 - 1456)<br/>(20081025日)]]
[[File:Keikyu-Type1000-325.jpg|thumb|180px|none|新1000形12次車1325 - 1330<br/>(20132 [[新馬場駅]])]]
[[File:Keikyu 1330 plates.JPG|thumb|180px|none|LED照明採用車両に貼付されたステッカー <br/>(2012年8月24日)]]
[[File:Keikyu 1000 series (II) Namesticker.jpg|thumb|180px|none|サハ1158の車内銘板(2012年6月15日)]]
}}
}}
2012年(平成24年)度には8両編成1本、6両編成2本の20両が竣工した<ref name="年鑑2012p148"/>。1153編成は総合車両製作所が発足後最初に鉄道事業者に引き渡された車両で、同社を出場した2012年4月6日に出場記念のテープカットが行われている<ref name="RF615p203"/><ref name="RF621p132"/>。
2008年[[9月]] - 12月にかけて落成した<ref>[[交通新聞社]]「[[鉄道ダイヤ情報]]」2009年10月号の私鉄DATA FILE「私鉄車両のうごき」を参照。</ref>。ステンレス車体の本形式では初の4両編成、川崎重工業製が含まれる。4両編成は全車電動車編成となり、中間に付随車2両を挟むことで6両編成が組成出来るよう設計されている<ref>「京浜急行電鉄株式会社新1000形VVVFインバータ制御システム」『東洋電機技報』119号(2009年3月発行)掲載より</ref>。6・7次車と内装はほぼ同様だが、バリアフリーの充実のために[[優先席]]部の床面が青色となり、立席ポスト(握り棒)に黄色の塗装と滑り止め加工を施工した。このほか、安全性に配慮して袖仕切に横手すりを追加している。[[車側表示灯|戸閉灯]]は600形以来となるLED式が採用された。
*全車LED車内照明を採用<ref name="年鑑2012p148"/>。


:; 8両編成
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|+8両編成
|-
|-
| style="background-color:#ccc; width:6em;"|&nbsp;
| style="background-color:#ccc; width:6em;" |&nbsp;
|colspan="8"|{{TrainDirection|浦賀・三崎口・新逗子・羽田空港国内線ターミナル|品川・泉岳寺・押上・青砥・印旛日本医大}}
|colspan="8"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;" rowspan="2"|竣工時期
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="2"|&nbsp;
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
|-
! 号車
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"|形式・車種
| 1 || 2 || 3 || 4 || 5 || 6 || 7 || 8
|style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(M2uc) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(M1u) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''サハ1000形'''<br/>(Tu) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(M1u) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(M2s) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''サハ1000形'''<br/>(Ts) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(M1s) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(M2sc)
!rowspan="2"|製造<br/>メーカー<ref name="ディテールp133" />
!rowspan="2"|竣工時期<ref name="ディテールp133" />
|-
|-
! 形式・車種
| '''デハ1000形'''<br/>(M2uc)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1u)
| '''サハ1000形'''<br/>(Tu)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1u)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2s)
| '''サハ1000形'''<br/>(Ts)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1s)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2sc)
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
! 車両番号
! 車両番号
| 1153 || 1154 || 1155 || 1156 || 1157 || 1158 || 1159 || 1160
| 1097<br/>1105<br/>1113 || 1098<br/>1106<br/>1114 || 1099<br/>1107<br/>1115 || 1100<br/>1108<br/>1116
| 総車 || 2012年4月6日<ref name="DJ342p124"/>
| 1101<br/>1109<br/>1117 || 1102<br/>1110<br/>1118 || 1103<br/>1111<br/>1119 || 1104<br/>1112<br/>1120
|}
| 2008年10月<br/>2008年11月<br/>2008年12月
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|+6両編成
|-
| style="background-color:#ccc; width:6em;" |&nbsp;
|colspan="6"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="2"|&nbsp;
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
! 号車
| 1 || 2 || 3 || 4 || 5 || 6
!rowspan="2"|製造<br/>メーカー<ref name="ディテールp134" />
!rowspan="2"|竣工時期<ref name="ディテールp134" />
|-
! 形式・車種
| '''デハ1000形'''<br/>(M2uc)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1u)
| '''サハ1000形'''<br/>(Tu)
| '''サハ1000形'''<br/>(Ts)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1s)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2sc)
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
! rowspan="2" |車両番号
| 1319 || 1320 || 1321 || 1322 || 1323 || 1324
| 川重 || 2012年4月17日<ref name="DJ342p124"/>
|-
| 1325 || 1326 || 1327 || 1328 || 1329 || 1330
| 川重 || 2012年4月24日
|}
|}


==== 13次車 ====
:; 4両編成
[[File:Keikyu-Type1000-1161F-Lot13.jpg|200px|thumb|京急新1000形13次車(8両固定 1161 - 1168)<br/>(2020年10月27日 金沢文庫駅 - 金沢八景駅間)]]
2013年(平成25年)度には13次車として8両編成1本、6両編成2本の20両が竣工した<ref name="RF640-Ap"/><ref name="年鑑2014動向1"/><ref name="年鑑2014一覧"/><ref name="年鑑2014動向2"/>。1161編成は[[日本の鉄道事故 (2000年以降)#京急本線土砂崩れ列車脱線事故|土砂崩れに乗り上げて脱線]]し廃車となった1500形1701編成の代替となっている<ref name="ディテールp57" />。

*車体
**屋根上に空間波[[列車無線アンテナ]]の取り付け準備を実施した<ref name="Train2018-1"/>(1基。その後、12次車以前の車両も改造で取り付け<ref name="Train2018-1"/>)。

*車内設備
**座席間の仕切板を廃止し、中間仕切りをポールのみのタイプに変更<ref name="Train2018-1"/><ref name="ディテールp43" />(一人当たりの座席幅拡大を目的に実施、8人掛けで約60mm拡大<ref name="ディテールp43" />)。
**車内ドア上部の車内案内表示器を2画面から、広告用の1画面を廃止した<ref name="Train2018-1"/>。これに合わせて、10 - 12次車も1画面化改造を実施した<ref name="Train2018-1"/>。

*走行機器
**6両編成では、[[梅屋敷駅 (東京都)|梅屋敷駅]]の高架化が完了しホームが6両対応になったことから、ドアカットを行う際に必要となるADL (自動扉切放装置) の設置が省略された<ref name="ディテールp30" />。

{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|+8両編成
|-
|-
| style="background-color:#ccc; width:6em;"|&nbsp;
| style="background-color:#ccc; width:6em;" |&nbsp;
|colspan="4"|{{TrainDirection|浦賀・三崎口・新逗子・羽田空港国内線ターミナル|品川・泉岳寺}}
|colspan="8"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="2"|&nbsp;
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;" rowspan="4"|竣工時期
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
! 号車
| 1 || 2 || 3 || 4 || 5 || 6 || 7 || 8
!rowspan="2"|製造<br/>メーカー<ref name="ディテールp134" />
!rowspan="2"|竣工時期<ref name="ディテールp134" />
|-
|-
!形式・車種
! 形式・車種
| '''デハ1000形'''<br/>(M2uc)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2uc)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1u)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1u)
| '''サハ1000形'''<br/>(Tu)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1u)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2s)
| '''サハ1000形'''<br/>(Ts)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1s)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1s)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2sc)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2sc)
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
! 車両番号
| 1161 || 1162 || 1163 || 1164 || 1165 || 1166 || 1167 || 1168
| 総車 || 2013年8月27日<ref name="RF640-Ap"/>
|}
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|+6両編成
|-
|-
| style="background-color:#ccc; width:6em;" |&nbsp;
!搭載機器
|colspan="6"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
| SIV,CP,BT || VVVF || VVVF || SIV,CP,BT
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="2"|&nbsp;
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
! 号車
| 1 || 2 || 3 || 4 || 5 || 6
!rowspan="2"|製造<br/>メーカー<ref name="ディテールp134" />
!rowspan="2"|竣工時期<ref name="ディテールp134" />
|-
|-
! 形式・車種
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"|車両重量
| '''デハ1000形'''<br/>(M2uc)
|style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 34.5t ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 32.5t ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 32.5t ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 34.5t
| '''デハ1000形'''<br/>(M1u)
| '''サハ1000形'''<br/>(Tu)
| '''サハ1000形'''<br/>(Ts)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1s)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2sc)
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
! rowspan="2"| 車両番号
| 1331 || 1332 || 1333 || 1334 || 1335 || 1336
| 川重 || 2014年1月7日<ref name="RF640-Ap"/>
|-
|-
| 1337 || 1338 || 1339 || 1340 || 1341 || 1342
| 川重 || 2014年3月7日<ref name="RF640-Ap"/>
|}

==== 14次車 ====
[[File:Keikyu-Type1000-1169F-Lot14.jpg|200px|thumb|京急新1000形14次車(8両固定 1169 - 1176)<br/>(2020年10月27日 金沢文庫駅 - 金沢八景駅間)]]
2014年(平成26年)度には14次車として8両編成1本、6両編成3本の26両が竣工した<ref name="年鑑2015動向"/><ref name="年鑑2015一覧"/>。

*車体
**2014年6月以降導入の車両において行先表示器が白色LEDからフルカラーLEDに変更された。

{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|+8両編成
|-
| style="background-color:#ccc; width:6em;" |&nbsp;
|colspan="8"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="2"|&nbsp;
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
! 号車
| 1 || 2 || 3 || 4 || 5 || 6 || 7 || 8
!rowspan="2"|製造<br/>メーカー<ref name="ディテールp134" />
!rowspan="2"|竣工時期<ref name="ディテールp134" />
|-
! 形式・車種
| '''デハ1000形'''<br/>(M2uc)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1u)
| '''サハ1000形'''<br/>(Tu)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1u)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2s)
| '''サハ1000形'''<br/>(Ts)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1s)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2sc)
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
! 車両番号
! 車両番号
| 1169 || 1170 || 1171 || 1172 || 1173 || 1174 || 1175 || 1176
| 1449<br/>1453 || 1450<br/>1454 || 1451<br/>1455 || 1452<br/>1456
| 総車 || 2014年6月24日<ref name="年鑑2015一覧"/>
| 2008年9月<br/>2008年9月
|}
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|+6両編成
|-
| style="background-color:#ccc; width:6em;" |&nbsp;
|colspan="6"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="2"|&nbsp;
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
! 号車
| 1 || 2 || 3 || 4 || 5 || 6
!rowspan="2"|製造<br/>メーカー<ref name="ディテールp134" />
!rowspan="2"|竣工時期<ref name="ディテールp134" />
|-
! 形式・車種
| '''デハ1000形'''<br/>(M2uc)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1u)
| '''サハ1000形'''<br/>(Tu)
| '''サハ1000形'''<br/>(Ts)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1s)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2sc)
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
! rowspan="3"| 車両番号
| 1343 || 1344 || 1345 || 1346 || 1347 || 1348
| 川重 || 2014年4月22日<ref name="年鑑2015一覧"/>
|-
| 1349 || 1350 || 1351 || 1352 || 1353 || 1354
| 川重 || 2014年5月22日<ref name="年鑑2015一覧"/>
|-
| 1355 || 1356 || 1357 || 1358 || 1359 || 1360
| 川重 || 2014年8月8日<ref name="年鑑2015一覧"/>
|}
|}


==== 15次車 ====
::* 4両編成のパンタグラフは、各中間車の浦賀方にそれぞれ1基を搭載する。
[[File:KEIKYU N1000 SERIES 1801- 20180818.jpg|200px|thumb|京急新1000形15次車(4両固定 1801-1804)<br/>(2018年8月18日 屏風浦駅)]]
<!-- 8次車の分割理由はノートに記載 -->
[[2015年]]([[平成]]27年)度には15次車として6両編成2本、4両編成2本が竣工した<ref name="年鑑2016動向"/>。
{{-}}


*車体
==== 9次車 ====
**側面表示器が種別行先一体のものに変更された。
* [[2009年]]度に4両編成8本・32両が導入された。仕様は8次車とほぼ同一である。<!-- 鉄道ピクトリアル2010年版車両年鑑で9次車と正式に判明 -->
**屋根上では空間波列車無線アンテナの取り付けを実施した(1基)<ref name="Train2018-1"/>。

*走行機器
**1367編成のみ、東芝製SEA-548 [[永久磁石同期電動機]](PMSM)と4台の主電動機を1台で制御するSVF102-G0主制御装置が採用された<ref name="年鑑2016諸元1"/><ref name="年鑑2016諸元2"/>。主電動機出力はメーカー標準の190 kWとなっており<ref name="年鑑2016諸元1"/>、出力を抑えて使用している<ref name="ディテールp100" />。主制御装置の変更により、中間電動車2両の車重がそれぞれ0.5 t増加している<ref name="ディテールp149" />。

4両編成は、初めての[[総合車両製作所]]製となり、「初代1000形みたいな使い方が、今の1000形でも出来ればよい」と言う事<ref name="ディテールp102" />から、浅草線直通用の8両編成が不足した際に2編成を連結して直通運用に使用できるよう各部の仕様が変更された<ref name="年鑑2016p143"/><ref name="RF666p102"/>。車両番号も「1800番台」に区分されている<ref name="年鑑2016動向"/><ref name="RF666p102"/>。

* 車体
** 先頭車前面の貫通扉が車体中央に移設され、貫通路として使用できるよう変更された。2編成を貫通する際は、正面貫通扉、折り戸を使用して運転席を仕切るとともに、床面との段差解消のためのスロープと一体化した渡り板と貫通幌を取り付けることで編成間の通路を構成する<ref name="RF666p103"/><ref name="RF666p104"/>。貫通路を使用しない場合は渡り板を取り外す必要があるが、幌を取り付けたまま走行できるよう金具で固定されている<ref name="RF666p104"/><ref name="RF666p105"/>。最初は枠の上にあったが、後に前面の表示が見えにくい事から側面に移設された<ref name="ディテールp102" />。
** 貫通路部以外の台枠の形状を従来車に揃えるため、扉付近を除き裾が絞られた<ref name="ディテールp102" />。
**「伝統的な塗装を再現したい」との社内要望を受け、ステンレス製のまま塗装することも検討されたが、コストやメンテナンスで有利な幅広の赤色と白色のカラーフィルムが貼付された<ref name="RF666p104"/>。窓枠や客室扉と乗務員室扉の周りは曲線がきつくカラーフィルムが貼れないこと、洗車時にはがれやすくなることからフィルムは貼り付けされていない<ref name="RF666p104"/>。
**従来の前面構造のまま貫通幌取り付け面を平面とすると貫通幌取り付け面が突出してしまうため、前面の曲面構成が変更された<ref name="RF666p104"/>。
**[[通過標識灯|標識灯]]・[[尾灯]]は従来電球の交換容易化のため車体内側から取り付けられていたが、運転台構造の変更により内側からアクセスできなくなったため、外側から取り付ける構造に変更の上、電球交換の頻度を減らすため、LED化された<ref name="RF666p104"/>。LEDは新開発の電球色のものが採用された<ref name="RF666p104"/>。尾灯の内部基盤は緑色のままである為、消灯時に外部から光が当てられると緑色が見えることがある<ref name="ディテールp102" />。

*車内設備
**運転室と客室の間の仕切り扉は貫通路を使用した際、車両間を自動で仕切らなければならない新火災対策への対応の容易化から引き戸に変更<ref name="RF666p103"/>し、貫通路使用時に自閉する仕様とされた<ref name="ディテールp102" />。また、戸袋の確保のため非常脱出用梯子の収納部が客室側に張り出す構造となった<ref name="RF666p103"/>。

*乗務員設備
**運転台前の日除けをプラ製の遮光板から、[[カーテン]]式に変更した<ref name="Train2018-1"/>。
**運転席のスイッチ類の一部は壁面に移設され、従来運転席コンソールに埋め込まれていたモニタも別体化されて上方に移動している<ref name="RF666p103"/>。


:; 4両編成
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|+6両編成
|-
|-
| style="background-color:#ccc; width:6em;"|&nbsp;
| style="background-color:#ccc; width:6em;" |&nbsp;
|colspan="4"|{{TrainDirection|浦賀・三崎口・新逗子・羽田空港国内線ターミナル|品川・泉岳寺}}
|colspan="6"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;" rowspan="2"|竣工時期
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="2"|&nbsp;
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
! 号車
| 1 || 2 || 3 || 4 || 5 || 6
!rowspan="4"|製造<br/>メーカー<ref name="ディテールp134" />
!rowspan="4"|竣工時期<ref name="ディテールp134" />
|-
! 形式・車種
| '''デハ1000形'''<br/>(M2uc)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1u)
| '''サハ1000形'''<br/>(Tu)
| '''サハ1000形'''<br/>(Ts)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1s)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2sc)
|-
! 搭載機器<ref name="年鑑2016p142"/>
| SIV・CP・BT || VVVF || &nbsp; || &nbsp; || VVVF || SIV・CP・BT
|-
! 自重([[トン|t]])<ref name="年鑑2016諸元1"/>
| 34.5 t || 32.5 t || 24.0 t || 24.0 t || 32.5 t || 34.5 t
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
! 車両番号
| 1361 || 1362 || 1363 || 1364 || 1365 || 1366
| 川重 || 2015年4月1日<ref name="年鑑2016一覧"/>
|}
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|+6両編成
|-
| style="background-color:#ccc; width:6em;" |&nbsp;
|colspan="6"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="2"|&nbsp;
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
! 号車
| 1 || 2 || 3 || 4 || 5 || 6
!rowspan="4"|製造<br/>メーカー
!rowspan="4"|竣工時期
|-
! 形式・車種
| '''デハ1000形'''<br/>(M2uc)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1u)
| '''サハ1000形'''<br/>(Tu)
| '''サハ1000形'''<br/>(Ts)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1s)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2sc)
|-
|-
! 搭載機器<ref name="年鑑2016p142"/>
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"|形式・車種
| SIV・CP・BT || VVVF || &nbsp; || &nbsp; || VVVF || SIV・CP・BT
|style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(M2uc) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(M1u) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(M1s) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(M2sc)
|-
|-
! 自重([[トン|t]])<ref name="年鑑2016諸元1"/>
| 34.5 t || 33.0 t || 24.0 t || 24.0 t || 33.0 t || 34.5 t
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
! 車両番号
! 車両番号
| 1367 || 1368 || 1369 || 1370 || 1371 || 1372
| 1457<br/>1461<br/>1465<br/>1469<br/>1473<br/>1477<br/>1481<br/>1485
| 川重 || 2015年11月13日<ref name="年鑑2016一覧"/>
| 1458<br/>1462<br/>1466<br/>1470<br/>1474<br/>1478<br/>1482<br/>1486
| 1459<br/>1463<br/>1467<br/>1471<br/>1475<br/>1479<br/>1483<br/>1487
| 1460<br/>1464<br/>1468<br/>1472<br/>1476<br/>1480<br/>1484<br/>1488
| 2009年4月<br/>2009年4月<br/>2009年4月<br/>2009年4月<br/>2009年5月<br/>2009年5月<br/>2009年6月<br/>2009年6月
|}
|}


{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
==== 10次車 ====<!-- 検証可能性を満たさない記述は削除対象です。 -->
|+4両編成
{{wakumigi|
|-
[[ファイル:Keikyu 1000gata naritayugawa.JPG|thumb|180px|none|アクセス特急の運用に入った新1000形10次車<br/>(8両固定、1137 - 1144)<br/>(2010年7月19日、[[成田湯川駅]])]]
| style="background-color:#ccc; width:6em;" |&nbsp;
|colspan="4"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="2"|&nbsp;
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
! 号車
| 1 || 2 || 3 || 4
!rowspan="4"|製造<br/>メーカー<ref name="ディテールp135" />
!rowspan="4"|竣工時期<ref name="ディテールp135" />
|-
! 形式・車種
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(M2uc1)
|{{left|<}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(M1u1)
|{{left|<}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(M1s1)
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(M2sc1)
|-
! 搭載機器<ref name="年鑑2016p142"/>
| SIV・CP・BT || VVVF || VVVF || SIV・CP・BT
|-
! 自重([[トン|t]])<ref name="年鑑2016諸元2"/>
| 35.0 t || 33.0 t || 33.0 t || 35.0 t
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
! rowspan="2"| 車両番号
| 1801 || 1802 || 1803 || 1804
| 総車 || 2016年2月24日<ref name="年鑑2016一覧"/>
|-
| 1805 || 1806 || 1807 || 1808
| 総車 || 2016年2月24日
|}

==== 16次車 ====
{{Vertical images list
|幅 = 200px
|枠幅 = 200px
|1=Keikyu-Type1000-1601F-Lot16.jpg
|2=京急新1000形16次車<br/>(6両固定 1601 - 1606)<br/>(2020年10月27日 金沢文庫駅 - 金沢八景駅間)
|3=Keikyu 1000kei 1600 interior.jpg
|4=車内
|5=Keikyu 1000kei 1600 box seat.jpg
|6=車端の片側に設置された補助いす付きのクロスシート
|7=Keikyu 1000gata outlet.jpg
|8=クロスシート内に設置された2口のコンセント([[神保電器]]製)
}}
}}
2010年度には8両編成3本と4両編成1本の計28両<ref>[http://www.keikyu.co.jp/corporate/press/mk_auto/20100518c.shtml 報道発表資料]</ref>が落成した。この10次車では[[バリアフリー]]設備の充実のため、一部で仕様の見直しが実施された。


[[2016年]]([[平成]]28年)度には16次車として32両が製造された<ref name="RF666p105"/>。2016年9月に1800番台の4両編成1本が竣工<ref name="DJ417p125"/>、2016年11月に仕様が変更されたマイナーチェンジ車が6両編成2本で竣工した<ref name="RP928p73" />。また、8両編成2本が2017年2月に導入された<ref name="minorchange" />。本導入分以降の6両編成は「1600番台」と区分されている<ref name="DJ417p6-7" />。
車内では[[京急600形電車 (3代) |600形更新車]]で採用したドア上部への[[液晶ディスプレイ|液晶モニタ]](LCD・17インチワイド形)方式の車内案内表示器(映像情報配信装置・トレインビジョン・[[VIS (鉄道システム)|VIS]])を設置した。液晶モニタは2画面が設置され、左側を[[広告]][[動画]]表示用として、右側は次駅案内や乗り換え案内等の旅客案内用として使用する<ref name="RW2010-8">鉄道図書刊行会「鉄道ピクトリアル」2010年8月号記事ならびにネコ・パブリッシング「レイルマガジン」2010年8月号記事を参照。</ref> 。


1809編成での変更点は以下の通り。
<gallery>
* 車体
ファイル:KeikyuN1000-LCD01.jpg|10次車の案内表示器
** 屋根上の空間波列車無線アンテナを1基から2基に増設<ref name="Train2018-1"/><ref name="ディテールp103" />し、乗務員室内の簡易アンテナを廃止<ref name="ディテールp96" />。
ファイル:KeikyuN1000-LCD02.jpg|案内表示画面
</gallery>
さらにドア上部点検フタ下部にドア開閉表示灯(ドア開閉時に赤く点滅)やドア全開時に開扉チャイム(ポーン音3回)を追加した。また、車外ドア下部のクツズリ部に黄色の注意表記を貼り付けした(クツズリの注意表記は10次車で初採用し、6次車以降全車両に設置予定)。


6・8両編成では以下の点が変更された。
運転台では乗務員支援情報(運行情報)や誤通過防止機能(停車予告機能)を有する[[鉄道車両のモニタ装置|車上情報管理装置]]を搭載し、運転台計器盤右端にモニター画面を設置した<ref name="RW2010-8"/>。これにより[[エアポート快特]]と京成高砂以東の乗り入れ、および[[京成成田空港線|成田スカイアクセス線]]アクセス特急の運用に対応する。さらに乗務員室側面ステップ付近に滑り止めが施工された。
* 車体
** 先頭部は従来の3次元曲面の流線型だが、車体側面の外装は1800番台と同様のものとなった<ref name="RP928p73" />。
** 前照灯は[[シールドビーム]]式から[[KIホールディングス|コイト電工]]製の電球色LEDライトに変更された<ref name="ディテールp101" />。
** 側面の幕部に1両につき片側2台の放送用スピーカーを新設した<ref name="Train2018-1"/><ref name="ディテールp96" />。


* 車内設備
そのほか、6次車より搭載している乗務員室背面収納の非常用ハシゴを車両側面用から、[[トンネル]]内での使用に備えて前面[[貫通扉]]にも使用できるよう改良された。これは6次車以降全車両に改良予定とされている<ref name="RW2010-8"/>。
** LCDの車内案内表示装置をすべての客用扉上部(各車とも日本語・英語対応のものがすべての扉上に計6台、韓国語・中国語(簡体字)対応のものが扉上に千鳥配置で計3台)設置<ref name="minorchange" />。15次車以前と同様にコイト電工製<ref name="ディテールp124" />で、アルミ車の更新用機器でも採用されている<ref name="ディテールp124" />。他社線の路線記号には対応しない<ref name="ディテールp124" />。
** 客室ドアを化粧板仕上げに黄色の視認性向上ラインが印刷された物に変更<ref name="ディテールp96" />。
** ロングシートの袖仕切りは風の入り込み対策として大型の[[軽合金]]の押出材と化粧板を使った組立品が用いられた<ref name="RP928p73" /><ref name="minorchange" /><ref name="ディテールp96" />。
** 新1000形ステンレス車両として初めて車端に向かって右側の座席を補助いす付きのクロスシートに変更。コンセントが2口設置された<ref name="RP928p73" />。

*乗務員設備
** 6・8両編成についても運転台前の日除けを[[カーテン]]式に変更<ref name="Train2018-1"/>。
** 運転台横の表示灯がLEDによる字光式に変更。
** 乗務員室内に自動放送装置が取り付けられた<ref name="ディテールp96" />。

*走行機器
**8両編成では、三菱電機製MB-5171-A形 かご形三相誘導電動機と同社製のフル[[炭化ケイ素|SiC]]素子を使用したMAP-198-15V295形主制御装置を採用<ref name="Train2018-1"/>。アルミ車1001編成の更新用機器との共通化を重視し<ref name="ディテールp95" />、主電動機出力を190 kWに増強<ref name="Train2018-1"/>。6M2Tのステンレス車では出力を抑えて使用している<ref name="ディテールp95" />。
**雨天時の滑走対策として、滑走防止制御装置を搭載した。台車の各軸にはセンサーが取り付けられている<ref name="ディテールp95"/>。


