「都営地下鉄大江戸線」の版間の差分
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この路線は、[[1968年]]([[昭和]]43年)の[[都市交通審議会]]答申第10号において、'''東京12号線'''は「'''[[新宿]]方面より[[春日 (文京区)|春日町]]([[文京区]])、[[上野]]、[[深川]]及び[[月島]]の各方面を経て[[麻布]]方面に至る路線'''」として示された。その後、[[1972年]](昭和47年)の答申第15号では新宿方面 - 麻布方面を環状線とし、新宿から新宿に戻り、さらに新宿 - [[高松 (練馬区)|高松]]([[練馬区]])間および東京8号線から削除した[[護国寺駅|護国寺]] - [[目白]]間を加える形に変更された。なお、同時に高松町(現:[[光が丘 (練馬区)|光が丘]][[ニュータウン]]付近)から[[大泉町 (練馬区)|大泉]]方面への延伸も検討されている。このうち、放射部にあたる[[光が丘駅]] - [[練馬駅]] - [[都庁前駅]] - [[新宿駅]]間が「'''都営12号線'''」として開業し、後に環状部延伸開業時に「大江戸線」と改称している。 |
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建設費を削減するため、大阪市営地下鉄長堀鶴見緑地線(現在の[[ |
建設費を削減するため、大阪市営地下鉄長堀鶴見緑地線(現在の[[Osaka Metro長堀鶴見緑地線]])に次いで日本で2番目に[[リニアモーターカー|鉄輪式リニアモーター]][[日本の地下鉄#ミニ地下鉄|ミニ地下鉄]]が採用された。都営地下鉄の路線の中では唯一、他社路線との直通運転をしない路線となっている。また、[[都営地下鉄浅草線|浅草線]]と同様に全線・全駅地下区間で地上には出ない<ref group="注釈">なお大江戸線の営業線は全線地下だが、車両は検査を行っている[[馬込車両検修場]]で地上に姿を現す([[#車両]]節を参照)。浅草線の自局営業線は全線地下にあるものの、車両は馬込車両検修場や直通先の他社線で地上に姿を現す。</ref>。 |
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後発で建設された地下鉄路線のため、既存の路線より深部を走り、全般的に駅ホームがかなり深いところに設置されている。特に2層構造の[[六本木駅]]は下部の内回り1番線ホームが地下 42 [[メートル|m]] と、地下鉄駅としては日本で最も低い場所に位置する。また乗り換え駅では既存路線の駅からかなり離れた場所に位置することも多く、地上経由の乗り換えを余儀なくされる駅もある(例:[[蔵前駅#両線の乗り換え]])。都営地下鉄で初めて[[ワンマン運転]]を実施した。単一の地下鉄路線としては日本最長 (40.7 [[キロメートル|km]]) であり、全線が[[トンネル]](地下区間)構造のため、連続した地下鉄トンネルとしても日本最長である。 |
後発で建設された地下鉄路線のため、既存の路線より深部を走り、全般的に駅ホームがかなり深いところに設置されている。特に2層構造の[[六本木駅]]は下部の内回り1番線ホームが地下 42 [[メートル|m]] と、地下鉄駅としては日本で最も低い場所に位置する。また乗り換え駅では既存路線の駅からかなり離れた場所に位置することも多く、地上経由の乗り換えを余儀なくされる駅もある(例:[[蔵前駅#両線の乗り換え]])。都営地下鉄で初めて[[ワンマン運転]]を実施した。単一の地下鉄路線としては日本最長 (40.7 [[キロメートル|km]]) であり、全線が[[トンネル]](地下区間)構造のため、連続した地下鉄トンネルとしても日本最長である。 |
2020年3月23日 (月) 15:13時点における版
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大江戸線 | |||
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光が丘駅に停車する12-600形 | |||
基本情報 | |||
国 | 日本 | ||
所在地 | 東京都 | ||
種類 | 地下鉄 | ||
路線網 | 都営地下鉄 | ||
起点 | 都庁前駅 | ||
終点 | 光が丘駅 | ||
駅数 | 38駅 | ||
輸送実績 | 1,773,927千人キロ(2012年度)[1] | ||
路線記号 | E | ||
路線番号 | 12号線 | ||
路線色 | マゼンタ[注釈 1] | ||
開業 | 1991年12月10日 | ||
所有者 | 東京都交通局 | ||
運営者 | 東京都交通局 | ||
車両基地 | 木場車両検修場 | ||
使用車両 | 12-600形・12-000形 8両編成 | ||
路線諸元 | |||
路線距離 | 40.7 km | ||
軌間 | 1,435 mm(標準軌) | ||
線路数 | 複線 | ||
複線区間 | 全区間 | ||
電化方式 | 直流 1500 V、架空電車線方式、車上一次鉄輪式リニアモーター方式 | ||
閉塞方式 | 車内信号閉塞式 | ||
保安装置 |
新CS-ATC ATO(全線) | ||
最高速度 | 70 km/h[2] | ||
|
大江戸線(おおえどせん)は、東京都交通局が運営する鉄道路線(都営地下鉄)の一つ。『鉄道要覧』には12号線大江戸線と記載されている[注釈 2]。都営大江戸線と呼ばれることが多い。
東京都練馬区の光が丘駅と新宿区の都庁前駅を結ぶ放射部と、都庁前駅から各地を経由して同駅に至る環状部から構成される。環状の路線を形成しているが、山手線や大阪環状線、名古屋市営地下鉄名城線などとは異なり、「循環型」運転ではなくいわゆる「6の字型」運転である(運行形態については後述。他の環状運転路線の例は「環状運転」参照)。なお、起点は都庁前駅、終点は光が丘駅である。推進方式は、鉄輪式・リニアインダクションモーター推進方式を採用している。
