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葉菜類

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
葉物から転送)
さまざまな葉菜

葉菜類(ようさいるい、: leaf vegetables, leafy vegetables[1])とは、主にを食用部とする野菜のことであり、キャベツホウレンソウセロリレタスネギなどがある。葉物(はもの)、葉物野菜(はものやさい)、葉野菜(はやさい)、菜葉(なっぱ)、菜(な)などとよばれることもある。

ウドアスパラガスタケノコなど地上部のを食用とする野菜は、茎菜類(けいさいるい、stem vegetables[2])とよばれる。葉と茎は分けずに利用されることも多く、葉菜類と茎菜類は合わせて葉茎菜類(ようけいさいるい)とよばれることもある。また、ブロッコリーカリフラワー食用菊ミョウガなど花芽を食用とする野菜は、花菜類(かさいるい、flower vegetables[3])とよばれる。ただし、葉菜類、茎菜類、花菜類をまとめて葉菜類または葉茎菜類とすることも多い。以下では、この広義の葉菜類について解説する。

定義

[編集]

野菜は、しばしば食用部に応じて分類されるが、果実以外の地上部を食用部とする野菜は、以下のように分けられることがある。

葉菜類(葉物[4]、葉物野菜[5]、葉物野菜、葉野菜[6]、菜葉[7]、菜[8]
食用部がである野菜[9][10]。葉全体や葉身を食用部としていることが多いが、サトイモズイキルバーブフキセロリコブタカナなどは葉柄を食用部とする[11]
茎菜類
食用部が地上部の(地上茎)である野菜[10][12]アスパラガスタケノコウドなどが含まれる。コールラビは地上茎の基部が肥大したもの、マコモダケはマコモの花茎に黒穂病菌が感染して肥大したものをそれぞれ食用とする[11]。また、ザーサイは茎用カラシナの茎が肥大したものを漬物にしたものである[11]。茎菜類としてサトイモズイキフキワラビゼンマイが挙げられることもあるが[13]、植物形態学的にはこれらの食用部は茎ではなく葉柄である。
花菜類
食用部が花芽花序(花の集まり)である野菜[10][14]。多くは未熟な花芽(花蕾、花らい)を含む部分を食用とし、ブロッコリーカリフラワーは花茎部の先に多数の花芽が密集したもの、アーティチョークは未熟な頭状花序の花床が肥厚したもの、ミョウガ’(花ミョウガ)は開花前の花序を食用とする[15][11]。開花状態の花を食用とする野菜は食用菊など限られているが[11]、近年では観賞用のものを食用に栽培して使用される例があり(トレニアパンジーバラなど)、エディブルフラワー (edible flower) とよばれる[16]

上記の野菜の中では、葉と茎、花芽を分けずに利用されることも多く、狭義の葉菜類と茎菜類、花菜類を合わせて広義の葉菜類または葉茎菜類とすることも多い[10][17][18][19]。下表では、この広い意味での葉菜類(茎菜類、花菜類を含む)を示している。

野菜の定義は明瞭ではなく、日本では一般的に、主食とはされない草本性の栽培植物を野菜としているが[10][20]サンショウウドなど木本に由来するものであっても副食に利用されるものは野菜(葉菜)として扱われることが多い[21]

広義の葉菜類は、以下のように分けられることがある[10][21][22]

結球性のキャベツ

キャベツハクサイレタスのように葉が密に重なって球状になるものは結球性葉菜類とよばれる[10][23]。葉が重なる様式には、キャベツやレタスのように互いに包み被さる(包被)ものと、ハクサイのように葉が互いに抱き合う(抱合)ものがある[10]。結球性葉菜は葉が重なり合うことで軟白効果(光を遮断することによって茎葉の緑色化を防ぎ白色になる[24])が生じ、柔軟で青臭さがなく、また結球しないものに比べて輸送・貯蔵性が高い[10]。一方、ホウレンソウコマツナのように葉が密に重なり合っていないものは非結球性葉菜類とよばれる[10][23]

葉菜類の中には、発芽直後の幼植物体を食用とするものがあり、一般的にスプラウト(sprout、スプラウト野菜)とよばれ、また新芽野菜、発芽野菜ともよばれる[25][26]。スプラウトは、モヤシ型(暗所で発芽・成長; 緑豆ニンニクなど)、カイワレ型(暗所で発芽させ茎が伸びた後に光を当てて緑化; ダイコンソバなど)、中間型(発芽後に光を当てて緑化; ブロッコリーなど)、発芽したて(種皮ごと出荷; 玄米コムギオオムギキヌアアマランサスダイズなど)に分けられる[27][28]

