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「仙台都市圏」の版間の差分

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*'''[[名取市]]'''(堀内地区を除く全域)
*'''[[名取市]]'''(堀内地区を除く全域)


==高速道路網==
== 交通 ==
=== 主な鉄道 ===
鉄道は[[東北本線]][[仙台駅]]を中心に放射状に伸びる。環状方向の接続は無い。JR東日本の[[ICカード]]『[[Suica]]』の利用可能区間が、概ね都市圏に重なるよう設定されている。

;[[東日本旅客鉄道|JR東日本]]
* [[東北新幹線]]
* [[東北本線]](Suica利用区間:[[白石駅 (宮城県)|白石]] - [[小牛田駅|小牛田]])
* [[常磐線]](Suica利用区間:[[山下駅 (宮城県)|山下]] - [[岩沼駅|岩沼]])
* [[利府線|東北本線利府支線]](Suica利用区間:全線)
* [[仙山線]](Suica利用区間:仙台 - [[愛子駅|愛子]])
* [[仙石線]](Suica利用区間:全線)

;公営・第3セクター
* [[仙台空港線]](開業1年後に全区間でSuica対応予定)[[2007年]][[3月18日]]開業予定
* [[阿武隈急行線]]
* [[仙台市営地下鉄南北線]]
* [[仙台市営地下鉄東西線]] [[2015年]]開業予定

=== 主な道路 ===
* [[東北自動車道]]
* [[三陸自動車道]]
* [[山形自動車道]]
* [[仙台東部道路]]
* [[仙台南部道路]]
* [[仙台北部道路]]
* [[国道4号]] [[仙台バイパス]]
* [[国道6号]]
* [[国道45号]]
* [[国道48号]] [[愛子バイパス]]

===高速道路網整備===
仙台都市圏の[[高速道路]]網は「1環状5放射状」になっており、[[都市高速道路]]と似た様な役割を持ち、仙台経済圏のインフラとして機能している(→[[仙台経済圏#ETC通勤割引|仙台経済圏]]、[[都市圏自動車専用道路]]の項も参照)。
仙台都市圏の[[高速道路]]網は「1環状5放射状」になっており、[[都市高速道路]]と似た様な役割を持ち、仙台経済圏のインフラとして機能している(→[[仙台経済圏#ETC通勤割引|仙台経済圏]]、[[都市圏自動車専用道路]]の項も参照)。

===仙台環状高速===
=====仙台環状高速=====
「'''仙台都市圏環状自動車専用道路'''」(仙台環状道路・仙台環状高速)とは、仙台の[[DID]](人口集中地区)を取り囲む様に計画された総延長約60kmの環状高速である。現在までに約9割が完成しているが、現在の仙台北部道路の末端である[[利府しらかし台インターチェンジ|利府しらかし台IC]]から仙台北部道路と東北自動車道との接点になる[[富谷ジャンクション|富谷JCT]]の間が未着工区間として残されている。
「'''仙台都市圏環状自動車専用道路'''」(仙台環状道路・仙台環状高速)とは、仙台の[[DID]](人口集中地区)を取り囲む様に計画された総延長約60kmの環状高速である。現在までに約9割が完成しているが、現在の仙台北部道路の末端である[[利府しらかし台インターチェンジ|利府しらかし台IC]]から仙台北部道路と東北自動車道との接点になる[[富谷ジャンクション|富谷JCT]]の間が未着工区間として残されている。


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設置業者と道路種別がバラバラであるために、料金体系が複雑で、利用区間によっては割高になる場合もある。例えば、利府しらかし台ICから環状部をぐるっと回って[[泉インターチェンジ|泉IC]]までの50.3kmを利用すると1,950円が掛かり、[[東日本高速道路]]の高速道路のみの利用に於ける70km未満区間 (仙台~[[福島市|福島]]間くらい)と同料金となる。また、[[ETC]]の[[ETC#通勤割引|通勤割引]]などの割引は東北自動車道部分にしか適用されない。
設置業者と道路種別がバラバラであるために、料金体系が複雑で、利用区間によっては割高になる場合もある。例えば、利府しらかし台ICから環状部をぐるっと回って[[泉インターチェンジ|泉IC]]までの50.3kmを利用すると1,950円が掛かり、[[東日本高速道路]]の高速道路のみの利用に於ける70km未満区間 (仙台~[[福島市|福島]]間くらい)と同料金となる。また、[[ETC]]の[[ETC#通勤割引|通勤割引]]などの割引は東北自動車道部分にしか適用されない。