:; 8両編成
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|+4両編成
|-
|-
| style="background-color:#ccc; width:6em;"|&nbsp;
| style="background-color:#ccc; width:6em;"|&nbsp;
|colspan="8"|{{TrainDirection|浦賀・三崎口・新逗子・羽田空港国内線ターミナル|品川・泉岳寺・押上・青砥・成田空港・印旛日本医大}}
|colspan="4"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;" rowspan="2"|竣工時期
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="2"|&nbsp;
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
|-
! 号車
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"|形式・車種
| 1 || 2 || 3 || 4
|style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(M2uc) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(M1u) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''サハ1000形'''<br/>(Tu) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(M1u) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(M2s) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''サハ1000形'''<br/>(Ts) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(M1s) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(M2sc)
!rowspan="2"|製造<br/>メーカー<ref name="ディテールp135" />
!rowspan="2"|竣工時期<ref name="ディテールp135" />
|-
|-
! 形式・車種
| '''デハ1000形'''<br/>(M2uc)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1u)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1s)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2sc)
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
! 車両番号
! 車両番号
| 1809 || 1810 || 1811 || 1812
| 1121<br/>1129<br/>1137 || 1122<br/>1130<br/>1138 || 1123<br/>1131<br/>1139 || 1124<br/>1132<br/>1140
| 総車 || 2016年9月30日<ref name="DJ417p125"/>
| 1125<br/>1133<br/>1141 || 1126<br/>1134<br/>1142 || 1127<br/>1135<br/>1143 || 1128<br/>1136<br/>1144
|-
| 2010年5月<br/>2010年6月<br/>2010年6月
|}
|}


:; 4両編成
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|+6両編成
|-
|-
| style="background-color:#ccc; width:6em;"|&nbsp;
| style="background-color:#ccc; width:6em;"|&nbsp;
|colspan="4"|{{TrainDirection|浦賀・三崎口・新逗子・羽田空港国内線ターミナル|品川・泉岳寺}}
|colspan="6"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;" rowspan="2"|竣工時期
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="2"|&nbsp;
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
! 号車
| 1 || 2 || 3 || 4 || 5 || 6
!rowspan="2"|製造<br/>メーカー<ref name="ディテールp134" />
!rowspan="2"|竣工時期<ref name="ディテールp134" />
|-
|-
!style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"|形式・車種
! 形式・車種
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(M2uc1)
|style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(M2uc) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(M1u) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(M1s) ||style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| '''デハ1000形'''<br/>(M2sc)
|{{left|<}}{{right|>}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(M1u1)
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''サハ1000形'''}}<br/>(Tu1)
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''サハ1000形'''}}<br/>(Ts1)
|{{left|<}}{{right|>}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(M1s1)
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(M2sc1)
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
! rowspan="2"| 車両番号
| 1601 || 1602 || 1603 || 1604 || 1605 || 1606
| 川重 || 2016年11月7日<ref name="DJ417p6-7" />
|-
|-
| 1607 || 1608 || 1609 || 1610 || 1611 || 1612
! 車両番号
| 川重 || 2016年11月29日<ref name="DJ417p6-7" />
| 1489 || 1490 || 1491 || 1492
| 2011年3月
|}
|}


{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
==== 2011年度製造分 ====<!-- 検証可能性を満たさない記述は削除対象です。 -->
|+8両編成
2011年4月に川崎重工から落成した。
|-
| style="background-color:#ccc; width:6em;" |&nbsp;
|colspan="8"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="2"|&nbsp;
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
! 号車
| 1 || 2 || 3 || 4 || 5 || 6 || 7 || 8
!rowspan="2"|製造<br/>メーカー<ref name="ディテールp134" />
!rowspan="2"|竣工時期<ref name="ディテールp134" />
|-
! 形式・車種
| '''デハ1000形'''<br/>(M2uc)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1u)
| '''サハ1000形'''<br/>(Tu)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1u)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2s)
| '''サハ1000形'''<br/>(Ts)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1s)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2sc)
|-style="border-top:solid 3px #cc1144";
! rowspan="2"| 車両番号
| 1177 || 1178 || 1179 || 1180 || 1181 || 1182 || 1183 || 1184
|総車 || 2016年12月22日<ref name="DJ417p6-7" />
|-
| 1185 || 1186 || 1187 || 1188 || 1189 || 1190 || 1191 || 1192
| 総車 || 2017年2月21日<ref name="DJ417p6-7" />
|}
* [[回生ブレーキ]]性能向上のため、6両編成ではM1u車の品川寄りにも1基パンタグラフが搭載された<ref name="Train2018-1"/>。


==== 17次車 ====
従来の本形式は8両編成と4両編成のみ製造されていたが、2011年度には初めて6両編成が登場した。6両編成の車両番号は空き番号の1301 - を割り当てる<ref>「[http://railf.jp/news/2011/04/11/151300.html 京急 新1000形6両が甲種輸送される]」交友社『鉄道ファン』railf.jp 2011年04月11日</ref>。なお、1301 - 1304までの車番は4年ぶり、1305 - 1306までの車番は先代の1000形が廃車になって1年も経たずに復活となった。
[[File:Keikyu-Type1000-1209F-Lot17.jpg|200px|thumb|京急新1000形17次車(8両固定 1209 - 1216)<br/>(2020年10月27日 金沢文庫駅 - 金沢八景駅間)]]
2017年度は17次車として6両編成2本、8両編成3本が導入された<ref name="Keikyu20171129" />。本導入分から、8両編成は京急創業120周年に合わせて「1200番台」に区分されている<ref>{{Cite web|和書|url=https://railf.jp/news/2017/11/30/064500.html |title=京急 新1000形17次車は全面塗装車に |website=railf.jp |publisher=[[交友社]] |date=2017-11-30 |accessdate=2021-07-21}}</ref>。

*車体
**さらなる「京急らしさ」を引き出すため、5次車以来11年3か月ぶりの全面塗装となった。ステンレス製車両への全面塗装は関東大手私鉄では初<ref name="Keikyu20171129" />となり、大手私鉄全体でも[[南海1000系電車 (2代)|南海1000系]]以来2例目となる。塗り分け部分は16次車のカラーフィルムに準じており、5次車以前と比べアイボリーの部分が若干狭くなっている<ref name="ディテールp100" />。
***8両編成の1201 - 1217編成は側面がアイボリーの一色塗装でメーカーを出場し<ref name=Railf171500>{{Cite web|和書|url=https://railf.jp/news/2017/12/14/171500.html |title=白い京急 新1000形が走る |website=railf.jp |publisher=[[交友社]] |date=2017-12-14 |accessdate=2021-07-21}}</ref>、赤色の部分は久里浜工場で塗装された<ref name="ディテールp100" />。理由としては表面を荒らしてからパテで平滑にし、赤、白、赤の順に塗装を重ねる事からラッピングよりも時間がかかること<ref name="DJ475p35" />、製造に着手した後に急遽塗装での仕上げに方針が転換したこと<ref name="ディテールp44" />、当時の総合車両製作所では同じ塗装車両である[[JR東日本E353系電車|E353系]]の量産と重なりラインの確保が困難だったこと<ref name="ディテールp100" />が挙げられている。川崎重工製および18次車以降の全車は赤色の部分を含め車両メーカーで塗装されてから出場している。
** 前面窓下の「1000」の文字を横方向に切れ目が入った仕様に変更<ref name="ディテールp96" />。
** 側面の車番表記はフィルムからエッチングプレートに変更された<ref name="DJ475p36" />。

*車内設備
**車内扉上のLCD案内表示器はメーカーを三菱電機に変更した<ref name="ディテールp124" />。全扉で2画面一体型となり、路線案内を8駅から16駅まで拡大、また他社線の路線記号も表示可能となった<ref name="ディテールp124" />。[[日本語|日]]・[[英語|英]]・[[中国語|中]]・[[朝鮮語|韓]]の4か国語表記に対応<ref name="ディテールp124" />。

{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|+6両編成
|-
| style="background-color:#ccc; width:6em;|&nbsp;
|colspan="6"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="2"|&nbsp;
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
! 号車
| 1 || 2 || 3 || 4 || 5 || 6
!rowspan="2"|製造<br/>メーカー<ref name="ディテールp134" />
!rowspan="2"|竣工時期<ref name="ディテールp134" />
|-
! 形式・車種
| '''デハ1000形'''<br/>(M2uc)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1u)
| '''サハ1000形'''<br/>(Tu)
| '''サハ1000形'''<br/>(Ts)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1s)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2sc)
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
! rowspan="2"| 車両番号
| 1613 || 1614 || 1615 || 1616 || 1617 || 1618
| 川重 || 2017年1月5日<ref>{{Cite web|和書|url=https://railf.jp/news/2017/12/25/163000.html |title=全面塗装車の京急新1000形1613編成が甲種輸送される |website=railf.jp |publisher=[[交友社]] |date=2017-12-25 |accessdate=2021-07-21}}</ref>
|-
| 1619 || 1620 || 1621 || 1622 || 1623 || 1624
| 川重 || 2018年2月5日<ref>{{Cite web|和書|url=https://railf.jp/news/2018/01/29/202500.html |title=京急新1000形1619編成が甲種輸送される |website=railf.jp |publisher=[[交友社]] |date=2018-01-29 |accessdate=2021-07-21}}</ref>
|}

{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|+8両編成
|-
| style="background-color:#ccc; width:6em;|&nbsp;
|colspan="8"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="2"|&nbsp;
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
! 号車
| 1 || 2 || 3 || 4 || 5 || 6 || 7 || 8
!rowspan="2"|製造<br/>メーカー<ref name="ディテールp134" />
!rowspan="2"|竣工時期<ref name="ディテールp134" />
|-
! 形式・車種
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(M2uc)
|{{left|<}}{{right|>}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(M1u)
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''サハ1000形'''}}<br/>(Tu)
|{{right|>}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(M1u')
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(M2s)
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''サハ1000形'''}}<br/>(Ts)
|{{left|<}}{{right|>}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(M1s)
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(M2sc)
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
! rowspan="3"| 車両番号
| 1201 || 1202 || 1203 || 1204 || 1205 || 1206 || 1207 || 1208
| 総車 || 2017年12月14日<ref name=Railf171500 />
|-
| 1209 || 1210 || 1211 || 1212 || 1213 || 1214 || 1215 || 1216
| 総車 || 2018年2月19日<ref>{{Cite web|和書|url=http://rail.hobidas.com/rmn/archives/2018/02/1209.html |title=【京急】1209編成 総合車両製作所出場 |accessdate=2021-07-21 |date=2018-02-19 |website=鉄道ホビタス |publisher=[[カルチュア・エンタテインメント]] |archiveurl=https://web.archive.org/web/20200225094313/http://rail.hobidas.com/rmn/archives/2018/02/1209.html |archivedate=2020-02-25}}</ref>
|-
| 1217 || 1218 || 1219 || 1220 || 1221 || 1222 || 1223 || 1224
| 総車 || 2018年3月29日<ref name="私鉄車両編成表2023_p38">ジェー・アール・アール編『私鉄車両編成表 2023』交通新聞社、2023年、38頁。</ref>
|}


==== 18次車 ====
なお、1500形の6両編成は2010年11月から電気連結器が撤去されたが、本形式の6両編成は新製時から電気連結器を装備していない。
[[ファイル:Keikyu-Type1000-649.jpg|サムネイル|18次車(6両固定 1649 - 1654)<br/>(2021年7月18日 大森海岸駅)]]
[[2018年]]5月9日付けの京急ニュースリリースにおいて、2018年度安全対策関連のうち、本形式の車両新造を42両行うと発表され<ref>{{Cite press release|和書|url=https://www.keikyu.co.jp/resource_pastnews/pdf/company/news/2018/20180509HP_18031EW.pdf|archiveurl=https://web.archive.org/web/20210123071959/https://www.keikyu.co.jp/resource_pastnews/pdf/company/news/2018/20180509HP_18031EW.pdf|format=PDF|language=日本語|title=2018年度 鉄道事業設備投資計画 安全対策関連など 総額約236億円|publisher=京浜急行電鉄|date=2018-05-09|accessdate=2021-02-08|archivedate=2021-01-23}}</ref>、これに伴い6両7編成(1625 - 1661)が導入された。


京急線内でのホームドアの設置が本格化することとなり、4扉車の為にホームドアに対応できない[[京急800形電車_(2代)|800形]]の置き換えを進めた<ref name="ディテールp35" />。6両編成としては初となる[[総合車両製作所]]製の編成も登場した。
<!-- 以下は検証可能な出典がない限り、記載は禁止です。 -->
* LED室内灯が改良され、従来見られたグローブ内ワイヤーの影が見えなくなるよう変更された<ref name="ディテールp102"/>。
:;6両編成
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|+6両編成
|-
|-
| style="background-color:#ccc; width:6em;"|&nbsp;
| style="background-color:#ccc; width:6em;"|&nbsp;
|colspan="6"|{{TrainDirection|浦賀・三崎口・新逗子・羽田空港国内線ターミナル|品川・泉岳寺}}
|colspan="6"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
! style="border-bottom:solid 3px #cc1144;" rowspan="4"|竣工時期
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="2"|&nbsp;
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
! 号車
| 1 || 2 || 3 || 4 || 5 || 6
!rowspan="2"|製造<br/>メーカー<ref name="ディテールp135" />
!rowspan="2"|竣工時期<ref name="ディテールp135" />
|-
|-
!形式・車種
! 形式・車種
| '''デハ1000形'''<br/>(M2uc)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2uc)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1u)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1u)
681行目: 1,504行目:
| '''デハ1000形'''<br/>(M1s)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1s)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2sc)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2sc)
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
! rowspan="7"| 車両番号
| 1625 || 1626 || 1627 || 1628 || 1629 || 1630
| 川重 || 2018年10月10日<ref>{{Cite web|和書|url=https://railf.jp/news/2018/10/05/110000.html |title=京急 新1000形1625編成が甲種輸送される |website=railf.jp |publisher=[[交友社]] |date=2018-10-05 |accessdate=2021-07-21}}</ref>
|-
|-
| 1631 || 1632 || 1633 || 1634 || 1635 || 1636
!搭載機器
| 川重 || 2018年6月8日<ref>{{Cite web|和書|url=https://railf.jp/news/2018/06/02/201000.html |title=京急新1000形1631編成が甲種輸送される |website=railf.jp |publisher=[[交友社]] |date=2018-06-02 |accessdate=2021-07-21}}</ref>
| SIV,CP,BT || VVVF || &nbsp; || &nbsp; || VVVF || SIV,CP,BT
|-
|-
| 1637 || 1638 || 1639 || 1640 || 1641 || 1642
! style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"|車両重量
| 川重 || 2018年6月18日<ref>{{Cite web|和書|url=https://railf.jp/news/2018/06/11/130000.html |title=京急新1000形6両が甲種輸送される |website=railf.jp |publisher=[[交友社]] |date=2018-06-11 |accessdate=2021-07-21}}</ref>
| style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 34.5t || style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 32.5t || style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 23.5t || style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 23.5t || style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 32.5t || style="border-bottom:solid 3px #cc1144;"| 34.5t
|-
|-
| 1643 || 1644 || 1645 || 1646 || 1647 || 1648
!rowspan="2"|車両番号
| 総車 || 2018年8月8日<ref name="私鉄車両編成表2023_p39">ジェー・アール・アール編『私鉄車両編成表 2023』交通新聞社、2023年、39頁。</ref>
| 1301<br/>1307 || 1302<br/>1308 || 1303<br/>1309 || 1304<br/>1310 || 1305<br/>1311 || 1306<br/>1312
|-
| 2011年4月
| 1649 || 1650 || 1651 || 1652 || 1653 || 1654
| 川重 || 2018年12月25日<ref name="私鉄車両編成表2023_p39" />
|-
| 1655 || 1656 || 1657 || 1658 || 1659 || 1660
| 総車 || 2019年2月26日<ref name="私鉄車両編成表2023_p39" />
|-
| 1661 || 1662 || 1663 || 1664 || 1665 || 1666
| 総車 || 2019年3月19日<ref name="私鉄車両編成表2023_p39" />
|}

==== 19次車 ====
[[File:Keikyu-Type1000-1225F-Lot19.jpg|200px|thumb|京急新1000形19次車(8両固定 1225 - 1232)<br/>(2020年10月27日 金沢文庫駅 - 金沢八景駅間)]]
2019年度には14両が導入された<ref>{{Cite press release|和書|url=https://www.keikyu.co.jp/resource_pastnews/pdf/company/news/2019/20190510HP_18032EW.pdf|archiveurl=https://web.archive.org/web/20210208150348/https://www.keikyu.co.jp/resource_pastnews/pdf/company/news/2019/20190510HP_18032EW.pdf|format=PDF|language=日本語|title=2019年度 鉄道事業設備投資計画 安全対策関連など 総額約271億円|publisher=京浜急行電鉄|date=2019-05-10|accessdate=2021-02-08|archivedate=2021-02-08}}</ref>。
1225編成は朝ラッシュの上り時間帯に入る2100形の運用の一部を置き換える目的で増備されたが、同年に事故廃車となった1137編成の代替となった<ref name="ディテールp97" />。
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|+6両編成
|-
| style="background-color:#ccc; width:6em;" |&nbsp;
|colspan="6"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="2"|&nbsp;
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
! 号車
| 1 || 2 || 3 || 4 || 5 || 6
!rowspan="2"|製造<br/>メーカー<ref name="ディテールp135" />
!rowspan="2"|竣工時期<ref name="ディテールp135" />
|-
! 形式・車種
| '''デハ1000形'''<br/>(M2uc)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1u)
| '''サハ1000形'''<br/>(Tu)
| '''サハ1000形'''<br/>(Ts)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1s)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2sc)
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
! 車両番号
| 1667 || 1668 || 1669 || 1670 || 1671 || 1672
| 川重 ||2019年6月7日<ref>{{Cite web|和書|url=https://railf.jp/news/2019/06/01/191000.html |title=京急新1000形6両が甲種輸送される |website=railf.jp |publisher=[[交友社]] |date=2019-06-01 |accessdate=2021-07-21}}</ref>
|}
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|+8両編成
|-
| style="background-color:#ccc; width:6em;" |&nbsp;
|colspan="8"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="2"|&nbsp;
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
! 号車
| 1 || 2 || 3 || 4 || 5 || 6 || 7 || 8
!rowspan="2"|製造<br/>メーカー<ref name="ディテールp134" />
!rowspan="2"|竣工時期<ref name="ディテールp134" />
|-
! 形式・車種
| '''デハ1000形'''<br/>(M2uc)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1u)
| '''サハ1000形'''<br/>(Tu)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1u)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2s)
| '''サハ1000形'''<br/>(Ts)
| '''デハ1000形'''<br/>(M1s)
| '''デハ1000形'''<br/>(M2sc)
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
! 車両番号
| 1225 || 1226 || 1227 || 1228 || 1229 || 1230 || 1231 || 1232
| 総車 || 2019年9月2日<ref name="私鉄車両編成表2023_p38" />
|}

==== 20・21次車『Le Ciel』 ====
[[file:Keikyu Type 1000-1891F Wing.jpg|サムネイル|200x200ピクセル|京急新1000形20次車「Le Ciel」(4両固定 1891-1 - 1891-4)(2021年5月21日 金沢八景駅)]]
2020年度は20次車(1890番台)4両2編成が導入された<ref name="toyokeizai20210417">{{Cite web|和書|url=https://toyokeizai.net/articles/-/423404|archiveurl=https://web.archive.org/web/20210417170114/https://toyokeizai.net/articles/-/423404|title=京急「ほぼ新型」車両、これまでと何が違うのか 窓の配置から「妻面」の仕上がりまで妥協せず|date=2021-04-17|publisher=東洋経済新報社|website=東洋経済オンライン|accessdate=2021-04-18|archivedate=2021-04-17}}</ref><ref name="2021new1000">{{Cite press release|和書|url=https://www.keikyu.co.jp/assets/pdf/20210120HP_20109EW.pdf|archiveurl=https://web.archive.org/web/20210203093105/https://www.keikyu.co.jp/assets/pdf/20210120HP_20109EW.pdf|format=PDF|language=日本語|title=2021年春運行開始予定 ロングシート・クロスシート切替可能で座席指定列車や貸切イベント列車などに対応 車内設備を一新した新造車両4両編成2本導入 ウィズコロナ時代に合わせた新しい通勤環境を提供します|publisher=京浜急行電鉄|date=2021-01-20|accessdate=2021-02-08|archivedate=2021-02-03}}</ref>。従来車から大幅な設計変更が行われたため、特に'''1000形1890番台'''として区分する場合がある<ref name="bl65"/>。本導入分より、車両番号の付番が[[ハイフン]]を用いた方式に変更された。全車[[総合車両製作所]]製。

2021年度も21次車として3本が導入された。20次車の続番で、仕様も基本的には同様になっている<ref>{{Cite web|和書|url=https://news.mynavi.jp/article/20210512-1887386/|title=京急電鉄、1000形新造車両を新たに3編成 - 2021年度の設備投資計画|website=マイナビニュース|date=2021-05-12|accessdate=2023-08-20}}</ref>。

* '''車体'''
** 1800番台をベースとしつつ、車体構造に[[sustina]]プラットフォームを初採用し<ref name="toyokeizai20210417" />、突合せ[[レーザー溶接]]によって、外板が平滑にされ<ref name="ディテールp104" />、[[樋 (建築)|雨どい]]も外側に出ない断面形状となっている。
** [[通過標識灯|標識灯]]は[[尾灯]]を兼ね、小型化された一体型とされた<ref name="ディテールp104" />。
** [[鉄道の車両番号|車両番号]]と社紋は、ホームドア対応として従来の窓下から戸袋部に変更となり、[[アイボリー]]字に水色文字の[[エッチングパーツ|エッチング]]板が取り付けられた<ref name="ディテールp104" />。
** 前面の形式名を表す「1000」の文字は、立体的な切り抜き文字とされた<ref name="ディテールp104" />。
** 前面の表示器には種別・行先のどちらにも「貸切」の表示が可能となり、行先部には「KEIKYU」や「ビール列車」などの特殊な表示も可能となった<ref name="ディテールp105" />。
** 側面の表示器は大型化され、4か国語表記など、より細かい表示に対応した<ref name="ディテールp105" />。
** パンタグラフ台枠に取り付けられた[[避雷針]]の形状が3次車以降の物から変更され、天地寸法が薄くなった縦型が採用された<ref name="ディテールp127" />。
** 貫通幌を畳んだ際に支える受けが、枠の内側に折り畳める矢じりのような形状の物に変更された<ref name="ディテールp102" />。

* '''内装'''
** 日常の通勤輸送に加え、座席指定列車やイベント列車対応のため、京急初となる[[コイト電工]]製[[鉄道車両の座席#デュアルシート|デュアルシート]]を搭載した。高めのシートバックと、2100形と比較して見劣りしないように設計された頭部を囲い込むようなヘッドレストを持ち、モケットには[[新型コロナウイルス感染症 (2019年)|新型コロナウイルス感染症(COVID-19)]]流行を受けて「抗菌・抗ウイルス座席シート地」を採用した<ref name="2021new1000" /><ref name="kanaloco20210415" /><ref name="ディテールp104" /><ref name="DJ475p36" />。シートパックの裏には小物を入れるネットと折り畳みのドリンクホルダーが備えられ、客台は旅客用の[[配線用差込接続器|コンセント]]を装備している<ref name="ディテールp105" />。イベントを意識した機能として、3脚の両端をクロスシート、真ん中の席をロングシートの位置とし、歓談スペースのような配置にもできるようになっている<ref name="ディテールp105" />。
** 中間車2両には京急初の[[列車便所|車内トイレ]](2両目の品川寄りに「バリアフリー整備ガイドライン」に則ったバリアフリー対応の[[日本の便所#洋式|洋式トイレ]]、3両目の浦賀寄りに男性用[[小便器]]を1カ所ずつ設置)を設置した<ref name="toyokeizai20210417" /><ref name="2021new1000" /><ref name="kanaloco20210415" />。それぞれ車端部海側床下に汚物タンクと汚水タンクがあり、車外には放出しない構造になっている。汚水は金沢検車区の1か所のみで処理されるため、抜取口が海側にのみ設けられている<ref name="ディテールp105" />。
** 車端から客扉中心までの寸法が従来より105&nbsp;mm伸びた3,450&nbsp;mmとなり、乗務員室の次位にクロスシート(展望席)が配置された<ref name="ディテールp104"/><ref name="DJ475p36" />。この座席は運転台側向きに固定されている<ref name="ディテールp105" />。
** 展望席の設置に伴い運転台側の仕切り窓を拡大<ref name="ディテールp105" />、また非常用梯子の収納箇所を変更<ref name="DJ475p36" />。
** 側窓は、客扉間の横が2,370&nbsp;mmと少し詰まり、車端が横1,630mmに広げられた<ref name="ディテールp104" />。