路線名の由来は東京の古称である江戸の雅名「大江戸」から。車体および路線図や乗り換え案内で使用されるラインカラーは「マゼンタ[注釈 1]」、路線記号はE [注釈 3]。
概要
この路線は、1968年(昭和43年)の都市交通審議会答申第10号において、東京12号線は「新宿方面より春日町(文京区)、上野、深川及び月島の各方面を経て麻布方面に至る路線」として示された。その後、1972年(昭和47年)の答申第15号では新宿方面 - 麻布方面を環状線とし、新宿から新宿に戻り、さらに新宿 - 高松(練馬区)間および東京8号線から削除した護国寺 - 目白間を加える形に変更された。なお、同時に高松町(現:光が丘ニュータウン付近)から大泉方面への延伸も検討されている。このうち、放射部にあたる光が丘駅 - 練馬駅 - 都庁前駅 - 新宿駅間が「都営12号線」として開業し、後に環状部延伸開業時に「大江戸線」と改称している。
建設費を削減するため、大阪市営地下鉄長堀鶴見緑地線(現在のOsaka Metro長堀鶴見緑地線)に次いで日本で2番目に鉄輪式リニアモーターミニ地下鉄が採用された。都営地下鉄の路線の中では唯一、他社路線との直通運転をしない路線となっている。また、浅草線と同様に全線・全駅地下区間で地上には出ない[注釈 4]。
後発で建設された地下鉄路線のため、既存の路線より深部を走り、全般的に駅ホームがかなり深いところに設置されている。特に2層構造の六本木駅は下部の内回り1番線ホームが地下 42 m と、地下鉄駅としては日本で最も低い場所に位置する。また乗り換え駅では既存路線の駅からかなり離れた場所に位置することも多く、地上経由の乗り換えを余儀なくされる駅もある(例:蔵前駅#両線の乗り換え)。都営地下鉄で初めてワンマン運転を実施した。単一の地下鉄路線としては日本最長 (40.7 km) であり、全線がトンネル(地下区間)構造のため、連続した地下鉄トンネルとしても日本最長である。
日本の地下鉄では最深部を走行しており、耐震性に富み、災害時には救助作業の大動脈として利用されることになっている。そのため、非常用の備蓄倉庫が麻布十番駅と清澄白河駅に設置されている。
経営状況
2017年度の大江戸線単独での純利益は約8億7,600万円[3] である。約570億円の収益に対して費用が約562億円かかっており、特に約222億円の減価償却費が大きな負担となっている。損益は、2006年度には約156億円の赤字であったが年々改善しており、2016年度には開業以来初めての黒字化を達成し、2017年度も前年度比で約5億6,000万円の増益であった。乗車料収入についても2012年度は約380億円、2013年度は約392億円、2014年度は397億円、2015年度は416億円、2016年度は421億円、そして2017年度は427億円と増加傾向にある。
路線データ
路線図
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- 路線距離(営業キロ):全長 40.7 km
- 光が丘駅 - 新宿駅間(放射部) 12.9 km
- 新宿駅 - 都庁前駅間(環状部) 27.8 km
- 軌間:1435 mm
- 駅数:38駅(起終点駅含む。ただし都庁前駅は1駅として数える。日本の地下鉄線では駅数が最も多い)
- 複線区間:全線
- 電化区間:全線(直流 1500 V、架空電車線方式、車上一次鉄輪式リニアモーター方式)
- 閉塞方式:車内信号閉塞式(新CS‐ATC)
- 列車無線方式:空間波無線 (SR) 方式
- 漏洩同軸ケーブル (LCX) を用いた空間波方式である。
- 最高速度:70 km/h[2]
- 表定速度:内回り 30.1 km/h・外回り 30.4 km/h
- 全線所要時分:内回り81分10秒・外回り80分25秒
- 車両基地:木場車両検修場(木場車庫・高松車庫)
内回りは光が丘駅 - 都庁前駅 - 大門駅 - 両国駅 - 都庁前駅着まで。外回りは都庁前駅 - 両国駅 - 大門駅 - 都庁前駅 - 光が丘駅着まで[4]。
この路線の建設費用は、放射部で4,034億円、環状部で9,886億円と非常に高額で、全線では1兆3,920億円にのぼる。
沿革
建設までの経緯
前述した答申第15号に基づき、1974年(昭和49年)8月に全線(現在の光が丘駅 - 都庁前駅間全線・放射部及び環状部)の地方鉄道敷設免許を取得し、1985年(昭和60年)頃の全線開業を目標に建設計画を進めていた。また、この時点では新宿線と同様の従来車両規格(20 m 車両による10両編成)で建設することを計画していた。
しかし、1973年(昭和48年)のオイルショックによる社会情勢の急変、また交通局の財政悪化から、建設計画が一時凍結された。
その後、1978年(昭和53年)5月に東京都知事の諮問機関である東京都交通問題対策会議において地下鉄12号線を「再度交通需要の予測を行い、路線立地、交通機関の構造、経済性、補助制度等を検討のうえ建設されるべきである」と提言された。
さらにグラントハイツ跡地(光が丘地区)に大規模住宅団地建設をはじめとした再開発を行うことが決定され、交通網整備の必要性が高まった。そのため、東京都が1982年(昭和57年)12月に策定した『東京都長期計画』の10ヵ年計画において、地下鉄12号線を建設することが決定された。特に、この時点で需要の見直しや建設費用の見直しを行い、小型地下鉄車両(16.5m車両による8両編成)によるトンネル断面の縮小、駅設備を縮小する方針とすることを決定した。これは大江戸線着工前までに同線以外で地下鉄の延伸開業が相次いでいたことも影響している。