===五放射状高速===
=====五放射状高速=====
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<!--「仙台の他に、五放射状の道路網を持つ都市は、[[宇都宮市|宇都宮]]などがある」←宇都宮都市圏は高速道路以外にも複数の国道バイパスが都市高速のような役割を担っており、仙台よりも道路網が整っている。新潟都市圏も然り。ここでは、仙台都市圏の優位性を誇っているのではなく、財政体力のない100万人前後の都市圏では、都市高速よりも、国のお金で造る普通の高速道路や国道の高規格化が現実的であることを示そうと考えている。-->
<!--「仙台の他に、五放射状の道路網を持つ都市は、[[宇都宮市|宇都宮]]などがある」←宇都宮都市圏は高速道路以外にも複数の国道バイパスが都市高速のような役割を担っており、仙台よりも道路網が整っている。新潟都市圏も然り。ここでは、仙台都市圏の優位性を誇っているのではなく、財政体力のない100万人前後の都市圏では、都市高速よりも、国のお金で造る普通の高速道路や国道の高規格化が現実的であることを示そうと考えている。-->
現在、仙台市都心部からこの高規格道路網へのアプローチとなっている[[自動車専用道路]]は、無料の[[仙台西道路]]のみである。仙台西道路は、都心にある[[広瀬通り]]のランプから、地下トンネルで2層構造の仲ノ瀬橋下層に入り、青葉山トンネル経由で東北自動車道の[[仙台宮城インターチェンジ|仙台宮城IC]]に至る。将来的には、都心から東方面、北方面、南方面への自動車専用道路によるアプローチ構想があるが、具体的な計画には至っていない。
現在、仙台市都心部からこの高規格道路網へのアプローチとなっている[[自動車専用道路]]は、無料の[[仙台西道路]]のみである。仙台西道路は、都心にある[[広瀬通り]]のランプから、地下トンネルで2層構造の仲ノ瀬橋下層に入り、青葉山トンネル経由で東北自動車道の[[仙台宮城インターチェンジ|仙台宮城IC]]に至る。将来的には、都心から東方面、北方面、南方面への自動車専用道路によるアプローチ構想があるが、具体的な計画には至っていない。

===高速道路の規格===
=====高速道路の規格=====
札幌や仙台、新潟など、冬季に積雪や凍結に見舞われる都市では、都市高速道路の道路規格(第2種1級・2級規格)で都市内高速道路を造る事ができない。いわゆる都市高速規格の狭い[[路肩]]の幅(第2種=[[路側帯]]125cm~100cm、[[中央分離帯]]側50cm~25cm)では、[[除雪]]した雪を置く場所がなく、凍結時のスリップに対する遊びが少な過ぎる。そのため、路側帯が広い第1種で造る必要があり、結果、都市高速が存在しない。
札幌や仙台、新潟など、冬季に積雪や凍結に見舞われる都市では、都市高速道路の道路規格(第2種1級・2級規格)で都市内高速道路を造る事ができない。いわゆる都市高速規格の狭い[[路肩]]の幅(第2種=[[路側帯]]125cm~100cm、[[中央分離帯]]側50cm~25cm)では、[[除雪]]した雪を置く場所がなく、凍結時のスリップに対する遊びが少な過ぎる。そのため、路側帯が広い第1種で造る必要があり、結果、都市高速が存在しない。


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豪雪地帯指定を受けていない仙台の場合は、積雪よりも夜間や早朝の凍結の方が問題であるため、除雪した雪を置く分を考えた広い路側帯はあまり必要ではない。しかし、凍結時のスリップに対する遊びのため、ある程度路側帯の広い第1種3級規格(路側帯175cm~100cm、中央分離帯側50cm~25cm)が宮城県道路公社の建設した高速道路で用いられている。その他、旧日本道路公団が建設したものは全国標準規格の第1種1級・2級規格で造られているが、いずれにせよ、都市高速規格である第2種は採用していない。
豪雪地帯指定を受けていない仙台の場合は、積雪よりも夜間や早朝の凍結の方が問題であるため、除雪した雪を置く分を考えた広い路側帯はあまり必要ではない。しかし、凍結時のスリップに対する遊びのため、ある程度路側帯の広い第1種3級規格(路側帯175cm~100cm、中央分離帯側50cm~25cm)が宮城県道路公社の建設した高速道路で用いられている。その他、旧日本道路公団が建設したものは全国標準規格の第1種1級・2級規格で造られているが、いずれにせよ、都市高速規格である第2種は採用していない。

