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第三十二号哨戒特務艇

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
第三十二号哨戒特務艇
第三十二号哨戒特務艇[注釈 1] (1947年2月-6月、大湊)
第三十二号哨戒特務艇[注釈 1]
(1947年2月-6月、大湊
基本情報
建造所 船矢造船鉄工所[注釈 2]
運用者  大日本帝国海軍
復員庁
艦種 特務艇(1944年11月)
特別輸送艦(1947年2月)
漁船(1947年11月)
級名 第一号型哨戒特務艇
建造費 1,307,000円(予算成立時の価格)
艦歴
計画 マル戦計画
進水 1945年6月5日
最期 1945年8月17日船体工程95%で工事中止[注釈 3]
除籍 1947年4月15日(復員庁)
その後 1947年11月22日漁船改造許可
改名 第三十二号哨戒特務艇(1944年11月)
哨特第三十二号(1947年2月)
要目(計画時)
基準排水量 238トン
水線長 28.50m
水線幅 6.14m
吃水 2.35m
機関 400型中速ディーゼル1基、1軸
出力 400bhp
速力 9.0ノット
燃料 重油26トン
航続距離 8ノットで4,000カイリ
乗員 34名
兵装 25mm機銃 連装1基、単装2基
爆雷12個
搭載艇 短艇1隻
レーダー 13号電探1基
ソナー 三式水中探信儀1基
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第三十二号哨戒特務艇[注釈 4](だいさんじゅうにごうしょうかいとくむてい)は、日本海軍の未成特務艇(哨戒特務艇)。第一号型哨戒特務艇の14番艇[注釈 5]

艇歴

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マル戦計画の特務艇、第2121号艦型の32番艇、仮称艦名第2152号艦として計画。1944年11月5日、第三十二号哨戒特務艇と命名されて第一号型哨戒特務艇の13番艇に定められ、本籍を横須賀鎮守府と仮定。1945年6月5日、株式会社船矢造船鉄工所[注釈 2]で進水。

終戦時未成。8月17日、工事中止が発令され船体工程95%で工事中止[注釈 3]

1947年2月1日、行動不能艦艇(特)に定められる。2月1日現在、船体は函館市の船矢造船鉄工所にあり、大湊地方復員局の依頼により同社が船体を管理中。2月8日、横須賀地方復員局所管の特別輸送艦に定められ、艦名を哨特第三十二号に改称し、特別保管艦(特)に指定される。2月28日現在、船体は旧大湊掃海部突堤に繋留中。

4月15日、特別輸送艦の定めを解かれる。4月16日、船体は一時使用許可が出され青森県に引き渡された。6月20日、船体は青森県から北海道岩内漁業会の岩城某[注釈 6]に引き渡され、6月22日に大湊から船矢造船鉄工所へ曳航された。11月22日、在東京アメリカ極東海軍司令部から、本船の漁船への改造許可が出された。12月1日現在、船体は船矢造船鉄工所に放置され改造未着手。その後の消息は詳らかではない。

脚注

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注釈
  1. ^ 撮影年月日不明のため、艦名が哨特第三十二号の可能性もある。なお本艇が大湊に繋留されていたのは1947年2月から6月22日までの間だけで、哨特第三十二号の艦名だったのは同年2月8日から4月15日の間である。
  2. ^ a b 建造所名は1944年11月5日付 達第363号の表記に従う。株式会社船矢造船所は、1942年に社号を株式会社船矢造船鉄工所に改称しており、1944年11月5日時点で船矢造船所の社号は存在しない。
  3. ^ a b 進捗率は福井静夫『昭和軍艦概史III』 p. 66によるが、同ページには「ごく大体のもの」と注意書きが添えられている。
  4. ^ 本来の艇名表記は第三十二號哨戒特務艇。
  5. ^ 本艇が特務艇類別等級別表に登載された1944年11月5日時点で、第27号哨戒特務艇が同表未登載のため、1944年11月5日時点で法令上は13番艇、第27号哨戒特務艇を含めると通算で14番艇となる。
  6. ^ 個人名のため姓のみ記す。
脚注

参考文献

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  • 海軍省復員庁
    • 昭和19年11月5日付 達第363号、内令第1234号、内令第1236号。
    • 昭和22年2月1日付 復員庁第二復員局総務部 二復総第49号。
    • 昭和22年2月8日付 復員庁第二復員局 復二第108号。
    • 昭和22年3月1日付 大湊地方復員局 大復局第186号。
    • 昭和22年4月15日付 復員庁第二復員局 復二第284号。
    • 昭和22年7月1日付 横須賀地方復員局大湊管船部 大湊管第81号。
    • 昭和22年8月1日付 横須賀地方復員局大湊管船部 大湊管113号。
    • 昭和22年9月1日付 横須賀地方復員局大湊管船部 大湊管136号。
    • 昭和22年10月1日付 横須賀地方復員局大湊管船部 大湊管161号。
    • 昭和22年11月1日付 横須賀地方復員局大湊管船部 大湊管189号。
    • 昭和22年12月1日付 横須賀地方復員局大湊管船部 大湊管208号。
  • 在東京アメリカ極東海軍司令部
    • 1947年11月22日付 残存舊日本海軍行動不能艦艇(第二復員局保管)ニ關スル件。
      • (a) 解撤スベキ艦船ノリスト。
      • (b) 民需用トシテ内務省ヘ引渡スベキ艦艇ノリスト。
  • 世界の艦船 No. 507 増刊第45集 『日本海軍護衛艦艇史』、海人社、1996年。
  • 『函館市史 通説編第3巻』、函館市、1997年。
  • 福井静夫 『昭和軍艦概史III 終戦と帝国艦艇 -わが海軍の終焉と艦艇の帰趨-』、出版共同社、1961年。
  • 防衛研修所戦史室 戦史叢書 第88巻 『海軍軍戦備(2) -開戦以後-』、朝雲新聞社、1975年。
  • 丸スペシャル No. 49 日本海軍艦艇シリーズ 『駆潜艇・哨戒艇』、潮書房、1981年。