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「總持寺祖院」の版間の差分

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== 古和秀水 ==
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總持寺祖院の門前町を流れる鬼屋川の5km上流の深い森林に包まれた[[丘陵]]の中に日量約90t[[リットル]]の湧水が湧いている。[[開祖]]瑩山紹瑾が[[竜神]]の[[神託]]により霊水が出ることを教えられたとの伝説が伝わっている。この由来により、寺及び住民では、この水を仏前の献茶・献湯の[[聖水]]として尊び使用されている<ref>[http://www.city.wajima.ishikawa.jp/kankou/kowasyudo.htm 古和秀水] - [[輪島市]]</ref>。また、この水は、子供には清水大人には酒になったため瑩山が「コワシュウド」と命名したとの伝説がある。[[1985年]][[名水百選]]の一つに指定されている<ref>[http://www2.env.go.jp/water/mizu-site/meisui/data/index.asp?info=34 瓜裂の清水] - [http://www2.env.go.jp/water/mizu-site/meisui/index.html 名水百選] - [[環境庁]]</ref>。また、輪島市は「'''旅愁との出会い 千枚田'''」をテーマとして[[水の郷百選]]に選定されており<ref>[http://www.mlit.go.jp/tochimizushigen/mizsei/mizusato/shichoson/hokuriku/wajima.htm 旅愁との出会い 千枚田] - [http://www.mlit.go.jp/tochimizushigen/mizsei/mizusato/index.htm 水の郷百選]</ref>、總持寺祖院、門前町、その所縁のある古和秀水は、[[白米千枚田]]と並ぶ名水スポットとなっている。
總持寺祖院の門前町を流れる鬼屋川の5km上流の深い森林に包まれた[[丘陵]]の中に日量約90t[[リットル]]の湧水が湧いている。[[開祖]]瑩山紹瑾が[[竜神]]の[[神託]]により霊水が出ることを教えられたとの伝説が伝わっている。この由来により、寺及び住民では、この水を仏前の献茶・献湯の[[聖水]]として尊び使用されている<ref>[http://www.city.wajima.ishikawa.jp/kankou/kowasyudo.htm 古和秀水] - [[輪島市]]</ref>。また、この水は、子供には清水大人には酒になったため瑩山が「コワシュウド」と命名したとの伝説がある。[[1985年]][[名水百選]]の一つに指定されている<ref>[http://www2.env.go.jp/water/mizu-site/meisui/data/index.asp?info=34 瓜裂の清水] - [http://www2.env.go.jp/water/mizu-site/meisui/index.html 名水百選] - [[環境庁]]</ref>。また、輪島市は「'''旅愁との出会い 千枚田'''」をテーマとして[[水の郷百選]]に選定されており<ref>[http://www.mlit.go.jp/tochimizushigen/mizsei/mizusato/shichoson/hokuriku/wajima.htm 旅愁との出会い 千枚田] - [http://www.mlit.go.jp/tochimizushigen/mizsei/mizusato/index.htm 水の郷百選]</ref>、總持寺祖院、門前町、その所縁のある古和秀水は、[[白米千枚田]]と並ぶ名水スポットとなっている。



2021年5月13日 (木) 21:57時点における版

總持寺祖院
山門と僧堂および境内の一部
所在地 石川県輪島市門前町門前1-18-1
位置 北緯37度17分11秒 東経136度46分14秒 / 北緯37.28639度 東経136.77056度 / 37.28639; 136.77056
山号 諸嶽山
宗旨 曹洞宗
寺格 別院
創建年 1321年(元亨元年)
開山 瑩山紹瑾
別称 能登祖院、能山、岳山
札所等 北陸三十三ヵ所観音霊場 第15番
公式サイト 大本山総持寺祖院
法人番号 5220005006560 ウィキデータを編集
總持寺祖院の位置(石川県内)
總持寺祖院
總持寺祖院 (石川県)
總持寺祖院の位置(日本内)
總持寺祖院
總持寺祖院 (日本)
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總持寺祖院(そうじじそいん)は、石川県輪島市門前町門前にある曹洞宗の寺院である。山号は諸嶽山。通称能山(のうざん)あるいは岳山(がくざん)。

かつての曹洞宗の大本山「總持寺」。本山の機能が神奈川県横浜市へ移転する際に、移転先が「大本山總持寺」となり、能登の「總持寺」は「總持寺祖院」と改称され別院扱いとなる。