=== 空港 ===
* [[仙台空港]]

=== 港湾 ===
* [[仙台港]]


==学都仙台単位互換ネットワーク==
==学都仙台単位互換ネットワーク==

2007年1月4日 (木) 08:09時点における版

仙台都市圏(せんだいとしけん)とは、政令指定都市である仙台市を中心として、仙台平野に形成された経済地域、もしくは、宮城県が指定する広域行政推進地域の事。

2000年の国勢調査に基づいた10%通勤圏(都市雇用圏)による仙台都市圏の人口は約156万人で、広島都市圏とほぼ同じである。

七大都市圏の1つでもある。

概要

仙台仙台市仙台経済圏東北地方の経済史も参照

近年、仙台都市圏奥羽山脈を挟んで隣接する山形県村山地方(域内人口58万人。中心都市:山形市)との間で密接な関係を築いており、「双子都市(twin cities)」の様相を呈している。また、福島県北部 (場合によっては岩手県南部まで) も同様な傾向を示しており、仙台都市圏の小売商圏仙台経済圏) は、近隣諸県に及ぶ300万人規模市場と見られている。 なお、仙台経済圏にある自治体は、南とうほくSUNプラン (南東北中枢広域都市圏)という名の協議会を構成し、大都市圏行政を行っている。

仙台都市圏では、昭和50年代頃まで都市軸が仙台市中心部からJR仙石線沿いの多賀城塩竈松島方向に延びていたので「仙塩」と呼ばれる事が多かったが、現在は仙台市都心部を中心とした放射状の都市圏構造になっているため、「仙塩」と呼ばれる事はほとんどなくなった。また、仙台都市圏を「仙台圏」という事もあるが、仙台経済圏も「仙台圏」と呼ばれる事があるので、ここでは「仙台都市圏」で統一する(→仙台)。

定義

「通勤圏」は日常的な都市圏を反映しており、以下の10%都市圏(都市雇用圏)の人口156万人を仙台都市圏の人口とみなすのが妥当と考えられる。

広域行政推進地域

人口:約147万人(2006年10月1日推計人口)。面積:1,648㎢

(参考:大阪府 1,894km²、885万人。香川県1,876km²、102万人)
宮城県が指定する仙台市を中心とした広域行政推進地域は、「広域仙台都市圏」または単に「仙台都市圏」と呼ばれ、仙台都市圏広域行政推進協議会が設置されている。また、宮城県推計人口の月報で、毎月の人口統計が発表される。仙台都市圏と山形県村山地方が構成する「仙台・やまがた交流連携促進会議」では、この「仙台都市圏」の枠組みで参加している。


2002年 2004年 2006年
上記地域 1452135人 1463839人 1466407人
※各年10月1日の推計人口

10%都市圏(通勤圏)

人口:約156万人(2000年都市雇用圏)。面積:2,288km²

(参考:東京都 2,187km²、1,255万人/佐賀県 2,439km²、87万人)
都市雇用圏(10%都市圏・10%通勤圏)の基準では、それぞれの市町村の通勤者のうち、10%以上が中心市に通っている場合、都市圏を構成する市町村とみなす。この基準に於いて、2000年時点の仙台都市圏の人口は約156万人で、これら都市圏内の市町村から仙台市に通勤・通学する者は、約10万人にのぼる。この基準では、上述の広域行政推進地域としての仙台都市圏に、さらに以下の自治体が加わる。

都市圏の変遷

  • 表を縮小するため、上述の仙台都市圏広域行政推進協議会の地域を、ここでは便宜的に「広域圏」と表示し、仙台市の10%通勤圏を「仙台都市圏」とする。
  • 仙台市の10%通勤圏に入っていない自治体は、各統計年の欄で灰色且つ「-」で示す。
  • 「広域圏」の中の大衡村は大和町の郊外1次圏、村田町は大河原町の郊外1次圏、それ以外の仙台都市圏の自治体はすべて1次圏で、上記2町村は2次圏にあたる。
自治体
('80)
1980年 1990年 1995年 2000年 自治体
(現在)
古川市 古川都市圏
65525人
古川都市圏
152834人
古川都市圏
169858人
古川都市圏
169910人
大崎市
小牛田町 仙台都市圏
1248616人
美里町
南郷町 仙台都市圏
1395486人
仙台都市圏
1492610人
-
松山町 仙台都市圏
1555691人
大崎市
鹿島台町
鳴瀬町 東松島市
広域圏 広域圏
 