また、環状部区間の建設は早期の建設、全線同時開業を行う必要性があることから、資金面などにおいて柔軟な対応ができる第三セクター方式で建設することとされた。そして、1988年(昭和63年)7月に東京都地下鉄建設が設立され、第3種鉄道事業者として環状部の建設を行った。同社が建設・製造した鉄道施設・車両は東京都交通局が長期分割支払いで譲受し、放射部と一体で経営を行うこととされた。
建設時のルートは現在のルートと若干違い、西新宿五丁目駅、汐留駅、築地市場駅、飯田橋駅を経由しておらず、都庁前駅もL字型2層構造でホームを建設する計画があった。ルート見直しは大型車を使用する必要性がなくなり、さらに建設費低減の必要があったためでもある。
環状ルートの建設も検討されたが、これを実現するためには新宿と新宿西口を結ぶ新たな線路の建設と、2駅のうち1駅を2面化する工事を行わなければならなかった。しかし、両駅の地上部は道路幅が狭くビルが密集し、2面ホームの設置が難しく、難工事による費用と期間の膨大が懸念され、さらに新宿駅前後の環状方向の旅客流動は少ないと見込まれ、費用対効果を検証した結果、6の字型ルートとなった。
リニアモーター方式の採用
1986年(昭和61年)4月に本路線用の車両である12-000形試作車が製作され、浅草線馬込検車場(当時)において新しい技術の試験も含めた、小断面地下鉄としての走行試験を実施した。この車両は都営地下鉄で初めてのVVVFインバータ制御方式を採用し、主電動機は小型の誘導電動機を使用した。また、同検車場内では走行速度が制限されるため、浅草線の終電後に西馬込駅 - 戸越駅間で高速走行試験を実施した[5]。
その後、1987年(昭和62年)6月には地下鉄12号線建設推進本部が「現在開発が進んでいるリニアモーター車両のメリットも大きいので、1987年3月に開始されたリニアモーター車両の試験状況および車両技術の動向を踏まえ、今後車両の駆動方式(リニアモーター方式・回転形モーター方式)について 放射部車両の製作時期までに決定する。」とされた。これを受けて東京都交通局では1988年(昭和63年)に12-000形試作車をリニアモーター車両へ改造し、同年4月から馬込検車場においてリニアモーター方式の走行試験を開始した。この結果を踏まえ、1988年12月21日に地下鉄12号線全線にリニアモーター駆動方式を採用することを決定した。
路線名決定までの経緯
1991年(平成3年)12月の開業当初は都市計画路線名の「12号線」のままで営業を行っていたが、1999年(平成11年)8月初旬、2000年(平成12年)4月20日の環状部一部区間(新宿駅 - 国立競技場駅間)の先行開業を発表するとともに、プロ野球セントラル・リーグ会長(当時)の高原須美子を委員長とする都営地下鉄12号線路線名称選考委員会によって路線名の公募が行われた。
その結果、同年11月末に、応募が多かった候補の一つである「東京環状線」(愛称として「ゆめもぐら」)が第一候補に挙げられたが、東京都知事(当時)の石原慎太郎は「寝てても何回まわっても同じ所に戻ってくるのを環状線って言うんだよ」「紛らわしくて山手線とか大阪環状線を使っている人に迷惑」などとして難色を示し、再選考を指示するとともに、「俺は『大江戸線』なんてのがいいとおもう」と第2位得票の案を推したため、交通局は委員会に陳謝の上、愛称案であった「ゆめもぐら」も含め選考を白紙に戻した上で改めて選考し直した結果、同年12月15日の委員会で大多数の支持を得て「大江戸線」に決定した。
委員会では当初、新宿などは江戸の範囲(朱引)の外部にあたる[注釈 5] として議論があったが、交通局では、路線がこれを囲むように走ることと、「大」を付けることにより地理的、経済的、文化的な広がりを表現できるとして委員会を説得し、決定にこぎつけた。なお、最も多かった名称は「都庁線」だった。
年表
- 1972年(昭和47年)
- 1974年(昭和49年)8月30日:西新宿 - 高松町間全線の地方鉄道敷設免許を取得。
- 1985年(昭和60年)
- 7月11日:運輸政策審議会答申第7号で整備計画路線に。
- 8月7日:練馬 - 光が丘間工事施工認可(運輸省)
- 1986年(昭和61年)
- 1988年(昭和63年)
- 1989年(平成元年)
- 1990年(平成2年)
- 1991年(平成3年)
- 1992年(平成4年)2月1日:東京都地下鉄建設が環状部の建設を開始。
- 1997年(平成9年)
- 1999年(平成11年)
- 2000年(平成12年)
- 2002年(平成14年)11月2日:汐留信号所(2代)を駅に変更して汐留駅開業[7][9]。車内放送広告を開始[10]。
- 2006年(平成18年)4月1日:汐留連絡線を使用開始[7]。E5000形の運用を開始[7]。
- 2007年(平成19年)10月23日:変電設備の不具合による停電で光が丘駅 - 国立競技場駅間が約3時間にわたり運転中止。練馬 - 新江古田間で電車が立往生(詳細は後述)。
- 2008年(平成20年)4月1日:東京都地下鉄建設が東京都交通局へ環状部(新宿駅 - 清澄白河駅 - 都庁前駅)の譲渡を完了し、第3種鉄道事業免許を失効。全線が東京都交通局の第1種鉄道事業免許のみに基づく区間となる。
- 2011年(平成23年)
- 2012年(平成24年)3月17日:ダイヤ改正により、日中時間帯の運転間隔を6分間隔に改める。
- 2013年(平成25年)4月27日:西新宿五丁目駅でホームドアの運用を開始し、全駅でのホームドア整備が完了[12]。
- 2014年(平成26年)2月1日:大江戸線においても、この日全駅の接近放送が更新。これに伴い、4路線の接近放送が更新された。
- 2019年(令和元年)7月31日:『きかんしゃトーマス』の意匠で装飾を施した「子育て応援スペース」[注釈 6]付き車両の運行を開始[13]。
運行形態
