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「パセリ」の版間の差分

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[[画像:PASERI.JPG|thumb|200px|パセリの露地栽培]]
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'''パセリ'''({{lang-en-short|parsley}} {{IPA-en|ˈpɑːrsli|}}、学名: {{snamei|Petroselinum crispum}})は、[[セリ科]]の1種の[[二年草]]。[[野菜]]として食用にされる。和名は'''オランダゼリ'''(和蘭芹)。フランス語名はペルシ ({{fr|persil}} {{IPA-fr|pɛrsi|}})、漢名は香芹(こうきん、{{ピン音|xiāngqín}} {{small|シアンチン}})
'''パセリ'''({{lang-en-short|parsley}} {{IPA-en|ˈpɑːrsli|}}、学名: {{snamei|Petroselinum crispum}})は、[[セリ科]]の1種の[[二年草]]。[[野菜]]として食用にされる。和名は'''オランダゼリ'''(和蘭芹)。フランス語名はペルシ ({{fr|persil}} {{IPA-fr|pɛrsi|}})、漢名は'''香芹'''(こうきん、{{ピン音|xiāngqín}} {{small|シアンチン}})


品種改良によって葉が縮れているものがよく使われ、カーリーパセリ ({{en|curly parsley}}) 、またはモスカール種とも呼ばれる。[[イタリアンパセリ]](学名:''P. neapolitanum''、プレーンリーブド種とも呼ぶ)は同属別種。中国パセリ([[コリアンダー]]、学名:''Coriandrum sativum'')は同科別属。
品種改良によって葉が縮れているものがよく使われ、カーリーパセリ ({{en|curly parsley}}) 、またはモスカール種とも呼ばれる。[[イタリアンパセリ]](学名:''P. neapolitanum''、プレーンリーブド種とも呼ぶ)は同属別種。中国パセリ([[コリアンダー]]、学名:''Coriandrum sativum'')は同科別属。

2017年3月14日 (火) 18:24時点における版

パセリ
パセリ
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : キク類 asterids
階級なし : キキョウ類 campanulids
: セリ目 Apiales
: セリ科 Apiaceae
: オランダゼリ属[1] またはオランダミツバ属[2]
Petroselinum
: オランダゼリ P. crispum
学名
Petroselinum crispum
和名
オランダゼリ[1]
オランダミツバ[2]
英名
parsley
パセリ
パセリの露地栽培

パセリ: parsley [ˈpɑːrsli]、学名: Petroselinum crispum)は、セリ科の1種の二年草野菜として食用にされる。和名はオランダゼリ(和蘭芹)。フランス語名はペルシ (persil [pɛrsi])、漢名は香芹(こうきん、拼音: xiāngqín シアンチン

品種改良によって葉が縮れているものがよく使われ、カーリーパセリ (curly parsley) 、またはモスカール種とも呼ばれる。イタリアンパセリ(学名:P. neapolitanum、プレーンリーブド種とも呼ぶ)は同属別種。中国パセリ(コリアンダー、学名:Coriandrum sativum)は同科別属。

特徴

地中海沿岸原産。草丈は15–25cmで、さわやかな香りを持ち、鮮やかな緑色をしている。散形花序に5cm程度の花をつける。古代ローマ時代より料理に用いられており、世界で最も使われているハーブの1つでもある。地質や気候への適応性に優れ、栽培が容易なため世界各地で栽培されているが、乾燥には弱い。なお葉が縮れているものは人間の品種改良によって生み出されたものであり、自然界では不利になる形質である[3]

用途・効果

日本では主に葉を料理の付け合わせや飾り(デコレーション)として使われるが、他にもそのまま食用としたり、ブーケガルニなどにして香りづけに用いたり、におい消し、飲用など多種多様の形で利用されている。また、パセリは精油成分を多く含むハーブの1つでもある。パセリは油分を中和する働きがあるとされているが、分解はされずそのまま吸収される。堕胎効果を持つアピオールを多く含むため、中世では堕胎薬の原料とされた[4]。通常摂取される量では問題ないが、薬効を期待して過剰に摂取したり精油を摂取することは危険とされ、特に妊娠中と授乳中の女性は避けるべきとされる[5][6]ドイツのコミッションEでは腎臓結石の治療薬として承認されている[要出典]。米国ではGRAS (一般に安全と見なされた物質) に認定されている[7]