 
柴田町 柴田町
大河原町 大河原町
川崎町 川崎町
村田町 - - - 村田町

5%都市圏(通勤圏)

人口:約182万人(2000年国勢調査時[1]

通勤依存率5~10%の市町は水色で示す。市町村名は2000年国勢調査時点のもの。

1.5%都市圏(通勤・通学圏)

人口:約219万人(七大都市圏参照[2]

総務省の基準により、仙台市の「1.5%通勤・通学圏」は「仙台大都市圏」と名付けられており、七大都市圏の内、6番目の人口を擁する。1995年の国勢調査を元に 「1.5%都市圏」の圏域を見てみると、JR仙台駅を中心とした半径50km圏から、山形県村山地方山形市など)を除いた地域とほぼ同等となる。仙台の1.5%都市圏には、県北山間部、栗原市登米市、南三陸地域及び七ヶ宿町を除いた宮城県全域と、福島県浜通り北部(新地町相馬市)が含まれる。

Suica利用可能区間

Suica対応路線マップ(仙台エリア)

仙台地区のJR路線網は放射状になっているため、大都市近郊区間の設定がされていない。そのため、Suica利用可能区間は「仙台エリア」(仙台都市圏・仙台圏共)として表記される。基本的に仙台都市圏(10%都市圏)内のJR線は全線Suicaに対応しており、さらに「5%都市圏」程度までサービスされている。仙山線は、仙台市内を走っていても、愛子駅奥新川駅ではSuica導入が見送られているが、これは、同線の愛子駅以遠が段々と奥羽山脈の谷沿い及び山岳区間に入っていき、また人口密度が低くなっていき、"利用者実数" が少ないためである(山形県との県境まで仙台市内である)。

なお、「仙台まるごとパス」という仙台市とその周辺のJR・地下鉄・バスを2日間乗り放題できるチケットがある(2,500円)。このきっぷの利用可能範囲はSuicaのそれより狭く、観光面での仙台都市圏の範囲を示している。

市外局番「022-」地域

仙台市内から市内通話料金で電話がかけられる地域(=単位料金区域(MA))、すなわち市外局番が "022-" である地区は、以下の様になっている。

交通

主な鉄道

鉄道は東北本線仙台駅を中心に放射状に伸びる。環状方向の接続は無い。JR東日本のICカードSuica』の利用可能区間が、概ね都市圏に重なるよう設定されている。

JR東日本
公営・第3セクター

主な道路

高速道路網整備

仙台都市圏の高速道路網は「1環状5放射状」になっており、都市高速道路と似た様な役割を持ち、仙台経済圏のインフラとして機能している(→仙台経済圏都市圏自動車専用道路の項も参照)。

仙台環状高速

仙台都市圏環状自動車専用道路」(仙台環状道路・仙台環状高速)とは、仙台のDID(人口集中地区)を取り囲む様に計画された総延長約60kmの環状高速である。現在までに約9割が完成しているが、現在の仙台北部道路の末端である利府しらかし台ICから仙台北部道路と東北自動車道との接点になる富谷JCTの間が未着工区間として残されている。

設置業者と道路種別がバラバラで、なお且つそれぞれが別の道路名を持っているために、「仙台環状高速」の様な統一名称は一般に浸透していない。但し、所轄である国土交通省と東北地方整備局は公式に「仙台都市圏環状自動車専用道路」又は「仙台環状道路」という名称で、一括して道路行政を行っている。

設置業者と道路種別がバラバラであるために、料金体系が複雑で、利用区間によっては割高になる場合もある。例えば、利府しらかし台ICから環状部をぐるっと回って泉ICまでの50.3kmを利用すると1,950円が掛かり、東日本高速道路の高速道路のみの利用に於ける70km未満区間 (仙台~福島間くらい)と同料金となる。また、ETC通勤割引などの割引は東北自動車道部分にしか適用されない。

五放射状高速

現在、仙台市都心部からこの高規格道路網へのアプローチとなっている自動車専用道路は、無料の仙台西道路のみである。仙台西道路は、都心にある広瀬通りのランプから、地下トンネルで2層構造の仲ノ瀬橋下層に入り、青葉山トンネル経由で東北自動車道の仙台宮城ICに至る。将来的には、都心から東方面、北方面、南方面への自動車専用道路によるアプローチ構想があるが、具体的な計画には至っていない。