この路線では全線で開業当初よりワンマン運転を実施している。このため、保安装置にATC装置を使用し、列車の自動運転機能を有するATO装置を使用している。
本路線では車上監視方式を採用しており、8両編成分137mのホームを列車のモニター画面で運転士が監視をしている。列車停止時の監視ならびに列車発車時においては列車最後部がホームを抜けるまでの間、運転士がホーム監視モニター画面でホーム上を監視し、触車事故などの場合には運転台の非常停止スイッチで列車を停止させる方式を採用している。なお、2013年4月27日には全駅でホームドアの整備が完了した[12]。
環状運転をしているように思われるが実際は通常の複線路線と同じ運行形態をしており、都庁前駅 - 飯田橋駅 - 両国駅 - 大門駅 - 六本木駅 - 都庁前駅 - 光が丘駅間を往復運転(6の字型運転)する。運転方向の呼び方は「内回り」「外回り」という(定期券の経路にも表示)が、各駅の案内上は方面呼称となっている。正式には「内回り」をA線、「外回り」をB線と呼ぶ。なお、都営地下鉄でA線・B線の呼称を使用するのは大江戸線のみである。
2005年末までは内回り区間について光が丘駅 → 都庁前駅間を「六本木・大門方面行」、新宿駅 → 新宿西口間駅を「(○○経由)都庁前行」、外回り区間について新宿西口駅 → 練馬春日町駅間を「(○○経由)光が丘行」と呼称していたが、現在は内回り区間が光が丘駅 → 築地市場駅間では「○○・○○方面行き」、勝どき駅 → 新宿西口駅間では「(○○経由)都庁前行き」、外回り区間が都庁前駅 - 蔵前駅間では「○○・○○方面行き」、両国 - 練馬春日町間では「(○○経由)光が丘行き」に呼称を変更している。○○に入る駅は都庁前・六本木・大門・春日・両国・飯田橋各駅から2駅(ただし春日駅は大門駅 - 森下駅間の内回りのみ、都庁前は大門駅 - 新宿駅間の外回りのみ)。 このため、各車両のLED式前面・側面行先表示は走行区間によって変化する。
朝夕ラッシュ時は最短3分間隔で運転されており、
- 都庁前駅 - 飯田橋駅 - 両国駅 - 清澄白河駅間
- 清澄白河駅 - 大門駅 - 六本木駅 - 都庁前駅 - 光が丘駅間
という区間運転列車が多数設定されている。これらのほとんどは、清澄白河駅東側にある木場車庫の入出庫の都合で設定された列車である。また、清澄白河駅以外にも汐留駅と新御徒町駅に留置線があり、練馬駅・国立競技場駅・赤羽橋駅・牛込神楽坂駅などの駅に非常用の渡り線が設けられている。この関係で早朝・夜間には、
- 都庁前駅発六本木・大門・両国・飯田橋駅経由都庁前駅行き(朝のみ)
- 汐留駅 - 大門駅 - 六本木駅 - 都庁前駅 - 光が丘駅間
- 都庁前駅 - 飯田橋駅 - 新御徒町駅間
- 光が丘駅発都庁前駅行き(深夜のみ)
といった区間運転列車が少数ながら設定されている。
日中は全線往復運転が基本であり、2012年3月17日のダイヤ改正以後は6分間隔で運転されている。この改正前までは180分間に29本運転(6分12秒間隔)であった。
また、終日を通して都庁前駅では六本木・大門方面の列車から飯田橋駅方面の列車へ、および飯田橋方面発都庁前行きの列車から光が丘行き列車への乗り継ぎ時間が少なくなるように設定されている。
他の都営地下鉄路線と同様に、沿線の花火大会や国立競技場でのサッカーの試合やコンサートなどの大規模イベントが行われる際に臨時列車が設定されることがある。
車両
以下の車両が使用されている。開業前に試作車が1986年に製造され、浅草線の馬込検車場(当時)で各種試験が実施された(前記沿革表を参照)。その後、1990年より量産車が製造された。
大江戸線の車両は、2006年4月より浅草線の馬込車両検修場で検査・修繕を行っているが、リニアモーター方式ではない浅草線を自走できないことから、検査・修繕時は、E5000形電気機関車で牽引して馬込車両検修場に車両を移動している。このための連絡線が汐留駅構内から浅草線の新橋駅と大門駅の間付近まで設けられている。
2016年2月に発表された『東京都交通局経営計画2016』によると、さらに3編成を増備することが計画されている。これにより最大車両編成数を現行の55編成から58編成に増加する[16]。
利用状況
2018年度の1日平均輸送人員は97万6,957人で、都営地下鉄4線の中では最も多い[17]。2011年度以降は都心回帰の追い風を受けて増加傾向で推移しており、環状部を中心に沿線の大型プロジェクトや大規模マンションの着工が相次いでいることなどから、今後も長期的には増加傾向が続くと状況が予想される[18]。
2018年度のラッシュピーク時の混雑率は、中井 → 東中野間で159%(輸送力15,600人/輸送人員24,726人)となっている[19]。
開業以降の輸送実績を下表に記す。表中、最高値を赤で、最低値を緑で表記。
年度 | 一日平均 輸送人員 |
最混雑区間(中井 → 東中野間)輸送実績[21] | 特記事項 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
運転本数:本 | 輸送力:人 | 輸送量:人 | 混雑率:% | |||
1991年(平成 | 3年)20,001 | 光が丘 - 練馬間開業年度 | ||||
1992年(平成 | 4年)10 | 5,800 | 2,177 | 38 | 最混雑区間は豊島園 → 練馬間 | |
1993年(平成 | 5年)10 | 5,800 | 2,475 | 43 | ||
1994年(平成 | 6年)10 | 5,800 | 3,229 | 56 | ||
1995年(平成 | 7年)28,827 | 10 | 5,800 | 3,176 | 55 | |
1996年(平成 | 8年)10 | 5,800 | 4,011 | 69 | ||
1997年(平成 | 9年)11 | 8,580 | 5,255 | 61 | 練馬 - 新宿間開業年度、最混雑区間を中井 → 東中野間に変更 | |