葉菜類の中には、香りや辛味が強く、少量を料理に添えたり調味に使われるもの(香辛野菜)も多くある。日本料理ではサンショウシソボウフウミツバセリフキタデショウガミョウガワサビニラネギワケギアサツキなどが用いられ、薬味ともよばれる[29]。西洋料理ではバジルタイムラベンダーミントローズマリーオレガノセイボリーパセリチャービルフェンネルキャラウェイタラゴンクレソンケイパーレモングラスなどが用いられ、薬用、香料、美容などに用いられるものもまとめてハーブとも総称される[30]

栽培品である野菜に対して、野生品である食用植物は山菜とよばれ、フキウドアシタバワラビなど茎葉を利用するものが多い[10][31][32]。山菜は一般的に栽培効率が悪いため栽培されてこなかったが、近年では地域産品の需要や販路が拡大しており、これに伴って栽培されるようになったものも多く(ワラビ、ゼンマイギョウジャニンニクタラノキなど)、市販されている"山菜"の多くは栽培品であり、これらを野菜に含めることもある[10][32][15][33][31]

主な葉菜類

[編集]

広義の葉菜(茎菜や花菜を含む)に分類されることがある野菜には、下表のようなものがある[34][21][18][15][19][17]。分類学的にはさまざまなのものがあるが、特にアブラナ科ヒユ科セリ科キク科ヒガンバナ科ネギ属)のものが多い[10]。***は日本における指定野菜(消費量が多く、収穫量と出荷量が毎年調査される)、**は特定野菜(指定野菜に準ずる野菜; 特定地域に限るものもある)、*は地域特産野菜生産状況調査(調査は隔年)の対象種である(2024年現在)[35][36]

画像 名称[英名] 分類群[34][21][37][38] 利用部位 用途[食用以外の利用]

キャベツ[21]***[cabbage
メキャベツ[21]*[Brussels sprout
ケール[21]kale
カイラン[21]gai lan
ブロッコリー[21]**[broccoli
カリフラワー[21]**[cauliflower
コールラビ[21]kohlrabi
アブラナ科アブラナ属
Brassica oleracea
花芽スプラウト[21] 生食炒め物煮物漬物など[21]