高速道路の規格

札幌や仙台、新潟など、冬季に積雪や凍結に見舞われる都市では、都市高速道路の道路規格(第2種1級・2級規格)で都市内高速道路を造る事ができない。いわゆる都市高速規格の狭い路肩の幅(第2種=路側帯125cm~100cm、中央分離帯側50cm~25cm)では、除雪した雪を置く場所がなく、凍結時のスリップに対する遊びが少な過ぎる。そのため、路側帯が広い第1種で造る必要があり、結果、都市高速が存在しない。

特別豪雪地帯指定の札幌都市圏豪雪地帯指定の新潟都市圏では、除雪した雪が置ける様、一般道の高規格化や、旧日本道路公団による高速道路(第1種1級・2級規格道路=路側帯250cm~125cm、中央分離帯側75cm~25cm)によって都市高速の代わりにしている。

豪雪地帯指定を受けていない仙台の場合は、積雪よりも夜間や早朝の凍結の方が問題であるため、除雪した雪を置く分を考えた広い路側帯はあまり必要ではない。しかし、凍結時のスリップに対する遊びのため、ある程度路側帯の広い第1種3級規格(路側帯175cm~100cm、中央分離帯側50cm~25cm)が宮城県道路公社の建設した高速道路で用いられている。その他、旧日本道路公団が建設したものは全国標準規格の第1種1級・2級規格で造られているが、いずれにせよ、都市高速規格である第2種は採用していない。

空港

港湾

学都仙台単位互換ネットワーク

詳細は「学都仙台」参照

東北地方の高等教育機関は、「双子都市」として相補関係にある仙台都市圏及び山形県村山地方に集中して存立している。この「双子都市」(仙台・山形圏)にある国公私立大学短期大学並びに高等専門学校に於いて単位互換を制度化し、学生の交流を促進するシステムが存在する。それが学都仙台単位互換ネットワークである。

マスメディア

仙台にあるマスメディアは、ほとんどが東京キー局の番組を放送したり、通信社などから情報を得ている。特に、テレビは東京の番組にほぼ占有されているため、仙台都市圏の情報は紙メディアとラジオが主力になっている。但し、テレビとラジオについては東北の地方キー局としても機能しており、東北6県(+新潟県)向けの番組を制作・送出している。以下、地元制作番組や、紙面が多いメディアを列挙する。

新聞

仙台都市圏の情報を最も多く発信しているメディアは河北新報である。朝刊・夕刊・ウィークリーなどを発刊し、それぞれ紙面割りを工夫して多様な読者層を持つ。また、東北地方全県を販路とするブロック紙であるため、仙台都市圏の情報を東北地方全体に発信する役割も持つ(全国紙中日新聞西日本新聞北海道新聞に次ぐ広域販路を持っている。)。

雑誌

次に重要なメディアは、プレスアートが発行している数々の雑誌である。

  1. 情報誌):月8万部を発行する「S-Style」(せんだいタウン情報)は、タウン情報系の雑誌としては、札幌広島を抜き、福岡に次ぐ発行部数を誇る。最もこの点については、競合する情報誌がない(Walker系の雑誌は札幌や福岡では発行されているが、仙台では発行されていない。)点も理由として挙げられよう。発行日には、大半のコンビニや本屋で平積みされ、若者層の中には定期購読する者も多い。また、仙台都市圏の外にも購読者を持ち、宮城県に隣接する岩手県山形県福島県でも入手可能な本屋がある。毎回色々な特集が組まれ、仙台都市圏での生活を楽しむためには欠かせない情報源となっている。
  2. ファッション誌):仙台都市圏のファッション誌「COLOR」も若者層に支持されている。この雑誌は、仙台の若者のファッション音楽などのコアな文化を扱っている。当然の事だが、仙台は東京より寒いので、東京のファッションでは冬を越せない。そのため、特に冬物のファッションに於いて東京と仙台で差が出る。そこを埋める意味でも存在意義はあるが、仙台には服飾関連の専門学校が多いために、仙台に本拠を置くファッションのブランドもあって、独自の展開をしている。また、音楽に於いてインディーズ系バンドは活動範囲が狭いため、東京と仙台では人気バンドに違いが出る。この様な東京と仙台の若者文化の違いに目を付け、この雑誌は仙台都市圏から情報発信をしている(宮城県全域及び隣接する岩手県・山形県・福島県のコンビニや書店のファッション雑誌書棚で販売)。
  3. 高級誌):仙台都市圏でちょっとリッチな生活を楽しむ20代後半~40代くらいの読者層を狙った高級雑誌として「Kappo」(仙台闊歩) がある。ところで、仙台は青森市東京のちょうど中間に位置しているが、1泊2日のリッチな旅をするとなると仙台を中心とした200km圏内となる。この範囲内に入るのは、北は岩手県盛岡市近辺、西は山形県の庄内地方、南は栃木県那須温泉郷塩原温泉郷辺りまでとなる。この雑誌は、この圏内に存在する高級温泉宿の他、仙台市内の料亭や高級レストランの特集を得意としている。その他、50代以上の富裕層向けの高級誌「仙台Travis」も発行している。