* '''走行機器'''
** 制御装置として、ハイブリッド[[炭化ケイ素|SiC]]素子2レベル方式VVVF制御を採用した。主制御器のRG6048-A-Mを中間車のT車に搭載し、同社で初めて採用された全密閉型を採用した先頭車の出力190&nbsp;kWの[[主電動機]]TDK6164-Aを制御する<ref name="ディテールp105" />。
** [[静止形インバータ|補助電源装置]]は、[[三相交流]]60Hz、400Vで260kVAの出力が得られる[[東芝インフラシステムズ]]製<ref group="注釈">東芝の社会インフラ事業は、2017年7月から東芝インフラシステムズに分社化された。</ref>のINV207-G0を3号車に搭載。1台に独立した2バンクを持ち、[[カレンダー]]機能によって偶数日、奇数日によって自動的に稼働側が切り替わり、故障し無電圧となった場合に自動的に待機側が稼働する「待機二重系統」と呼ばれる故障対策がなされている<ref name="ディテールp105" /><ref name="ディテールp127" />。
** [[圧縮機|電動空気圧縮機]]には、[[2020年]]に1301編成で2台導入され、試験がなされたオイルフリー形の[[往復動圧縮機|レシプロ式]]である[[クノールブレムゼ]]製VV180-Tを2号車に2台導入した<ref name="ディテールp105" /><ref name="ディテールp128" /><ref>「{{PDFlink|[https://web.archive.org/web/20231222123101/https://rail.knorr-bremse.com/media/lokaler_content/japan/pdf_brochures_2023/pistonsupply_eco_jap_2021.pdf オイルフリー・コンプレッサ]}}」(クノールブレムゼ鉄道システムジャパン)</ref>。
** 制動装置にブレーキを編成全体で統括制御する方式を採用した<ref name="tomonokai" />。
** 各車に脱線検知装置を搭載した。脱線を検知した際に自動的に[[非常ブレーキ#鉄道|非常制動]]がかかり、[[集電装置#パンタグラフ|パンタグラフ]]の降下と[[列車防護無線装置|非常発報]]を行い、運転台に警告表示を行う<ref name="ディテールp105" />。同装置の採用により、同社が保有する全車両にてソフトウェアの書き換えを行った<ref name="ディテールp105" />。

2021年5月6日の「[[ウィング号 (京急)|モーニング・ウィング3号]]」より運行を開始した<ref name="kanaloco20210415">{{Cite news|url=https://www.kanaloco.jp/news/economy/article-470333.html|archiveurl=https://web.archive.org/web/20210416000729/https://www.kanaloco.jp/news/economy/article-470333.html|title=京急、新造「1000形」公開 用途に合わせ座席が自動回転|newspaper=神奈川新聞|date=2021-04-15|accessdate=2021-04-18|archivedate=2021-04-16}}</ref><ref name="pr20210127">{{Cite press release|和書|title=夜間作業時間の確保を目的に、終列車時刻を繰り上げます 2021年3月27日(土)土休日ダイヤ・3月29日(月)平日ダイヤ 京急線ダイヤ改正を実施します GW後からは、モーニング・ウィング3号を12両編成化! 座席数大幅増!|publisher=京浜急行電鉄|date=2021-01-27|url=https://www.keikyu.co.jp/assets/pdf/20210127HP_20136EW.pdf|format=PDF|language=日本語|accessdate=2021-02-08|archiveurl=https://web.archive.org/web/20210203224205/https://www.keikyu.co.jp/assets/pdf/20210127HP_20136EW.pdf|archivedate=2021-02-03}}</ref><ref name="yomiuri20210416">{{Cite news|url=https://www.yomiuri.co.jp/economy/20210416-OYT1T50213/|archiveurl=https://web.archive.org/web/20210417135554/https://www.yomiuri.co.jp/economy/20210416-OYT1T50213/|title=京急が「コロナ対応車両」導入…抗ウイルス座席採用、土日祝日はイベント用に貸し切り|newspaper=読売新聞|date=2021-04-16|accessdate=2021-04-18|archivedate=2021-04-17}}</ref>。当初は土休日にイベント用の貸切列車として運用する計画であったが<ref name="yomiuri20210416" />、現在はイベント列車に起用される一方<ref>[https://railf.jp/news/2022/10/31/131500.html 「すみっコぐらし10周年号」による団臨運転]railf.jp 2022年10月31日</ref>、他の1000形4両編成と共にエアポート急行などにも使用されている。

この編成には愛称を一般公募しており、2021年12月24日に[[フランス語]]で「空」を意味する「'''Le Ciel'''」(ル・シエル)と命名された<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.keikyu.co.jp/report/2021/post_344.html|archiveurl=https://web.archive.org/web/20211224224052/https://www.keikyu.co.jp/report/2021/post_344.html|title=お知らせ 新造車両の愛称決定について|date=2021-12-24|archivedate=2021-12-24|accessdate=2021-12-24|publisher=京浜急行電鉄|language=日本語}}</ref>。三浦半島や羽田空港の空を想起させ、高級感のある響きである事や、日本語で発音すると4文字となり、覚えやすく親しみやすい事などから採用に至った。また、かつて京急本線で運行されていた[[京急本線#週末特急|週末特急]]「ラ・メール号」(フランス語で「海」の意、2007年まで[[ジェイアール東海バス#ファンタジアなごや号|名古屋と横浜・品川]]を結んでいた[[京急観光バス#夜行高速バス|夜行高速バス]]も同名)へのオマージュも込められている<ref>[https://www.keikyu.co.jp/cp/1000gata-name/ 新造車両 愛称募集入賞作品発表](京浜急行電鉄)</ref>。なお、2022年3月以降車体側面に順次愛称ロゴが掲示されている。

「チャレンジングな姿勢と堅実性を兼ねそろえたトータルバランスに優れた車両」として、[[2022年]][[5月26日]]に[[鉄道友の会]]が選定する[[ブルーリボン賞 (鉄道)|ブルーリボン賞]]([[第65回ブルーリボン賞 (鉄道)|第65回]])を受賞した<ref name="bl65">{{Cite press release|和書|url=https://www.keikyu.co.jp/assets/pdf/20220526HP_22034TE.pdf|archiveurl=https://web.archive.org/web/20220526065956/https://www.keikyu.co.jp/assets/pdf/20220526HP_22034TE.pdf|format=PDF|language=日本語|title=新造車両1000形1890番台「Le Ciel」がブルーリボン賞を受賞|publisher=京浜急行電鉄|date=2022-05-26|accessdate=2022-05-28|archivedate=2022-05-26}}</ref>。
<gallery widths="180" perrow="6" style="font-size:90%">
File:Keikyu-railway-1892F-Deha1892-1_inside_Long_Seat_mode_20220702.jpg|車内(ロングシート時)
File:Keikyu-railway-1892F-Le Ciel logo 20220702.jpg|Le Ciel愛称ロゴ
File:1891F Kanagawashinmashi.jpg|エアポート急行での運用時
File: Beer train (inside) in Keikyū Kawasaki Station.jpeg|「京急クラフトビールフェス2023」で座席スペースとして使用
</gallery>

{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|+4両編成
|-
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="2"|&nbsp;
|colspan="4"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="2"|&nbsp;
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
!colspan="2" | 号車
| 1 || 2 || 3 || 4
!rowspan="5"|竣工時期<ref name="ディテールp135" />
|-
!colspan="2" | 形式・車種
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(Muc2)
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''サハ1000形'''}}<br/>(Tuv2)
|{{left|<}}{{right|>}}<br/>{{Nowrap|'''サハ1000形'''}}<br/>(Tpsv2)
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(Msc2)
|-
!colspan="2"|搭載機器
| BT || VVVF・CP || VVVF・SIV || BT
|-
! colspan="2" | 自重([[トン|t]])
| 34.5 t || 30.5 t || 33.0 t || 34.5 t
|-
!colspan="2" | 定員<br/>()はロングシート時
| 98(101) || 104(107) || 108(111) || 98(101)
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
! rowspan="5"| 車両番号
! rowspan="2"| 20次車
| 1891-1 || 1891-2 || 1891-3 || 1891-4
|2021年3月3日<ref name="私鉄車両編成表2023_p38" />
|-
| 1892-1 || 1892-2 || 1892-3 || 1892-4
|2021年3月24日<ref name="私鉄車両編成表2023_p38" />
|-
! rowspan="3"| 21次車
| 1893-1 || 1893-2 || 1893-3 || 1893-4
|2021年11月8日<ref name="私鉄車両編成表2023_p38" />
|-
| 1894-1 || 1894-2 || 1894-3 || 1894-4
|2021年12月27日<ref name="私鉄車両編成表2023_p38" />
|-
| 1895-1 || 1895-2 || 1895-3 || 1895-4
|2022年2月28日<ref name="私鉄車両編成表2023_p38" />
|}

==== 22次車 ====
[[File:Keikyu-Type1000-501.jpg|サムネイル|180px|京急新1000形22次車<br/>(6両固定 1501-1 - 1501-6)<br/>(2023年9月12日 新馬場駅)]]
[[ファイル:Keikyu-railway-1701F-20240726-183118.jpg|180px|サムネイル| 京急新1000形22次車<br/>(8両固定 1701-1 - 1701-8)<br/>(2024年7月26日 四ツ木駅 - 京成立石駅間)]]
2023年度には6両編成と8両編成が1本ずつが導入された<ref> https://www.keikyu.co.jp/company/news/2023/20230510HP_23017KO.html </ref><ref name="railf_230908">{{Cite web|和書|title=京急1000形1501編成が営業運転を開始|url= https://railf.jp/news/2023/09/08/141500.html|website=railf.jp|publisher=[[交友社]]|date=2023-09-08|accessdate=2023-10-19}}</ref>。6両編成は、[[2021年]]([[令和]]3年)に[[川崎重工業|川崎重工]]より分社化された現・[[川崎車両]]が製造した初めての京急電鉄向け車両となった。従来の6両編成とは組成が変更となり、2・5号車が付随車となっている<ref name="railf_230908" />。2023年9月7日に営業運転を開始した<ref name="railf_230908" />。

11月には8連1編成が導入され、2次車以来となる「MTユニット」の4M4T構成となった<ref name="私鉄車両編成表2024_p34" />。

* 車体
** 川崎車両製は同社独自の車体構造となり、側構体が垂直ながら雨樋の出っ張りがあるものとなった<ref name="ディテールp6" />。
** 側面の窓割寸法が1890番台と同様で、従来車より扉間隔が狭く、車端部が長くなった<ref name="ディテールp7" />。
** 6・8両編成の前面デザインは従来通り左右非対称のものだが、標識灯が1890番台と同一品となった<ref name="ディテールp7" />。
** 従来、各先頭車の屋根上に設けられていたIRアンテナが省略された<ref name="ディテールp8" />。
* 車内設備
** 側窓上辺から天井にかけて、1890番台と同様の桜色無地の艶消し化粧板とされた<ref name="ディテールp7" />。
** 中間車の非優先席側にはフリースペースが設けられ、ロングシートが2人掛けに短縮された<ref name="ディテールp8" />。
* 走行機器
** 6両編成の[[静止形インバータ]]は本形式では初となる[[東洋電機製造]]製のRG4103-A-M形を5号車に1台搭載した<ref name="ディテールp10" />。主回路機器は1890番台と同一品である<ref name="ディテールp10" />。
** 8両編成では、従来使用していた半導体素子が生産中止になったことから、従来と同等の性能を確保する事によって半導体内蔵ユニットの変更を最小限に抑えた次世代フルSiC素子を採用したMAP-194-15V361形主制御装置が各電動車に搭載された。その他ユニットは可能な限り16~19次車の物と互換性を確保し、制御面では高調波電流の抑制を目的として磁束に基づくPWMパルスモード切り替え方法を採用した<ref name="三菱技報98" />。
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|+6両編成
|-
| style="background-color:#ccc; width:6em;" |&nbsp;
|colspan="6"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="2"|&nbsp;
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
! 号車
| 1 || 2 || 3 || 4 || 5 || 6
!rowspan="4"|製造<br/>メーカー
!rowspan="4"|竣工時期
|-
! 形式・車種
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(Muc)
|{{left|<}}{{right|>}}<br/>{{Nowrap|'''サハ1000形'''}}<br/>(Tpu)
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(Mu)
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(Ms)
|{{left|<}}{{right|>}}<br/>{{Nowrap|'''サハ1000形'''}}<br/>(Tps)
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(Msc)
|-
! 搭載機器<ref name="ディテールp11" />
| VVVF・BT || CP || VVVF || VVVF || SIV・CP || VVVF・BT
|-
! 自重([[トン|t]])<ref name="ディテールp11" />
| 34.0 t || 27.0 t || 31.5 t || 31.5 t || 30.0 t || 34.0 t
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
! 車両番号
| 1501-1 || 1501-2 || 1501-3 || 1501-4 || 1501-5 || 1501-6
| 川崎 ||2023年8月4日<ref name="私鉄車両編成表2024_p35">ジェー・アール・アール編『私鉄車両編成表 2024』交通新聞社、2024年、p.35。</ref>
|}
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|+8両編成
|-
| style="background-color:#ccc; width:6em;" |&nbsp;
|colspan="8"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="2"|&nbsp;
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
! 号車
| 1 || 2 || 3 || 4 || 5 || 6 || 7 || 8
!rowspan="2"|製造<br/>メーカー
!rowspan="2"|竣工時期
|-
! 形式・車種
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(Muc)
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''サハ1000形'''}}<br/>(Tu)
|{{left|<}}{{right|>}}<br/>{{Nowrap|'''サハ1000形'''}}<br/>(Tpu)
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(Mu)
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(Ms)
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''サハ1000形'''}}<br/>(Ts)
|{{left|<}}{{right|>}}<br/>{{Nowrap|'''サハ1000形'''}}<br/>(Tps)
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(Msc)
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
! 車両番号
| 1701-1 || 1701-2 || 1701-3 || 1701-4 || 1701-5 || 1701-6 || 1701-7 || 1701-8
| 総車<ref name="私鉄車両編成表2024_p34" /> || 2023年11月2日<ref name="私鉄車両編成表2024_p34">ジェー・アール・アール編『私鉄車両編成表 2024』交通新聞社、2024年、p.34。</ref>
|}

== 改造 ==
=== デハ1401の各種試験 ===
2003年度より、デハ1401では各種試験が行われた。前面と側面の行先表示器を白色、種別表示器をフルカラーLEDとした<ref name="動向2005p99"/>ほか、試験品の制御装置としてIGBT素子を使用したシーメンス製の物を搭載した<ref name="佐藤2004p127"/>。その後[[2006年]]5月に従来のGTO素子を使用した物に戻され、2016年の主回路換装時に4両編成の1・2次車更新用として搭載されている[[株式会社東芝|東芝]]製のIGBT素子を利用したSVF093-A0に換装されている<ref name="ディテールp125"/>。

=== 方向幕交換 ===
1次車は登場時黒地幕であったが、現在はすべて白地幕に交換された。[[2009年]](平成21年)以降方向幕を搭載していた編成のLED式表示器への交換が進み、正面表示については2014年(平成26年)末頃に完了している<ref name="rf20091219"/><ref name="rf20160117"/>。

=== 1449編成のLED試験 ===
[[2011年]]より、室内灯に[[LED]]を採用するにあたり、1449編成の各車両を用いた様々なLEDの比較試験が行われた。
==== 試験されたLED ====
試験されたLED照明は以下の通り<ref name="ディテールp122"/>。
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
! 車号
! 設置時期
! 終了時期
! メーカー
! 形状
! 数
! 備考
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
| 1449
| 2011年3月29日 ||
| [[株式会社東芝 | 東芝]] || カバー式 || 9→8
| 1313編成で採用されたタイプに近いが、灯具の幅が狭い<ref name="ディテールp123"/>。
|-
| rowspan="2"| 1452
| 2011年3月29日 || 2015年5月27日
| [[小糸製作所 | 小糸工業]] || 反射式 || 9
|
|-
| 2015年2月27日 ||
| [[コイト電工]] || 直管蛍光灯型 || 18
| アルミ車両の車体・機器更新時の換装用として採用<ref name="ディテールp123"/>
|-
| 1450
| 2015年2月27日 ||
| 東芝 || 直管蛍光灯型 || 20
| 灯具はオリジナルの蛍光灯用と同形態<ref name="ディテールp123"/>
|-
| 1451
| 2016年8月2日 || 2019年12月22日
| [[三菱電機]] || 直管蛍光灯型 || 20
| 試験終了後、元の蛍光灯に戻される
|}

=== 1445編成の冷房装置試験 ===
[[2015年]]より、1445編成の1、2号車の冷房装置がCU71Hから[[株式会社東芝 | 東芝]]のRPU-11028に換装された。冷房能力はCU71Hの41.9kWより大きい48.9kWとされたが、[[2022年]]10月26日に機器更新が行われ、その際に他の編成と同型のCU-71-G3に換装されている<ref name="ディテールp128"/>。

=== ブレーキ7ノッチ化改造 ===
2018年度より、乗り入れ各社局にてブレーキの7ノッチ化が進んだことを受けたこと、定点停止装置を導入しておらず、可動式ホーム柵のある駅においても運転士の操作によって停車させていることからブレーキの7ノッチ化改造が行われた。自社線内のみを走行する6・4両編成から改造を行い、全編成への改造が終了した2022年度より8両編成も改造を開始した<ref name="ディテールp41" />。
== 更新工事 ==
2017年度より、製造から15年程度経過したアルミ車両への'''車体更新工事・機器更新工事'''が開始され<ref name="Keikyu20170510"/><ref name="response20170510"/><ref name="rf20170917"/><ref name="rf20170922"/><ref>{{Cite journal|author=宮原正和|year=2017|title=Railway Topics ⬛京浜急行新1000形も15年経過で初の更新|journal=鉄道ジャーナル|volume=614|page=102・103}}</ref>、同年9月17日には最初に車体更新が施工された1次車の1001編成が公開された<ref name="rf20170917"/>。翌9月18日より営業運転を開始している<ref name="rf20170922"/>。

=== 主な更新内容 ===
主な工事内容は以下の通り<ref name="Fan2017-12-66">交友社『鉄道ファン』2017年12月号CAR INFO「京浜急行電鉄新1000形更新車」pp.66 - 67。</ref>。

==== 車体 ====
* 側面行先表示器を幕式からフルカラーLED式に更新<ref name="Fan2017-12-66"/>。
* [[前照灯]]、[[車側表示灯|車側灯]]、[[尾灯]]、[[通過標識灯|急行灯]]は電球式からLED式に取り替えられた<ref name="Fan2017-12-66"/>。
* 車両の前面非常口部分には「けいきゅん」のステッカーを貼り付けられた<ref name="rf20170922"/>。

==== 車内設備 ====
* 室内化粧板、天井、床敷物、客用ドア、連結面貫通扉を新品に取り替え<ref name="rf20170917"/><ref name="Fan2017-12-66"/>。
* 車内袖仕切り板をガラス入り大型品に、座席周りの握り棒を曲線形状のものに取り替えた<ref name="rf20170917"/>。
* 1001編成を除き、車端の1脚分のクロスシートが撤去され、フリースペースが設置された<ref name="ディテールp84" />。
* 先頭車の車椅子スペース部壁面に非常ハシゴと[[消火器]]を格納<ref name="Fan2017-12-66"/>。
* 室内灯は[[蛍光灯]]から直管形[[LED照明]]に変更された<ref name="Fan2017-12-66"/>。
* 固定式側窓のうち、各連結面寄りの窓を一段下降窓に、先頭車乗務員室後ドア間の窓を二段窓の開閉可能な仕様へ取り替えた<ref name="rf20170917"/><ref name="Fan2017-12-66"/>。
** このため、屋根上の[[換気扇|排気扇]]と床下の排気扇用インバータは撤去された<ref name="rf20170917"/><ref name="Fan2017-12-66"/>。
* 各ドア上部に設けられていた[[車内案内表示装置|車内案内表示器]]はLEDスクロール表示式から液晶モニター式(LCD)に交換された<ref name="rf20170917"/>。
* 各ドア上部には、京急線内での停車駅開扉方向予告点灯機能を搭載したドア開閉案内表示灯を設置した<ref name="rf20170917"/>。

==== 乗務員設備 ====
* 運転台の日除けを遮光パネルから[[カーテン]]式に変更<ref name="Fan2017-12-66"/>。運転台計器灯、表示灯類をLED式に取り替え<ref name="Fan2017-12-66"/>。浦賀寄り先頭車の乗務員室へ空調装置操作器を新設<ref name="Fan2017-12-66"/>。

==== 主要機器 ====
* 1001編成ではVVVFインバータ制御装置を三菱電機製のフル[[炭化ケイ素|SiC]]素子を使用したMAP-194-15V296形に更新(1C4M制御)<ref name="Fan2017-12-66"/>。主電動機は17次車以降の8両編成車と同じMB-5171-A形 190&nbsp;kW 出力に交換した<ref name="Fan2017-12-66"/>。
** なお、1001編成は更新施工当初は原則非直通運用に限定されていた<ref>{{Cite journal|和書|author=柴田東吾|title=大手私鉄 通勤車両のリニューアル 京浜急行電鉄・京成電鉄|journal=鉄道ファン|date=2021-06-01|volume=61|issue=第6号(通巻722号)|pages=82 - 83|publisher=交友社|issn=}}</ref>。
* 1001編成以外の1、2次車の8両編成では、1C4M制御のIGBT素子を利用した[[東洋電機製造]]製のRG6008-B-Mが用いられた。[[京急2100形電車|2100形]]での主回路換装に用いられたRG6008-A-Mからの派生であり、元のトラクションコンバータコンテナから換装しやすいよう考慮された結果、[[枕木]]方向に広く、海側にパワーユニットの[[ヒートシンク]]と高圧配線ダクトが配置され、山側がすべて蓋となっている特殊な筐体となった<ref name="ディテールp125" />。主電動機はTDK6163-Aとされた。
** 従来よりIGBT素子を使用していた3~5次車では、8、4両編成共にサフィックスが改められたRG6008-C-M、又はRG6008-C1-Mが用いられた。性能はRG6008-B-Mと同等だが、車体の引き回しの違いに対応したフィルターリアクトルの口出しなどに差異が見られる。主電動機は同様にTDK6163-Aとされた<ref name="ディテールp125" />。
* 1、2次車の4両編成では、[[2010年]]より1405編成に搭載されていた[[株式会社東芝|東芝]]製のSVF093-A形がほかの編成にも搭載された。RG6008-B-Mと同様の理由から、車体側の高圧配線ダクトがそのまま利用できる大型の筐体となった<ref name="ディテールp126" />。主電動機はSEA-428が用いられた。
* 蓄電池、放送関係機器、保安関係機器の取り替え<ref name="Fan2017-12-66"/>。補助電源装置、ブレーキ機器の部品交換<ref name="Fan2017-12-66"/>。
* 冷房装置は、16次車以降の新製車両に搭載されている三菱電機製のCU71H-G3形に交換された<ref name="rf20170917"/><ref name="Fan2017-12-66"/>。キセがステンレス車両と同等の形状であるため、側面の隙間が広くなった<ref name="ディテールp128" />。
*3次車以降の編成では、8両編成は3、6号車、4両編成では2号車が[[動力車#鉄道車両|電動車]]から[[付随車]]化され、2次車以前の編成と[[MT比]]が揃えられることになった<ref name="ディテールp90" />。3次車以降の電動車用の台車であったTH-2100BMは電装解除を施したTH-2100BTAに改造されている<ref name="ディテールp126" />。

