コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

バイエル (企業)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Bayerから転送)
バイエル
Bayer AG
レーヴァークーゼンの本社
種類 株式会社
市場情報
本社所在地 ドイツの旗 ドイツ レーヴァークーゼン
設立 1951年12月19日 (72年前) (1951-12-19)
(創業1863年
業種 化学
事業内容 医療用医薬品およびその他のヘルスケア製品、農業関連製品ならびに高分子材料を含む広範な製品の提供
代表者 ヴェルナー・バウマン (CEO)
ヴェルナー・ヴェニング監査役会長
資本金 192億1200万ユーロ(2011年)[1]
売上高 増加 350億1500万ユーロ(2017年)[2]
営業利益 増加 59億300万ユーロ(2017年)[2]
純利益 増加 73億3600万ユーロ(2017年)[2]
純資産 増加 368億6100万ユーロ(2017年)[3]
総資産 減少 750億8700万ユーロ(2017年)[3]
従業員数 99,820人(2017年)[2]
決算期 12月末日
主要子会社 アメリカ合衆国の旗 モンサント
ドイツの旗 Currenta
ドイツの旗 Jenapharm
日本の旗 日本メドラッド
日本の旗 バイエル ホールディング
関係する人物 フリードリヒ・バイエル創業者
外部リンク 公式ウェブサイト
テンプレートを表示
バイエル ホールディング株式会社
Bayer Holding, Ltd.
種類 完全子会社株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
100-0005
東京都千代田区丸の内1-6-5
設立 1911年 (113年前) (1911)
フリードリヒ・バイエル合名会社として
法人番号 4010001116708
代表者 トーマスペーター・ハウスナー(代表取締役社長)[4]
資本金 1000万円[4][5]
売上高 284億8500万円(2017年12月31日時点)[5]
営業利益 221億0600万円(2017年12月31日時点)[5]
経常利益 215億1500万円(2017年12月31日時点)[5]
純利益 216億5500万円(2017年12月31日時点)[5]
純資産 1140億7500万円(2017年12月31日時点)[5]
総資産 1990億4700万円(2017年12月31日時点)[5]
従業員数 153人(2020年)[4]
所有者 ドイツの旗 バイエル (100%)
主要子会社 日本の旗 バイエル薬品
日本の旗 バイエル クロップサイエンス
外部リンク 日本のバイエルウェブサイト
テンプレートを表示

バイエル (Bayer AG) は、ドイツノルトライン=ヴェストファーレン州レーヴァークーゼンに本部を置く化学工業及び製薬会社多国籍企業)。アスピリンヘロインなどを送り出した世界的な医薬品メーカーである。

沿革

[編集]

フリードリヒ・バイエルおよび共同経営者ヨハン・フリードリヒ・ヴェスコットが、1863年にドイツで創業[6]。最初の主要な製品はアスピリンであった[注釈 1]。これは民間療法で解熱鎮痛薬として用いられていたヤナギ樹皮から抽出した有効成分サリチル酸を副作用の少ない形にしたものである。1899年に、バイエルの商標アスピリンはバイエルのブランドとして世界的に登録されたが、混合物のすべてのブランドを記述するために至る所で広く使われ、バイエルの商標保護が失敗して、「アスピリン」という言葉はアメリカ合衆国内の商標身分を失うこととなった。これは現在薬のすべてのブランドとして幅広く使用されている。しかしカナダなどいくつかの他の国では今までどおり商標として登録されている。

1942年に、「Y」を両方で共有する言葉とし、横文字「BAYER」が縦文字「BAYER」と交差する言葉から成る、自社の会社ロゴをバイエル・クロス (Bayer cross) として導入。バイエルはBASFヘキストなどの化学企業と共に第一次世界大戦後、フランクフルト・アム・マインを本拠地として1925年に出現したドイツの化学産業の複合企業IG・ファルベンの一員となった。第二次世界大戦後、連合国ナチス・ドイツによるいくつかの戦争犯罪に関係したIG・ファルベンを解体したが、バイエルは単体でビジネスを再開した。

2015年、高機能ポリマー材料を製造するマテリアルサイエンス部門を分離し、COllaboration、inVEST、STROngの3語を合わせた新しいブランド「コベストロ」として独立させた[7]