テレビ

ラジオ

  • AMラジオ):東北放送JRNNRN系列)は、AMラジオだけに地元色が強い。ナイター中継に限れば、2004年までは巨人戦の中継が中心だったが、2005年からは楽天イーグルスの中継がメインとなり、地方開催を含むホームゲーム全試合を中継している。なお、楽天の試合が雨天中止になった時の代替番組として巨人の試合を流している。
  • 県域放送FMラジオ):エフエム仙台(Date fm)(77.1MHz JFN系列)は多くの自社製作番組を作っている。また、仙台に縁のあるDJやタレントが出演したり、番組を持っていたりしているため、仙台の情報を多く発信している。東北6県ネットや東北+新潟県の7県ネットの番組も制作している。仙台のプロスポーツの試合中継はしていないが、ベガルタ仙台仙台89ers関連の番組がそれぞれある。可聴域は宮城県全域が基本だが、電波の出力の関係で、隣県にまで可聴域が広がっており、500万人の可聴人口がいると豪語している。
  • コミュニティFMラジオ):仙台都市圏にある局は以下の5局。自社製作番組も多く、ラジオ3は県域放送FM局の様な番組構成であり、FMじょんぱは楽天イーグルス情報、FMいずみはベガルタ情報に特色があり、その他の局もそれぞれ地域に根ざした情報を発信している。J-WAVE系列3局がある程度離れて存在するため、ほぼ仙台都市圏全域でJ-WAVEの放送が聴ける。また、ベガルタ仙台の試合中継を、以下の仙台都市圏5局と石巻市ラジオ石巻の計6局ネットで放送したり、定禅寺ストリートJAZZフェスティバルなどの音楽祭の中継もしている。宮城野区にあるFMじょんぱは楽天の試合の中継をしており、東北放送と対抗している。

土地政策とインフラ整備

可住地に対する人口密度

都市圏 都市圏人口(1995) 可住地面積(1996) 可住地人口密度
札幌都市圏 2,162,000 人 1175.25 ㎢ 1,839.6 人/㎢
仙台都市圏 1,492,610 人 1029.94 ㎢ 1,449.2 人/㎢
広島都市圏 1,562,695 人 691.89 ㎢ 2,258.6 人/㎢
※都市圏人口:1995年の大都市雇用圏人口[3]
※可住地面積:1996年の大都市雇用圏内の可住地面積[4]
※可住地人口密度:可住地面積に対する人口密度

仙台都市圏の可住地に対する人口密度は低い。これは、国の農政の方針による土地利用の結果である。札幌と仙台は河岸中流域にその中心部を持つため、下流域の平野を農地や工業地とするか、それとも都市化するかの選択を迫られる。札幌の場合は下流域が泥炭地だったために都市化されず、仙台の場合は国の農政によって都市化されなかった。そのため、可住地面積の多くを農地が占める結果となり、可住地の人口密度が低い。他の大都市圏では、その中心部が下流域や沿岸平野に存在するため、平地のほとんどが都市化されており、札幌や仙台よりも可住地の人口密度が極端に高い。

