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リーチザクラウン
2009年2月15日 京都競馬場
欧字表記 Reach the Crown
香港表記 帝王加冕
品種 サラブレッド
性別
毛色 青鹿毛
生誕 2006年2月5日(18歳)
登録日 2008年9月4日
抹消日 2013年2月6日
スペシャルウィーク
クラウンピース
母の父 Seattle Slew
生国 日本の旗 日本北海道千歳市
生産者 社台ファーム
馬主 臼田浩義西山茂行
調教師 橋口弘次郎栗東
杉浦宏昭美浦
競走成績
生涯成績 26戦4勝
獲得賞金 2億5783万6000円
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リーチザクラウン (Reach the Crown) は日本競走馬。おもな勝ち鞍は2009年きさらぎ賞、2010年マイラーズカップ馬名の由来は、英語で「頂上に達する」、「戴冠」である。

経歴

2歳(2008年)

デビューは2歳10月の京都競馬の新馬戦では中団からレースを進めアンライバルドブエナビスタスリーロールスなどの並居る強豪を相手に2着と健闘した。主戦に武豊を迎えての未勝利戦では圧倒的支持を集めるなか、前走とは打って変わって強気に逃げ、2着馬に2秒1というJRAの芝レースではおよそ4年ぶりとなる大差で圧勝。その後のリーチザクラウンの脚質を決定付けた。続く500万下の千両賞では休養中の武に替わって安藤勝己が鞍上を務めた。レースではうまく脚を溜めつつ小差で逃げ、直線半ばから追い出されると他馬を突き放し、最後は流しながら楽勝した。安藤の「馬に変な癖をつけないように乗らなければ」との発言は、この馬のクラシックへ向けての期待の高さをうかがわせた。 そして迎えた重賞初挑戦となるラジオNIKKEI杯2歳ステークス。ここで、鞍上には主戦の武が戻った。レースはオーバーペースで逃げてしまったため、最後の直線ではロジユニヴァースに交わされ、初重賞制覇を逃した。

3歳(2009年)

2009年はクラシックへの登竜門として名高いきさらぎ賞から始動。ここでも圧倒的な単勝1番人気に支持された。当初は控える競馬を予想する向きもあったが、スローペースで逃げる展開となり、最後の直線では武が追い出すと他馬を引き離し、重賞初制覇を飾った。

次走はトライアルレースを経ずに皐月賞へと直行、2番人気の支持を得た。展開はハイペースの流れになるも終始折り合いを欠き、直線では粘ることなく後退、13着に大敗した。

東京優駿に出走。5番人気に支持される。40年ぶりの不良馬場の中ジョーカプチーノが大逃げをし、単独の2番手でレースを進める。4コーナーで先頭に立つがリーチザクラウンをマークしていたロジユニヴァースにかわされ、4馬身差の2着となった。

その後放牧に出され、秋競馬は神戸新聞杯から始動。イコピコに差し切られ2着に敗れたものの、菊花賞への優先出走権を獲得した。

菊花賞では単勝3.8倍の1番人気に支持される。後続を引き離す大逃げをするが、2周目の3コーナー付近から徐々に差を詰められゴール前100mの所で後続に捕まり5着に敗れた。 続いて第29回ジャパンカップに出走。5番人気に推された。出だしこそアサクサキングスエイシンデピュティにハナを譲るも、すぐさま先頭に立ち直線残り200m直前まで粘ったが、ここでいっぱいになり9着に敗れた。 続いて第54回有馬記念に5番人気で出走。好スタートからすんなりと先頭に立つも、3、4コーナー付近で一杯になりドリームジャーニーの13着に敗れた。

4歳(2010年)

前年の有馬記念出走後に、今後のリーチザクラウンの方向性について騎手の武豊は「マイル路線を中心に使う方向で先生(橋口弘次郎調教師)と話を進めている」と公言し、迎えた2010年の緒戦は距離適性を考慮した上での初のダート戦となったフェブラリーステークスに4番人気で出走。レースは中団で控える競馬をしたものの伸び切れず10着に敗れた。