1998年(平成10年) | 11 | 8,580 | 10,336 | 120 | ||
1999年(平成11年) | 130 | |||||
2000年(平成12年) | 219,358 | 全線開業年度 | ||||
2001年(平成13年) | 14 | 148 | ||||
2002年(平成14年) | 16 | 12,480 | 17,661 | 142 | ||
2003年(平成15年) | 149 | |||||
2004年(平成16年) | 647,573 | 157 | ||||
2005年(平成17年) | 681,623 | 155 | ||||
2006年(平成18年) | 720,162 | 158 | ||||
2007年(平成19年) | 781,487 | 19 | 14,820 | 26,385 | 178 | |
2008年(平成20年) | 796,257 | 19 | 14,820 | 152 | ||
2009年(平成21年) | 792,256 | 19 | 14,820 | 23,978 | 162 | |
2010年(平成22年) | 795,461 | 20 | 15,600 | 22,860 | 147 | |
2011年(平成23年) | 780,714 | 20 | 15,600 | 24,142 | 155 | |
2012年(平成24年) | 825,666 | 20 | 15,600 | 22,864 | 147 | |
2013年(平成25年) | 859,196 | 20 | 15,600 | 23,045 | 148 | |
2014年(平成26年) | 878,960 | 20 | 15,600 | 22,799 | 146 | |
2015年(平成27年) | 914,012 | 20 | 15,600 | 23,836 | 153 | |
2016年(平成28年) | 933,621 | 20 | 15,600 | 24,163 | 155 | |
2017年(平成29年) | 956,041 | 20 | 15,600 | 24,483 | 157 | |
2018年(平成30年) | 976,957 | 20 | 15,600 | 24,726 | 159 |
駅一覧
- 全駅が東京都に所在している。
- 駅番号はB線(外回り)方向に増加。
駅番号 | 駅名 | 駅間キロ | 累計キロ | 接続路線・備考 | 所在地 |
---|---|---|---|---|---|
E-28 | 都庁前駅 | - | 0.0 | 都営地下鉄: 大江戸線(光が丘方面・六本木方面) | 新宿区 |
E-01 | 新宿西口駅 | 0.8 | 0.8 | 東京地下鉄: 丸ノ内線(新宿駅:M-08) 東日本旅客鉄道: 埼京線・ 湘南新宿ライン・ 中央線(快速)・ 中央・総武線(各駅停車)・ 山手線(新宿駅:JA 11・JS 20・JC 05・JB 10・JY 17) 京王電鉄: 京王線(新宿駅:KO01)、 京王新線(新線新宿駅:KO01) 小田急電鉄: 小田原線(新宿駅:OH01) 西武鉄道: 新宿線(西武新宿駅:SS01) ※都営新宿線の新宿駅とは連絡運輸を行っていない。 | |
E-02 | 東新宿駅 | 1.4 | 2.2 | 東京地下鉄: 副都心線 (F-12) | |
E-03 | 若松河田駅 | 1.0 | 3.2 | ||
E-04 | 牛込柳町駅 | 0.6 | 3.8 | ||
E-05 | 牛込神楽坂駅 | 1.0 | 4.8 | ||
E-06 | 飯田橋駅 | 1.0 | 5.8 | 東京地下鉄: 東西線 (T-06) ・ 有楽町線 (Y-13) ・ 南北線 (N-10) 東日本旅客鉄道: 中央・総武線(各駅停車)(JB 16) |
文京区 |
E-07 | 春日駅 (文京シビックセンター前) |
1.0 | 6.8 | 都営地下鉄: 三田線 (I-12) 東京地下鉄: 丸ノ内線(後楽園駅:M-22)・ 南北線(後楽園駅:N-11) | |
E-08 | 本郷三丁目駅 | 0.8 | 7.6 | 東京地下鉄: 丸ノ内線 (M-21)[* 1] | |
E-09 | 上野御徒町駅 | 1.1 | 8.7 | 東京地下鉄: 銀座線(上野広小路駅:G-15)、 日比谷線(仲御徒町駅:H-16) 東日本旅客鉄道: 山手線・ 京浜東北線(御徒町駅:JY 04・JK 29) ※京成電鉄本線の京成上野駅とは連絡業務は行っていない。 |
台東区 |
E-10 | 新御徒町駅 | 0.8 | 9.5 | 首都圏新都市鉄道:つくばエクスプレス (02) | |
E-11 | 蔵前駅 | 1.0 | 10.5 | 都営地下鉄: 浅草線 (A-17)[* 1] | |
E-12 | 両国駅 (江戸東京博物館前) |
1.2 | 11.7 | 東日本旅客鉄道: 総武線(各駅停車)(JB 21) | 墨田区 |
E-13 | 森下駅 | 1.0 | 12.7 | 都営地下鉄: 新宿線 (S-11) | 江東区 |
E-14 | 清澄白河駅 | 0.6 | 13.3 | 東京地下鉄: 半蔵門線 (Z-11) | |
E-15 | 門前仲町駅 | 1.2 | 14.5 | 東京地下鉄: 東西線 (T-12) | |
E-16 | 月島駅 | 1.4 | 15.9 | 東京地下鉄: 有楽町線 (Y-21) | 中央区 |
E-17 | 勝どき駅 | 0.8 | 16.7 | ||
E-18 | 築地市場駅 | 1.5 | 18.2 | ||
E-19 | 汐留駅 (シオサイト) |
0.9 | 19.1 | ゆりかもめ: 東京臨海新交通臨海線 (U-02) | 港区 |
E-20 | 大門駅 (浜松町) |