ハクサイ[21]***[napa cabbage
ツケナ類*(狭義)コマツナ**、ノザワナミズナ(キョウナ)**、ミブナヒロシマナオオサカシロナサイシンタアサイ*、タイサイコウサイタイチンゲンサイ**、パクチョイサントウサイナバナ*[注 1]など)[21][39]
アブラナカブと同種
アブラナ科アブラナ属
Brassica rapa
葉、花芽、種子胚軸[21] 煮物、炒め物、漬物など
[21]
セイヨウアブラナ[21](洋種ナタネ、西洋ナタネ)
カブレナミヤウチナカワナガレナノラボウナナバナ[注 1]*、ハクランセンポウサイなど)[21][40]
アブラナ科アブラナ属
Brassica napus
葉、茎、花芽、種子[21] 漬物、煮物、炒め物など
[油][21]
カラシナ類[21]leaf mustardカラシナタカナカツオナアザミナネカラシナキガラシセリホン(セリフォン)、ザーサイなど)[21][41][19] アブラナ科アブラナ属
Brassica juncea
葉、茎、、種子[21][41] 漬物、煮物、香辛料和がらし)など
[薬用][41]
ダイコン[42][注 2]daikon
カイワレダイコン[注 3]*など)
アブラナ科ダイコン属
Raphanus sativus
根、葉、スプラウト[42] 生食、おひたし汁物、漬物など[42]
クレソン[15][注 3]*(オランダガラシ)
watercress
アブラナ科オランダガラシ属
Nasturtium officinale
茎葉 生食、おひたし、汁物、蒸し物など[43]
コショウソウ[44](ガーデンクレス)
garden cress
アブラナ科マメグンバイナズナ属
Lepidium sativum
スプラウト、種子[44] サラダなど
薬用[44]
ルッコラ[21]*(キバナスジシロ、ロケット、ロケットサラダ)
rocket, arugula
アブラナ科キバナスズシロ属
Eruca vesicaria
葉、スプラウト、種子[45] 生食、和え物、炒め物など
[油][45][46]
ナズナ[47][48]
shepherd's-purse
アブラナ科ナズナ属
Capsella bursa-pastoris
[47] 、炒め物、スープなど
[薬用][47][48]
ハマナ[49](シーケール)
sea kale
アブラナ科ハマナ属
Crambe maritima
葉柄[49] 煮食、サラダなど[49]
ケッパー[50](ケーパー、セイヨウフウチョウボク)
caper
フウチョウボク科フウチョウボク属
Capparis spinosa[注 4]
花芽、葉、果実、根[50] ピクルスなど
[薬用][50]
ノウゼンハレン[51](キンレンカ)
nasturtium
ノウゼンハレン科ノウゼンハレン属
Tropaeolum majus
葉、花、果実[51] 生食、煮食、ピクルスなど
[観賞用][51]
モロヘイヤ[21]*(シマツナソ)
Jew's mallow
アオイ科ツナソ属
Corchorus olitorius
[21] サラダ、和え物、炒め物、天ぷら、汁物、つなぎなど[21][52]
オカノリ[21](フユアオイ、ハタケナ、ノリナ)
curled mallow[53]
アオイ科ゼニアオイ属
Malva verticillata[注 5]
[21] おひたし、天ぷら、塩漬けなど[21]
[薬用][53]
ローゼル[54]
roselle
アオイ科フヨウ属
Hibiscus sabdariffa
、茎葉、種子[54] 生食、カレー調味料飲料など
[薬用、染料繊維[54]
チャンチン[55]
Chinese mahogany
センダン科チャンチン属
Toona sinensis
茎葉、芽[55] 炒め物、和え物、揚げ物、漬物など
[薬用][55]
サンショウ[21][注 3]
Japanese pepper
ミカン科サンショウ属
Zanthoxylum piperitum
芽、果実樹皮[21][56] 木の芽味噌、花ザンショウ、実ザンショウ、粉ザンショウなど
[薬用、すりこぎ[56]
ナンヨウザンショウ[57](オオバゲッキツ)
curry tree
ミカン科ゲッキツ属
Bergera koenigii
[57] ハーブなど
[薬用][57]
ヘンルーダ[58]
rue
ミカン科ヘンルーダ属
Ruta graveolens
[58] ハーブなど
[薬用][58][59]
ゼラニウム[60]
geranium
フウロソウ科テンジクアオイ属
Pelargonium spp.
葉、花[60] ハーブなど
[観賞用][60]
アマメシバ[61]
katuk
コミカンソウ科フヨウオオシマコバンノキ属
Breynia androgyna
葉、果実[61] 煮食、ジャムなど
[薬用][61]
シロゴチョウ[62]
vegetable hummingbird
マメ科ツノクサネム属
Sesbania grandiflora[注 6]
枝葉、花、果実[62] カレーなど
[薬用、飼料[62]
コロハ[63][64](フェヌグリーク)
fenugreek
マメ科コロハ属
Trigonella foenum-graecum[注 7]
茎葉、種子 カレー、炒め物など
[飼料、薬用][63][64][65]
ホソミエビスグサ[66](ロッカクソウ、エビスグサモドキ、コエビスグサ) マメ科センナ属
Senna tora
葉、花、果実[66] 煮食など
[薬用][66]
ナンテンハギ[15][33][67][68](アズキハギ、アズキナ、フタバハギ、タニワタシ) マメ科ソラマメ属
Vicia unijuga
茎葉[67] おひたしなど[69]
ウマゴヤシ[70]