=== 更新後の編成表 ===
==== 8両編成 ====
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|-
|style="background-color:#ccc; width:6em;" colspan="2"|&nbsp;
|colspan="8"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="4"|&nbsp;
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
!colspan="2" | 号車
| 1 || 2 || 3 || 4 || 5 || 6 || 7 || 8
!rowspan="4"|機器更新<ref name="ディテールp131" />
!rowspan="4"|主回路換装<ref name="ディテールp131" />
!rowspan="4"|車体更新<ref name="ディテールp131" />
!rowspan="4"|備考
|-
! colspan="2"|形式・車種
| {{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(Muc)
| {{left|<}}{{right|>}}<br/>{{Nowrap|'''サハ1000形'''}}<br/>(Tpu)
| {{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''サハ1000形'''}}<br/>(Tu)
| {{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(Mu)
| {{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(Ms)
| {{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''サハ1000形'''}}<br/>(Ts)
| {{left|<}}{{right|>}}<br/>{{Nowrap|'''サハ1000形'''}}<br/>(Tps)
| {{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(Msc)
|-
! colspan="2"|搭載機器<ref name="RP717p101"/>
| VVVF・CP || SIV・BT || &nbsp; || VVVF || VVVF || &nbsp; || SIV・BT || VVVF・CP
|-
!colspan="2"|車重([[トン|t]])
| || || || || || || ||
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
! rowspan="5"| 車両番号
! rowspan="3"| 1次車
| 1001 || 1002 || 1003 || 1004 || 1005 || 1006 || 1007 || 1008
|colspan="3" | 2017年9月15日
| フリースペース未設置
|-
| 1009 || 1010 || 1011 || 1012 || 1013 || 1014 || 1015 || 1016
|colspan="3" | 2019年3月4日
|
|-
| 1017 || 1018 || 1019 || 1020 || 1021 || 1022 || 1023 || 1024
|2018年1月15日
| colspan="2" | 2019年12月20日
|
|-
! rowspan="2"| 2次車
| 1025 || 1026 || 1027 || 1028 || 1029 || 1030 || 1031 || 1032
|colspan="2" | 2019年7月18日
|
|定期検査は併施せず、側灯は未更新
|-
| 1033 || 1034 || 1035 || 1036 || 1037 || 1038 || 1039 || 1040
|colspan="3" | 2021年12月6日
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
! rowspan="4"| 車両番号
! rowspan="2"| 3次車
| 1041 || 1042 || 1043 || 1044 || 1045 || 1046 || 1047 || 1048
|colspan="2" | 2022年8月22日
|
|-
| 1049 || 1050 || 1051 || 1052 || 1053 || 1054 || 1055 || 1056
|colspan="2" | 2022年3月29日
|
|定期検査は併施せず、側灯は未更新
|-
! 4次車
| 1057 || 1058 || 1059 || 1060 || 1061 || 1062 || 1063 || 1064
|colspan="2" | 2023年3月3日
|
| YELLOW HAPPY TRAIN編成
|-
! 5次車
| 1065 || 1066 || 1067 || 1068 || 1069 || 1070 || 1071 || 1072
|colspan="2" | 2021年8月11日
|
|トラッドトレイン編成
|-style="border-top:solid 3px #7B766A;"
!rowspan="2"| 台車
!1-2次車
| TH-2100AM || TH-2100AT || TH-2100AT || TH-2100AM || TH-2100AM || TH-2100AT || TH-2100AT || TH-2100AM
|style="background-color:#ccc; width:6em;" rowspan="2" colspan="4"|&nbsp;
|-
!3-5次車
| TH-2100BM || TH-2100BT || TH-2100BTA || TH-2100BM || TH-2100BM || TH-2100BTA || TH-2100BT || TH-2100BM
|}
==== 4両編成 ====
{| class="wikitable" style="text-align:center; font-size:80%; margin:1em 0em 2em 3em;"
|-
|style="background-color:#ccc; width:6em;" colspan="2"|&nbsp;
|colspan="4"|{{TrainDirection| [[浦賀駅|浦賀]] | [[品川駅|品川]] }}
| style="background-color:#ccc; width:6em;"colspan="4"|&nbsp;
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
!colspan="2" | 号車
| 1 || 2 || 3 || 4
!rowspan="4"| 機器更新<ref name="ディテールp135" />
!rowspan="4"| 主回路換装<ref name="ディテールp135" />
!rowspan="4"| 車体更新<ref name="ディテールp135" />
!rowspan="4"| 備考
|-
! colspan="2"|形式・車種
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(Muc1)
|{{right|>}}<br/>{{Nowrap|'''サハ1000形'''}}<br/>(Tpu1)
|{{right|>}}<br/>{{Nowrap|'''サハ1000形'''}}<br/>(Tps1)
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(Msc1)
|-
! colspan="2"|搭載機器<ref name="ディテールp131" />
| VVVF・CP || SIV・BT || SIV・BT || VVVF・CP
|-
!colspan="2"| 自重([[トン|t]])
| || || ||
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
! rowspan="2"| 車両番号
! rowspan="2"| 1次車
| 1401 || 1402 || 1403 || 1404
| 2017年11月9日
| 2016年3月15日
|
|-
| 1405 || 1406 || 1407 || 1408
| 2018年2月9日
| 2010年2月10日
|
|-
|colspan="10" style="background-color:#cc1144;"|
|-
! colspan="2"|形式・車種
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(Muc1)
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''サハ1000形'''}}<br/>('T)
|{{left|<}}{{right|>}}<br/>{{Nowrap|'''サハ1000形'''}}<br/>(Tps1)
|{{left|&nbsp;}}<br/>{{Nowrap|'''デハ1000形'''}}<br/>(Msc1)
!rowspan="3"| 機器更新<ref name="ディテールp135" />
!rowspan="3"| 主回路換装<ref name="ディテールp135" />
!rowspan="3"| 車体更新<ref name="ディテールp135" />
!rowspan="3"| 備考
|-
! colspan="2"|搭載機器<ref name="ディテールp131" />
| VVVF・CP || BT || SIV・SIV || VVVF・CP
|-
!colspan="2"| 自重([[トン|t]])
| || || ||
|-style="border-top:solid 3px #cc1144;"
! rowspan="2"| 車両番号
! rowspan="2"| 2次車
| 1409 || 1410 || 1411 || 1412
|colspan="2" | 2018年8月17日
|2022年11月16日
|
|-
| 1413 || 1414 || 1415 || 1416
|colspan="2" | 2018年12月18日
|2023年2月27日
|
|-style="border-top:solid 3px #efe2c5;"
! rowspan="8"| 車両番号
! rowspan="2"| 3次車
| 1417 || 1418 || 1419 || 1420
|colspan="2" | 2019年4月12日
|
|
|-
| 1421 || 1422 || 1423 || 1424
|colspan="2" | 2019年8月22日
|
|
|-
! rowspan="4"| 4次車
| 1425 || 1426 || 1427 || 1428
|colspan="2" | 2020年1月23日
|
|
|-
| 1429 || 1430 || 1431 || 1432
|colspan="2" | 2021年10月26日
|
|定期検査は併施せず、側灯は未更新
|-
| 1433 || 1434 || 1435 || 1436
|colspan="2" | 2020年10月28日
|
|
|-
| 1437 || 1438 || 1439 || 1440
|colspan="2" | 2020年11月24日
|
|
|-
! rowspan="2"| 5次車
| 1441 || 1442 || 1443 || 1444
|colspan="2" | 2022年7月20日
|
|
|-
| 1445 || 1446 || 1447 || 1448
|colspan="2" | 2022年10月26日
|
|定期検査は併施せず、側灯は未更新
|-
|-style="border-top:solid 3px #7B766A;"
!rowspan="2"| 台車
!1-2次車
| TH-2100AM || TH-2100AT || TH-2100AT || TH-2100AM
|style="background-color:#ccc; width:6em;" rowspan="2" colspan="4"|&nbsp;
|-
!3-5次車
| TH-2100BM || TH-2100BTA || TH-2100BT || TH-2100BM
|}
|}


== 運用 ==
== 運用 ==
=== 8両編成 ===
* 8両編成は主に[[京急本線#快特|快特]]などの[[優等列車]]に使用され、[[都営地下鉄浅草線|都営浅草線]]、[[京成電鉄|京成線]]、[[北総鉄道北総線|北総線]]への[[直通運転|乗り入れ]]運用が中心となっている。10次車についてはエアポート快特や[[京成成田空港線]](成田スカイアクセス線)の一般列車であるアクセス特急として[[京急600形電車 (3代)|600形]]と共に運用され、[[成田空港駅|成田空港]]まで入線する。現行ダイヤでは[[京成本線]][[京成高砂駅|京成高砂]]以遠の定期運用は設定されていない。[[2010年]][[7月16日]]までは、600形の代走ではあるものの、[[京成成田駅|京成成田]]まで入線することがあった。
都営浅草線、京成線、北総線への乗り入れ運用を中心とした[[京急本線#快特|快特]]などの[[優等列車]]が主体<ref name="佐藤2004p91"/>で、[[京成成田空港線|成田スカイアクセス線(京成成田空港線)]]経由の「アクセス特急」にも使用される<ref name="年鑑2010p158"/><ref name="年鑑2012p148"/>。また、京成本線経由の運用もある<ref name="年鑑2010p158"/><ref name="年鑑2012p148"/>。
* 4両編成は優等列車の付属編成や[[京急本線#普通|普通列車]]に使用されている。また、4両編成同士を複数連結した8・12両編成は優等列車としても使用される。2010年5月16日からは[[エアポート急行]]([[羽田空港国内線ターミナル駅|羽田空港国内線ターミナル]] - [[新逗子駅|新逗子]]間)に4両編成を2本連結した8両編成で運用されている。エアポート急行の運用は新1000形同士の連結が基本だが、極稀に600形、[[京急1500形電車|1500形]]および[[京急2000形電車|2000形]]の4連と連結して8両編成で運用される。また[[京急大師線|大師線]]でも運用されることがある。
* [[2015年]](平成27年)
* [[京急2100形電車|2100形]]、600形、1500形、2000形と相互に連結が可能である。
** [[12月5日]]
<!--検証可能性を満たさない記述は除去しました。要出典、要推敲、リンク先要確認。2008年も同様の記述があり、検証可能性、ウィキペディアは何ではないかの不満足により削除されている。-->
*** 同日のダイヤ改正で、平日ダイヤでの[[京成佐倉駅]]への乗り入れ運用が復活。
* [[2017年]](平成29年)
** [[10月28日]]
*** 同日のダイヤ改正で[[浦賀駅|浦賀]]始発の特急[[京成佐倉駅]]行が新設され、京成佐倉への土休日の乗り入れが復活<ref name="rf20151211"/><ref name="ディテールp68" />。
* [[2020年]](令和2年)
** [[5月16日]]
*** 主制御器にフルSIC素子を使用した編成の乗り入れ運用開始<ref name="ディテールp71" />。

=== 6両編成 ===
主に[[京急本線#普通|普通列車]]を中心に用されている<ref name="年鑑2012p148"/>。また、逗子線系統の[[京急本線#急行|急行]]の一部にも運用されている<ref name="RP871p132"/>。

=== 4両編成 ===
[[File:Keikyu N1000 Daishi line.JPG|thumb|100px|大師線で運用される1429編成]]
主に普通列車や優等列車の増結車や<ref name="佐藤2004p91"/>4両編成を2本連結した8両編成で自社線完結の急行として運用される<ref name="年鑑2010p158"/>ほか、[[京急大師線|大師線]]でも運用されることがある<ref name="rf20080109"/>。1800番台は先頭車間の幌を繋いだ時に限り、地下鉄線内への乗り入れが可能である。

1890番台は『モーニングウイング』3号に使用後、品川で都営からの直通列車に増結して京急川崎止まりになり、[[神奈川新町駅]]で切り離し後入庫する。その後は、一般車4両と組成して急行で運用される事が多い。

1500形・600形・2100形との連結が可能<ref name="佐藤2004p58"/>。
* [[2016年]](平成28年)
** [[5月25日]]
*** 1801編成と1805編成にて幌を付けて8両編成での運転が開始される<ref name="ディテールp67" />。
** [[6月16日]]~[[7月1日]]
*** 1801+1805編成を使用し、初日の第667H列車より直通先への乗り入れ運用に充当<ref name="ディテールp67" />。
* [[2021年]](令和5年)
** [[5月6日]]
*** 「[[ウィング号_(京急)|モーニング・ウィング]]」3号12両運転開始に伴い同列車への1890番台の運用開始<ref name="ディテールp72" />。
** [[5月17日]]
*** 1890番台の[[京急本線#エアポート急行|エアポート急行]]への運用開始。
* [[2023年]](令和5年)
** [[6月22日]]~[[6月27日]]
*** 同年の[[6月24日]]に行われた『初運行!8両幌付きLe Cielで行く「1000形大集合撮影会!」』にて、1809編成を幌付きで展示するにあたり、1809号車に幌を設置したまま運用された。浦賀寄りに幌が設置されるのは本形式で初となった<ref name="ディテールp74" />。
** [[11月25日]]
*** 同日のダイヤ改正により従来2100形で運行されていた「[[ウィング号_(京急)|イブニング・ウィング]]」14・16号の運行体系が変更され、8両編成の快特に品川→金沢文庫間で後ろに4両のウィング号を併結する形となり<ref>{{Cite web |title=座席指定ウィングサービス {{!}} 京急の電車紹介 {{!}} 京浜急行電鉄(KEIKYU) |url=https://www.keikyu.co.jp/ride/train/wing_detail.html |website=京浜急行電鉄 |access-date=2024-05-03 |language=ja}}</ref>、1890番台が充当される<ref name="keikyu20231024" /><ref>{{Cite web |title=京急の有料着席列車「ウィング」号、快特に併結へ 途中駅ではドアが開かない!? 11月ダイヤ改正 |url=https://trafficnews.jp/post/128913 |website=乗りものニュース |date=2023-10-24 |access-date=2024-05-03 |language=ja}}</ref>。

== 特別装飾・ラッピング ==
=== [[2004年]](平成16年) ===
==== 羽田空港第2ターミナル開業記念 ====
* 2次車の8両編成2本は同年[[12月1日]]の[[東京国際空港|羽田空港]]第2ターミナル開業を記念して[[空色|スカイブルー]]をベースとする[[ラッピング車両|ラッピング]]が施され、[[2005年]](平成17年)3月まで運転された<ref name="動向2005p99"/><ref name="動向2005p100"/>。
<gallery widths="180" style="font-size:90%">
ファイル:Keikyu-n1000-blue-20050313.jpg|第2ターミナル開業記念編成
ファイル:Keikyu-n1000-blue-jal-20050313.jpg|[[日本航空|JAL]]機がラッピングされた車両<br />(品川方4両)
ファイル:Keikyu-n1000-blue-ana-20050313.jpg|[[全日本空輸|ANA]]機がラッピングされた車両<br />(浦賀方4両)
</gallery>

=== [[2012年]](平成24年) ===
==== ノルエコラッピング ====
* 6月18日から7月28日にかけて、前年度末導入の1313編成より室内灯が[[LED]]に変更されたことを受け、「京急環境車両」として1325編成に前面と側面にラッピングが行われた<ref name="ディテールp28" />。これはステンレス車での初のラッピングとなった<ref name="ディテールp65" />。

=== [[2014年]](平成26年) ===
==== KEIKYU YELLOW HAPPY TRAIN ====
* 1057編成は5月1日から京急の電動貨車の塗装をイメージした黄色塗装に変更され、「KEIKYU YELLOW HAPPY TRAIN」(京急イエローハッピートレイン)として運行開始した<ref name="Yellow"/>。

黄色く塗装された姿が[[西武鉄道#車両|西武鉄道の車両]]に似ているとの声から、京急が西武にコラボレーションを提案、[[西武9000系電車|西武9000系]]の9103編成を赤い車体に白い帯とした「幸運の赤い電車 (RED LUCKY TRAIN)」とし、両社で共同キャンペーンを実施していた<ref name="Seibu20140709"/><ref name="Keikyu20140715"/>。

当初は3年間の運行予定であったが、好評のため運行開始から3年が経過する[[2017年]](平成29年)5月以降も運行が継続されることになった。同年には塗装がマイナーチェンジされ、従来は銀色だった乗降扉部分も黄色に変更され、車体側面全体が黄色の塗装となった。同年4月29日よりこの塗装での運行を開始した<ref name="Keikyu20170427"/>。
<gallery widths="180" style="font-size:90%">
Keikyu 1058 yellow.JPG|西武鉄道とのコラボレーション期間中に見られた黄色車体に銀色の扉(2014年8月14日)
</gallery>

* 同年[[8月30日]] には同編成を利用した「しあわせの黄色い電車『京急』で行くTHE鉄コン!in横須賀」が運転<ref name="ディテールp66" />されたほか、その後も以下のラッピングが施されることがあった。

=== [[2016年]](平成28年) ===
==== 京急×都営地下鉄×京成×北総 相互直通25周年ヘッドマーク ====
* [[4月25日]]から[[6月30日]]にかけて、京急線・[[都営地下鉄浅草線|都営浅草線]]・[[京成本線|京成線]]・[[北総鉄道北総線|北総線]]の直通運転25周年を記念して、1025編成にヘッドマークが掲出された<ref name="ディテールp67" />。
==== 京急リラックマトレイン ====
* [[6月16日]]~[[7月1日]]にかけて、京急×[[リラックマ]]コラボの一環として、1065編成が「京急リラックマトレイン」として運行された。
** [[9月11日]]には、同編成を使用した貸切列車である「京急×リラックマごゆるりおでかけ号」が品川~[[三浦海岸駅|三浦海岸]]間で運転された<ref name="ディテールp67"/>。
=== [[2017年]](平成29年) ===
==== 1017編成西暦表示 ====
* 1月には、1017編成が前面非常扉にある「017」の車体番号に「2」を追加し、「2017」と施して運行された<ref>{{Cite news|url=http://rail.hobidas.com/rmn/sp/archives/2017/01/10001017_1.html|title=【京急】新1000形1017編成に「西暦」表示|newspaper=鉄道ホビダス|date=2017-01-06|accessdate=2017-01-12}}</ref>。
** [[1月1日]]には、臨時列車である「初日の出号」1号に充当された<ref name="ディテールp68" />。

=== [[2018年]](平成30年) ===
==== 「京急沿線の風景」ギャラリー号 ====
* 2月25日より、創立120周年を記念して1201編成が前面非常扉にある「201」の車体番号に「1」を追加して運行された。車内には募集された写真や絵画が掲出された<ref name="Keikyu20171219"/>。
** 同編成は翌[[2019年]][[1月1日]]の「初日の出2号」に充当され、その際は末尾に「9」を張り付けて運行された<ref name="ディテールp70" />。

==== リラックマいちごお祝い号・しあわせのキイロイトリ号 ====
* 3月5日から5月13日にかけて、同年に誕生15周年と京急120周年を同時に祝う企画として、「リラックマ&京急一緒にごゆるりお祝いキャンペーン」が行われ、一環として1065編成に「リラックマイチゴお祝い号」、1057編成に「しあわせのキイロイトリ号」のラッピングが施された<ref name="ディテールp69" />。
** 最終日である5月13日には、同イベント内で行われていた[[スタンプラリー]]企画での当選者50組100名を対象に、1065編成「リラックマイチゴお祝い号」を利用した「赤い電車でお出かけ!リラックマのイチゴケーキ号」が品川~[[三浦海岸駅|三浦海岸]]間で貸切列車として運行された。

==== 『北斗の拳』と「OTODAMA SEA STUDIO」のラッピング車両 ====
* 7月30日から9月17日にかけて、[[北斗の拳]]35周年と京急120周年を祝う企画として行われた「北斗京急周年のキャンペーン」の一環として、1065編成に『北斗の拳』のキャラクターや、[[三浦海岸]]にて「北斗の拳&蒼天の拳 スペシャルミニライブ&トークイベント」が行われる[[OTODAMA RECORDS|OTODAMA SEA STUDIO]]のラッピングを施した<ref name="keikyu20180719a"/>。
** 「北斗の拳&蒼天の拳 スペシャルミニライブ&トークイベント」が開催された[[8月11日]]には、同編成を利用した貸切列車である「ザコと行く三浦海岸!京急ヒャッハー!トレイン」が品川駅から三浦海岸駅間無停車で運転され、「北斗の拳」のフォトパネル、窓タペストリー、シートカバー、天刷り膜が装飾された<ref name=" keikyu20180719b"/>。

=== [[2019年]](平成31年・令和元年)===
==== 京急宴線 真夏のONE PIECE列車 ====
* [[7月8日]]から[[9月16日]]にかけて、テレビアニメ「[[ONE_PIECE_(アニメ)|ONE PIECE]]」放送開始20周年、[[海軍カレー#よこすか海軍カレー|カレーの街よこすか]]20周年、京急電鉄創立120周年を記念したコラボとして、「京急宴線 真夏のONE PIECE列車」を実施。1057編成(イエローハッピートレイン)が「ONE PIECE麦わらストア TRAIN」、1065編成(トラッドトレイン)が「ONE PICE STANPEDE TRAIN」として運転<ref name="ディテールp70" />。車内広告もすべてワンピース仕様とされた。

==== 「秋の三浦半島」・「行こう!秋の三浦半島」ラッピング ====
* [[9月18日]]から[[11月1日]]にかけて1057編成に「秋の三浦半島」ラッピングとヘッドマークが、同年9月29日から11月3日にかけて1065編成に「行こう!秋の三浦半島」とヘッドマークがそれぞれ提出された<ref name="ディテールp70" />。

==== 京急沿線のすみからすみまであそびにいこうキャンペーン ====
* [[11月18日]]から翌[[2020年]](令和2年)[[1月26日]]にかけて、[[すみっコぐらし]]とのコラボ企画である、『すみっコぐらし×けいきゅう「京急沿線のすみからすみまであそびにいこうキャンペーン」』を実施。一環として、1057編成を「たべものもぐもぐ号」、1065編成を「すみっコぐらし号」としてラッピングを施して運転された<ref name="ディテールp71"/>。車端部のクロスシートが「すみっコぐらしシート」とされた。
** 最終日である2020年1月26日には、同イベント内で行われていた[[スタンプラリー]]企画での当選者50組100名を対象に、「すみっコぐらし号」が貸切列車として、品川から[[三崎口駅|三崎口]]駅間で運転された。

=== [[2020年]](令和2年) ===
==== 三浦海岸河津桜ラッピング ====
* [[1月27日]]から[[3月7日]]にかけて、1065編成に「三浦海岸河津桜ラッピング」が施された<ref name="ディテールp71"/>。
** [[2月15日]]には、同編成を利用した「みうら河津号」(品川~[[三浦海岸駅|三浦海岸]])・「みうら夜桜号」([[京急川崎駅|京急川崎]]~三浦海岸)が運転された。

==== 東京2020オリンピックラッピング ====
* [[3月9日]]から[[9月6日]]までの間、1065編成が同年に開催される予定であった[[2020年東京オリンピック|東京オリンピック]]を記念してラッピングされた。[[新型コロナウイルス感染症_(2019年)|新型コロナウイルス]]の感染拡大により同大会は[[2021年]]に延期されたが、ラッピングは延長されることなく外された<ref name="ディテールp71"/>。

=== [[2021年]](令和3年) ===
==== 「コロナに負けるな 京急沿線商店街」号 ====
* [[1月25日]]から[[2月27日]]の間、[[新型コロナウイルス感染症_(2019年)|新型コロナウイルス]]の感染拡大を受けて1201編成に「コロナに負けるな 京急沿線商店街」ラッピングが施された<ref name="ディテールp72"/>。
[[東京都]][[大田区]]の商店街の紹介や、大田区公式キャラクター「はねぴょん」がデザインされている。

==== 京急×都営地下鉄×京成×北総 相互直通30周年ヘッドマーク ====
* [[3月31日]]から[[6月30日]]にかけて、京急線・[[都営地下鉄浅草線|都営浅草線]]・[[京成本線|京成線]]・[[北総鉄道北総線|北総線]]の直通運転30周年を記念して、1201編成にヘッドマークが掲出された<ref name="ディテールp72" />。

==== よこすかルートミュージアム号 ====
* [[10月11日]]から翌[[2022年]](令和4年)[[1月30日]]までの間、京急電鉄が「よこすか MEGURU PROJECT」へ参画した一環として、1065編成にラッピングが施された<ref name="ディテールp72"/>。

=== [[2022年]](令和4年)===
==== すみっコぐらし10周年号 ====
* [[9月5日]]から[[11月16日]]の間、[[すみっコぐらし]]の10周年を記念した企画である「すみっコぐらし×けいきゅう&はねだくうこうinおおたく 東京都のすみっコ大田区で10周年お祝いキャンペーン」が開催された一環として、1893-1編成が「すみっコぐらし10周年号」にラッピングされた<ref name="ディテールp73"/>。

==== 「ブルーリボン賞」受賞記念号 ====
* 1890番台のブルーリボン章受賞を記念して、[[2022年]](令和4年)[[12月4日]]より、1893-1編成に記念ヘッドマークと側面マークを付けて運行された<ref name="Keikyu20221113"/>。
** 運行初日となる12月4日には、同編成を使用して「『Le Ciel』ブルーリボン賞受賞記念貸切列車ツアー」が[[京急蒲田駅]]から[[久里浜工場信号所]]間で運転された<ref name="ディテールp74" />。
=== 夏詣ヘッドマーク ===
京急電鉄の企画として[[2019年]]より実施されている「夏詣キャンペーン」に合わせて[[2021年]]より毎年1201編成に夏詣ヘッドマークが掲出されている。
* 2021年 - [[7月1日]]~[[8月29日]]<ref name="ディテールp72" />
* 2022年 - [[6月26日]]~[[8月28日]]<ref name="ディテールp73" />

== 事故廃車 ==
1137編成は[[2019年]]([[令和]]元年)[[9月5日]]、[[神奈川新町駅]]近くの踏切にてトラックと衝突する事故([[日本の鉄道事故 (2000年以降)#京浜急行本線神奈川新町第1踏切衝突事故|京浜急行本線神奈川新町第1踏切衝突事故]])を起こし、損傷が激しいことから、翌2020年(令和2年)3月15日付で本系列初の廃車となった<ref>「大手私鉄車両ファイル 車両配置表」、『鉄道ファン』2020年8月号特別付録、交友社、2020年。</ref>。この影響で、モーニングウィング号1号の増便運行開始が1ヶ月延期された<ref> https://www.keikyu.co.jp/report/2019/20191018_mw.html </ref>。


== 脚注 ==
== 脚注 ==
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=== 注釈 ===
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=== 出典 ===
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<ref name="佐藤2004p90">[[#佐藤2004|『京急の車両』 p90]]</ref>
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<!-- <ref name="RF712">[[#鉄道ファン712|『鉄道ファン』通巻712号私鉄車両動向ファイル]]</ref> -->
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<ref name="keikyu20180719a"> {{Cite web|和書|url=http://www.keikyu.co.jp/company/news/2018/20180719HP_18086EW.html|title="駅名看板を「京急かぁまたたたたーっ駅」などに特別装飾します!"|publisher=京浜急行電鉄|date=2018-07-19|accessdate=2023-10-20}}</ref>
<ref name="keikyu20180719b"> {{Cite web|和書|url=http://www.keikyu.co.jp/company/news/2018/20180719HP_18086EW.html|title="ザコと行く三浦海岸!京急ヒャッハートレイン"|publisher=京浜急行電鉄|date=2018-07-19|accessdate=2023-10-20}}</ref>
<ref name="keikyu20231024"> {{Cite web|和書|url=https://www.keikyu.co.jp/company/news/2023/20231024HP_23082TE.html|title="2023年11月25日(土)土休日ダイヤ・11月27日(月)平日ダイヤ
京急線ダイヤ改正を実施します"|publisher=京浜急行電鉄|date=2023-10-24|accessdate=2023-11-01}}</ref>
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== 参考文献 ==
== 参考文献 ==
=== 書籍 ===
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* {{Cite book|和書|author = 佐藤良介|authorlink = |coauthors =|year = 2004|title = JTBキャンブックス 京急の車両 現役全形式・徹底ガイド|publisher = JTBパブリッシング|ref = 佐藤2004|id =|isbn = 9784533055461}}
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** 2007年6月号CAR INFO「京浜急行電鉄新1000形6次車」
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*** {{Cite journal ja-jp|和書|author=|year= |month= |title=民鉄車両諸元表 |journal= |issue= |pages= 164-166 |publisher= |ref = 年鑑2005諸元}}
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*** {{Cite journal ja-jp|和書|author=|year= |month= |title=民鉄車両諸元表 |journal= |issue= |pages= 186-190 |publisher= |ref = 年鑑2004諸元}}
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*** {{Cite journal ja-jp|和書|author= 小野 俊光 |year= |month= |title=京浜急行電鉄新1000形3次車 |journal= |issue= |pages=134-135 |publisher= |ref = 年鑑2005}}
*** {{Cite journal ja-jp|和書|author=|year= |month= |title=民鉄車両諸元表 |journal= |issue= |pages= 186-191 |publisher= |ref = 年鑑2005諸元}}
*** {{Cite journal ja-jp|和書|author=|year= |month= |title=各社別新造・改造・廃車一覧 |journal= |issue= |pages= 214-239 |publisher= |ref = 年鑑2005一覧}}
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** 通巻791号(2007年7月号)
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* [[電気車研究会|鉄道図書刊行会]]「[[鉄道ピクトリアル]]」
** 通巻493号(2002年5月号)
** 2002年5月号New model「京浜急行電鉄新1000形」
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** 2002年10月臨時増刊号鉄道車両年鑑2002年版「京浜急行電鉄新1000形」
** 通巻554号(2007年6月号)
** 2004年10月臨時増刊号鉄道車両年鑑2004年版「京浜急行電鉄新1000形(2次車)」
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** 通巻563号(2008年3月号)
** 2007年7月号New model「京浜急行電鉄新1000形6次車」
*** {{Cite journal ja-jp|和書|author=鉄道ファン編集部 |year= |month= |title=新形車両形態分析進化論1 京浜急行電鉄 |journal= |issue= |pages= 90 -95 |publisher= |ref = 鉄道ファン563}}
** 2010年8月号掲載「京浜急行電鉄新1000形10次車」
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*** {{Cite journal ja-jp|和書|author= |year= |month= |title=京浜急行電鉄新1000形10次車 |journal= |issue= |pages=69 |publisher= |ref = 鉄道ファン592}}
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*** {{Cite journal ja-jp|和書|author= 野月貴弘 |year= |month= |title=気になる貫通構造 新1000形1800番台|journal= |issue= |pages=102-105 |publisher= |ref = 鉄道ファン666}}
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*** {{Cite journal ja-jp|和書|author= |year= |month= |title=CAR INFO「京浜急行電鉄新1000形更新車」|journal= |issue= |pages=66-67 |publisher= |ref = 鉄道ファン680}}