0.9 | 20.0 | 都営地下鉄: 浅草線 (A-09) 東日本旅客鉄道: 山手線・ 京浜東北線(浜松町駅:JY 28・JK 23) 東京モノレール: 東京モノレール羽田空港線(モノレール浜松町駅:MO 01) | |
E-21 | 赤羽橋駅 | 1.3 | 21.3 | ||
E-22 | 麻布十番駅 | 0.8 | 22.1 | 東京地下鉄: 南北線 (N-04) | |
E-23 | 六本木駅 | 1.1 | 23.2 | 東京地下鉄: 日比谷線 (H-04) | |
E-24 | 青山一丁目駅 | 1.3 | 24.5 | 東京地下鉄: 銀座線 (G-04) ・ 半蔵門線 (Z-03) | |
E-25 | 国立競技場駅 (東京体育館前) |
1.2 | 25.7 | 東日本旅客鉄道: 中央・総武線(各駅停車)(千駄ケ谷駅:JB 12) | 新宿区 |
E-26 | 代々木駅 | 1.5 | 27.2 | 東日本旅客鉄道: 中央・総武線(各駅停車)(JB 11)・ 山手線 (JY 16) | 渋谷区 |
E-27 | 新宿駅 | 0.6 | 27.8 | 都営地下鉄: 新宿線 (S-01) 東日本旅客鉄道: 埼京線 (JA 11)・ 湘南新宿ライン (JS 20)・ 中央線(快速)(JC 05)・ 中央・総武線(各駅停車)(JB 10)・ 山手線 (JY 17) 京王電鉄: 京王線(KO01)・ 京王新線(新線新宿駅:KO01) 小田急電鉄: 小田原線(OH01) ※西武新宿線の西武新宿駅および丸ノ内線の新宿駅とは連絡業務を行っていない。 | |
E-28 | 都庁前駅 | 0.8 | 28.6 | 都営地下鉄: 大江戸線(飯田橋・両国方面) | 新宿区 |
E-29 | 西新宿五丁目駅 (清水橋) |
0.8 | 29.4 | ||
E-30 | 中野坂上駅 | 1.2 | 30.6 | 東京地下鉄: 丸ノ内線(本線・方南町支線)(M-06) | 中野区 |
E-31 | 東中野駅 | 1.0 | 31.6 | 東日本旅客鉄道: 中央・総武線(各駅停車)(JB 08) | |
E-32 | 中井駅 | 0.8 | 32.4 | 西武鉄道: 新宿線 (SS04) | 新宿区 |
E-33 | 落合南長崎駅 | 1.3 | 33.7 | ||
E-34 | 新江古田駅 | 1.6 | 35.3 | 中野区 | |
E-35 | 練馬駅 | 1.6 | 36.9 | 西武鉄道: 池袋線・ 西武有楽町線・ 豊島線 (SI06) | 練馬区 |
E-36 | 豊島園駅 | 0.9 | 37.8 | ||
E-37 | 練馬春日町駅 | 1.5 | 39.3 | ||
E-38 | 光が丘駅 | 1.4 | 40.7 |
- 月島駅とその隣の門前仲町駅の間の付近にJR京葉線の越中島駅があるが、大江戸線に駅は設置されていない。
- 大江戸線には複数の周辺地名を組み合わせた複合駅名が都営地下鉄の他の路線と比較して多く存在しており、放射部に1駅(落合南長崎駅)、環状部に3駅(若松河田駅・上野御徒町駅・清澄白河駅)ある。
- 大江戸線は東京メトロ千代田線を除く全ての東京の地下鉄路線と乗り換えが可能である。千代田線とは本郷三丁目駅 - 上野御徒町駅間で交差しているが、その箇所に駅はなく、至近の千代田線湯島駅とは地下通路で結ばれておらず、連絡運輸も行っていない。2011年2月4日の東京メトロと都営地下鉄の経営一元化をめぐる国と東京都の協議会で、湯島駅と上野御徒町駅を乗換接続駅に指定することを検討しているとされたが、同年12月に行われた会議において接続駅への指定を見送った。また、青山一丁目駅 - 六本木駅間でも千代田線と交差し、千代田線には乃木坂駅があるが、大江戸線には駅はない。
駅デザイン
大江戸線の各駅は、利用者に魅力あるものとするため、改札口付近に「ゆとりの空間」を設置するとともに、地域の特色を活かしたデザインを随所に取り入れている。なお、都庁前・新宿以外の環状部26駅については、公募プロボーザル方式により駅デザイン(主に内装)を土木業者とは別の建築などの設計事務所に委託した。
コストとの兼ね合いで、駅全体の設計そのものにはデザイナーが関わっていないものの、地下部のデザインに全面的に関わることになった試みとして評価されている。これにより、2001年には一部の駅がグッドデザイン賞建築・環境デザイン部門の金賞、インター・イントラ スペースデザイン セレクションの大賞、および土木学会技術賞を受賞している。
駅の深さ
この路線では、都営地下鉄の中でも地上から深い駅が多い。
都営地下鉄全駅の中では深い順に、
- 六本木駅(1番線:42.3 m、2番線:32.8 m)
- 新宿駅 (36.6 m)
- 中井駅 (35.5 m)
- 東中野駅 (34.2 m)
- 中野坂上駅 (33.4 m)
- 麻布十番駅 (32.5 m)
- 飯田橋駅 (32.1 m)
- 三田線白金高輪駅 (28.7 m)
- 国立競技場駅 (28.4 m)
- 三田線白金台駅 (27.2 m)
となる。
なお、東京地下鉄の駅を含めると、
- 六本木駅(1番線:42.3 m、2番線:32.8 m)
- 千代田線国会議事堂前駅 (37.9 m)
- 南北線後楽園駅 (37.5 m)
- 新宿駅 (36.6 m)
- 半蔵門線永田町駅 (36.0 m)
- 中井駅 (35.5 m)
- 副都心線東新宿駅 (B線:35.4 m、A線:29.2 m)
- 東中野駅 (34.2 m)
- 副都心線雑司が谷駅 (33.8 m)
- 中野坂上駅 (33.4 m)
となり、大江戸線の駅が5駅もランクインしている。
なお、東京地下鉄との共用駅である白金高輪駅と白金台駅の深さは、東京地下鉄と東京都交通局の資料では数値が異なる。本項目では東京都交通局の資料(『都営交通のあらまし2010』)から記載した。
ホームドア(ホームゲート)
この節には独自研究が含まれているおそれがあります。 |