2016年9月、遺伝子組み換え種子の世界最大手モンサントを買収する計画で、モンサントの合意を得て[8][9]、2018年6月に買収が完了した。買収に当たり、グルホシネートとその耐性種子がBASFに譲渡された[10]

サッカー・ブンデスリーガバイエル・レバークーゼンは、もともとバイエルの従業員が設立したチームであり、スポーツクラブを経て分離独立したチームになった現在でも当社がメインスポンサーを務めている。

日本における事業

[編集]
  • バイエル ホールディング株式会社[11] - バイエルが100%出資する。日本における以下のバイエルグループ各社の持株会社であり、東京・丸の内オアゾに本社が置かれている。[12]
    • バイエル薬品株式会社
    • バイエル クロップサイエンス株式会社[13]

バイエル薬品

[編集]

バイエル薬品は大阪市北区ブリーゼタワーに本社がある[14]滋賀県甲賀市に工場がある。もともと同社が吉富製薬と長く関係を持っていたこともあり[注釈 2]、また他には同社と同じくドイツの製薬企業であるシェーリング(Schering AG, 2006年にバイエルと経営統合し、バイエル・シェーリング・ファーマ (Bayer Schering Pharma) となる)も関西に日本オフィスとして日本シエーリング2007年7月1日に旧バイエル薬品と経営統合し、バイエル薬品となる)を置いていた。

京都府相楽郡木津町(現木津川市)の関西文化学術研究都市に研究所を置いていたが、2005年平成17年)にロート製薬に売却した。

バイエルをめぐる裁判

[編集]

ラウンドアップをめぐる訴訟

[編集]

2018年にモンサントを買収したバイエルは、モンサントが製造してきたラウンドアップ除草剤)の発がん性をめぐる、アメリカ国内の訴訟を引き継ぐこととなった。バイエルは、2020年6月までに最大109億ドルを支払うことで、責任も不正行為も認めずにラウンドアップがらみの大半の案件との間で和解を成立させた[15]

2024年8月、米フィラデルフィアの裁判で、バイエル側が勝訴した[16]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ バイエルアスピリンの製造は当社が行っていてかつての本品の販売元は明治製菓だったが、2008年9月に佐藤製薬に変わった
  2. ^ 1960年代には、日本でもアスピリンのテレビCMが放映されているが、その当時は吉富製薬が製造し、親会社武田薬品工業が販売していた

出典

[編集]
  1. ^ Bayer>Investor Relations>Publications>Annual Report>154Page>Bayer Group Consolidated Statements of Financial Position>Equity attributable to Bayer AG stockholders
  2. ^ a b c d Five Year Summary | Bayer Annual Report 2017
  3. ^ a b Bayer Group Consoli­dated State­ments of Financial Position
  4. ^ a b c 日本のバイエル 会社概要
  5. ^ a b c d e f g バイエルホールディング株式会社 第12期決算公告
  6. ^ Bayer AG(ドイツ語)
  7. ^ http://www.covestro.jp/ja-JP/Media/NewsOverview/2015/New-name-of-Bayer-MaterialScience
  8. ^ 独バイエル、6.8兆円買収 米モンサントを 日本経済新聞電子版、2016年9月15日。
  9. ^ バイエルがモンサント買収で合意、660億ドルに引き上げ ロイター、2016年9月15日。
  10. ^ “バイエル、モンサントの買収ようやく完了”. 日本経済新聞. (2018年6月8日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31527450Y8A600C1EAF000/ 2019年1月18日閲覧。 
  11. ^ バイエル ホールディング株式会社
  12. ^ インテンディス株式会社(日本語)
  13. ^ 会社概要 バイエル クロップサイエンス株式会社
  14. ^ 会社概要 バイエル薬品株式会社
  15. ^ “独バイエルが109億ドルで和解 除草剤発がん性の米訴訟”. ロイター. (2020年6月25日). https://jp.reuters.com/article/bayer-litigation-settlement-idJPKBN23W087 2020年6月21日閲覧。 
  16. ^ “独バイエル、除草剤での発がん巡る訴訟で勝訴 株価急伸”. ロイター. https://jp.reuters.com/markets/japan/funds/EZDOU3L4DFMELDIRRJ623TACOU-2024-08-16/ 2024年8月17日閲覧。 

外部リンク

[編集]