国の農政 と「杜の都」と宅地開発

仙台の土地政策については、仙台市の「第一次産業」及び「住宅地」の項を参照

仙台都市圏の都心部以外の平野や河川沿いの平地では、米増産時代に国の農政に従って土地改良事業が行われ、長方形型の大きな圃場が整備されており、大型農機による大規模稲作が行われている。これらの大規模圃場は、一部税金を用いて整備されているため、農業目的以外の商業地や住宅地への転用が条例によって規制されている。そのため、仙台都市圏では、本来住宅地に適している平地を宅地化する事ができず、都心部の北西から西部にかけて存在する丘陵地の宅地造成によって需要を賄って来た。しかし、「杜の都」の異名を持つ仙台は、条例によって丘陵地の森林の宅地開発の規制も同時に行っており、開発できる丘陵地は都心から遠い所になっていった。また、丘陵地毎に宅地造成をしたため、谷間を挟んで住宅地が島状に分布する事になり、マイカーでの移動が前提となって、結果、仙台都市圏は動線が長く、DIDが狭い非効率的な都市圏を形成した。他方、広島都市圏が平地・谷あい・海岸線沿いの狭い土地に集中して人が住み、そこに電車や高速道路などを通して高度に効率的な都市圏を形成しているのとは対照的である。仙台では、非効率的都市圏の解消を目的に、地下鉄南北線を開通させ、北部の丘陵地上の住宅地に於いてはその動線を高速化する事ができたが、今でも都市圏内のほとんどの住宅地ではマイカーに頼らざるを得ず、政令市の中で交通渋滞が最も酷い状態が続いている。

地下鉄・鉄道の開発

仙台の教育と都市インフラとの関係については仙台市の「教育」の項を参照
仙台都市圏の形成過程については「戦後の仙台の都市軸の変化」の項を参照

現在、仙台市は地下鉄東西線の建設を計画している。これは、仙台の東西軸の動線の高速化を目的にしていて、多数の大学や高校をつなぐ形で経路が計画されている。しかし、同線のもう1つの重要な面は、仙台都市圏の非効率性の象徴であった、市東部の広大な農地の都市化・宅地化のインフラとしての面である。前述の様に、市東部の農地は一部税金を用いて整備されているため、市街化地域や住宅地に土地用途を変更する事が容易ではなかったが、東西線が通る事で用途変更が格段に容易になる。これによって効率的な都市圏の構築が期待される。市東部の農地の用途変更については、1970年代初頭に松島町から岩沼市にかけて仙台市を中心に合併して政令市になる事を目指した時にも計画され、仙台湾沿岸平野に広がる効率的都市圏形成が夢見られたが、結局、合併・政令市化できなかった事で、結果的に現在の様な西部丘陵地寄りの非効率都市圏になった。

また、東西線の例の他にも、仙台都市圏では開発規制されていた農地の都市化・宅地化が進んで来ている。JR仙石線の沿線の仙台都心部と多賀城市との間に存在している広大な開発規制された農地(都市化空白地)についても、小鶴新田駅を新設して都市化・宅地化の最中である。また、仙台市の南に隣接する名取市の開発規制された農地についても、JR東北本線から分岐する仙台空港線(2007年3月18日開業予定)が新設されるのに伴い、沿線の土地用途変更をして都市化・宅地化を進めている。沿岸平野の広大な農地が、都心部のヒートアイランド現象の緩和にも役立っている面もあるため、仙台都市圏の悲願であった農地の都市化は、バランスを取りながら進んでいくと考えられる。

市東部の農地以外でも、都心部に接する他用途の土地の市街地・宅地への用途変更も計画されている。JR東北本線長町駅の東側に存在する貨物ヤード跡地の再開発や、JR仙石線の地下化に伴う仙台駅東口の再開発によってこの先10年以内に都心に近い平地の土地が大量供給される事になっている。また、都心部の東側を南北に貫く東北本線宮城野貨物支線の宮城野駅(宮城野貨物駅)を郊外へ移転させ、当該地を再開発する構想がある(→宮城野ボールパーク構想)。また、貨物線の東側に隣接する広大な卸商団地(卸売り企業や流通企業の集積地。卸町・扇町・六丁の目)が、昨今の卸しを通さない簡略流通の隆盛によって空き地が目立って来ているため、一部の土地用途を市街地・宅地に変更する予定になっている(地下鉄東西線の卸町駅六丁の目駅が設置される予定)。最近まで、仙台駅西口と広瀬川によって限られていた仙台の都心部が、集客マグネットとしての楽天イーグルスの存在も手伝って、大量供給による地価下落の可能性との間でせめぎあいながらも、仙台駅を越えて東方面に拡大をしていく兆しが見えている。