その後、安田記念への出走を見据えてマイラーズカップに出走した。鞍上は休養中の武豊に代って、2歳時の以来となる安藤勝己が務めた。道中3番手でレースを進め、最後の直線で先に抜け出したトライアンフマーチをクビ差制し、約14ヵ月ぶりとなる勝ち星を挙げた。

本番の安田記念では、本命不在のメンバー構成に加え、前走の強い競馬もあり1番人気に推された。レースは3~4番手の好位を追走、しかし直線ではすでに馬群に飲み込まれショウワモダンの14着と大敗し、レースから2日後の6月8日、右中間手根骨々折が判明し6カ月休養を強いられた[1]12月18日阪神カップで戦線復帰し、3番人気に支持される。レースは中団の外めを追走したが直線で伸び切れず7着に敗れた。

5歳(2011年)

1月5日京都金杯より馬主が臼田浩義から西山茂行に変更された。その京都金杯では1番人気に支持され、道中先団のインコースを追走し直線で脚を伸ばすも4着に敗れた。中山記念ではこれまでのレーススタイルから一転、後方3番手で待機し、直線で大外から追い込んで3着となった。続くマイラーズカップでは後方追走も直線で伸びきれず9着。都大路ステークスでは1番人気に支持され、中団待機から4コーナーでペースを上げたが脚元にトラブルを発生して鞍上の藤田伸二が立ち上がって失速し14着。安田記念では好位を追走したが、直線で失速し17着と大敗。その後、休養を挟んでアイルランドトロフィーに出走。スタートからハナを奪って後続を引き離すも最後の直線で一杯になり10着に敗れた。

その後、患っていた喘鳴症の手術を受けて休養する[2]

6歳(2012年)

4月1日ダービー卿チャレンジトロフィーでは道中折り合いを欠き11着。続く4月22日のマイラーズカップでは好位追走も直線で失速し16着と大敗した。バーデンバーデンカップでは後方追走も見せ場なく8着と惨敗した。

5月16日付けで美浦トレーニングセンター杉浦宏昭厩舎に転厩[2]。その後、6月17日福島のバーデンバーデンカップを8着、7月1日中京のCBC賞は6着だったが、右膝の剥離骨折を発症。全治は6か月の見込みであった[3]

7歳(2013年)

2月3日東京新聞杯は良いところなく最下位の16着に敗れた。そして2月6日をもって競走馬登録を抹消。アロースタッド種牡馬となった[4]。なお、西山牧場にて種牡馬となる予定とも報じられたが[5]、リーチザクラウンが引退した時点の西山牧場には種牡馬繋養施設はない[6]