ホームドア(ホームゲート)は、2011年4月23日に清澄白河駅での供用開始を皮切りに順次整備が進められ[11]、2013年4月27日には西新宿五丁目駅での供用開始により大江戸線全駅でのホームドア利用が開始された[12]。
ホームドアの導入は三田線に次いで2路線目となる。
将来の計画
延伸構想
練馬区と東京都清瀬市および埼玉県新座市・所沢市を会員、埼玉県狭山市を準会員とする1区4市が都市高速鉄道12号線延伸促進協議会を設置し、光が丘駅から各市区を経由してJR武蔵野線方面への延伸することの要望活動を、1997年より東京都と埼玉県に対して行っている[22]。
2000年の運輸政策審議会答申第18号では、光が丘 - 大泉学園町間については「2015年までに整備着手することが適当である路線」、大泉学園町 - 武蔵野線方面間については同じく「今後整備について検討すべき路線」として位置付けられた。
2016年の交通政策審議会答申第198号では、光が丘駅から大泉学園町・埼玉県新座市・清瀬市を経由して武蔵野線東所沢駅までの延伸が答申されている[23]。
練馬区内では、2021年ごろ開通予定の都市計画道路補助線街路第230号直下を導入空間とし、3駅を新設する計画である[24][25]。
新座市では、東京都から非公式に同市内への1駅設置と車庫建設を提案された経緯があり[26]、車両基地として4ヘクタールの土地を無償提供する、市南部に設置するとみられる新駅(同市では「新座中央駅」と仮称している)周辺の約90ヘクタールを区画整理した上で大学や商業施設を誘致する、といった構想を公表し、早期延伸の実現を目指している[27][28]。
また、2019年8月31日に埼玉県知事に就任した大野元裕は、延伸を公約に掲げている[29]。
このほか、大泉学園町から南下して世田谷区を経由し都庁前駅に戻るという8の字型運転の構想がされたこともあり、都庁前駅の引き上げ線は世田谷区方面に延伸できる構造になっているが、正式な計画として採用されるには至っていない[30]。
その他
旅客案内
- 開業当初より、他の都営地下鉄の路線にはない、黒背景に緑字や白字等の独自の案内サインが設置された。ただし、2010年頃より順次他の路線と同様に新サインへの更新が進められており、現在は開業当初の案内サインは少なくなっている。
- 現在、都営地下鉄全線で使われている接近メロディを最初に導入した路線である。全線開業時点では、12号線時代に開業した光が丘 - 新宿の各駅では初期型の、他の路線で使われているものよりも音が低い初期型が使われていた。2013年時点では初期型のものが使われているのは練馬 - 中野坂上の各駅のみとなっていたが、後述の2014年2月1日の接近放送の更新にあわせ、標準型の接近メロディに更新され、初期型の接近メロディは聞けなくなった。
- 汐留駅開業時より、発車案内表示器に駅名を表示するとともにその駅の最寄り施設案内を放送している。ただし、放送する施設は度々更新している。
- 一部の駅では、列車のホーム到着直前に車内アナウンスにて、到着駅名とともに駅周辺の企業、店舗などの広告アナウンスが入る。
- 2014年2月1日より、大江戸線全駅にて接近放送が更新され、2013年に三田線、浅草線、新宿線で更新された、新接近放送と同じアナウンサーが収録した放送になった。この放送は中央音源方式となっており、中央装置で生成した音声がVoIPにより各駅に配信され、放送装置から出力されている[31]。
空調
大江戸線は全区間が地下トンネルであり、また車両やトンネル断面が小さく、熱がこもりやすいこともあって、原則として暖房は使用しない一方で、冷房は都営地下鉄の他線より低い設定温度とされている[32][33]。
勾配
- 本路線は鉄輪式リニアの特性を活かし、放射部は最急勾配55‰、最小曲率半径100mを基準として建設された。環状部については、最急勾配47‰、最小曲率半径100mとなっている[34]。工事認可時の国土交通省による普通鉄道構造規則では、リニアインダクションモーター推進方式による列車のみ運転する線路の勾配は最大で60‰と定められていたため、基準の範囲内となっている[注釈 7]。
トラブル
- 2007年10月23日に停電事故が発生し、大幅にダイヤが乱れた。これは、当該区間である練馬駅 - 中井駅間においては練馬と中井の変電所から電気を送っていたが、点検時に片方の回路においてスイッチを元に戻すことを失念していた結果、朝ラッシュ時の運転本数増加に伴い、もう一方の回路への負荷が過大となり電流が遮断されたためである[35]。
イベント
- 2007年11月19日から12月2日まで、2016年の東京オリンピック・パラリンピック招致のために環状部の各駅と放射部の中野坂上・光が丘の両駅で「TOEI STATION STADIUM」を展開した。都庁前駅では1964年の東京オリンピックについての展示、それ以外の駅ではオリンピック29競技の展示が行われた。
脚注
注釈
- ^ a b ルビーとする資料も存在する。
- ^ 「東京都交通局告示 東京都地下高速電車の路線の名称及び区間」では「大江戸線」と定められている。
- ^ oEdo。Oは数字の「0」(ゼロ)と混同してしまうため、「江戸」の「E」となった。
- ^ なお大江戸線の営業線は全線地下だが、車両は検査を行っている馬込車両検修場で地上に姿を現す(#車両節を参照)。浅草線の自局営業線は全線地下にあるものの、車両は馬込車両検修場や直通先の他社線で地上に姿を現す。
- ^ 本路線も通っている本郷に江戸時代より続く老舗の雑貨商「かねやす」のことが織り込まれた川柳「本郷も かねやすまでは 江戸のうち」はその店舗に掲げられているが、そういったように、「江戸」と言えるのは環状部の東半分がせいぜいである。
- ^ 一部編成の3号車・6号車のフリースペースに設置。
- ^ 2002年3月31日以降は新鉄道技術省令の解釈基準に同等の性能規定が存在する。
出典
- ^ “東京都統計年鑑平成24年/運輸”. 東京都. 9 February 2014閲覧。