* 『[[レイルマガジン]]』通巻226号(2002年7月・[[ネコ・パブリッシング]])
** {{Cite journal ja-jp|和書|author= 南雲 康夫|year= |month= |title= NEWS SCRAMBLE 2002年春、私鉄各社相次いで新型車輛営業運転開始 京急新1000形|journal= |issue= |pages=138 |publisher= |ref = レイルマガジン226}}

* 『[[鉄道ジャーナル]]』通巻434号(2002年12月・[[鉄道ジャーナル社]])
** {{Cite journal ja-jp|和書|author=木場谷 円|year= |month= |title=京急新1000形 北総・公団線への直通乗入れ開始 |journal= |issue= |pages=100|publisher= |ref = RJ434}}

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** 通巻339号(2012年7月号)
*** {{Cite journal ja-jp|和書|author= |year= |month= |title=私鉄DATA FILE 私鉄車両のうごき(2012年1月1日-3月31日) |journal= |issue= |pages=124-127 |publisher= |ref = ダイヤ情報201207}}
** 通巻342号(2012年10月号)
*** {{Cite journal ja-jp|和書|author= |year= |month= |title=私鉄DATA FILE 私鉄車両のうごき(2012年4月1日-6月30日) |journal= |issue= |pages=124-127 |publisher= |ref = ダイヤ情報201210}}
** 通巻417号(2017年1月号)
*** {{Cite journal ja-jp|和書|author= |year= |month= |title=京浜急行電鉄新1000形1600番代 |journal= |issue= |pages= 6-7 |publisher= |ref = ダイヤ情報417}}
*** {{Cite journal ja-jp|和書|author= |year= |month= |title=私鉄DATA FILE 私鉄車両のうごき(2016年7月1日-9月30日) |journal= |issue= |pages=125 |publisher= |ref = ダイヤ情報417うごき}}
** 通巻475号(2024年1月号)
*** {{Cite journal ja-jp|和書|author= |year= |month= |title=特集 京急電鉄 |journal= |issue= |pages= 32-37 |publisher= |ref = ダイヤ情報475}}

* [[エリエイ]]『[[とれいん (雑誌)|とれいん]]』 2018年1月号MODELERS FILE「京浜急行電鉄新1000形電車ステンレス鋼製グループ」pp.26 - 43

* 『三菱電機技報』([[三菱電機]])
** 通巻98号(2024年1月号)
*** {{Cite journal ja-jp|和書|author= |year= |month= |title=[https://www.giho.mitsubishielectric.co.jp/giho/pdf/2024/2401.pdf 京浜急行電鉄㈱1000形22次車向けVVVFインバーター装置] |journal= |issue= |pages= 41 |publisher= |ref = 三菱電機技報98}}

== 外部リンク ==
* [https://web.archive.org/web/20070321173538/http://www.keikyu.co.jp/corporate/press/mk_auto/20070314a.shtml 新造車両を導入 - 当社初のステンレス製車両(新1000形6次車) - 3月31日(土)より営業開始!](京浜急行リリース・インターネットアーカイブ・2007年時点の版)
* [https://web.archive.org/web/20200529104819/http://rail.hobidas.com/blog/natori09/archives/2007/04/post_499.html 編集長敬白アーカイブ:ステンレスの京浜急行誕生!。 - 鉄道ホビダス](インターネットアーカイブ)
* [https://web.archive.org/web/20220320065636/https://www.global.toshiba/jp/news/corporate/2015/12/pr0902.html 京浜急行電鉄新造車向け電気品納入について](東芝ニュースリリース・インターネットアーカイブ・2022年時点の版)
* 総合車両製作所『総合車両製作所技報』第5号(2016年12月)製品紹介{{PDFlink|[https://www.j-trec.co.jp/company/070/05/jtr05_096-101.pdf 「京浜急行電鉄 新1000形1800番台(15次車)(正面中央貫通車)」]}}(pp.96 - 101)
* 東洋電機製造『東洋電機技報』No.143(2021年発行){{PDFlink|[https://web.archive.org/web/20230418103051/https://www.toyodenki.co.jp/technical-report/pdf/giho143/P36-38_143.pdf 「京浜急行電鉄株式会社新1000形20次車用電機品」]}}(インターネットアーカイブ)
* [[日本地下鉄協会]]『SUBWAY』2021年5月号{{PDFlink|[http://www.jametro.or.jp/upload/subway/BaTbmgTZcNfE.pdf 車両紹介「1000形1890番台新造車両の紹介」」]}}(pp.45 - 49掲載)


* [[ネコ・パブリッシング]]「[[レイルマガジン]]」
** 2010年8月号掲載「京浜急行電鉄新1000形10次車」
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[[Category:鉄道車両関連]]

2024年12月1日 (日) 02:31時点における最新版

京急1000形電車(2代)
京急1000形電車
(ステンレス車1355・アルミ車1445)
基本情報
運用者 京浜急行電鉄
製造所 東急車輛製造総合車両製作所横浜事業所[1]
川崎重工業川崎車両
製造年 2002年 -
製造数 486両[注釈 1]
運用開始 2002年4月15日
主要諸元
編成 4・6・8両編成
軌間 1,435 mm(標準軌
電気方式 直流1,500 V架空電車線方式)
最高運転速度 120 km/h[4]
設計最高速度 130 km/h[2][3]
起動加速度 3.5 km/h/s[3][5][6][注釈 2]
減速度(常用) 4.0 km/h/s[2][3]
減速度(非常) 4.5 km/h/s[2][3]
車両定員 1 - 5次車[2]:座席の「+」は補助座席使用時
先頭車122(座席41+4)人
中間車130(座席48+8)人
6 - 9次車[3]
先頭車119(座席39)人
中間車130(座席52)人
10 - 15次車[7]
先頭車118(座席39)人
中間車129(座席52)人
16次車以降[7]
先頭車116(座席38+2)人
中間車126(座席50+4)人
20次車[8]
先頭車101人
中間車107・111人
自重 本文参照
全長 18,000 mm[2][3]
車体幅 2,830 mm(1 - 5次車)[2][11]
6次車以降2,791.8[3]
全高 4,026.5 mm[2][3]
4,050 mm(パンタグラフ付き車両)[2][3]
車体 1 - 5次車 アルミニウム合金
6次車以降 ステンレス
台車 円筒案内支持方式空気ばね台車
TH-2100A形・TH-2100B形[2][3]
主電動機 かご形三相誘導電動機[9]
1- 19次車 自己通風式
20次車以降 全閉外扇方式
永久磁石同期電動機(一部編成)
主電動機出力 1 - 5・20次車:190 kW[2](連続定格)[12]
ただし、3 - 5次車(シーメンスIGBT車)は出力を抑えている[13]
6 - 19次車:155 kW(1時間定格)[3](一部除く)
駆動方式 TD継手式平行カルダン[2][3]
歯車比 83:14 (5.93)[3][11]
制御方式 GTO[4]またはIGBT[10]またはMOSFET素子による
VVVFインバータ制御[4]
制動装置 応荷重装置回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ[2][3]
保安装置 1号型ATS[2]C-ATS[3]
第65回(2022年
※受賞車両は1890番台
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京急1000形電車(けいきゅう1000がたでんしゃ)は、2002年平成14年)4月15日に営業運転を開始した[14]京浜急行電鉄(京急)の通勤形電車

1959年昭和34年)登場の初代1000形と同時に営業運転に使用された期間があり、区別のため、本形式は新1000形と呼称されており、初代1000形の引退後も「新1000形」と呼称されることが多い[注釈 3]。なお、京急電鉄社内では初代1000形の引退後である2011年4月ごろに「新1000形の呼称ではなく、1000形の呼称を使う旨」の通達が出されているほか[15]、初代1000形が引退してから時間が経過し、2021年頃から表記も順次「新」の付かない1000形に改められつつある[16]

本項では、特記のない限り、各種文献に倣い、京急本線上で南側を「浦賀寄り」または「浦賀方」、北側を「品川寄り」または「品川方」、東側を「海側」、西側を「山側」と表記する。編成番号は浦賀方先頭車の車両番号で表記する。また、「新1000形」は本形式、「1000形」は1959年(昭和34年)登場の1000形(初代)、「700形」は1967年(昭和42年)登場の700形(2代)、「600形」は1994年(平成6年)登場の600形(3代)を指すものとする。文中の編成表では左側を浦賀方とする。また、本形式についてはアルミ合金製車体の編成群(1 - 5次車)を「アルミ車両」、ステンレス製車体の編成群(6次車以降)を「ステンレス車両」と表記する。

概要

初代1000形と700形の置き換え用として2100形の車体や主要機器をベースとして設計され[17]、快適性の向上、環境への配慮、省エネルギー化、保守の低減などを目指した[17]

座席は1 - 5、16次車以降では客用扉間にはロングシートを、車端部にはクロスシート[注釈 4]を採用した[18]が、6 - 15次車では車端部も全てロングシートとなった[19]。製造時期によって各種設計変更が行われており、2007年導入分からは車体の材質や制御機器が変更される[19]等、その内容は非常に多岐にわたることが特筆される。

車両番号は、1 - 19次車では浦賀寄りから連番とされた。8両編成は百の位を0として1001から[2]、6両編成は当初百の位を3として1301から[20]、2016年(平成28年)度製造の16次車以降は百の位を6として1601から[21]、4両編成は百の位を当初4として1401から[22]、2015年(平成27年)度製造の15次車以降は百の位を8として1801から[23]付番されている。
20次車以降では表記にハイフンが用いられるようになり、編成番号の後にハイフン以下一桁で浦賀方から編成内の順位を表すように付番されるようになった。4両編成では2021年(令和3年)度製造の20次車以降に1891-1から[24]、6両編成では2023年(令和5年)度製造の22次車以降に1501-1から付番されている。各製造時の車両番号は製造時のバリエーションを参照のこと。

2016年3月31日現在、8両編成22本(176両)、6両編成12本(72両)、4両編成25本(100両)の計59本・348両が在籍し、京急で最大車両数の形式である[25]

アルミ車両

外観

車体は軽量化と保守の軽減を狙ったアルミ軽合金製で、外板塗装は600形・2100形と同様赤い車体、窓周り白塗装である[18]。ロングシート主体の車両であることから、当初はそれまでの慣例に倣い、赤い車体に白帯の塗装とすることも検討されていたが、1998年に開業した羽田空港駅ホームの照明によって停車する車両の発色が悪くなってしまい、駅の雰囲気が重苦しくなることから、「全く新たな色の明るい塗装」とすることも含めて再検討されたが、最終的にはそれまで特別な車両に塗られてきたこの塗装が施された[26]雨樋パンタグラフからの高圧配管など、車体妻面にある配管類は車体埋め込み形となっている[27]

先頭形状は2100形の三次元曲面を踏襲し、正面向かって左端には非常用スイングプラグドアを設置した[17]。スカートと一体感を持った3次元曲面で構成されている[18]。先頭車の正面のワイパーカバーには2100形同様に形式名がスリットで打ち抜かれ、連結作業時に運転士から連結器先端が見えるよう配慮されている[18]。形式名と併せ、車両番号の下3桁が貫通扉に表示され、遠方からでも600形・2100形との識別ができる[18]。ワイパーはフレキシブルケーブルで連結された電動2連式で、使用時以外はワイパーカバー内に収納される[9]。正面運転席上行先表示器両脇に前照灯を、腰部に急行灯尾灯を備える[9]。尾灯は電球式で、2100形4次車以降と同様急行灯の内側に置かれている[9]

客室窓はすべて固定窓とされ、車体清掃の容易化のため車体外板との段差がなくなるよう設計されている[18]。扉間の窓は幅2,325 mm、中央部に75 mmの柱があり、車端部は幅1,455 mmの1枚構成である[17]

車端部から客扉の中心までの寸法は3,345 mmで、600形の3,200 mm、2100形の3,150 mmより長く確保されており、車端部をロングシートにした際に5人掛けにできるよう設計されている[28]

内装

1次車の車内

内装は暖色系を採用し、温かみのある親しみやすい空間を目指した[18]。内張りは白色系の化粧板を、乗務員室背面仕切壁や妻面にはピンク色の化粧板を採用し、床材には明るい青色のロンリウム材を使用した[29]。乗客が触れやすい部分である、客用ドアの袖や化粧板の縁押しなどはビス頭をモールで隠されている[28]。京急の車両では初めて電動車床面の点検蓋が省略された[30]

扉間は脚台をなくし、座面に暖房装置を取り付けた片持ち式ロングシート、車端部が補助いす付きのクロスシートである[18][31]。先に3扉ロングシート化改造が行われた2000形にて、工事が急がれたことからやむを得ず残された車端部のクロスシートが好評で、かつ混雑時間帯でも問題なく使用可能なこと[28]、「少子高齢化が進む中で、座りやすい椅子が重要であることや家族連れが快適に利用できるように」という議論がなされたことで配置された[32]

ロングシートは内部構造にバネを使用したバケットタイプを採用、1人分の掛け幅は455 mmとした[33][18]。座席端の袖仕切は大型板とされ、扉間の8人掛ロングシートを3人と5人に分割する仕切板と握り棒(立席ポスト)を設置した[18][30]。座席表地はロング・クロスシートとも赤系色としている。計画段階では、座席の表地に2100形と同様にスウェーデンのボーゲサンズ(Bogesunds)社の製品が使用される予定であったが、1998年に3扉化改造を施した2000形で採用した国産の蘇芳色の表地のデザインが好評で汎用性も高かったことから、同様の物へと変更された[34]。補助いすは乗務員室からの操作で施錠と解錠が可能で、閑散時には使用可能となり、混雑時には収納状態で固定される[18]

バリアフリー対応のため各先頭車に安全手すり付きの車椅子スペースを設け、乗務員との通話が可能な非常通報装置を備えている[30]

中央天井部はリサイクル性を考慮し、2100形のFRP製からアルミ化粧板に変更され、各車両にラインフローファン4台が設置されている[30]。側窓も同様に、ロールカーテンのガイドを兼ねた内キセを、FRPからアルミ製に変更している[31]。固定式のため、非常時の換気を考慮し、蓄電池を電源として停電時でも約1時間運転可能な排気扇を各車2台搭載している[35]

車内騒音の低減を図る目的から客用窓はドアガラスも含めて複層構造による固定窓とされた[30]。室内側の窓枠はアルミ製とし、遮光用のロールカーテンを設置する[30]

客用ドアは幅1,300 mm、高さ1,850 mmで室内側は化粧板で仕上げられ、軽量化のためペーパーハニカム構造を採用、扉本体とガラス面をフラットにすることで手などの巻き込みを防止するよう配慮されている[30]ほか、副次的に結露の防止にも役立っている[28]。車両間を仕切る貫通扉は2次車までは奇数号車の浦賀寄りに設置[30]、3次車以降は浦賀方先頭車を除く全車の浦賀寄りに設置した[10]。貫通路扉は客用ドア同様にペーパーハニカム構造と10 mm厚の単層ガラスの採用で軽量化をはかると共に開閉操作を容易にした[30]。ドアエンジンには戸閉力弱め機構を搭載し、閉扉後6秒間は戸閉力が24%となる戸閉め力弱め機能が追加された[30]

車内ドア上部には旅客へのLEDを使用した文字スクロール表示式のドアチャイム内蔵車内案内表示器が設置された[2]

運転台

運転台(デハ1001)

乗務員室基本構成は2100形を踏襲、視認性を考慮し運転台計器台周辺はダークグレーの落ち着いた色調とした[2]

主幹制御器(マスコンハンドル)は1号線直通規格に基づいた力行1 - 5段、常用ブレーキ1 - 5段、非常のT字形ワンハンドル式を採用、マスコンの右側には非常ブレーキ動作、パンタグラフ降下、非常発報がボタンひとつの操作で行える緊急スイッチを設置した[30]。また、乗務員室内には折りたたみ式非常ハシゴを設置している[3]

乗務員室仕切りは仕切窓が3枚並び、そのうち中央は仕切扉である。

主要機器

600形4次車でMT比1:1を採用したが、雨天時などの粘着低下により加速度低下、前後衝動が発生したため、2100形ではスリップ・スライド制御を盛り込んだドイツシーメンス社製制御装置を採用した[9]。本形式の制御装置は2100形での試験データを反映させて改良されたものである[9]

VVVFインバータ制御装置は、1・2次車では2100形と同じくGTOサイリスタ素子(素子耐圧4,500 V - 3,000 A)によるものを採用した[9]。2100形と同様にシーメンス独特の音階による磁励音を主電動機およびインバータ装置から発する[注釈 5]Keikyun1000.ogg 動作音[ヘルプ/ファイル]この制御装置はVVVFインバータ制御装置本体、断流器、フィルタリアクトル等を「トラクションコンテナ」と呼ばれる一体の箱に収納している[9]。3 - 5次車では同じシーメンス社製であるが、使用素子はIGBTに変更され[10]純電気ブレーキが搭載された。[要出典]

主電動機の仕様も2100形と同一で、シーメンス社製1TB2010-0GC02系、出力190 kW[36]、1 - 5次車では互換性があるが、3次車以降は速度センサを制御に使用していないため、センサが実装されていない[13]。シーメンス製電動機の出力は1時間定格出力ではなく、連続定格出力である[12]。 なお、シーメンス社は日本市場から既に撤退しており[37]、1・2次車に対する更新工事も進められた結果、最後に残った1033編成も2021年7月20日を以て運用を終了し、起動時に音階の流れる編成は消滅した[38]

補助電源装置は三菱電機製のIGBT素子 (IPM) を使用した静止形インバータ (SIV) を採用し、8両編成では150 kVAのNC-EAT150Aを、4両編成では75 kVAのNC-EAT75Aをそれぞれ編成に2台搭載しており、出力電圧は三相交流440 Vとしている[11][9][39]

空気圧縮機 (CP) はドイツ・クノールブレムゼ社製のスクリュー式の装置で、除湿装置、起動装置などを一体形としたものである[9]。8両編成ではSL-22形(吐出量1,600 L/min)、4両編成ではSL-6形(吐出量800 L/min)を編成に各2台搭載する[11][9][39]

集電装置東洋電機製造製のPT7117-A形シングルアーム式パンタグラフを搭載している[2]。駆動装置は2100形と同一のTD平行カルダン駆動方式だが、たわみ板材質を特殊鋼から炭素繊維強化プラスチック (CFRP) へ変更し、継ぎ手カバーを不要として保守の容易化を図った[9]

台車は乗り心地・走行性・保守性の点から乾式ゴム入り円筒案内式のボルスタ付き台車を採用し、車体支持装置は車体直結空気ばね方式である[9]。この台車は2100形とほぼ同形だが、軽量化のため付随車用に主電動機架軽量化を省略した専用台車を用意した[9]。2次車までは軸ダンパを準備工事としているが、3次車からは省略され、台車形式を変更している[13][40]

冷房装置には、冷媒にオゾン破壊係数が0の新代替フロンであるHFC-R407Cを使用した[28]、三菱電機製の屋根上集中式CU-71H形・能力41.86 kW (36,000 kcal/h) を搭載する[35]。暖房装置は出庫時に外気気温が摂氏10度以下、かつ室内外の気温差が10度以上の際に室温が15度以上になるまで補助ヒーターとして作動する6kWの急速暖房器を備える[35][28]。2100形に搭載されたCU-71G形では境界層と呼ばれる空気の流れにより、車速が速くなった際に熱交換器である凝縮器の冷却風が排出出来ずに過熱し、冷房能力が極端に下がる現象が問題となっていたことから、排風が流れる隙間を生み出す整流板を取り付けた[41]

1次車 - 3次車は正面・側面の行先・運行番号・種別表示は幕式[42]だったが、2005年(平成17年)度製の4次車からは種別表示器フルカラーLED式、行先表示器が白色LED[43]となった。

1・2次車の先頭台車の先頭軸には、非常ブレーキ回生ブレーキ失効時にセラミックス(アルミナ・酸化アルミニウム)の粒子を噴射して制動能力低下を防止するセラジェットを搭載していた[44]が、かつて使用していた鋳鉄制輪子で沿線の自動車を傷つけた事例があったこともあり、撒く場所によって人や自動車に影響を与えることが懸念されたうえ[45]、使用頻度が少ないために3次車以降では廃止されている[10]。動作条件は京急線内でワイパースイッチを投入し、一定速度以上での回生失効や非常ブレーキを操作した場合に、1回につき6秒間セラミックを噴射するものである[44]


プラットホームでの安全対策として、各車両の連結面には転落防止幌が設置されているほか、4両編成の先頭車排障器(スカート)内側には、他の車両と連結して運転される際に連結間から転落する事故を防止するため連結部注意放送装置のスピーカーが設置されている[44][46]。車両の前後切換スイッチが「中」(中間車扱い)位置にあり、ドアが開いている間警報音に続いて「車両連結部です。乗車口ではありません。ご注意ください」という注意放送が流れる[44][28]

製造時のバリエーション

1次車

製造メーカーの「東急」は東急車輛製造製、「川重」は川崎重工業製。以下同じ。

京急新1000形1次車 (4両固定 1401 - 1404) (2007年5月24日 京急鶴見駅)
京急新1000形1次車
(4両固定 1401 - 1404)
(2007年5月24日 京急鶴見駅)
京急新1000形1次車 (8両固定 1001 - 1008) (2020年10月27日 金沢文庫駅 - 金沢八景駅間)
京急新1000形1次車
(8両固定 1001 - 1008)
(2020年10月27日 金沢文庫駅 - 金沢八景駅間)

2002年(平成14年)2月 - 6月に8両編成3本、4両編成2本の32両が竣工した[47]。同年3月23日・24日に試乗会が行われ[48]、直通運転先の各社に乗務員訓練などのため貸し出された後、4月15日から自社線内で営業運転を開始[14]、6月25日から都営浅草線、8月30日から京成線高砂まで、9月4日から北総線への乗り入れ運用に充当された[49]

8両編成1本と4両編成1本を3M3Tの6両編成2本に組み替えられる機器構成とされ[29]、4両編成の付随車には集電装置補助電源装置が分散配置され、浦賀方には編成替時の増設用にパンタグラフの準備工事がなされている[50][51]

1次車のみ、2100形で好評であったブライドスモークガラスは鉛の使用に関する問題で制作できなくなった影響で代替品となるグリーンのガラスを採用した[32]

8両編成
 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 5 6 7 8 製造
メーカー[52]
竣工時期[52]
形式・車種
 

デハ1000形
(Muc)

サハ1000形
(Tpu)
 

サハ1000形
(Tu)
 

デハ1000形
(Mu)
 

デハ1000形
(Ms)
 

サハ1000形
(Ts)

サハ1000形
(Tps)
 

デハ1000形
(Msc)
搭載機器[2] VVVF・CP SIV・BT   VVVF VVVF   SIV・BT VVVF・CP
自重(t)[2] 33.0 t 27.0 t 23.0 t 31.0 t 31.0 t 23.0 t 27.0 t 33.0 t
車両番号 1001 1002 1003 1004 1005 1006 1007 1008 東急 2002年2月23日[53]
1009 1010 1011 1012 1013 1014 1015 1016 東急 2002年6月28日[54]
1017 1018 1019 1020 1021 1022 1023 1024 川重 2002年5月31日[54]
4両編成
 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 製造
メーカー[55]
竣工時期[55]
形式・車種 デハ1000形
(Muc1)
サハ1000形
(Tpu1)
サハ1000形
(Tps1)
デハ1000形
(Msc1)
搭載機器[22] VVVF・CP SIV・BT SIV・BT VVVF・CP
自重(t)[56] 33.0 t 26.5 t 26.5 t 33.0 t
車両番号 1401 1402 1403 1404 川重 2002年6月29日[57]
1405 1406 1407 1408 川重 2002年6月29日
凡例
  • VVVF:主制御器 (1C4M)
  • SIV:補助電源装置(静止形インバータ)
  • CP:空気圧縮機
  • BT:蓄電池
備考
  • パンタグラフは、8両編成ではTpuとTpsに2基、4両編成では中間車の品川方に1基ずつを搭載し、浦賀方は準備工事とした[50]

2次車

京急新1000形2次車
(4両固定 1409 - 1412)
(2020年10月27日 金沢文庫駅 - 金沢八景駅間)

2003年(平成15年)5月 - 7月に8両編成2本、4両編成2本の24両が竣工した[58]。車体見付・機器配置の仕様変更を行い、乗客へのサービス向上とコストダウンを図った[39]