仙台都市圏に於ける大量の土地供給は、仙台経済圏に組み込まれている他の都市圏に脅威を与えている。中でも、仙台市に対して一方的な出超状態になっている福島市を始めとする中通り北部や浜通り北部の住民が安価になった仙台の土地に移住する事を危惧する福島市役所や福島商工会議所、その他の市民グループなどの間で、福島市が仙台市に飲み込まれず都市として存立するための方策が話し合われている。

公営競技アレルギー

仙台市には公営競技場がない。1960年まで、現在の太白区東郡山に地方競馬としての仙台競馬場(長町競馬場とも言った)が存在したが、廃止されている。宮城野原総合運動場にある自転車競技場も競輪場になる様な立派なバンクがあるが、開催権を得られなかった。そのため、競馬ファンなどは県外の競馬場などにわざわざ出向いており、福島競馬場で競馬が開催される時は直通の高速バスも運行されている。また、場外馬券売場などを設置しようとする業者が現れると、市民団体を中心に反対運動が起き、過去何度も話が立ち消えになっている。この様な仙台市民の「公営競技アレルギー」の如き反応のため、仙台市内には場外売場はない。但し、あくまで「公営競技」に対してのアレルギーであり、パチンコ店は他都市に比較的して多い。モータリゼーションの発達に合わせて、仙台市以外の仙台都市圏内に場外売場が設置される様になり、仙台市中心部などから無料送迎バスも運行されている。現在は、インターネットでも馬券などが買える様になったので、仙台市内に場外売場を設置する動きはない。

以下に場外売場を列挙する。ボートピア川崎以外のすべての場外売場が仙台北部中核工業団地の周辺に集積している。仙台北部中核工業団地は東北道大和ICを中心としてその周囲に広がる工業団地であり、仙台市の北に隣接し(仙台宮城IC~大和IC:24.7km、19分)、宮城県内最大の観光地松島の西隣(10km~25km)にある。

観光・レジャー

仙台都市圏内には、温泉地を2つ有し、プロスポーツチームも3つ擁し、年中街を舞台とした屋外イベントが開かれるアミューズメント型都市化した仙台市があるが、何といっても、全国的に知られた観光地は日本三景松島である。同様に日本三景・安芸の宮島を有する広島都市圏と非常に似た都市圏構造となっている。しかし、仙台都市圏の観光は広島都市圏と比べると観光客入り込み数で足元にも及ばす、外国人観光客も少ない。

北東北3県合同の積極的な観光政策により、北東北で韓国人観光客などが急激に増えたのに刺激を受けた事、仙台空港台北便が就航して利用者の7割が台湾人旅行客で埋まり、外国人にもアピールできる観光資源がこの都市圏にある事、台北乗り継ぎなどで東南アジアからの観光客も増えて来た事などにより、最近になって積極的に外国人観光客誘致をする様になって来たが、まだまだ他人任せな状況に留まっている。

仙台都市圏が属する南東北の観光・レジャーについては、「南東北#気候とレジャー」を参照。

外国人避暑地

仙台市に隣接する七ヶ浜町の太平洋と松島が一望できる高山地区には「外国人避暑地」がある。明治時代につくられたこの避暑地は、「山の軽井沢、湖の野尻湖、海の高山」として「日本三大外国人避暑地」と称されている。

仙台の夏は日本人にとってはそれほど暑くはないが、明治時代に欧米から招かれた外国人教師たちにはこたえる暑さだったらしく、明治22年(1889年)に高山地区を東北学院大学のシュネッダー博士らに別荘用地として貸し付け、外国人専用避暑地の歴史が始まった。明治40年(1907年)には、4人の外国人に対し、この高山地区の地上権を999年間に渡って与える約束を交わした(計算上2906年まで)。以来、43棟の別荘に毎年十数ヶ国の外国人がバカンスに訪れており、本居として長年住んでいる者も居る。

「日本三大外国人避暑地」と称される高山であるが、他の2つの避暑地は、日本人も利用する様になって現在非常に有名となっている一方、高山は面積が狭い上、戦後の昭和23年(1948年)に仙台に進駐した米軍によって接収されたりしたため、他の2つの避暑地とは違う歴史を歩んでいる。また、日本人にとっては海は避暑をする所ではなく、暑い中海水浴を楽しむものとなっていったので、全国的に有名にならなかった。しかし、高山地区から徒歩で10分程度の浜辺は、夏でも波が静かであるため、海水浴場として日本人も利用する様になり、宮城県内では最も利用客の多い海水浴場となっている。

関連項目

外部リンク