- ^ a b 杉崎行恭『山手線 ウグイス色の電車今昔50年』JTBパブリッシング、2013年 p.175
- ^ 平成29年度東京都高速電車事業会計決算審査意見書 (PDF) (東京都監査事務局)
- ^ 東京都交通局発行『都営交通のあらまし 2008』参照。
- ^ 東京都交通局『大江戸線放射部建設史』参照。
- ^ 『読売ニユース総覧 1991年版』 読売新聞社、1992年4月。ISBN 978-4643920338
- ^ a b c d e f g h 交通局のあゆみ 都営地下鉄 - 東京都交通局、2015年1月27日閲覧
- ^ 『鉄道ジャーナル』第32巻第3号、鉄道ジャーナル社、1998年3月、88頁。
- ^ 外山勝彦「鉄道記録帳2002年11月」『RAIL FAN』第50巻第2号、鉄道友の会、2003年2月1日、20頁。
- ^ 2002年11月29日に開催の東京都議会公営企業委員会に出席した東京都交通局・江連参事の答弁
- ^ a b "都営大江戸線ホームドア使用開始について" (Press release). 東京都交通局. 18 April 2011. 2011年4月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年5月30日閲覧。
- ^ a b c "都営大江戸線全38駅のホームドア整備完了" (Press release). 東京都交通局. 26 April 2013. 2013年5月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年5月30日閲覧。
- ^ 「子育て応援スペース」を設置した車両の運行を開始します! 東京都交通局(2019年7月19日)2019年11月16日閲覧。
- ^ 交通新聞社「鉄道ダイヤ情報」2012年4月号DJ NEWS FILE「東京都交通局12-600形(大江戸線)」参照。
- ^ “都営大江戸線12-000形1次車が営業運転終了”. 鉄道ニュース. 交友社 (2015年12月11日). 2016年7月15日閲覧。
- ^ 見える化改革報告書「地下鉄」交通局 平成30年7月12日(p.30) - 東京都都政改革本部公式ホームページ
- ^ 各駅乗降人員一覧(東京都交通局)
- ^ 「大江戸線環状部及び三田線延伸部の事後評価の結果について[リンク切れ]」東京都交通局(2006年3月24日)。
- ^ “混雑率データ(平成30年度)” (PDF). 国土交通省. p. 3 (2019年7月18日). 2019年8月15日閲覧。
- ^ 都営地下鉄 路線別輸送人員の推移(一日平均) - 東京都交通局
- ^ 『都市交通年報』各年度版
- ^ 都市高速鉄道12号線延伸促進協議会 - 清瀬市公式ホームページ、2019年9月23日閲覧
- ^ “都営大江戸線、地下鉄7号線延伸で答申案 沿線自治体が期待、課題も”. 埼玉新聞 (埼玉新聞社). (2016年4月8日). オリジナルの2016年9月11日時点におけるアーカイブ。 2016年4月21日閲覧。
- ^ “首都圏の鉄道「新線・延伸計画」が相次ぎ浮上している理由”. ダイヤモンド・オンライン (ダイヤモンド社). (2018年7月23日) 2019年2月1日閲覧。
- ^ 大江戸線延伸計画について・練馬区公式ホームページ (PDF)
- ^ 新座市役所公式サイト-第93回市長市政懇談会での主なご意見・ご提言
- ^ 広報にいざ・2014年6月号 (PDF)
- ^ “都営大江戸線、県内延伸の動き佳境 新座が誘致に熱…所沢など連携”. 埼玉新聞 (埼玉新聞社). (2015年11月2日). オリジナルの2016年5月21日時点におけるアーカイブ。 2015年11月2日閲覧。
- ^ “大野氏、鉄道延伸など重点政策に 埼玉県知事選、記者会見”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社). (2019年8月5日) 2020年2月12日閲覧。
- ^ 川島令三『〈図解〉新説 全国未完成鉄道路線――謎の施設から読み解く鉄道計画の真実』講談社、2007年、44-48頁。ISBN 978-4-06-214318-9。
- ^ 「都営地下鉄4路線運行管理システムの一括更新と総合指令所の構築」(PDF)『日立評論』第96巻第9号、日立評論社、2014年9月。
- ^ 真冬でも暖房を使わない「地下鉄」があった!(2ページ目) 東洋経済新報社(小佐野景寿)、2015年12月4日(2019年3月13日閲覧)。
- ^ 都営交通お客様センター等に寄せられたお客様の声 (PDF) 東京都交通局、平成30年1月分(2019年3月13日閲覧。)
- ^ 『鉄道ピクトリアル』2000年4月号
- ^ 都営大江戸線における停電事故について[リンク切れ]・都営大江戸線における停電事故について<続報>[リンク切れ]東京都交通局(2007年10月23日)
参考文献
- 東京都交通局『東京都交通局80年史』(1992年発行)
- 東京都交通局『東京都交通局90年史』(2003年発行)
- 東京都交通局『大江戸線放射部建設史』(2003年発行)
- 鉄道図書刊行会『鉄道ピクトリアル』
- 2001年7月号臨時増刊『東京都営地下鉄』
- 東京都交通局発行『都営交通のあらまし 2008』
- PHP研究所発行『都営地下鉄・都電・都バスのひみつ』
関連項目
- 日本の鉄道路線一覧
- 東京都地下鉄建設
- ミラクル☆トレイン - 大江戸線を舞台にしたアニメで、「大江戸線へようこそ」というサブタイトルが付されている。
- ドラえもん - 全線開業時のCMに起用。因みに、ドラえもんが居候している野比家は練馬区にあり、野比のび太の父・野比のび助は新宿に出勤しているという設定がある。
外部リンク
- 都営地下鉄 - 東京都交通局