  • 車体
    • 種別・行先表示器が白地に黒文字となり、ローマ字表記が加わった[39]
    • 側窓は上方に20 mm拡大し、ドア間の窓は上方向に1次車のグリーン色の2連分割窓から大形の1枚窓とし、色はサンユーログレーに変更した[39]。技術開発により、当初から計画されていたスモークガラスを使用した窓となった[32]
    • 1次車ではワイパーカバーの「1」の数字が2100形と同じ切り欠き形状で、飛び出ている部分は黒く塗られていたが、2次車からは色が塗られていた部分もスリットになっている[59]。なお、1次車でもワイパーカバーの交換で2次車以降と同様の形状になった車両が存在する(2023年3月現在は1017号が該当)[59]
  • 車内設備
    • 1次車では枕木方向のつり革をドア付近を3個並び、それ以外を2個並びとしていたが、2次車では全て3個並びに変更した[39]
    • 車内座席ソデと床敷物の表面仕上げが変更され、汚れ付着防止と清掃性の向上が図られた[60]
  • 乗務員設備
    • 運転台コンソールの塗装がスエード調塗装から保守が容易な半光沢塗装に変更された。
  • 走行機器
    • 1次車では8両編成1本と4両編成1本から6両編成2本へ組み換えができる機器構成としていたが、2次車では組み換えをしない機器配置とした[39]。8両編成については機器配置の変更はないが、4両編成ではT車に蓄電池を、Tp車にパンタグラフとSIVを搭載して機器の集約を図った[39]。故障時の冗長化のため、Tp車に1次車と同形の75 kVA出力SIVを2台搭載した[39]
    • CFRP継手のたわみ板の設計が見直され、騒音の低減が図られた[60]
8両編成
 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 5 6 7 8 製造
メーカー[52]
竣工時期[52]
形式・車種 デハ1000形
(Muc)
サハ1000形
(Tpu)
サハ1000形
(Tu)
デハ1000形
(Mu)
デハ1000形
(Ms)
サハ1000形
(Ts)
サハ1000形
(Tps)
デハ1000形
(Msc)
車両番号 1025 1026 1027 1028 1029 1030 1031 1032 東急 2003年5月19日[58]
1033 1034 1035 1036 1037 1038 1039 1040 川重 2003年6月24日[58]
4両編成
 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 製造
メーカー[55]
竣工時期[55]
形式・車種 デハ1000形
(Muc1)
サハ1000形
(T)
サハ1000形
(Tp)
デハ1000形
(Msc1)
搭載機器[11] VVVF・CP BT SIV・SIV VVVF・CP
自重(t)[11] 33.0 t 24.0 t 27.0 t 33.0 t
車両番号 1409 1410 1411 1412 東急 2003年7月26日[58]
1413 1414 1415 1416 川重 2003年7月26日
  • 凡例は1次車と同じ。
  • 8両編成の機器配置に変更はない[39]
  • 4両編成のパンタグラフは、Tp車に2台搭載とした[11]

3次車

京急新1000形3次車
(8両固定 1041 - 1048)
(2021年7月17日 松飛台駅)

2005年(平成17年)1月 - 3月に8両編成2本、4両編成2本の24両が竣工した[61]。この3次車では大規模な仕様変更が行われた[10]。また、2004年(平成16年)12月に国土交通省地下鉄道の火災対策の基準が見直され、この新火災対策への対応も行われている[10]

  • 車内設備
    • 車端部のボックスシートが国産の物に変更され、補助いすがボックスシートとの一体形に変更された。これにより、車端部のボックスシートの座席間が80 mm拡張されている[62]
    • 先頭車両では乗務員室内のみに設置されていた消火器を併結運転時に乗客が使用できるよう客室内にも設置した[10]
    • 新火災対策への対応として、以下の点が変更された[10]
      • 連結面の車両間貫通扉を8両編成では3か所、4両編成では1か所であったが、3次車では各車両の浦賀方への設置に増設した[10]
      • 天井のFRP製の冷房吹き出し口と補助送風機(ラインデリア)・排気扇の整風板カバーをポリカーボネート製から、それぞれアルミニウム製に変更した[10]
  • 乗務員設備
  • 走行機器など
    • 雨天時に、車輪の多少の空転・滑走を許容する制御をおこなっていたため、乗り心地が低下していたことへの対策として編成構成を8両編成では4M4Tから6M2Tへ、4両編成は2M2Tから3M1Tに変更した[10]
    • 編成構成の変更に伴い、電動車2両のユニットと、電動車と付随車を組み合わせたユニットの2種類のユニット構成となった[13]
    • 8両編成のMuc・M1u・M1s・Mscと4両編成のM1uc1・Msc1にはBox-Aまたは制御側装置と呼ばれるトラクションコンテナ(制御装置箱)が、8両編成のM2u・M2sと4両編成のM2には外観が同一のBox-Bまたは付随側装置と呼ばれるトラクションコンテナが搭載され、M2系車両のBox-Bは隣り合うM1系車両のBox-Aによって1C8Mとして制御される[13][10]。編成内のBox-A間とユニットを組むBox-AとBox-B間はそれぞれ別系統のMVB(Multifunction Vehicle Bus・車両間伝送バス)で接続した[13][10][63]
    • フィルタリアクトルを別構成としたため、トラクションコンテナは小形化され[13]、冷房方式が強制風冷式から走行風自冷方式に変更された[62]
    • 1C8M制御されているBox-A・Bのいずれかが故障すると両方が使用不能となるため、残った1C4MのBox-Aにトルクアップを指令、回生ブレーキのカットを行う機能を設けた[13]
    • 制御装置のデータ読み出しには各車個別処理から1か所で編成全体のデータ読み出しをさせる機能が設けられた[13]
    • 制御素子には1401号車で試験していた試験品による結果を反映した[64]IGBT素子(2レベル・素子耐圧3,300 V - 1,200 A)を使用したG145D1130/480M5-1を採用した[13][40][64]。Box-AとBox-Bでは共通の形式が付与されている[63]
    • 主電動機は従来品と互換性を保つため出力190 kW品のままとし、軸受けの変更やPGセンサレス方式の採用などで細部が異なるもの、部品の追加変更をすることで従来車両用との互換性が確保されている[13]。電動車数が増え、定格一杯まで使用すると集電装置の電流容量を超過するため、出力を抑えて使用している[13]
    • 台車は、これまでは2100形と共通設計で、軸ダンパを設置準備工事としていたが本形式では設置予定がないことから廃止の上、砂巻きも廃止、車体重量の低減に伴う各種設計が変更された為に互換性が失われたことにより、台車形式を変更した[62]。動力台車はTH-2100AM形からTH-2100BM形へ、付随台車はTH-2100AT形からTH-2100BT形へと、それぞれ変更された[13][40]
    • ブレーキ制御はM-T2両1ユニットとする遅れ込め制御からM-TまたはM-Mユニット間での制御に変更されている[10]。また、新製時よりC-ATS車上装置対応品を搭載した[10]
8両編成
 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 5 6 7 8 製造
メーカー[52]
竣工時期[52]
形式・車種 デハ1000形
(Muc)
サハ1000形
(Tpu)
デハ1000形
(M2u)
デハ1000形
(M1u)
デハ1000形
(M1s)
デハ1000形
(M2s)
サハ1000形
(Tps)
デハ1000形
(Msc)
搭載機器[10] VVVF-A・CP SIV・BT VVVF-B VVVF-A VVVF-A VVVF-B SIV・BT VVVF-A・CP
自重(t)[40] 32.0 t 27.0 t 30.0 t 30.0 t 30.0 t 30.0 t 27.0 t 32.0 t
車両番号 1041 1042 1043 1044 1045 1046 1047 1048 東急 2005年1月19日[61]
1049 1050 1051 1052 1053 1054 1055 1056 川重 2005年3月1日[61]
4両編成
 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 製造
メーカー[55]
竣工時期[55]
形式・車種 デハ1000形
(M1uc1)
デハ1000形
(M2)
サハ1000形
(Tp)
デハ1000形
(Msc1)
搭載機器[10] VVVF-A・CP VVVF-B・BT SIV・SIV・BT VVVF-A・CP
自重(t)[40] 32.0 t 31.0 t 27.0 t 32.0 t
車両番号 1417 1418 1419 1420 東急 2005年3月11日[61]
1421 1422 1423 1424 川重 2005年3月11日
凡例
  • VVVF-A:主制御器(Box-A・制御側装置)
  • VVVF-B:主制御器(Box-B・付随装置でBox-A側にて1C8M制御される。)
  • SIV:補助電源装置(静止形インバータ)
  • CP:空気圧縮機
  • BT:蓄電池
備考
  • パンタグラフは8両編成・4両編成ともに、付随車に2基を搭載する[10]
  • 凡例は5次車まで同様である。

4次車

京急新1000形4次車 (4両固定 1425 - 1428) (2008年3月29日)
京急新1000形4次車
(4両固定 1425 - 1428)
(2008年3月29日)
京急新1000形4次車 (8両固定 1057 - 1064) (2020年10月27日 金沢文庫駅 - 金沢八景駅間)
京急新1000形4次車
(8両固定 1057 - 1064)
(2020年10月27日 金沢文庫駅 - 金沢八景駅間)

2005年7月 - 8月に8両編成1本、4両編成4本の24両が竣工した[65]

  • 種別表示にフルカラーLED、行先表示に白色LEDが本格採用された[43]
8両編成
 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 5 6 7 8 製造
メーカー[52]
竣工時期[52]
形式・車種 デハ1000形
(Muc)
サハ1000形
(Tpu)
デハ1000形
(M2u)
デハ1000形
(M1u)
デハ1000形
(M1s)
デハ1000形
(M2s)
サハ1000形
(Tps)
デハ1000形
(Msc)
車両番号 1057 1058 1059 1060 1061 1062 1063 1064 東急 2005年8月30日[65]
4両編成
 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 製造
メーカー[55]
竣工時期[55]
形式・車種 デハ1000形
(M1uc1)
デハ1000形
(M2)
サハ1000形
(Tp)
デハ1000形
(Msc1)
車両番号 1425 1426 1427 1428 東急 2005年7月26日[65]
1429 1430 1431 1432 川重 2005年7月26日
1433 1434 1435 1436 川重 2005年8月9日[65]
1437 1438 1439 1440 川重 2005年8月9日

5次車

京急新1000形5次車
(4両固定 1445 - 1448)
(2021年7月18日 大森海岸駅

2006年10月 - 11月に8両編成1本、4両編成2本の16両が竣工した。4次車からの変更点はない[66]

8両編成
 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 5 6 7 8 製造
メーカー[52]
竣工時期[52]
形式・車種 デハ1000形
(Muc)
サハ1000形
(Tpu)
デハ1000形
(M2u)
デハ1000形
(M1u)
デハ1000形
(M1s)
デハ1000形
(M2s)
サハ1000形
(Tps)
デハ1000形
(Msc)
車両番号 1065 1066 1067 1068 1069 1070 1071 1072 東急 2006年10月30日[67]
4両編成
 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 製造
メーカー[55]
竣工時期[55]
形式・車種 デハ1000形
(M1uc1)
デハ1000形
(M2)
サハ1000形
(Tp)
デハ1000形
(Msc1)
車両番号 1441 1442 1443 1444 川重 2006年11月14日[67]
1445 1446 1447 1448 川重 2006年11月14日

ステンレス車両

外観

ステンレス車両の先頭部

6次車以降の車両では京急初の軽量ステンレス製車体[68]とし、外板がベルトグラインダー仕上げの無塗装とされた[69][注釈 6]。側面には京急のイメージカラーを踏襲した赤と白のカラーフィルムが貼り付けされた[19]。前頭部は普通鋼製とされ、従来車同様赤く塗装された[19]。前面はアルミ車のワイパーカバーを廃止し、形式番号は直接表記とされた[19]。フロントガラスは貫通扉も含めて左右2分割から運転席前・貫通扉・左右前照灯・種別行先表示器の5分割構成となった[3]

側面はブロック共通化により表示器、表示灯は点対称に配置されている[69]

同時期製造の他社のステンレス車に対して車体幅、車体長、独自配置・寸法の下降窓、客室側窓には従来通りロールカーテンが設置されているなどの京急独自の特徴がある[19]。高品質・高性能化とともにコストダウンが図られた[68]

雨樋集電装置からの高圧配管が車体埋め込みから妻面に露出する形態となった[27]ほか、台枠から屋根に向かって車体が0.79度絞り込む台形断面状の車体となった[70][68]

屋根は歩み板が車体全長に渡って設けられ、滑り止めが施された[69]

内装

ステンレス車(デハ1482)の車内

内装はアルミ車同様に暖色系を採用し、温かみある親しみやすい空間を目指した[19]。内張りはアルミ車同様の白色系化粧板を使用し、アルミ車ではアクセントとして側面より濃い色調とされていた妻面が側面の色調に統一された[71]。床材についてもロンリウム材ではあるが、色調をグレー系へと変更した[19]。中央天井部は空調ダクト・ラインフロー(冷風吹出口)一体成形の燃焼基準に適合したFRP製ユニット天井とされ、ラインデリア整風板の形状も変更された[19][71]

車端部の4人掛けクロスシートは5人掛けロングシートに変更され、京急では1993年(平成5年)製造の1500形の最終製造車以来14年ぶりのオールロングシート車となった[19][72]が、5次車までと同様の座席の表地や1人分455 mm幅の片持ち式バケットタイプシート構造を採用している[19]。座席端の袖仕切りと立席ポスト(握り棒)の仕切り板の色はピンク色からベージュ色に変更された[72]

客用ドアは車両メーカー標準品を採用、室内側を無塗装とし[72]、客用ドアガラスは側窓と併せ濃色グリーンの単板の熱線吸収ガラスに変更された[72][71]。各車両間の妻引戸は浦賀寄り先頭車を除き全車浦賀寄りに設置、戸閉め方式は傾斜式に変更され、ドアチェッカは廃止された[72]

客用ドア間の側窓はアルミ車と合わせられ、戸袋幅が圧縮されてその分窓の幅が広げられ、開口寸法はガラス2枚と間柱を合わせて2,475 mm、車端部では1,525 mmとなっている[73]。中央に桟のある2枚分割構成で片側を開閉可能な一段下降式とし、1両あたり4か所が床面上1,240 mmまで開閉可能である[72]。そのため、アルミ車両にあった排気扇は廃止されている[68]。側窓枠はFRP製とされ、カーテンの色は青色に変更した[19]

運転台

ステンレス車(デハ1464)の運転台 運転室に設置された非常用脱出はしご
ステンレス車(デハ1464)の運転台
運転室に設置された非常用脱出はしご

踏切事故対策と運転操作性を考慮し、京急では1967年昭和42年)の700形1次車以来40年ぶりとなる高運転台構造を採用、運転士用の座席と運転台を150 mm高くし、乗務員室を前後に200 mm拡大した[3]。乗務員室背後の座席は廃止され[72]、この場所側面にあった小窓も廃止された[74]。乗務員室に非常用脱出はしごが設置された[75]。運転席背後に非常用救出口が設けられたため、仕切部の窓が小型化された[72]。運転席側のワイパーは1本となり、ワイパーカバーを廃止、貫通扉に手動式ワイパーが設置された[3]踏切事故対策として、前頭部はアルミ車両よりも1.5倍以上の強度向上がなされている[76]

主要機器

搭載機器は仕様が見直され、主制御器・主電動機が日本製となり、編成での機器配置も変更された[3]。予備部品の共通化も考慮し、制御装置・主電動機は1500形VVVF化改造車で実績のあるものが採用された[3]

VVVFインバータ装置は日本製の2レベルIPM(保護機能付IGBT)・PGセンサレスベクトル制御(3300V/1200A)となり、電動機制御は1C4M2群方式に変更された[77]。8連は三菱電機製、4連・6連は東洋電機製造製のインバータ装置を搭載する[77][78]主電動機は一時間定格155 kWの誘導電動機で、三菱電機製MB-5121-A形[3][77]または東洋電機製造製TDK-6162A形[79][80][81]を搭載する。両者とも原設計は4M2Tの6両編成を想定しており、電動車比率の高い4・8両編成では出力を抑えて使用している[82][83]

補助電源装置はメーカーが変更され、東芝製の静止形インバータ装置 (INV153-F0) を採用、8両編成・4両編成とも出力は170 kVAとなった[77][78]。電動空気圧縮機 (CP) は三菱電機製のスクロール式CP(MBU1600-Y形)に変更され[77][78]、省スペースと軽量化のため関連機器ごとステンレス製の一体箱に収納された[77]

集電装置、駆動装置、歯車比、空調装置、ブレーキ制御装置はアルミ車両と同一、台車は3次車以降と同一の円筒案内式TH-2100BM(電動台車)/TH-2100BT(付随台車)である[3][77]が、台枠構造の関係でボルスタアンカーの上部が内側に屈折している[84]

冷房装置は、アルミ車両と比較して屋根が高く、埋没深さが増えた結果、キセが薄くなっている[84]

製造時のバリエーション

6次車

京急新1000形6次車
(8両固定 1073 - 1080)
(2021年7月17日 四ツ木駅

6次車は1073編成の8連1本が製造された。2007年(平成19年)3月に落成し、同年3月31日から営業運転に就いた[77]

 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 5 6 7 8 製造
メーカー[52]
竣工時期[52]
形式・車種
 

デハ1000形
(M2uc)

デハ1000形
(M1u)
 

サハ1000形
(Tu)

デハ1000形
(M1u')
 

デハ1000形
(M2s)
 

サハ1000形
(Ts)

デハ1000形
(M1s)
 

デハ1000形
(M2sc)
搭載機器[3] SIV・BT VVVF CP VVVF   CP VVVF SIV・BT
自重(t)[3] 33.5 t 32.5 t 24.5 t 32.0 t 28.5 t 24.5 t 32.5 t 33.5 t
車両番号 1073 1074 1075 1076 1077 1078 1079 1080 東急 2007年3月13日[67]
凡例
  • VVVF:主制御器(1C4M2群)
  • SIV:補助電源装置(静止形インバータ)
  • CP:空気圧縮機
  • BT:蓄電池
備考
  • 以降、11次車までの1000番台の8両編成は東急車輛製(12次車以降は総合車両製作所横浜事業所製)、1400番台の4両編成は川崎重工製である。
  • パンタグラフは、M1u・M1sに2基と、M1u'の品川方に1基を搭載する[3]
  • 凡例は以降の次車で共通である。

7次車

京急新1000形7次車
(8両固定 1089 - 1096)
(2020年10月27日 / 金沢文庫駅 - 金沢八景駅間)

2008年1月 - 2月に8両編成2本、16両が竣工した[85]。6次車とほぼ同等の仕様である[86]が、以下の点が変更されている。

  • 車内設備
    • 優先席部に縦手すりが追加された[87]
    • 客用ドアの室内側の戸当たり部分に黄色のマーキングテープが当初より貼り付けされている[87]
    • 貫通扉は傾斜式であるが、隙間をなくすためにゴムを装着したため、貫通扉の下の端にあったレールを廃止した[87]
  • 乗務員設備
    • 運転状況記録装置が当初より設置されている[88]
    • 乗降のしやすさと安全性向上のため、乗務員室側出入り口の手すりが6次車での上下2点止めから、中間にも支持部を設け3点止めとなった[89]
 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 5 6 7 8 製造
メーカー[52]
竣工時期[52]
形式・車種 デハ1000形
(M2uc)
デハ1000形
(M1u)
サハ1000形
(Tu)
デハ1000形
(M1u)
デハ1000形
(M2s)
サハ1000形
(Ts)
デハ1000形
(M1s)
デハ1000形
(M2sc)
車両番号 1081 1082 1083 1084 1085 1086 1087 1088 東急 2008年1月21日[85]
1089 1090 1091 1092 1093 1094 1095 1096 東急 2008年2月8日[85]

8次車

京急新1000形8次車
(4両固定、1449 - 1452)
(2020年10月27日 金沢文庫駅 - 金沢八景駅)

2008年9月 - 12月にかけて8両編成3本、4両編成2本の32両が竣工した[90]。ステンレス車体の4両編成、川崎重工業製が含まれる[90]。4両編成は全車電動車で、中間に付随車2両を挟むことで6両編成が組成出来るよう設計され、品川寄り中間電動車には付随車への給電用パンタグラフの準備工事が行われている[6]。6・7次車とほぼ同様だが、以下の部分が変更された。

  • 車体
  • 車内設備
    • バリアフリー対応のため、床敷物のドア周りに黄色を入れ、優先席付近をブルーにするなど客室内の配色が一部変更され[92][93]、立席ポスト(握り棒)に黄色の塗装と滑り止め加工を施工した[94]
    • 立ち座りの補助として袖仕切に横手すりを追加[94]
8両編成
 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 5 6 7 8 製造
メーカー[52]
竣工時期[52]
形式・車種 デハ1000形
(M2uc)
デハ1000形
(M1u)
サハ1000形
(Tu)
デハ1000形
(M1u)
デハ1000形
(M2s)
サハ1000形
(Ts)
デハ1000形
(M1s)
デハ1000形
(M2sc)
車両番号 1097 1098 1099 1100 1101 1102 1103 1104 東急 2008年10月27日[90]
1105 1106 1107 1108 1109 1110 1111 1112 東急 2008年11月17日[90]
1113 1114 1115 1116 1117 1118 1119 1120 東急 2008年12月15日[90]
4両編成
 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 製造
メーカー[55]
竣工時期[55]
形式・車種
 

デハ1000形
(M2uc1)

デハ1000形
(M1u1)

デハ1000形
(M1s1)
 

デハ1000形
(M2sc1)
搭載機器[95] SIV・CP・BT VVVF VVVF SIV・CP・BT
自重(t)[6] 34.5 t 32.5 t 32.5 t 34.5 t
車両番号 1449 1450 1451 1452 川重 2008年9月22日[90]
1453 1454 1455 1456 川重 2008年9月22日
  • 4両編成のパンタグラフは、各中間車の浦賀方にそれぞれ1基を搭載する[96]。M1s車には6両編成化を考慮したパンタグラフの準備工事が施されている[6]

9次車

京急新1000形9次車
(4両固定 1481 - 1484)
(2020年10月27日 / 金沢文庫駅 - 金沢八景駅)

2009年度には4両編成8本、32両が竣工した[97]。仕様は8次車と同一である[98]

4両編成
 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 製造
メーカー[55]
竣工時期[55]
形式・車種 デハ1000形
(M2uc)
デハ1000形
(M1u)
デハ1000形
(M1s)
デハ1000形
(M2sc)
車両番号 1457 1458 1459 1460 川重 2009年4月1日[97]
1461 1462 1463 1464 川重 2009年4月1日
1465 1466 1467 1468 川重 2009年4月3日
1469 1470 1471 1472 川重 2009年4月3日
1473 1474 1475 1476 川重 2009年5月22日[97]
1477 1478 1479 1480 川重 2009年5月22日
1481 1482 1483 1484 川重 2009年6月4日[97]
1485 1486 1487 1488 川重 2009年6月4日

10次車

京急新1000形10次車
(8両固定 1129 - 1136)
(2020年10月27日 金沢文庫駅 - 金沢八景駅間)

2010年度には、同年7月17日に開業した京成成田スカイアクセス線の開業準備用として製造された8両編成3本と、4両編成1本の計28両[98]が竣工した。この10次車ではバリアフリー設備の充実のため、一部で仕様の見直しが実施された[94]

  • 車内設備
    • 車内では600形更新車で採用した内容をフィードバックし、ドア上部への液晶ディスプレイ(LCD・17インチワイド形)方式の車内案内表示器(映像情報配信装置・トレインビジョン・VIS)を設置した[94][99]コイト電工[100])。液晶モニタは2画面が設置され、左側を広告動画表示用として、右側は次駅案内や乗り換え案内等の旅客案内用として使用する[101]
      • 2020年頃にソフトウェアが17次車以降と同様のものに変更されている[100]
    • ドア上部点検フタ下部にドア開閉時に赤く点滅するドア開閉表示灯を追加し[94]、客用ドア車外下部のクツズリ部に黄色の注意表記を貼り付けた[102]
    • 6次車より搭載している乗務員室背面収納の非常用ハシゴを車両側面用から、トンネル内での使用に備えて前面貫通扉にも使用できるよう改良された。6 - 9次車でも順次改良を実施[101]
  • 乗務員設備
    • 運転台には他社線(特に京成本線成田スカイアクセス線内)で使用する乗務員支援情報(運行情報など)や停車予告機能を有する車上情報管理装置を設置し、運転台計器盤にモニター画面が設けられた[94][101]。8両編成は登場時より成田スカイアクセス線乗り入れに対応[94]。9次車以前の全車もSR無線設置に合わせ、同装置を改造で取り付けている[89]
    • それまで品川方でしか行えなかった行先表示機の設定が浦賀方の運転台でも行えるようになった[103]
    • 乗務員室昇降ステップ、くつずり部に滑り止めが施工された[102]
    • 品川方の乗務員室内にFOMAアンテナを設置した(SR無線設置に伴い撤去)[89]
貫通扉を開いて非常用ハシゴを取り付けた状態
(2012年5月27日、京急ファインテック久里浜事業所)
8両編成
 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 5 6 7 8 製造
メーカー[52]
竣工時期[52] 廃車[52]
形式・車種 デハ1000形
(M2uc)
デハ1000形
(M1u)
サハ1000形
(Tu)
デハ1000形
(M1u)
デハ1000形
(M2s)
サハ1000形
(Ts)
デハ1000形
(M1s)
デハ1000形
(M2sc)
車両番号 1121 1122 1123 1124 1125 1126 1127 1128 東急 2010年5月10日[104]
1129 1130 1131 1132 1133 1134 1135 1136 東急 2010年6月2日[104]
1137 1138 1139 1140 1141 1142 1143 1144 東急 2010年6月21日 2020年3月15日
  • 1137編成は2019年9月の京急本線での踏切事故により廃車
4両編成
 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 製造
メーカー[55]
竣工時期[55]
形式・車種 デハ1000形
(M2uc)
デハ1000形
(M1u)
デハ1000形
(M1s)
デハ1000形
(M2sc)
車両番号 1489 1490 1491 1492 川重 2011年3月17日[104]

11次車

新1000形11次車 (8両固定 1145 - 1152)
(2019年5月 八丁畷駅

2011年度には8両編成1本、6両編成3本の26両が竣工した[105]。従来は8両編成と4両編成のみ製造されていたが、今回より800形の置き換えを目的として6両編成が登場した[106]。2011年度の6両編成は全車川崎重工で製造され、6両編成の車両番号は「1300番台」に区分されている[20]。6両編成は先頭部の電気連結器を装備していないが、運用変更への対応を考慮して8両編成または4両編成への変更が可能な編成形態となっている[106]