競走成績

年月日 競馬場 競走名


オッズ
(人気)
着順 騎手 斤量 距離(馬場) タイム
上り3F
タイム
勝ち馬/(2着馬)
2008. 10. 26 京都 2歳新馬 11 2 2 2.7 (2人) 2着 小牧太 55 芝1800m(良) 1:51.9 (33.6) 0.2 アンライバルド
11. 16 京都 2歳未勝利 17 4 8 1.2 (1人) 1着 武豊 55 芝1800m(良) 1:47.4 (34.9) -2.1 (タマモユニヴァース)
12. 7 阪神 千両賞 8 8 8 1.1 (1人) 1着 安藤勝己 55 芝1600m(良) 1:34.7 (34.6) -0.5 (カイシュウボナンザ)
12. 27 阪神 ラジオNIKKEI杯2歳S JpnIII 11 3 3 1.3 (1人) 2着 武豊 55 芝2000m(良) 2:02.4 (38.2) 0.7 ロジユニヴァース
2009. 2. 15 京都 きさらぎ賞 GIII 10 7 7 1.5 (1人) 1着 武豊 56 芝1800m(良) 1:48.9 (35.0) -0.6 (リクエストソング)
4. 19 中山 皐月賞 JpnI 18 8 18 5.3 (2人) 13着 武豊 57 芝2000m(良) 2:00.4 (37.2) 1.7 アンライバルド
5. 31 東京 東京優駿 JpnI 18 6 12 9.9 (5人) 2着 武豊 57 芝2400m(不) 2:34.4 (40.4) 0.7 ロジユニヴァース
9. 27 阪神 神戸新聞杯 JpnII 14 8 13 3.9 (3人) 2着 武豊 56 芝2400m(良) 2:24.5 (34.8) 0.3 イコピコ
10. 25 京都 菊花賞 JpnI 18 5 9 3.8 (1人) 5着 武豊 57 芝3000m(良) 3:03.9 (36.2) 0.4 スリーロールス
11. 29 東京 ジャパンC GI 18 5 9 8.6 (5人) 9着 武豊 55 芝2400m(良) 2:23.4 (36.1) 1.0 ウオッカ
12. 27 中山 有馬記念 GI 16 4 8 12.6 (5人) 13着 武豊 55 芝2500m(良) 2:34.6 (40.6) 4.6 ドリームジャーニー
2010. 2. 21 東京 フェブラリーS GI 15 7 14 9.5 (4人) 10着 武豊 57 ダ1600m(良) 1:37.6 (37.8) 2.7 エスポワールシチー
4. 17 阪神 マイラーズC GII 18 8 18 6.6 (3人) 1着 安藤勝己 57 芝1600m(良) 1:32.9 (34.0) 0.0 (トライアンフマーチ)
6. 6 東京 安田記念 GI 18 1 1 4.0 (1人) 14着 安藤勝己 58 芝1600m(良) 1:32.8 (35.8) 1.1 ショウワモダン
12. 18 阪神 阪神C GII 17 4 8 8.4 (3人) 7着 武豊 57 芝1400m(良) 1:20.7 (34.1) 0.4 キンシャサノキセキ
2011. 1. 5 京都 京都金杯 GIII 16 2 3 4.3 (1人) 4着 武豊 58 芝1600m(良) 1:33.8 (33.9) 0.4 シルポート
2. 27 中山 中山記念 GII 16 2 3 8.9 (3人) 3着 武豊 58 芝1800m(良) 1:46.4 (34.0) 0.4 ヴィクトワールピサ
4. 17 阪神 マイラーズC GII 18 3 5 6.0 (3人) 9着 武豊 58 芝1600m(良) 1:33.0 (33.1) 0.7 シルポート
5. 8 京都 都大路S OP 15 7 13 1.9 (1人) 14着 藤田伸二 58 芝1800m(良) 1:48.9 (38.1) 4.1 ネオヴァンドーム
6. 5 東京 安田記念 GI 18 8 18 36.1 (14人) 17着 北村宏司 58 芝1600m(良) 1:33.4 (35.8) 1.4 リアルインパクト
10. 15 東京 アイルランドT OP 11 8 10 7.6 (3人) 10着 北村宏司 58 芝2000m(稍) 2:01.9 (40.1) 1.3 トーセンレーヴ
2012. 4. 1 中山 ダービー卿CT GIII 16 8 15 7.6 (3人) 10着 田辺裕信 57.5 芝1600m(良) 1:34.3 (35.2) 0.8 ガルボ
4. 22 京都 マイラーズC GII 18 1 2 45.0 (13人) 16着 藤田伸二 56 芝1600m(稍) 1:34.6 (36.6) 1.4 シルポート
6. 17 福島 バーデンバーデンC OP 11 2 2 11.6 (5人) 8着 蛯名正義 57 芝1200m(良) 1:10.1 (35.1) 0.8 ビウイッチアス
7. 1 中京 CBC賞 GIII 17 5 10 36.8 (10人) 6着 北村友一 57 芝1200m(重) 1:09.5 (34.7) 0.8 マジンプロスパー
2013. 2. 3 東京 東京新聞杯 GIII 16 1 2 102.2 (15人) 16着 江田照男 57 芝1600m(良) 1:35.0 (34.9) 2.1 クラレント