California burclover
マメ科ウマゴヤシ属
Medicago polymorpha
幼茎葉[70] 炒め物、塩漬けなど
[飼料][70][71]
アルファルファ[72][73](ムラサキウマゴヤシ)
alfalfa
マメ科ウマゴヤシ属
Medicago sativa
スプラウト、茎葉[72][73] サラダなど
[飼料][72][73]
豆もやし[19][74]
bean sprout
マメ科の数種[注 8] スプラウト[74] 炒め物、和え物、鍋物、汁物など[74]
ウワバミソウ[15][75](ミズ、ミズナ) イラクサ科ウワバミソウ属
Elatostema involucratum
茎、若葉、根、むかご[75][76] 浅漬け、炒め物、汁物、おひたし、煮付け、炒め物、天ぷら、佃煮など[75][76]
ミヤマイラクサ[15] イラクサ科ムカゴイラクサ属
Laportea cuspidata
茎葉[77][78](アイコ) おひたし、和え物、汁物、あんかけ、炒め物、漬物、天ぷらなど[77][78]
ヤナギタデ[21][79][注 3](タデ*、ホンタデ、マタデ、ベニタデ)
water pepper
タデ科イヌタデ属
Persicaria hydropiper
茎葉、スプラウト[21] つま、タデ酢など[21]
ソレル[21]スイバ
sorrel[80]
タデ科スイバ属
Rumex acetosa
[80] サラダ、ソース、スープなど
[薬用、染色][21][80]
ルバーブ[21](ショクヨウダイオウ)
rhubarb
タデ科ダイオウ属
Rheum × hybridum [81]
葉柄[21] 生食、煮物、ジャム、ソース、ゼリーなど[21][82]
ダッタンソバ[83]
Tartary buckwheat
タデ科ソバ属
Fagopyrum tataricum
葉、果実[83] 煮食、粉食など
[薬用][83]
ヒユ[21][84](ヒユナ、ヤサイビユ、モミジガサ、シドケ、シドキ)
edible amaranth
ヒユ科ヒユ属
Amaranthus tricolor[注 9]
[21] 煮物、カレー、炒め物、汁物など[21][84]
ノゲイトウ[85]
feather cockscomb
ヒユ科ケイトウ属
Celosia argentea
茎葉、種子[85] 煮食など
[薬用][85]
ツルノゲイトウ[86]
sessile joyweed[87]
ヒユ科ツルノゲイトウ属
Alternanthera sessilis
茎葉[86] 煮食など
[薬用、飼料][86]
ホウキギ[15][88] ヒユ科ムヒョウソウ属
Bassia scoparia
葉、種子(とんぶり)[88] おひたし、和え物、三杯酢など[88]
ホウレンソウ[21]***
spinach
ヒユ科ホウレンソウ属
Spinacia oleracea
[21] おひたし、和え物、サラダ、汁の実など[21]
ヤマホウレンソウ[89]
garden orache
ヒユ科ハマアカザ属
Atriplex hortensis
茎葉[89] 煮物など
[薬用][89]
アカザ[要曖昧さ回避][90]
tree spinach
ヒユ科アカザ属
Chenopodium giganteum
葉、種子[90] 煮食など
[薬用、染料][90]
フダンソウ[21][91](アマナ、ウマイナ、トウチシャ、スイスチャード)
leaf-beet
テンサイテーブルビートなどと同種
ヒユ科フダンソウ属
Beta vulgaris
[21] おひたし、煮物、炒め物など[21]
オカヒジキ[15][92](オカミル、ミルナ) ヒユ科オカヒジキ属
Salsola komarovii
茎葉[92] 和え物など[92]
マツナ[15][93] ヒユ科マツナ属
Suaeda glauca
茎葉、種子[93] つま、汁物など
[油][21][93][94]
ツルナ[21](ハマヂシャ)
New Zealand spinach
ハマミズナ科ツルナ属
Tetragonia tetragonoides
[21] おひたし、和え物、汁物など[21]
アイスプラント[95][96]
iceplant
ハマミズナ科メセンブリアンテマ属
Mesembryanthemum crystallinum
[96] 生食、天ぷらなど[96]
ツルムラサキ[21][97]*
Ceylon spinach
ツルムラサキ科ツルムラサキ属
Basella alba
茎葉[21] おひたし、炒め物、天ぷらなど
[薬用、染料、観賞用][21][97]
アカザカズラ[98]
Madeira vine
ツルムラサキ科アカザカズラ属
Anredera cordifolia
葉、塊茎[98] 煮食など[98]
スベリヒユ[99]
purslane
スベリヒユ科スベリヒユ属
Portulaca oleracea
茎葉、種子[99] 生食、煮食など
[薬用、飼料][99]
食用ウチワサボテン[100]
nopal
サボテン科ウチワサボテン属
Opuntia ficus-indica など
茎、果実[100] 生食、炒め物、煮物など
[飼料、化粧品、染料][100]
ボリジ[15][101](ルリジサ、ルリジシャ)
borage
ムラサキ科ルリジシャ属
Borago officinalis
茎葉、花[101] ハーブなど
[薬用][101]
クコ[102]
Chinese matrimony-vine
ナス科クコ属
Lycium chinense
茎葉、果実[102] 炒め物など
[薬用][102]
ヨウサイ[21](クウシンサイ、エンサイ)
water spinach
ヒルガオ科サツマイモ属