根パセリも根菜としてヨーロッパでは広く流通している。太った根は近縁種であるニンジンに似た外観だが、爽やかな独特の風味がある。ユダヤ料理で特に用いられる。

精油と種子

精油の独特の香りは、アピオールミリスチシンなどの精油成分によるもので、口臭予防、食欲増進、疲労回復、食中毒予防効果などがある[要出典]。精油を経口摂取することは医学的に危険を伴うとされ、流産や腎障害や不整脈を起こす[8]。ミリスチシンは、過剰摂取によって、めまい、難聴、幻覚、低血圧、徐脈、錯乱、肝障害や腎障害を引き起こす[8]。授乳中は摂取を避けるべきとされ、またお茶に入れるのも危険性が示唆されている[8]種子の抽出液は肌のシミをとる効果があり、肌の手入れに用いたりもするが[要出典]アピオールミリスチシンを多く含むために、製油を皮膚に塗ることは、光線過敏性の皮膚炎を起こす可能性があり危険性が指摘されている[8]。種子にも堕胎作用、子宮および月経刺激作用があることも知られている[8]

食用

パセリ、生
100 gあたりの栄養価
エネルギー 151 kJ (36 kcal)
6.33 g
糖類 0.85 g
食物繊維 3.3 g
0.79 g
飽和脂肪酸 0.132 g
一価不飽和 0.295 g
多価不飽和 0.124 g
2.97 g
トリプトファン 0.045 g
トレオニン 0.122 g
イソロイシン 0.118 g
ロイシン 0.204 g
リシン 0.181 g
メチオニン 0.042 g
シスチン 0.014 g
フェニルアラニン 0.145 g
チロシン 0.082 g
バリン 0.172 g
アルギニン 0.122 g
ヒスチジン 0.061 g
アラニン 0.195 g
アスパラギン酸 0.294 g
グルタミン酸 0.249 g
グリシン 0.145 g
プロリン 0.213 g
セリン 0.136 g
ビタミン
ビタミンA相当量
(53%)
421 µg
(47%)
5054 µg
5561 µg
チアミン (B1)
(7%)
0.086 mg
リボフラビン (B2)
(8%)
0.098 mg
ナイアシン (B3)
(9%)
1.313 mg
パントテン酸 (B5)
(8%)
0.4 mg
ビタミンB6
(7%)
0.09 mg
葉酸 (B9)
(38%)
152 µg
ビタミンB12
(0%)
0 µg
コリン
(3%)
12.8 mg
ビタミンC
(160%)
133 mg
ビタミンD
(0%)
0 IU
ビタミンE
(5%)
0.75 mg
ビタミンK
(1562%)
1640 µg
ミネラル
ナトリウム
(4%)
56 mg
カリウム
(12%)
554 mg
カルシウム
(14%)
138 mg
マグネシウム
(14%)
50 mg
リン
(8%)
58 mg
鉄分
(48%)
6.2 mg
亜鉛
(11%)
1.07 mg
マンガン
(8%)
0.16 mg
セレン
(0%)
0.1 µg
他の成分
水分 87.71 g
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDIの割合。
出典: USDA栄養データベース(英語)

栄養価は極めて高く、ビタミンAβカロチン)、ビタミンB1ビタミンB2ビタミンC など多くのビタミンを含み、カルシウムマグネシウムなどのミネラルも野菜の中でも屈指である。他にも食物繊維葉緑素カリウムなども含み、これら栄養素の含有量は、野菜の中でもトップクラスである。

言葉

日本国内の新聞社が、結婚適齢期を過ぎ去った女性に対して、「誰も手をつけずに残ったもの」という意味を込め、「パセリ」と呼ぶことがある、という自説を掲載したことがある。[9]

注釈

  1. ^ a b 大場秀章(編著)『植物分類表』(第2刷)アボック社、2010年。ISBN 978-4-900358-61-4 
  2. ^ a b 米倉浩司『高等植物分類表』(重版)北隆館、2010年。ISBN 978-4-8326-0838-2 
  3. ^ 「かたち」と「はたらき」の生物進化-偶然か必然か(学術俯瞰講義) 第9回植物の<見かけ>はどう決まる:ヒトが選んだ姿塚谷裕一
  4. ^ Phillips DH; Reddy MV; Randerath K (1984年). “32P-post-labelling analysis of DNA adducts formed in the livers of animals treated with safrole, estragole and other naturally-occurring alkenylbenzenes. II. Newborn male B6C3F1 mice”. Carcinogenesis 5 (12): pp. 1623–8
  5. ^ ハーブ大全 小学館 R.メイビー
  6. ^ ハーブ大百科 誠文堂新光社 デニ・バウン
  7. ^ 国立健康・栄養研究所 情報センター 健康食品情報研究室 パセリの項
  8. ^ a b c d e 健康食品データベース 第一出版 Pharmacist's Letter/Prescriber's Letterエディターズ 編 (独)国立健康・栄養研究所 監訳 (2006298285) 日本皮膚科学会雑誌.2006;116(6):945
  9. ^ 2012年5月31日付 岩手日報「風土計」

外部リンク