歴史

元は諸岳寺(もろおかじ)と呼ばれた行基創建と伝えられる密教系寺院(一説には真言宗[1])。

1321年元亨元年)に当時の住持である定賢が霊夢を見て、越中国永光寺にいた瑩山紹瑾に寺を譲った。瑩山紹瑾はこれを禅林として改め、総持寺と命名して開山となった。

翌年、瑩山紹瑾は後醍醐天皇よりの勅問10問に答えた褒賞として、同寺に「日本曹洞賜紫出世之道場」の寺額が授けられたとするが、伝説の域を出ないと言われている。

1324年正中元年)、瑩山紹瑾は「諸岳山十条之亀鏡」を定めて寺制を整えた。その後、寺を継承した峨山韶碩によって整備され、五哲と呼ばれた門人によって5か所の子院が設けられた。曹洞宗の多くの寺院が同寺の系統をひき、本山の地位や諸権利を巡って越前国永平寺と論争を行うこともあったものの、「能登国の大本山」すなわち能山として親しまれた。

室町幕府や地元の能登畠山氏長谷部氏の庇護を受ける。

1570年元亀元年)の戦乱で焼失したものの、新領主の前田氏のもとで再興される。

1657年明暦3年)には寺領400石が与えられるなど、加賀藩時代を通じて手厚い保護を受けた。

また、江戸幕府1615年元和元年)永平寺・總持寺をともに大本山として認めるとともに徳川家康の意向で1,000両が寄付されて幕府祈願所に指定された。住持の地位は5つの塔頭(普蔵院、妙高庵、洞川庵、伝法庵、如意庵)による輪番制が採られたが、1870年明治3年)の栴崖奕堂以後独住の住持が置かれた。

1898年(明治31年)4月13日の大火で開山廟所である伝燈院経蔵といくつかの小施設を除いた全山を焼失した[2]

1905年(明治38年)再建されたものの、これを機により大本山に相応しい場所への移転を求める声が高まる[3]

1911年(明治44年)11月5日、横浜鶴見への移転遷祖の儀式が行われ、以降能登の總持寺は「總持寺祖院」と呼ばれるようになった。

2007年(平成19年)3月に能登半島地震が発生、伽藍が傾くなど被害に影響があった[4]。修復工事が進められており、開創700年の2021年3月に落慶を行う予定[5]

伽藍

  • 経蔵 - 石川県指定有形文化財(建造物)[6][7]
  • 山門 - 「三門」とも。昭和7年(1932年)再建[8]登録有形文化財(建造物)[9]
  • 香積台 - 庫裏。総受付など總持寺祖院を運営する中枢部[10]。登録有形文化財(建造物)[11]
  • 仏殿 - 本尊である釈迦牟尼仏を正面に安置し、左に達磨大師を、右に大権修理菩薩を安置する書院風仏堂[12]。登録有形文化財(建造物)[13]
  • 法堂 - 「大祖堂」と通称される[14]。登録有形文化財(建造物)[15]
  • 放光堂 - 納骨堂[16]
  • 伝燈院 - 瑩山紹瑾の霊廟。元禄6年建立[17]
  • 僧堂 - 修行の中心の場。昭和5年(1930年)再建[18]
  • 慈雲閣 - 観世音菩薩が安置されている。毎年7月17日の観音祭りの時のみ開帳する。[19]
  • 山門回廊 - 山門と僧堂をつなぐ回廊。登録有形文化財(建造物)[20]
  • 玄風廊(げんふうろう) - 法堂と僧堂をつなぐ廊下。登録有形文化財(建造物)[21]
  • 慧心廊(けいしんろう) - 法堂と仏殿をつなぐ廊下。登録有形文化財(建造物)[22]
  • 三樹松関 - [23]

文化財

登録有形文化財

  • 三松関
  • 三松関土塀
  • 山門
  • 山門回廊
  • 禅悦廊
  • 香積台
  • 仏殿
  • 慧心廊
  • 大祖堂
  • 玄風廊
  • 白山井戸
  • 放光堂及び廊下
  • 鐘鼓楼
  • 白山蔵
  • 閑月萩板塀
  • 白山殿
  • 閑月門

石川県指定有形文化財

  • 経蔵
  • 金銅五鈷鈴
  • 紙本著色花鳥図(伝元信筆)
  • 紙本著色頻婆裟羅王・韋提希夫人像
  • 紙本水墨元画浪龍図
  • 絹本著色明画十六羅漢図
  • 桃尾長鳥鎗金手箱

歴代住持

  • 開山 瑩山紹瑾(佛慈禅師 弘德圓明國師 常濟大師) 1268年 - 1325年
  • 第2世 峨山韶碩(大現宗猷國師) 1275年 - 1365年

輪住(塔頭五院住持の一定期間交替輪番制となる)

独住(第4世以降横浜鶴見へ移転)