  • 乗務員設備
    • これまでの編成では複数の操作盤を設けると並列動作となって誤動作や機器の故障を招く恐れがあった為[109]に品川寄り先頭車の乗務員室内にのみ設置されていた空調装置操作器を品川寄り先頭車のみから、両先頭車への設置に変更した[106]
8両編成
 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 5 6 7 8 製造
メーカー[52]
竣工時期[52]
形式・車種 デハ1000形
(M2uc)
デハ1000形
(M1u)
サハ1000形
(Tu)
デハ1000形
(M1u)
デハ1000形
(M2s)
サハ1000形
(Ts)
デハ1000形
(M1s)
デハ1000形
(M2sc)
車両番号 1145 1146 1147 1148 1149 1150 1151 1152 東急 2012年1月10日[110][111]
6両編成
 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 5 6 製造
メーカー[112]
竣工時期[112]
形式・車種
 

デハ1000形
(M2uc1)

デハ1000形
(M1u1)
 

サハ1000形
(Tu1)
 

サハ1000形
(Ts1)

デハ1000形
(M1s1)
 

デハ1000形
(M2sc1)
搭載機器[113][114] SIV・CP・BT VVVF     VVVF SIV・CP・BT
自重(t)[113][115] 34.5 t 32.5 t 24.0 t 24.0 t 32.5 t 34.5 t
車両番号 1301 1302 1303 1304 1305 1306 川重 2011年4月15日[20][111]
1307 1308 1309 1310 1311 1312 川重 2011年4月22日
1313 1314 1315 1316 1317 1318 川重 2012年3月9日[110][111]
  • 6両編成ではM1u車浦賀寄りに1基、M1s車に2基のパンタグラフが搭載された[105][115]

12次車

新1000形12次車1325 - 1330
(2013年2月 新馬場駅
LED照明採用車両に貼付されたステッカー
(2012年8月24日)
サハ1158の車内銘板(2012年6月15日)

2012年(平成24年)度には8両編成1本、6両編成2本の20両が竣工した[106]。1153編成は総合車両製作所が発足後最初に鉄道事業者に引き渡された車両で、同社を出場した2012年4月6日に出場記念のテープカットが行われている[116][117]

  • 全車LED車内照明を採用[106]
8両編成
 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 5 6 7 8 製造
メーカー[52]
竣工時期[52]
形式・車種 デハ1000形
(M2uc)
デハ1000形
(M1u)
サハ1000形
(Tu)
デハ1000形
(M1u)
デハ1000形
(M2s)
サハ1000形
(Ts)
デハ1000形
(M1s)
デハ1000形
(M2sc)
車両番号 1153 1154 1155 1156 1157 1158 1159 1160 総車 2012年4月6日[1]
6両編成
 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 5 6 製造
メーカー[112]
竣工時期[112]
形式・車種 デハ1000形
(M2uc)
デハ1000形
(M1u)
サハ1000形
(Tu)
サハ1000形
(Ts)
デハ1000形
(M1s)
デハ1000形
(M2sc)
車両番号 1319 1320 1321 1322 1323 1324 川重 2012年4月17日[1]
1325 1326 1327 1328 1329 1330 川重 2012年4月24日

13次車

京急新1000形13次車(8両固定 1161 - 1168)
(2020年10月27日 金沢文庫駅 - 金沢八景駅間)

2013年(平成25年)度には13次車として8両編成1本、6両編成2本の20両が竣工した[118][119][120][121]。1161編成は土砂崩れに乗り上げて脱線し廃車となった1500形1701編成の代替となっている[122]

  • 車体
    • 屋根上に空間波列車無線アンテナの取り付け準備を実施した[91](1基。その後、12次車以前の車両も改造で取り付け[91])。
  • 車内設備
    • 座席間の仕切板を廃止し、中間仕切りをポールのみのタイプに変更[91][103](一人当たりの座席幅拡大を目的に実施、8人掛けで約60mm拡大[103])。
    • 車内ドア上部の車内案内表示器を2画面から、広告用の1画面を廃止した[91]。これに合わせて、10 - 12次車も1画面化改造を実施した[91]
  • 走行機器
    • 6両編成では、梅屋敷駅の高架化が完了しホームが6両対応になったことから、ドアカットを行う際に必要となるADL (自動扉切放装置) の設置が省略された[123]
8両編成
 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 5 6 7 8 製造
メーカー[112]
竣工時期[112]
形式・車種 デハ1000形
(M2uc)
デハ1000形
(M1u)
サハ1000形
(Tu)
デハ1000形
(M1u)
デハ1000形
(M2s)
サハ1000形
(Ts)
デハ1000形
(M1s)
デハ1000形
(M2sc)
車両番号 1161 1162 1163 1164 1165 1166 1167 1168 総車 2013年8月27日[118]
6両編成
 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 5 6 製造
メーカー[112]
竣工時期[112]
形式・車種 デハ1000形
(M2uc)
デハ1000形
(M1u)
サハ1000形
(Tu)
サハ1000形
(Ts)
デハ1000形
(M1s)
デハ1000形
(M2sc)
車両番号 1331 1332 1333 1334 1335 1336 川重 2014年1月7日[118]
1337 1338 1339 1340 1341 1342 川重 2014年3月7日[118]

14次車

京急新1000形14次車(8両固定 1169 - 1176)
(2020年10月27日 金沢文庫駅 - 金沢八景駅間)

2014年(平成26年)度には14次車として8両編成1本、6両編成3本の26両が竣工した[124][125]

  • 車体
    • 2014年6月以降導入の車両において行先表示器が白色LEDからフルカラーLEDに変更された。
8両編成
 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 5 6 7 8 製造
メーカー[112]
竣工時期[112]
形式・車種 デハ1000形
(M2uc)
デハ1000形
(M1u)
サハ1000形
(Tu)
デハ1000形
(M1u)
デハ1000形
(M2s)
サハ1000形
(Ts)
デハ1000形
(M1s)
デハ1000形
(M2sc)
車両番号 1169 1170 1171 1172 1173 1174 1175 1176 総車 2014年6月24日[125]
6両編成
 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 5 6 製造
メーカー[112]
竣工時期[112]
形式・車種 デハ1000形
(M2uc)
デハ1000形
(M1u)
サハ1000形
(Tu)
サハ1000形
(Ts)
デハ1000形
(M1s)
デハ1000形
(M2sc)
車両番号 1343 1344 1345 1346 1347 1348 川重 2014年4月22日[125]
1349 1350 1351 1352 1353 1354 川重 2014年5月22日[125]
1355 1356 1357 1358 1359 1360 川重 2014年8月8日[125]

15次車

京急新1000形15次車(4両固定 1801-1804)
(2018年8月18日 屏風浦駅)

2015年平成27年)度には15次車として6両編成2本、4両編成2本が竣工した[126]

  • 車体
    • 側面表示器が種別行先一体のものに変更された。
    • 屋根上では空間波列車無線アンテナの取り付けを実施した(1基)[91]
  • 走行機器
    • 1367編成のみ、東芝製SEA-548 永久磁石同期電動機(PMSM)と4台の主電動機を1台で制御するSVF102-G0主制御装置が採用された[127][128]。主電動機出力はメーカー標準の190 kWとなっており[127]、出力を抑えて使用している[129]。主制御装置の変更により、中間電動車2両の車重がそれぞれ0.5 t増加している[81]

4両編成は、初めての総合車両製作所製となり、「初代1000形みたいな使い方が、今の1000形でも出来ればよい」と言う事[130]から、浅草線直通用の8両編成が不足した際に2編成を連結して直通運用に使用できるよう各部の仕様が変更された[131][132]。車両番号も「1800番台」に区分されている[126][132]

  • 車体
    • 先頭車前面の貫通扉が車体中央に移設され、貫通路として使用できるよう変更された。2編成を貫通する際は、正面貫通扉、折り戸を使用して運転席を仕切るとともに、床面との段差解消のためのスロープと一体化した渡り板と貫通幌を取り付けることで編成間の通路を構成する[133][134]。貫通路を使用しない場合は渡り板を取り外す必要があるが、幌を取り付けたまま走行できるよう金具で固定されている[134][135]。最初は枠の上にあったが、後に前面の表示が見えにくい事から側面に移設された[130]
    • 貫通路部以外の台枠の形状を従来車に揃えるため、扉付近を除き裾が絞られた[130]
    • 「伝統的な塗装を再現したい」との社内要望を受け、ステンレス製のまま塗装することも検討されたが、コストやメンテナンスで有利な幅広の赤色と白色のカラーフィルムが貼付された[134]。窓枠や客室扉と乗務員室扉の周りは曲線がきつくカラーフィルムが貼れないこと、洗車時にはがれやすくなることからフィルムは貼り付けされていない[134]
    • 従来の前面構造のまま貫通幌取り付け面を平面とすると貫通幌取り付け面が突出してしまうため、前面の曲面構成が変更された[134]
    • 標識灯尾灯は従来電球の交換容易化のため車体内側から取り付けられていたが、運転台構造の変更により内側からアクセスできなくなったため、外側から取り付ける構造に変更の上、電球交換の頻度を減らすため、LED化された[134]。LEDは新開発の電球色のものが採用された[134]。尾灯の内部基盤は緑色のままである為、消灯時に外部から光が当てられると緑色が見えることがある[130]
  • 車内設備
    • 運転室と客室の間の仕切り扉は貫通路を使用した際、車両間を自動で仕切らなければならない新火災対策への対応の容易化から引き戸に変更[133]し、貫通路使用時に自閉する仕様とされた[130]。また、戸袋の確保のため非常脱出用梯子の収納部が客室側に張り出す構造となった[133]
  • 乗務員設備
    • 運転台前の日除けをプラ製の遮光板から、カーテン式に変更した[91]
    • 運転席のスイッチ類の一部は壁面に移設され、従来運転席コンソールに埋め込まれていたモニタも別体化されて上方に移動している[133]
6両編成
 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 5 6 製造
メーカー[112]
竣工時期[112]
形式・車種 デハ1000形
(M2uc)
デハ1000形
(M1u)
サハ1000形
(Tu)
サハ1000形
(Ts)
デハ1000形
(M1s)
デハ1000形
(M2sc)
搭載機器[96] SIV・CP・BT VVVF     VVVF SIV・CP・BT
自重(t)[127] 34.5 t 32.5 t 24.0 t 24.0 t 32.5 t 34.5 t
車両番号 1361 1362 1363 1364 1365 1366 川重 2015年4月1日[136]
6両編成
 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 5 6 製造
メーカー
竣工時期
形式・車種 デハ1000形
(M2uc)
デハ1000形
(M1u)
サハ1000形
(Tu)
サハ1000形
(Ts)
デハ1000形
(M1s)
デハ1000形
(M2sc)
搭載機器[96] SIV・CP・BT VVVF     VVVF SIV・CP・BT
自重(t)[127] 34.5 t 33.0 t 24.0 t 24.0 t 33.0 t 34.5 t
車両番号 1367 1368 1369 1370 1371 1372 川重 2015年11月13日[136]
4両編成
 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 製造
メーカー[55]
竣工時期[55]
形式・車種
 

デハ1000形
(M2uc1)

デハ1000形
(M1u1)

デハ1000形
(M1s1)
 

デハ1000形
(M2sc1)
搭載機器[96] SIV・CP・BT VVVF VVVF SIV・CP・BT
自重(t)[128] 35.0 t 33.0 t 33.0 t 35.0 t
車両番号 1801 1802 1803 1804 総車 2016年2月24日[136]
1805 1806 1807 1808 総車 2016年2月24日

16次車

京急新1000形16次車 (6両固定 1601 - 1606) (2020年10月27日 金沢文庫駅 - 金沢八景駅間)
京急新1000形16次車
(6両固定 1601 - 1606)
(2020年10月27日 金沢文庫駅 - 金沢八景駅間)
車内
車内
車端の片側に設置された補助いす付きのクロスシート
車端の片側に設置された補助いす付きのクロスシート
クロスシート内に設置された2口のコンセント(神保電器製)
クロスシート内に設置された2口のコンセント(神保電器製)

2016年平成28年)度には16次車として32両が製造された[135]。2016年9月に1800番台の4両編成1本が竣工[137]、2016年11月に仕様が変更されたマイナーチェンジ車が6両編成2本で竣工した[138]。また、8両編成2本が2017年2月に導入された[139]。本導入分以降の6両編成は「1600番台」と区分されている[140]

1809編成での変更点は以下の通り。

  • 車体
    • 屋根上の空間波列車無線アンテナを1基から2基に増設[91][141]し、乗務員室内の簡易アンテナを廃止[142]

6・8両編成では以下の点が変更された。

  • 車体
    • 先頭部は従来の3次元曲面の流線型だが、車体側面の外装は1800番台と同様のものとなった[138]
    • 前照灯はシールドビーム式からコイト電工製の電球色LEDライトに変更された[143]
    • 側面の幕部に1両につき片側2台の放送用スピーカーを新設した[91][142]
  • 車内設備
    • LCDの車内案内表示装置をすべての客用扉上部(各車とも日本語・英語対応のものがすべての扉上に計6台、韓国語・中国語(簡体字)対応のものが扉上に千鳥配置で計3台)設置[139]。15次車以前と同様にコイト電工製[100]で、アルミ車の更新用機器でも採用されている[100]。他社線の路線記号には対応しない[100]
    • 客室ドアを化粧板仕上げに黄色の視認性向上ラインが印刷された物に変更[142]
    • ロングシートの袖仕切りは風の入り込み対策として大型の軽合金の押出材と化粧板を使った組立品が用いられた[138][139][142]
    • 新1000形ステンレス車両として初めて車端に向かって右側の座席を補助いす付きのクロスシートに変更。コンセントが2口設置された[138]
  • 乗務員設備
    • 6・8両編成についても運転台前の日除けをカーテン式に変更[91]
    • 運転台横の表示灯がLEDによる字光式に変更。
    • 乗務員室内に自動放送装置が取り付けられた[142]
  • 走行機器
    • 8両編成では、三菱電機製MB-5171-A形 かご形三相誘導電動機と同社製のフルSiC素子を使用したMAP-198-15V295形主制御装置を採用[91]。アルミ車1001編成の更新用機器との共通化を重視し[144]、主電動機出力を190 kWに増強[91]。6M2Tのステンレス車では出力を抑えて使用している[144]
    • 雨天時の滑走対策として、滑走防止制御装置を搭載した。台車の各軸にはセンサーが取り付けられている[144]
4両編成
 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 製造
メーカー[55]
竣工時期[55]
形式・車種 デハ1000形
(M2uc)
デハ1000形
(M1u)
デハ1000形
(M1s)
デハ1000形
(M2sc)
車両番号 1809 1810 1811 1812 総車 2016年9月30日[137]
6両編成
 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 5 6 製造
メーカー[112]
竣工時期[112]
形式・車種
 

デハ1000形
(M2uc1)

デハ1000形
(M1u1)
 

サハ1000形
(Tu1)
 

サハ1000形
(Ts1)

デハ1000形
(M1s1)
 

デハ1000形
(M2sc1)
車両番号 1601 1602 1603 1604 1605 1606 川重 2016年11月7日[140]
1607 1608 1609 1610 1611 1612 川重 2016年11月29日[140]
8両編成
 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 5 6 7 8 製造
メーカー[112]
竣工時期[112]
形式・車種 デハ1000形
(M2uc)
デハ1000形
(M1u)
サハ1000形
(Tu)
デハ1000形
(M1u)
デハ1000形
(M2s)
サハ1000形
(Ts)
デハ1000形
(M1s)
デハ1000形
(M2sc)
車両番号 1177 1178 1179 1180 1181 1182 1183 1184 総車 2016年12月22日[140]
1185 1186 1187 1188 1189 1190 1191 1192 総車 2017年2月21日[140]
  • 回生ブレーキ性能向上のため、6両編成ではM1u車の品川寄りにも1基パンタグラフが搭載された[91]

17次車

京急新1000形17次車(8両固定 1209 - 1216)
(2020年10月27日 金沢文庫駅 - 金沢八景駅間)

2017年度は17次車として6両編成2本、8両編成3本が導入された[145]。本導入分から、8両編成は京急創業120周年に合わせて「1200番台」に区分されている[146]

  • 車体
    • さらなる「京急らしさ」を引き出すため、5次車以来11年3か月ぶりの全面塗装となった。ステンレス製車両への全面塗装は関東大手私鉄では初[145]となり、大手私鉄全体でも南海1000系以来2例目となる。塗り分け部分は16次車のカラーフィルムに準じており、5次車以前と比べアイボリーの部分が若干狭くなっている[129]
      • 8両編成の1201 - 1217編成は側面がアイボリーの一色塗装でメーカーを出場し[147]、赤色の部分は久里浜工場で塗装された[129]。理由としては表面を荒らしてからパテで平滑にし、赤、白、赤の順に塗装を重ねる事からラッピングよりも時間がかかること[148]、製造に着手した後に急遽塗装での仕上げに方針が転換したこと[149]、当時の総合車両製作所では同じ塗装車両であるE353系の量産と重なりラインの確保が困難だったこと[129]が挙げられている。川崎重工製および18次車以降の全車は赤色の部分を含め車両メーカーで塗装されてから出場している。
    • 前面窓下の「1000」の文字を横方向に切れ目が入った仕様に変更[142]
    • 側面の車番表記はフィルムからエッチングプレートに変更された[150]
  • 車内設備
    • 車内扉上のLCD案内表示器はメーカーを三菱電機に変更した[100]。全扉で2画面一体型となり、路線案内を8駅から16駅まで拡大、また他社線の路線記号も表示可能となった[100]の4か国語表記に対応[100]
6両編成
 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 5 6 製造
メーカー[112]
竣工時期[112]
形式・車種 デハ1000形
(M2uc)
デハ1000形
(M1u)
サハ1000形
(Tu)
サハ1000形
(Ts)
デハ1000形
(M1s)
デハ1000形
(M2sc)
車両番号 1613 1614 1615 1616 1617 1618 川重 2017年1月5日[151]
1619 1620 1621 1622 1623 1624 川重 2018年2月5日[152]
8両編成
 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 5 6 7 8 製造
メーカー[112]
竣工時期[112]
形式・車種
 

デハ1000形
(M2uc)

デハ1000形
(M1u)
 

サハ1000形
(Tu)

デハ1000形
(M1u')
 

デハ1000形
(M2s)
 

サハ1000形
(Ts)

デハ1000形
(M1s)
 

デハ1000形
(M2sc)
車両番号 1201 1202 1203 1204 1205 1206 1207 1208 総車 2017年12月14日[147]
1209 1210 1211 1212 1213 1214 1215 1216 総車 2018年2月19日[153]
1217 1218 1219 1220 1221 1222 1223 1224 総車 2018年3月29日[95]

18次車

18次車(6両固定 1649 - 1654)
(2021年7月18日 大森海岸駅)

2018年5月9日付けの京急ニュースリリースにおいて、2018年度安全対策関連のうち、本形式の車両新造を42両行うと発表され[154]、これに伴い6両7編成(1625 - 1661)が導入された。

京急線内でのホームドアの設置が本格化することとなり、4扉車の為にホームドアに対応できない800形の置き換えを進めた[155]。6両編成としては初となる総合車両製作所製の編成も登場した。

  • LED室内灯が改良され、従来見られたグローブ内ワイヤーの影が見えなくなるよう変更された[130]
6両編成
 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 5 6 製造
メーカー[55]
竣工時期[55]
形式・車種 デハ1000形
(M2uc)
デハ1000形
(M1u)
サハ1000形
(Tu)
サハ1000形
(Ts)
デハ1000形
(M1s)
デハ1000形
(M2sc)
車両番号 1625 1626 1627 1628 1629 1630 川重 2018年10月10日[156]
1631 1632 1633 1634 1635 1636 川重 2018年6月8日[157]
1637 1638 1639 1640 1641 1642 川重 2018年6月18日[158]
1643 1644 1645 1646 1647 1648 総車 2018年8月8日[159]
1649 1650 1651 1652 1653 1654 川重 2018年12月25日[159]
1655 1656 1657 1658 1659 1660 総車 2019年2月26日[159]
1661 1662 1663 1664 1665 1666 総車 2019年3月19日[159]

19次車

京急新1000形19次車(8両固定 1225 - 1232)
(2020年10月27日 金沢文庫駅 - 金沢八景駅間)

2019年度には14両が導入された[160]。 1225編成は朝ラッシュの上り時間帯に入る2100形の運用の一部を置き換える目的で増備されたが、同年に事故廃車となった1137編成の代替となった[83]

6両編成
 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 5 6 製造
メーカー[55]
竣工時期[55]
形式・車種 デハ1000形
(M2uc)
デハ1000形
(M1u)
サハ1000形
(Tu)
サハ1000形
(Ts)
デハ1000形
(M1s)
デハ1000形
(M2sc)
車両番号 1667 1668 1669 1670 1671 1672 川重 2019年6月7日[161]
8両編成
 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 5 6 7 8 製造
メーカー[112]
竣工時期[112]
形式・車種 デハ1000形
(M2uc)
デハ1000形
(M1u)
サハ1000形
(Tu)
デハ1000形
(M1u)
デハ1000形
(M2s)
サハ1000形
(Ts)
デハ1000形
(M1s)
デハ1000形
(M2sc)
車両番号 1225 1226 1227 1228 1229 1230 1231 1232 総車 2019年9月2日[95]

20・21次車『Le Ciel』

京急新1000形20次車「Le Ciel」(4両固定 1891-1 - 1891-4)(2021年5月21日 金沢八景駅)

2020年度は20次車(1890番台)4両2編成が導入された[8][162]。従来車から大幅な設計変更が行われたため、特に1000形1890番台として区分する場合がある[163]。本導入分より、車両番号の付番がハイフンを用いた方式に変更された。全車総合車両製作所製。

2021年度も21次車として3本が導入された。20次車の続番で、仕様も基本的には同様になっている[164]

  • 車体
    • 1800番台をベースとしつつ、車体構造にsustinaプラットフォームを初採用し[8]、突合せレーザー溶接によって、外板が平滑にされ[165]雨どいも外側に出ない断面形状となっている。
    • 標識灯尾灯を兼ね、小型化された一体型とされた[165]
    • 車両番号と社紋は、ホームドア対応として従来の窓下から戸袋部に変更となり、アイボリー字に水色文字のエッチング板が取り付けられた[165]
    • 前面の形式名を表す「1000」の文字は、立体的な切り抜き文字とされた[165]
    • 前面の表示器には種別・行先のどちらにも「貸切」の表示が可能となり、行先部には「KEIKYU」や「ビール列車」などの特殊な表示も可能となった[166]
    • 側面の表示器は大型化され、4か国語表記など、より細かい表示に対応した[166]
    • パンタグラフ台枠に取り付けられた避雷針の形状が3次車以降の物から変更され、天地寸法が薄くなった縦型が採用された[167]
    • 貫通幌を畳んだ際に支える受けが、枠の内側に折り畳める矢じりのような形状の物に変更された[130]
  • 内装
    • 日常の通勤輸送に加え、座席指定列車やイベント列車対応のため、京急初となるコイト電工デュアルシートを搭載した。高めのシートバックと、2100形と比較して見劣りしないように設計された頭部を囲い込むようなヘッドレストを持ち、モケットには新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行を受けて「抗菌・抗ウイルス座席シート地」を採用した[162][168][165][150]。シートパックの裏には小物を入れるネットと折り畳みのドリンクホルダーが備えられ、客台は旅客用のコンセントを装備している[166]。イベントを意識した機能として、3脚の両端をクロスシート、真ん中の席をロングシートの位置とし、歓談スペースのような配置にもできるようになっている[166]
    • 中間車2両には京急初の車内トイレ(2両目の品川寄りに「バリアフリー整備ガイドライン」に則ったバリアフリー対応の洋式トイレ、3両目の浦賀寄りに男性用小便器を1カ所ずつ設置)を設置した[8][162][168]。それぞれ車端部海側床下に汚物タンクと汚水タンクがあり、車外には放出しない構造になっている。汚水は金沢検車区の1か所のみで処理されるため、抜取口が海側にのみ設けられている[166]
    • 車端から客扉中心までの寸法が従来より105 mm伸びた3,450 mmとなり、乗務員室の次位にクロスシート(展望席)が配置された[165][150]。この座席は運転台側向きに固定されている[166]
    • 展望席の設置に伴い運転台側の仕切り窓を拡大[166]、また非常用梯子の収納箇所を変更[150]
    • 側窓は、客扉間の横が2,370 mmと少し詰まり、車端が横1,630mmに広げられた[165]
  • 走行機器
    • 制御装置として、ハイブリッドSiC素子2レベル方式VVVF制御を採用した。主制御器のRG6048-A-Mを中間車のT車に搭載し、同社で初めて採用された全密閉型を採用した先頭車の出力190 kWの主電動機TDK6164-Aを制御する[166]
    • 補助電源装置は、三相交流60Hz、400Vで260kVAの出力が得られる東芝インフラシステムズ[注釈 7]のINV207-G0を3号車に搭載。1台に独立した2バンクを持ち、カレンダー機能によって偶数日、奇数日によって自動的に稼働側が切り替わり、故障し無電圧となった場合に自動的に待機側が稼働する「待機二重系統」と呼ばれる故障対策がなされている[166][167]
    • 電動空気圧縮機には、2020年に1301編成で2台導入され、試験がなされたオイルフリー形のレシプロ式であるクノールブレムゼ製VV180-Tを2号車に2台導入した[166][169][170]
    • 制動装置にブレーキを編成全体で統括制御する方式を採用した[171]
    • 各車に脱線検知装置を搭載した。脱線を検知した際に自動的に非常制動がかかり、パンタグラフの降下と非常発報を行い、運転台に警告表示を行う[166]。同装置の採用により、同社が保有する全車両にてソフトウェアの書き換えを行った[166]

2021年5月6日の「モーニング・ウィング3号」より運行を開始した[168][172][173]。当初は土休日にイベント用の貸切列車として運用する計画であったが[173]、現在はイベント列車に起用される一方[174]、他の1000形4両編成と共にエアポート急行などにも使用されている。