Ipomoea aquatica
茎葉[103] 煮物、和え物、汁物、炒め物など
[薬用、飼料][21][104][103]
ヨルガオ[105]
moonflower
ヒルガオ科サツマイモ属
Ipomoea alba
葉、萼[105] 煮食、スープ、カレーなど
[薬用][105]
シソ[21][注 3]*[shiso
エゴマ[106]deulkkae
シソ科シソ属
Perilla frutescens
葉、芽、花穂、果実[21][106] つま、天ぷら、漬物、ふりかけなど
[油][21][106]
ローズマリー[21](マンネンロウ、マンルソウ)
rosemary
シソ科アキギリ属
Salvia rosmarinus
茎葉 ハーブなど
[香料、薬用][21][107]
セージ[21](セイジ、ヤクヨウサルビア)
common sage
シソ科アキギリ属
Salvia officinalis[注 10]
茎葉[21] ハーブなど
[薬用][21][109][110]
タイム[21]
thyme
シソ科イブキジャコウソウ属
Thymus vulgaris[注 11]
茎葉 ハーブなど
[薬用][21][112]
ミント[21]
mint
シソ科ハッカ属
Mentha spp.[注 12]
茎葉 ハーブなど
[薬用][21][113]
バジル[21][114](メボウキ)
basil
シソ科メボウキ属
Ocimum basilicum[注 13]
茎葉 ハーブなど
[香料、薬用、観賞用][21][114][115]
オレガノ[116][117]
oregano
シソ科ハナハッカ属
Origanum vulgare[注 14]
茎葉、花[116] ハーブなど
[薬用、観賞用][116]
セイボリー[118][119](キダチハッカ)
savory
シソ科キダチハッカ属
Satureja hortensis[注 15]
茎葉[116] ハーブなど
[薬用][118]
ヒソップ[120][121](ヤナギハッカ)
hyssop
シソ科ヤナギハッカ属
Hyssopus officinalis
茎葉、花[120] ハーブなど
[薬用][120]
レモンバーム[122](コウスイハッカ)
lemon balm
シソ科コウスイハッカ属
Melissa officinalis
茎葉[122] ハーブなど
[薬用][122]
セリ[21]*
Java waterdropwort
セリ科セリ属
Oenanthe javanica
茎葉、根[123] おひたし、和え物、吸い物、鍋物、キムチなど[21][123]
ミツバ[21]**
Japanese honewort
セリ科ミツバ属
Cryptotaenia canadensis
茎葉、根[124] 汁の実、酢の物、おひたし、天ぷら[21][124]
アシタバ[19][125] セリ科シシウド属
Angelica keiskei
[125] 天ぷら、おひたし、和え物、炒め物など[21][125]
ロベージ[21](ラベージ)
lovage
セリ科ロベージ属
Levisticum officinale
[21] スープなど[21]
セロリ[21]**[celery
スープセロリ[126](キンサイ)
セリ科セロリ属
Apium graveolens
茎葉、根[注 16]、種子[21][128] 生食、シチュー、スープ、天ぷら、漬物など[128]
パセリ[21][注 3]*
parsley
セリ科オランダミツバ属
Petroselinum crispum
[21] つま、香味料など[21][129]
ハマボウフウ[21][注 3]
hamabofu
セリ科ハマボウフウ属
Glehnia littoralis
芽、根[130] つま、おひたし、和え物、漬物、汁物、茶碗蒸しなど
[薬用][21][130]
パクチー[21]*(コリアンダー、コエンドロ、コウサイ、シャンツァイ)
coriander
セリ科コエンドロ属
Coriandrum sativum
茎葉、果実[21] 生食、スープ、和え物、油炒めなど
[薬用][21][131]
フェンネル[21]ウイキョウ
fennel
セリ科ウイキョウ属
Foeniculum vulgare[注 17]
葉、果実[133] ハーブなど
[薬用][21][133]
チャービル[21](セルフィーユ)
chervil
セリ科シャク属
Anthriscus cerefolium
[134] ハーブなど[134]
アニス[21]
anise
セリ科ミツバグサ属
Pimpinella anisum
葉、果実[21] ハーブ、香辛料など
[薬用][21][135]
キャラウェイ[21](ヒメウイキョウ)
caraway
セリ科ヒメウイキョウ属
Carum carvi[注 18]
茎葉、果実[21] 香辛料など[21][137]
イノンド[138](ディル、ジラ、ニオイウイキョウ)
dill
セリ科イノンド属
Anethum graveolens
茎葉、果実[138] 香辛料など[138][139]
ウド[21]*
udo
ウコギ科タラノキ属
Aralia cordata
芽、茎[21] 酢の物、つま、煮物、漬物、汁物、天ぷらなど[21][140]
タラノキ[21]
Japanese angelica tree
ウコギ科タラノキ属
Aralia elata
[21] 天ぷら、和え物、煮物、漬物など[21][141]
コシアブラ[15][142][143](ゴンゼツノキ、ウサギカジリ) ウコギ科コシアブラ属
Chengiopanax sciadophylloides
芽、[樹皮、材][142] 天ぷら、おひたし、和え物など
[塗料、器具材][142][143]