古和秀水

古和秀水
總持寺祖院の位置(日本内)
總持寺祖院
古和秀水の位置

總持寺祖院の門前町を流れる鬼屋川の5km上流の深い森林に包まれた丘陵の中に日量約90tリットルの湧水が湧いている。開祖瑩山紹瑾が竜神神託により霊水が出ることを教えられたとの伝説が伝わっている。この由来により、寺及び住民では、この水を仏前の献茶・献湯の聖水として尊び使用されている[25]。また、この水は、子供には清水大人には酒になったため瑩山が「コワシュウド」と命名したとの伝説がある。1985年名水百選の一つに指定されている[26]。また、輪島市は「旅愁との出会い 千枚田」をテーマとして水の郷百選に選定されており[27]、總持寺祖院、門前町、その所縁のある古和秀水は、白米千枚田と並ぶ名水スポットとなっている。

飲用は煮沸して飲む旨の注意書きがあり、湧出口横にろ過した取水場がある。また、道中は總持寺祖院の所縁ある寺社跡が残り遊歩道が整備されているとともに、古和秀水周辺は森林公園として整備されている。

脚注

  1. ^ 『日本仏教史辞典』説
  2. ^ 明治31年4月15日読売新聞『新聞集成明治編年史. 第十卷』(国立国会図書館デジタルコレクション)
  3. ^ 地元では移転反対運動があった「能本山騒動」東京朝日新聞 明治39年8月22日『新聞集成明治編年史第十三巻』(国立国会図書館デジタルコレクション)
  4. ^ “震災被害の僧堂復元 門前・総持寺祖院 開単式で僧侶ら座禅”. 中日新聞. (2009年3月13日). https://www.chunichi.co.jp/hokuriku/toku/hknotoeq/list/200903/CK2009031302000246.html 2020年5月3日閲覧。 
  5. ^ 北國新聞(2018年11月16日)[リンク切れ]
  6. ^ 石川県 / 石川県文化財一覧(県指定)”. 石川県・教育委員会文化財課 (2011年12月). 2012年1月20日閲覧。
  7. ^ 経蔵(きょうぞう)・總持寺祖院|見る・感じる|観光スポット一覧|能登輪島観光情報 輪島ナビ
  8. ^ 山門(さんもん)・總持寺祖院|見る・感じる|観光スポット一覧|能登輪島観光情報 輪島ナビ
  9. ^ 国指定文化財等データベース:主情報詳細「總持寺祖院山門」
  10. ^ 香積台(こうしゃくだい)・總持寺祖院|見る・感じる|観光スポット一覧|能登輪島観光情報 輪島ナビ
  11. ^ 国指定文化財等データベース:主情報詳細「總持寺祖院香積台」
  12. ^ 仏殿(ぶつでん)・總持寺祖院|見る・感じる|観光スポット一覧|能登輪島観光情報 輪島ナビ
  13. ^ 国指定文化財等データベース:主情報詳細「總持寺祖院仏殿」
  14. ^ 法堂(はっとう)・總持寺祖院|見る・感じる|観光スポット一覧|能登輪島観光情報 輪島ナビ
  15. ^ 国指定文化財等データベース:主情報詳細「總持寺祖院大祖堂」
  16. ^ 放光堂(ほうこうどう)・總持寺祖院|見る・感じる|観光スポット一覧|能登輪島観光情報 輪島ナビ
  17. ^ 伝燈院(でんとういん)・總持寺祖院|見る・感じる|観光スポット一覧|能登輪島観光情報 輪島ナビ
  18. ^ 僧堂(そうどう)・總持寺祖院|見る・感じる|観光スポット一覧|能登輪島観光情報 輪島ナビ
  19. ^ 慈雲閣(じうんかく)・總持寺祖院|見る・感じる|観光スポット一覧|能登輪島観光情報 輪島ナビ
  20. ^ 国指定文化財等データベース:主情報詳細「總持寺祖院山門回廊」
  21. ^ 国指定文化財等データベース:主情報詳細「總持寺祖院玄風廊」
  22. ^ 国指定文化財等データベース:主情報詳細「總持寺祖院慧心廊」
  23. ^ 三樹松関(さんじゅしょうかん)・總持寺祖院|見る・感じる|観光スポット一覧|能登輪島観光情報 輪島ナビ
  24. ^ 法堂(大祖堂)の画像は、2011年9月3日に撮影された改修時のもの。
  25. ^ 古和秀水 - 輪島市
  26. ^ 瓜裂の清水 - 名水百選 - 環境庁
  27. ^ 旅愁との出会い 千枚田 - 水の郷百選

参考文献

  • 平凡社『日本史大事典』第4巻「総持寺」(執筆者:石川力山)
  • 吉川弘文館『日本仏教史辞典』「総持寺」(執筆者:大三輪竜彦)
  • 春秋社『道元小事典』

外部リンク