この編成には愛称を一般公募しており、2021年12月24日にフランス語で「空」を意味する「Le Ciel」(ル・シエル)と命名された[175]。三浦半島や羽田空港の空を想起させ、高級感のある響きである事や、日本語で発音すると4文字となり、覚えやすく親しみやすい事などから採用に至った。また、かつて京急本線で運行されていた週末特急「ラ・メール号」(フランス語で「海」の意、2007年まで名古屋と横浜・品川を結んでいた夜行高速バスも同名)へのオマージュも込められている[176]。なお、2022年3月以降車体側面に順次愛称ロゴが掲示されている。

「チャレンジングな姿勢と堅実性を兼ねそろえたトータルバランスに優れた車両」として、2022年5月26日鉄道友の会が選定するブルーリボン賞第65回)を受賞した[163]

4両編成
 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 竣工時期[55]
形式・車種
 

デハ1000形
(Muc2)
 

サハ1000形
(Tuv2)

サハ1000形
(Tpsv2)
 

デハ1000形
(Msc2)
搭載機器 BT VVVF・CP VVVF・SIV BT
自重(t) 34.5 t 30.5 t 33.0 t 34.5 t
定員
()はロングシート時
98(101) 104(107) 108(111) 98(101)
車両番号 20次車 1891-1 1891-2 1891-3 1891-4 2021年3月3日[95]
1892-1 1892-2 1892-3 1892-4 2021年3月24日[95]
21次車 1893-1 1893-2 1893-3 1893-4 2021年11月8日[95]
1894-1 1894-2 1894-3 1894-4 2021年12月27日[95]
1895-1 1895-2 1895-3 1895-4 2022年2月28日[95]

22次車

京急新1000形22次車
(6両固定 1501-1 - 1501-6)
(2023年9月12日 新馬場駅)
京急新1000形22次車
(8両固定 1701-1 - 1701-8)
(2024年7月26日 四ツ木駅 - 京成立石駅間)

2023年度には6両編成と8両編成が1本ずつが導入された[177][178]。6両編成は、2021年令和3年)に川崎重工より分社化された現・川崎車両が製造した初めての京急電鉄向け車両となった。従来の6両編成とは組成が変更となり、2・5号車が付随車となっている[178]。2023年9月7日に営業運転を開始した[178]

11月には8連1編成が導入され、2次車以来となる「MTユニット」の4M4T構成となった[179]

  • 車体
    • 川崎車両製は同社独自の車体構造となり、側構体が垂直ながら雨樋の出っ張りがあるものとなった[180]
    • 側面の窓割寸法が1890番台と同様で、従来車より扉間隔が狭く、車端部が長くなった[181]
    • 6・8両編成の前面デザインは従来通り左右非対称のものだが、標識灯が1890番台と同一品となった[181]
    • 従来、各先頭車の屋根上に設けられていたIRアンテナが省略された[182]
  • 車内設備
    • 側窓上辺から天井にかけて、1890番台と同様の桜色無地の艶消し化粧板とされた[181]
    • 中間車の非優先席側にはフリースペースが設けられ、ロングシートが2人掛けに短縮された[182]
  • 走行機器
    • 6両編成の静止形インバータは本形式では初となる東洋電機製造製のRG4103-A-M形を5号車に1台搭載した[183]。主回路機器は1890番台と同一品である[183]
    • 8両編成では、従来使用していた半導体素子が生産中止になったことから、従来と同等の性能を確保する事によって半導体内蔵ユニットの変更を最小限に抑えた次世代フルSiC素子を採用したMAP-194-15V361形主制御装置が各電動車に搭載された。その他ユニットは可能な限り16~19次車の物と互換性を確保し、制御面では高調波電流の抑制を目的として磁束に基づくPWMパルスモード切り替え方法を採用した[184]
6両編成
 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 5 6 製造
メーカー
竣工時期
形式・車種
 

デハ1000形
(Muc)

サハ1000形
(Tpu)
 

デハ1000形
(Mu)
 

デハ1000形
(Ms)

サハ1000形
(Tps)
 

デハ1000形
(Msc)
搭載機器[185] VVVF・BT CP VVVF VVVF SIV・CP VVVF・BT
自重(t)[185] 34.0 t 27.0 t 31.5 t 31.5 t 30.0 t 34.0 t
車両番号 1501-1 1501-2 1501-3 1501-4 1501-5 1501-6 川崎 2023年8月4日[186]
8両編成
 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 5 6 7 8 製造
メーカー
竣工時期
形式・車種
 

デハ1000形
(Muc)
 

サハ1000形
(Tu)

サハ1000形
(Tpu)
 

デハ1000形
(Mu)
 

デハ1000形
(Ms)
 

サハ1000形
(Ts)

サハ1000形
(Tps)
 

デハ1000形
(Msc)
車両番号 1701-1 1701-2 1701-3 1701-4 1701-5 1701-6 1701-7 1701-8 総車[179] 2023年11月2日[179]

改造

デハ1401の各種試験

2003年度より、デハ1401では各種試験が行われた。前面と側面の行先表示器を白色、種別表示器をフルカラーLEDとした[187]ほか、試験品の制御装置としてIGBT素子を使用したシーメンス製の物を搭載した[188]。その後2006年5月に従来のGTO素子を使用した物に戻され、2016年の主回路換装時に4両編成の1・2次車更新用として搭載されている東芝製のIGBT素子を利用したSVF093-A0に換装されている[64]

方向幕交換

1次車は登場時黒地幕であったが、現在はすべて白地幕に交換された。2009年(平成21年)以降方向幕を搭載していた編成のLED式表示器への交換が進み、正面表示については2014年(平成26年)末頃に完了している[189][190]

1449編成のLED試験

2011年より、室内灯にLEDを採用するにあたり、1449編成の各車両を用いた様々なLEDの比較試験が行われた。

試験されたLED

試験されたLED照明は以下の通り[191]

車号 設置時期 終了時期 メーカー 形状 備考
1449 2011年3月29日 東芝 カバー式 9→8 1313編成で採用されたタイプに近いが、灯具の幅が狭い[192]
1452 2011年3月29日 2015年5月27日 小糸工業 反射式 9
2015年2月27日 コイト電工 直管蛍光灯型 18  アルミ車両の車体・機器更新時の換装用として採用[192]
1450 2015年2月27日 東芝 直管蛍光灯型 20 灯具はオリジナルの蛍光灯用と同形態[192]
1451 2016年8月2日 2019年12月22日 三菱電機 直管蛍光灯型 20 試験終了後、元の蛍光灯に戻される

1445編成の冷房装置試験

2015年より、1445編成の1、2号車の冷房装置がCU71Hから 東芝のRPU-11028に換装された。冷房能力はCU71Hの41.9kWより大きい48.9kWとされたが、2022年10月26日に機器更新が行われ、その際に他の編成と同型のCU-71-G3に換装されている[169]

ブレーキ7ノッチ化改造

2018年度より、乗り入れ各社局にてブレーキの7ノッチ化が進んだことを受けたこと、定点停止装置を導入しておらず、可動式ホーム柵のある駅においても運転士の操作によって停車させていることからブレーキの7ノッチ化改造が行われた。自社線内のみを走行する6・4両編成から改造を行い、全編成への改造が終了した2022年度より8両編成も改造を開始した[33]

更新工事

2017年度より、製造から15年程度経過したアルミ車両への車体更新工事・機器更新工事が開始され[193][194][195][196][197]、同年9月17日には最初に車体更新が施工された1次車の1001編成が公開された[195]。翌9月18日より営業運転を開始している[196]

主な更新内容

主な工事内容は以下の通り[198]

車体

  • 側面行先表示器を幕式からフルカラーLED式に更新[198]
  • 前照灯車側灯尾灯急行灯は電球式からLED式に取り替えられた[198]
  • 車両の前面非常口部分には「けいきゅん」のステッカーを貼り付けられた[196]

車内設備

  • 室内化粧板、天井、床敷物、客用ドア、連結面貫通扉を新品に取り替え[195][198]
  • 車内袖仕切り板をガラス入り大型品に、座席周りの握り棒を曲線形状のものに取り替えた[195]
  • 1001編成を除き、車端の1脚分のクロスシートが撤去され、フリースペースが設置された[59]
  • 先頭車の車椅子スペース部壁面に非常ハシゴと消火器を格納[198]
  • 室内灯は蛍光灯から直管形LED照明に変更された[198]
  • 固定式側窓のうち、各連結面寄りの窓を一段下降窓に、先頭車乗務員室後ドア間の窓を二段窓の開閉可能な仕様へ取り替えた[195][198]
    • このため、屋根上の排気扇と床下の排気扇用インバータは撤去された[195][198]
  • 各ドア上部に設けられていた車内案内表示器はLEDスクロール表示式から液晶モニター式(LCD)に交換された[195]
  • 各ドア上部には、京急線内での停車駅開扉方向予告点灯機能を搭載したドア開閉案内表示灯を設置した[195]

乗務員設備

  • 運転台の日除けを遮光パネルからカーテン式に変更[198]。運転台計器灯、表示灯類をLED式に取り替え[198]。浦賀寄り先頭車の乗務員室へ空調装置操作器を新設[198]

主要機器

  • 1001編成ではVVVFインバータ制御装置を三菱電機製のフルSiC素子を使用したMAP-194-15V296形に更新(1C4M制御)[198]。主電動機は17次車以降の8両編成車と同じMB-5171-A形 190 kW 出力に交換した[198]
    • なお、1001編成は更新施工当初は原則非直通運用に限定されていた[199]
  • 1001編成以外の1、2次車の8両編成では、1C4M制御のIGBT素子を利用した東洋電機製造製のRG6008-B-Mが用いられた。2100形での主回路換装に用いられたRG6008-A-Mからの派生であり、元のトラクションコンバータコンテナから換装しやすいよう考慮された結果、枕木方向に広く、海側にパワーユニットのヒートシンクと高圧配線ダクトが配置され、山側がすべて蓋となっている特殊な筐体となった[64]。主電動機はTDK6163-Aとされた。
    • 従来よりIGBT素子を使用していた3~5次車では、8、4両編成共にサフィックスが改められたRG6008-C-M、又はRG6008-C1-Mが用いられた。性能はRG6008-B-Mと同等だが、車体の引き回しの違いに対応したフィルターリアクトルの口出しなどに差異が見られる。主電動機は同様にTDK6163-Aとされた[64]
  • 1、2次車の4両編成では、2010年より1405編成に搭載されていた東芝製のSVF093-A形がほかの編成にも搭載された。RG6008-B-Mと同様の理由から、車体側の高圧配線ダクトがそのまま利用できる大型の筐体となった[200]。主電動機はSEA-428が用いられた。
  • 蓄電池、放送関係機器、保安関係機器の取り替え[198]。補助電源装置、ブレーキ機器の部品交換[198]
  • 冷房装置は、16次車以降の新製車両に搭載されている三菱電機製のCU71H-G3形に交換された[195][198]。キセがステンレス車両と同等の形状であるため、側面の隙間が広くなった[169]
  • 3次車以降の編成では、8両編成は3、6号車、4両編成では2号車が電動車から付随車化され、2次車以前の編成とMT比が揃えられることになった[201]。3次車以降の電動車用の台車であったTH-2100BMは電装解除を施したTH-2100BTAに改造されている[200]

更新後の編成表

8両編成

 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 5 6 7 8 機器更新[202] 主回路換装[202] 車体更新[202] 備考
形式・車種
 

デハ1000形
(Muc)

サハ1000形
(Tpu)
 

サハ1000形
(Tu)
 

デハ1000形
(Mu)
 

デハ1000形
(Ms)
 

サハ1000形
(Ts)

サハ1000形
(Tps)
 

デハ1000形
(Msc)
搭載機器[2] VVVF・CP SIV・BT   VVVF VVVF   SIV・BT VVVF・CP
車重(t)
車両番号 1次車 1001 1002 1003 1004 1005 1006 1007 1008 2017年9月15日 フリースペース未設置
1009 1010 1011 1012 1013 1014 1015 1016 2019年3月4日
1017 1018 1019 1020 1021 1022 1023 1024 2018年1月15日 2019年12月20日
2次車 1025 1026 1027 1028 1029 1030 1031 1032 2019年7月18日 定期検査は併施せず、側灯は未更新
1033 1034 1035 1036 1037 1038 1039 1040 2021年12月6日
車両番号 3次車 1041 1042 1043 1044 1045 1046 1047 1048 2022年8月22日
1049 1050 1051 1052 1053 1054 1055 1056 2022年3月29日 定期検査は併施せず、側灯は未更新
4次車 1057 1058 1059 1060 1061 1062 1063 1064 2023年3月3日 YELLOW HAPPY TRAIN編成
5次車 1065 1066 1067 1068 1069 1070 1071 1072 2021年8月11日 トラッドトレイン編成
台車 1-2次車 TH-2100AM TH-2100AT TH-2100AT TH-2100AM TH-2100AM TH-2100AT TH-2100AT TH-2100AM  
3-5次車 TH-2100BM TH-2100BT TH-2100BTA TH-2100BM TH-2100BM TH-2100BTA TH-2100BT TH-2100BM

4両編成

 
浦賀
品川
 
号車 1 2 3 4 機器更新[55] 主回路換装[55] 車体更新[55] 備考
形式・車種
 

デハ1000形
(Muc1)

サハ1000形
(Tpu1)

サハ1000形
(Tps1)
 

デハ1000形
(Msc1)
搭載機器[202] VVVF・CP SIV・BT SIV・BT VVVF・CP
自重(t)
車両番号 1次車 1401 1402 1403 1404 2017年11月9日 2016年3月15日
1405 1406 1407 1408 2018年2月9日 2010年2月10日
形式・車種
 

デハ1000形
(Muc1)
 

サハ1000形
('T)

サハ1000形
(Tps1)
 

デハ1000形
(Msc1)
機器更新[55] 主回路換装[55] 車体更新[55] 備考
搭載機器[202] VVVF・CP BT SIV・SIV VVVF・CP
自重(t)
車両番号 2次車 1409 1410 1411 1412 2018年8月17日 2022年11月16日
1413 1414 1415 1416 2018年12月18日 2023年2月27日
車両番号 3次車 1417 1418 1419 1420 2019年4月12日
1421 1422 1423 1424 2019年8月22日
4次車 1425 1426 1427 1428 2020年1月23日
1429 1430 1431 1432 2021年10月26日 定期検査は併施せず、側灯は未更新
1433 1434 1435 1436 2020年10月28日
1437 1438 1439 1440 2020年11月24日
5次車 1441 1442 1443 1444 2022年7月20日
1445 1446 1447 1448 2022年10月26日 定期検査は併施せず、側灯は未更新
台車 1-2次車 TH-2100AM TH-2100AT TH-2100AT TH-2100AM  
3-5次車 TH-2100BM TH-2100BTA TH-2100BT TH-2100BM

運用

8両編成

都営浅草線、京成線、北総線への乗り入れ運用を中心とした快特などの優等列車が主体[46]で、成田スカイアクセス線(京成成田空港線)経由の「アクセス特急」にも使用される[94][106]。また、京成本線経由の運用もある[94][106]

6両編成

主に普通列車を中心に用されている[106]。また、逗子線系統の急行の一部にも運用されている[206]

4両編成

大師線で運用される1429編成

主に普通列車や優等列車の増結車や[46]4両編成を2本連結した8両編成で自社線完結の急行として運用される[94]ほか、大師線でも運用されることがある[207]。1800番台は先頭車間の幌を繋いだ時に限り、地下鉄線内への乗り入れが可能である。

1890番台は『モーニングウイング』3号に使用後、品川で都営からの直通列車に増結して京急川崎止まりになり、神奈川新町駅で切り離し後入庫する。その後は、一般車4両と組成して急行で運用される事が多い。

1500形・600形・2100形との連結が可能[208]

  • 2016年(平成28年)
    • 5月25日
      • 1801編成と1805編成にて幌を付けて8両編成での運転が開始される[209]
    • 6月16日7月1日
      • 1801+1805編成を使用し、初日の第667H列車より直通先への乗り入れ運用に充当[209]
  • 2021年(令和5年)
  • 2023年(令和5年)
    • 6月22日6月27日
      • 同年の6月24日に行われた『初運行!8両幌付きLe Cielで行く「1000形大集合撮影会!」』にて、1809編成を幌付きで展示するにあたり、1809号車に幌を設置したまま運用された。浦賀寄りに幌が設置されるのは本形式で初となった[211]
    • 11月25日
      • 同日のダイヤ改正により従来2100形で運行されていた「イブニング・ウィング」14・16号の運行体系が変更され、8両編成の快特に品川→金沢文庫間で後ろに4両のウィング号を併結する形となり[212]、1890番台が充当される[213][214]

特別装飾・ラッピング

2004年(平成16年)

羽田空港第2ターミナル開業記念

2012年(平成24年)

ノルエコラッピング

  • 6月18日から7月28日にかけて、前年度末導入の1313編成より室内灯がLEDに変更されたことを受け、「京急環境車両」として1325編成に前面と側面にラッピングが行われた[216]。これはステンレス車での初のラッピングとなった[217]

2014年(平成26年)

KEIKYU YELLOW HAPPY TRAIN

  • 1057編成は5月1日から京急の電動貨車の塗装をイメージした黄色塗装に変更され、「KEIKYU YELLOW HAPPY TRAIN」(京急イエローハッピートレイン)として運行開始した[218]

黄色く塗装された姿が西武鉄道の車両に似ているとの声から、京急が西武にコラボレーションを提案、西武9000系の9103編成を赤い車体に白い帯とした「幸運の赤い電車 (RED LUCKY TRAIN)」とし、両社で共同キャンペーンを実施していた[219][220]

当初は3年間の運行予定であったが、好評のため運行開始から3年が経過する2017年(平成29年)5月以降も運行が継続されることになった。同年には塗装がマイナーチェンジされ、従来は銀色だった乗降扉部分も黄色に変更され、車体側面全体が黄色の塗装となった。同年4月29日よりこの塗装での運行を開始した[221]

  • 同年8月30日 には同編成を利用した「しあわせの黄色い電車『京急』で行くTHE鉄コン!in横須賀」が運転[222]されたほか、その後も以下のラッピングが施されることがあった。

2016年(平成28年)

京急×都営地下鉄×京成×北総 相互直通25周年ヘッドマーク

京急リラックマトレイン

  • 6月16日7月1日にかけて、京急×リラックマコラボの一環として、1065編成が「京急リラックマトレイン」として運行された。
    • 9月11日には、同編成を使用した貸切列車である「京急×リラックマごゆるりおでかけ号」が品川~三浦海岸間で運転された[209]

2017年(平成29年)

1017編成西暦表示

  • 1月には、1017編成が前面非常扉にある「017」の車体番号に「2」を追加し、「2017」と施して運行された[223]
    • 1月1日には、臨時列車である「初日の出号」1号に充当された[204]

2018年(平成30年)

「京急沿線の風景」ギャラリー号

  • 2月25日より、創立120周年を記念して1201編成が前面非常扉にある「201」の車体番号に「1」を追加して運行された。車内には募集された写真や絵画が掲出された[224]
    • 同編成は翌2019年1月1日の「初日の出2号」に充当され、その際は末尾に「9」を張り付けて運行された[225]

リラックマいちごお祝い号・しあわせのキイロイトリ号

  • 3月5日から5月13日にかけて、同年に誕生15周年と京急120周年を同時に祝う企画として、「リラックマ&京急一緒にごゆるりお祝いキャンペーン」が行われ、一環として1065編成に「リラックマイチゴお祝い号」、1057編成に「しあわせのキイロイトリ号」のラッピングが施された[226]
    • 最終日である5月13日には、同イベント内で行われていたスタンプラリー企画での当選者50組100名を対象に、1065編成「リラックマイチゴお祝い号」を利用した「赤い電車でお出かけ!リラックマのイチゴケーキ号」が品川~三浦海岸間で貸切列車として運行された。

『北斗の拳』と「OTODAMA SEA STUDIO」のラッピング車両

  • 7月30日から9月17日にかけて、北斗の拳35周年と京急120周年を祝う企画として行われた「北斗京急周年のキャンペーン」の一環として、1065編成に『北斗の拳』のキャラクターや、三浦海岸にて「北斗の拳&蒼天の拳 スペシャルミニライブ&トークイベント」が行われるOTODAMA SEA STUDIOのラッピングを施した[227]
    • 「北斗の拳&蒼天の拳 スペシャルミニライブ&トークイベント」が開催された8月11日には、同編成を利用した貸切列車である「ザコと行く三浦海岸!京急ヒャッハー!トレイン」が品川駅から三浦海岸駅間無停車で運転され、「北斗の拳」のフォトパネル、窓タペストリー、シートカバー、天刷り膜が装飾された[228]

2019年(平成31年・令和元年)

京急宴線 真夏のONE PIECE列車

  • 7月8日から9月16日にかけて、テレビアニメ「ONE PIECE」放送開始20周年、カレーの街よこすか20周年、京急電鉄創立120周年を記念したコラボとして、「京急宴線 真夏のONE PIECE列車」を実施。1057編成(イエローハッピートレイン)が「ONE PIECE麦わらストア TRAIN」、1065編成(トラッドトレイン)が「ONE PICE STANPEDE TRAIN」として運転[225]。車内広告もすべてワンピース仕様とされた。

「秋の三浦半島」・「行こう!秋の三浦半島」ラッピング

  • 9月18日から11月1日にかけて1057編成に「秋の三浦半島」ラッピングとヘッドマークが、同年9月29日から11月3日にかけて1065編成に「行こう!秋の三浦半島」とヘッドマークがそれぞれ提出された[225]

京急沿線のすみからすみまであそびにいこうキャンペーン

  • 11月18日から翌2020年(令和2年)1月26日にかけて、すみっコぐらしとのコラボ企画である、『すみっコぐらし×けいきゅう「京急沿線のすみからすみまであそびにいこうキャンペーン」』を実施。一環として、1057編成を「たべものもぐもぐ号」、1065編成を「すみっコぐらし号」としてラッピングを施して運転された[205]。車端部のクロスシートが「すみっコぐらしシート」とされた。
    • 最終日である2020年1月26日には、同イベント内で行われていたスタンプラリー企画での当選者50組100名を対象に、「すみっコぐらし号」が貸切列車として、品川から三崎口駅間で運転された。

2020年(令和2年)

三浦海岸河津桜ラッピング

  • 1月27日から3月7日にかけて、1065編成に「三浦海岸河津桜ラッピング」が施された[205]
    • 2月15日には、同編成を利用した「みうら河津号」(品川~三浦海岸)・「みうら夜桜号」(京急川崎~三浦海岸)が運転された。

東京2020オリンピックラッピング

2021年(令和3年)

「コロナに負けるな 京急沿線商店街」号

東京都大田区の商店街の紹介や、大田区公式キャラクター「はねぴょん」がデザインされている。

京急×都営地下鉄×京成×北総 相互直通30周年ヘッドマーク

よこすかルートミュージアム号

  • 10月11日から翌2022年(令和4年)1月30日までの間、京急電鉄が「よこすか MEGURU PROJECT」へ参画した一環として、1065編成にラッピングが施された[210]

2022年(令和4年)

すみっコぐらし10周年号

  • 9月5日から11月16日の間、すみっコぐらしの10周年を記念した企画である「すみっコぐらし×けいきゅう&はねだくうこうinおおたく 東京都のすみっコ大田区で10周年お祝いキャンペーン」が開催された一環として、1893-1編成が「すみっコぐらし10周年号」にラッピングされた[229]

「ブルーリボン賞」受賞記念号 

  • 1890番台のブルーリボン章受賞を記念して、2022年(令和4年)12月4日より、1893-1編成に記念ヘッドマークと側面マークを付けて運行された[230]

夏詣ヘッドマーク

京急電鉄の企画として2019年より実施されている「夏詣キャンペーン」に合わせて2021年より毎年1201編成に夏詣ヘッドマークが掲出されている。

事故廃車

1137編成は2019年令和元年)9月5日神奈川新町駅近くの踏切にてトラックと衝突する事故(京浜急行本線神奈川新町第1踏切衝突事故)を起こし、損傷が激しいことから、翌2020年(令和2年)3月15日付で本系列初の廃車となった[231]。この影響で、モーニングウィング号1号の増便運行開始が1ヶ月延期された[232]

脚注

注釈

  1. ^ 2019年9月の踏切事故で廃車になった1137編成8両を含む
  2. ^ 鉄道ピクトリアル通巻717号 p101鉄道ファン通巻493号 p75に記載の諸元表には0.917 m/s/s (3.3 km/h/s) と記載されているが、京急のサイトの記載などと異なるため、誤植の可能性がある
  3. ^ 京急の電車紹介”. 京浜急行電鉄. 2020年7月24日閲覧。など、多数の資料で「新1000形」と紹介されている。
  4. ^ 16次車は通路の片側のみ
  5. ^ 『鉄道車両年鑑2005年版』p134に「3次車以降主制御機の使用素子変更により2100形以来親しまれていた音階が流れなくなった」旨の記述があり、1次車と2次車では音階が流れていたことが合理的に推定できるが、本形式が「唄う電車」であることを登場時の紹介記事で記載したものはない。
  6. ^ 京急が2006年の株主総会で配布した資料には塗装設備を廃止することで環境負荷を低減させる旨の記述がある。
  7. ^ 東芝の社会インフラ事業は、2017年7月から東芝インフラシステムズに分社化された。

出典

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参考文献

書籍

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雑誌記事

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      • 「各社別新造・改造・廃車一覧」 pp. 212-225
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    • 通巻909号(2015年10月 臨時増刊号)「鉄道車両年鑑2015年版」
      • 岸上 明彦「2014年度民鉄車両動向」 pp. 119-151
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      • 「民鉄車両諸元表」 pp. 193-198
      • 「車両データ 2015年度民鉄車両」 pp. 215-227
      • 「在籍車両形式別両数表」 pp. 228-235
    • 通巻928号(2017年2月号)
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    • 通巻493号(2002年5月号)
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    • 通巻640号(2014年8月号)付録「大手私鉄車両ファイル 2014」
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    • 通巻666号(2016年10月号)
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  • エリエイとれいん』 2018年1月号MODELERS FILE「京浜急行電鉄新1000形電車ステンレス鋼製グループ」pp.26 - 43

外部リンク