レタス[21][144]***(チシャ)lettuce
 結球性レタス(タマヂシャ、ヘッドレタス、キャベツレタス)
 リーフレタス[145](サニーレタス[145]、サンチュ[146]など)
 カッティングレタス(掻きチシャ)
 コスレタス(立ちヂシャ、立レタス、ロメインレタス)[147]
 ステムレタス(茎レタス)[148]
キク科アキノノゲシ属
Lactuca sativa
葉、茎 生食、煮食など[21][144]
エンダイブ[21][149](キクヂシャ、ニガチシャ、メリケンサラダ)
endive
キク科キクニガナ属
Cichorium endivia
生食、煮物など[149]
チコリー[21][150](キクニガナ)chicory
トレビス[151](ラディッキオ、キオッジャ)[radicchio
キク科キクニガナ属
Cichorium intybus
葉、根 生食など[21][150]
タンポポ[15][21][152]
dandelion
キク科タンポポ属
Taraxacum spp.
葉、根[21] おひたし、和え物、サラダ、炒め物など
[薬用][21]
ホソバワダン[153](ンジャナ、ニガナ[注 19] キク科アゼトウナ属
Crepidiastrum lanceolatum
和え物、炒め物など
[薬用]
アーティチョーク[21](チョウセンアザミ)
artichoke
キク科チョウセンアザミ属
Cynara scolymus
花芽[21] 生食、煮食、スープ、グラタンフライなど[21][154]
カルドン[21]
cardoon
キク科チョウセンアザミ属
Cynara cardunculus
花芽、葉柄[21] 煮食など[21]
フキ[21]**
Japanese butterbur
キク科フキ属
Petasites japonicus
葉柄、花茎[21][155] 生食、煮物、和え物、天ぷらなど
[薬用][21][155]
ツワブキ[15][156] キク科ツワブキ属
Farfugium japonicum
葉柄、花茎[156][157] 煮物、和え物、揚げ物、佃煮など
[薬用、観賞用][21][156][157][157]
モミジガサ[33][158](シドケ、シドキ) キク科モミジガサ属
Japonicalia delphiniifolia
茎葉[158] おひたし、天ぷら、汁物、煮付け、ごま和えなど[21][159]
スイゼンジナ[21] キク科サンシチソウ属
Gynura bicolor[注 20]
若葉[21] 酢の物など
[観賞用][21][161]
シュンギク[21]**
garland chrysanthemum
キク科シュンギク属
Glebionis coronaria
茎葉[21] 鍋物、おひたしなど[21]
ショクヨウギク[21][注 3]*(リョウリギク)
※観賞用のキクと同種[162]
キク科キク属
Chrysanthemum × morifolium
花弁、葉[163] 酢の物、天ぷら、菊のりなど[21][163][162]
キンセンカ[164][165](カレンデュラ)
pot marigold
キク科キンセンカ属
Calendula officinalis
花、葉[164][165] ハーブなど
[薬用][164][165]
タラゴン[166][167]
tarragon
キク科ヨモギ属
Artemisia dracunculus
[166] ハーブなど
[薬用][166][167]
ヨモギ[168][169][170](フーチバー) キク科ヨモギ属
Artemisia indica
葉、芽 おひたし、汁物、 炊き込みご飯、草餅など
[もぐさ、薬用][168][169][170]
ノヂシャ[171][172][173](コーンサラダ、マーシュ、ラプンツェル)
cornsalad
スイカズラ科ノヂシャ属
Valerianella locusta
[171] 生食、スープなど[171]
ホンカンゾウ[174]
orange day-lily
ワスレグサ科ワスレグサ属
Hemerocallis fulva[注 21]
花、葉[174] 生食、煮食、和え物、汁物など
[薬用][21][174]
ギボウシ[15][175](ウルイ、ウリッパ、アマナ)
plantain lily
キジカクシ科ギボウシ属
Hosta spp.
若葉 天ぷら、和え物、汁物など[21][175]
アスパラガス[21]**(マツバウド)