種牡馬時代

競走馬引退後は2013年より種牡馬となり、アロースタッドで繋養される。2016年に産駒がデビューし、産駒の成績が好調なことから、2016年10月に繋養先が社台スタリオンステーションに移動することになった[7]

2021年より再びアロースタッドで繋養されることになった。

主な産駒

エピソード

2009年4月19日付けのラジオNIKKEI競馬実況ウェブの記事で皐月賞のレース後のコメントを紹介する際に、13着だったリーチザクラウンについて、武豊のコメントとして「描いていた最悪の展開になってしまいました。短い距離で逃げるなら折り合いがつくんですけどね。これで見ていた人も分かると思いますが、長い距離は向かないです」という記事が掲載されたが、その後、このコメントが誤りではないかと指摘され、後日取材者が「単騎で」を「短距離で」と聞き間違えたものだということが判明した。同時に、武豊の発言にはなかった「長い距離は向かないです」は取材者の推測で付け足されていたというミスも判明し、後日ラジオNIKKEIが謝罪文を掲載する騒ぎになった[11]

血統表

リーチザクラウン血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サンデーサイレンス系
[§ 2]

スペシャルウィーク
1995 黒鹿毛
父の父
*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
父の母
キャンペンガール
1987 鹿毛
マルゼンスキー Nijinsky II
*シル
レディーシラオキ *セントクレスピン
ミスアシヤガワ

クラウンピース
1997 鹿毛
Seattle Slew
1974 黒鹿毛
Bold Reasoning Boldnesian
Reason to Earn
My Charmer Poker
Fair Charmer
母の母
*クラシッククラウン
Classic Crown
1985 鹿毛
Mr. Prospector Raise a Native
Gold Digger
Six Crowns Secretariat
Chris Evert
母系(F-No.) Miss Carmie系(FN:23-b) [§ 3]
5代内の近親交配 Hail to Reason 4×5、Bold Ruler 5・5(母内) [§ 4]
出典
  1. ^ [12]
  2. ^ [13]
  3. ^ [14][12]
  4. ^ [12]

主な近親など

脚注

  1. ^ リーチザクラウン号が故障
  2. ^ a b リーチ 杉浦厩舎に転厩 - 競馬ニュースnikkansports.com 2012年5月16日
  3. ^ リーチ右膝骨折…全治6カ月 - 競馬ニュースnikkansports.com 2012年7月10日
  4. ^ リーチザクラウンがアロースタッドに到着 - 2013年2月12日 競走馬のふるさと案内所
  5. ^ リーチザクラウン号が競走馬登録抹消 - 2013年2月6日JRA HP
  6. ^ リーチザクラウン騒動終了 - 2013年2月8日 西山牧場公式ブログ
  7. ^ リーチザクラウンの繋養先が社台SSへnetkeiba.com、2016年8月5日閲覧
  8. ^ スーパーマックス”. JBISサーチ. 2018年7月17日閲覧。
  9. ^ キョウヘイ”. JBISサーチ. 2017年10月30日閲覧。
  10. ^ コスモピオニール”. JBISサーチ. 2020年6月6日閲覧。
  11. ^ ●●お詫び●●皐月賞のレース後のコメントの誤りについて [News]
  12. ^ a b c リーチザクラウン 血統情報:5代血統表”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月5日閲覧。
  13. ^ リーチザクラウンの種牡馬情報”. 競馬ラボ. 2020年6月5日閲覧。
  14. ^ 平出貴昭 (2020年3月10日). “マルターズディオサの牝系”. 競馬“血統”人生/平出貴昭. 2020年6月5日閲覧。

外部リンク