asparagus
キジカクシ科キジカクシ属
Asparagus officinalis
サラダ、天ぷら、炒め物など[21]
ネギ[21]***
bunching onion
ヒガンバナ科ネギ属
Allium fistulosum
薬味、煮物、焼き物、炒め物など
[薬用][21][176]
リーキ[177]
leek
ヒガンバナ科ネギ属
Allium ampeloprasum
生食、煮物、スープなど[177]
ワケギ[21]**
tree onion
ヒガンバナ科ネギ属
Allium × proliferum
薬味ぬた、汁物など[21]
ニラ[21]**
garlic chives
ヒガンバナ科ネギ属
Allium tuberosum
葉、種子 炒め物、おひたし、汁物、餃子など
[薬用][21][178]
アサツキ[21][179](エゾネギ、チャイブ)
chives
ヒガンバナ科ネギ属
Allium schoenoprasum
葉、鱗茎[21] 薬味、酢味噌和え三杯酢など
[観賞用][21][179]
タマネギ[10][注 22]***[onion
エシャロット[注 23]*[shallot
ヒガンバナ科ネギ属
Allium cepa
鱗茎[21] 生食、煮物、炒め物、揚げ物、漬物など[181]
ニンニク[10][注 22]**
garlic
ヒガンバナ科ネギ属
Allium sativum
茎葉、鱗茎[21][182] 薬味、生食など
[薬用][21][182][183]
ラッキョウ[17][注 22]**
Chinese onion
ヒガンバナ科ネギ属
Allium chinense
鱗茎[21] 漬物、煮物など
[薬用][184][185]
ギョウジャニンニク[15][186] ヒガンバナ科ネギ属
Allium victorialis subsp. platyphyllum
若葉、つぼみ、鱗茎[21] おひたし、和え物、汁物、炒め物、天ぷらなど[21]
ショウガ[21][注 3]
(葉しょうが*)[注 24]
ginger
ショウガ科ショウガ属
Zingiber officinale
葉、根茎[187] 薬味、香辛料、漬物など
[薬用][187]
ミョウガ[21][注 3]**
mioga
ショウガ科ショウガ属
Zingiber mioga
花芽、茎[21] 吸物、漬物、おひたしなど[21]
ガマ[188]
common cattail
ガマ科ガマ属
Typha latifolia
葉 (仮茎)[188] 煮物、炒め物など[188]
タケノコ[10][注 25]
bamboo shoot
イネ科
マダケ属など[注 26]
地下茎からの若茎[192] 生食、煮物、天ぷら、メンマなど[192][193]
マコモ[21][194]
Manchurian wildrice
イネ科マコモ属
Zizania latifolia
黒穂菌に寄生された茎(マコモダケ)、葉、根、果実[21][194] 炒め物、ラーメン酢豚など
[薬用、繊維、染色][21]
レモングラス[195](レモンソウ)
lemon grass
イネ科オガルカヤ属
Cymbopogon citratus[注 27]
[195] ハーブなど[195]
ドクダミ[196]
fish mint
ドクダミ科ドクダミ属
Houttynia cordata
葉、地下茎 生食、炒め物、揚げ物など
[薬用][196]
ジュンサイ[21]
watershield
ハゴロモモ科ジュンサイ属
Brasenia schreberi
芽、若葉 酢の物、酢味噌和え、汁の実、など[21]
ゼンマイ[33]
Asian royal fern
ゼンマイ科ゼンマイ属
Osmunda japonica
幼葉[197] 和え物、おひたし、煮物、炒め物など[21][197]
ワラビ[33][15][198]
bracken
コバノイシカグマ科ワラビ属
Pteridium aquilinum
幼葉、根茎[198] 和え物、おひたし、煮物、汁物、わらび餅など[21][198]
クサソテツ[15][199](コゴミ)
ostrich fern
コウヤワラビ科クサソテツ属
Matteuccia struthiopteris
幼葉[199] おひたし、天ぷら、漬物など[21][199]
スギナ[33][200](ツクシ)
horse tail
トクサ科トクサ属
Equisetum arvense
幼茎[200] 和え物、煮物、おひたしなど[21][200]

ギャラリー

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脚注

[編集]

注釈

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  1. ^ a b 食用とされる菜花には、アブラナBrassica rapa)に由来するものと、セイヨウアブラナ(Brassica napus)に由来するものがある[21]
  2. ^ 根菜としては指定野菜に指定されている。
  3. ^ a b c d e f g h i j 日本標準商品分類では「香辛野菜およびつまもの」に分類される[19]
  4. ^ このほかに同属別種の Capparis aphyllaCapparis moonieCapparis sepiariaCapparis zeylanicaCapparis horrida なども利用されている[50]
  5. ^ このほかに同属別種のウスベニアオイ (Malva sylvestris)、Malva pusilla も栽培されて利用される。
  6. ^ このほかに同属別種の Sesbania bispinosa も栽培されて利用される。
  7. ^ このほかに同属別種の Trigonella balansae も利用される。
  8. ^ ダイズリョクトウケツルアズキ(ブラックマッペ)などが用いられる[74]
  9. ^ このほかに同属別種の Amaranthus blitumAmaranthus caudatusAmaranthus dubiusAmaranthus gangeticusAmaranthus lividusAmaranthus mangostanusAmaranthus polystachyusAmaranthus spinosusAmaranthus viridis も利用される[84]
  10. ^ このほかに同属別種の Salvia hispanicaSalvia austriacaSalvia viridisSalvia tomentosaSalvia pratensis も同様に利用される[108]
  11. ^ このほかに同属別種の Thymus serpyllumThymus quinquecostatusThymus capitatusThymus mastichina なども同様に利用される[111]
  12. ^ ハッカ[要曖昧さ回避] (Mentha canadensis)、ペパーミントMentha × piperita)、スペアミントMentha spicata)などがある。
  13. ^ このほかに同属別種の Ocimum americanumOcimum gratissimumOcimum tenuiflorumOcimum gratissimum なども同様に利用される[114]
  14. ^ このほかに同属別種のマヨラナ(マジョラムOriganum majorana)、Origanum onites なども同様に利用される[116][117][117]
  15. ^ このほかに類似種の Satureja montanaSatureja thymbraClinopodium nepeta なども同様に利用される[118]
  16. ^ 根用の品種はセルリアックとよばれる[127]
  17. ^ このほかに同属別種の Foeniculum vulgareFoeniculum piperitum も同様に利用される[132]
  18. ^ このほかに類似種の Trachyspermum ammiBunium bulbocastanumPsammogeton involucratus も同様に利用される[136]
  19. ^ 標準的な和名でニガナとよばれる植物は別種である。
  20. ^ このほかに同属別種の Gynura procumbens も利用される[160]
  21. ^ このほかにヤブカンゾウ (Hemerocallis fulva var. kwanso)、ノカンゾウ (Hemerocallis fulva var. disticha)、マンシュウキスゲ(Hemerocallis lilioasphodelus)、ホソバカンゾウ (Hemerocallis lilioasphodelus var. minor) なども利用される[21][174]
  22. ^ a b c 根菜として扱われることもあるが、可食部である鱗茎の主体は特殊化した葉(鱗茎葉)であり、葉菜類(葉茎菜類)として扱われることも多く[19][18]、またネギやニラなど他のネギ属野菜と合わせてネギ類[21]や鱗茎菜類[15]として他と分けられることもある。
  23. ^ エシャロット(エシャレット[19]、シャレット[15]、シャロット[37])は、本来はタマネギの1変種(Allium cepa var. aggregatum)であるが[37]、日本ではラッキョウを軟白栽培したものがエシャロットとよばれている[180]
  24. ^ 根菜として(根ショウガ)は特定野菜に指定されている。
  25. ^ 葉茎菜に分類されることが多いが[15][19]、根菜に分類している例もある[10]
  26. ^ 日本では主にモウソウチク (Phyllostachys edulis)、他にマダケ (Phyllostachys reticulata)、ハチク (Phyllostachys nigra) が栽培されているが、チシマザサ (Sasa kurilensis) なども食用とされる[189]。中国ではマダケ属 (Phyllostachys)、トウチク属 (Sinobambusa) などが[190]、東南アジアではホウライチク属 (Bambusa)、マチク属 (Dendrocalamus)、ダイマチク属 (Gigantochloa)、Lelebaヒイランチク属 (Schizostachyum) など[191]が利用される。
  27. ^ このほかに同属別種の Cymbopogon martiniCymbopogon nardus なども利用されている[195]

出典

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  • 森下昌三、王化 監修『中国の野菜: 上海編』国際農林水産業研究センター〈国際農業研究叢書 ; 1〉、1995年3月。 NCID BN13076951 
  • 青葉高『日本の野菜』八坂書房〈青葉高著作選 ; 2〉、2000年7月。ISBN 978-4-89694-457-0 
  • 山崎耕宇、久保祐雄、西尾敏彦、石原邦 監修『新編 農学大事典』養賢堂、2004年3月。ISBN 978-4-8425-0354-7 
  • 園芸学会 編『園芸学用語集・作物名編』養賢堂、2005年9月。ISBN 978-4-8425-0376-9 

関連項目

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外部リンク

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