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ヴェルトライゼンデ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヴェルトライゼンデ
2023年日経新春杯
欧字表記 Weltreisende[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 黒鹿毛[1]
生誕 2017年2月8日(7歳)[1]
ドリームジャーニー[1]
マンデラ[1]
母の父 Acatenango[1]
生国 日本の旗 日本北海道安平町[1]
生産者 ノーザンファーム[1]
馬主 (有)サンデーレーシング[1]
調教師 池江泰寿栗東[1]
競走成績
生涯成績 15戦4勝[1]
獲得賞金 3億7804万7000円[1]
(2024年6月9日現在)
WBRR L120 / 2022年[2]
L117 / 2023年[3]
勝ち鞍
GII 日経新春杯 2023年
GIII 鳴尾記念 2022年
Listed 萩S 2019年
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ヴェルトライゼンデ(欧字名:Weltreisende2017年2月8日 - )は、日本競走馬[1]。主な勝ち鞍は2022年鳴尾記念2023年日経新春杯

名前の意味は、ドイツ語で「世界旅行者」[4]。半兄にワールドエース(父・ディープインパクト、2014年マイラーズカップ勝ち)、ワールドプレミア(父・ディープインパクト、2019年菊花賞、2021年天皇賞(春)勝ち)がいる。

戦績

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デビュー前

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2017年2月8日、北海道安平町ノーザンファームで誕生。一口馬主法人サンデーレーシングより総額3,600万円(一口90万円×40口)で募集され、ノーザンファーム早来で育成の後、栗東池江泰寿厩舎に入厩した。

2歳(2019年)

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9月1日、小倉競馬場での新馬戦(芝1800m)にて川田将雅を背にデビューし、人気に応えて新馬勝ちを果たした。10月26日に京都競馬場にて行われたリステッド競走萩ステークスクリストフ・スミヨン鞍上で3番手から抜け出して、最後は他馬との追い比べを制し、コンマ1秒差をつけて連勝を飾った[5]

続くホープフルステークス(12月28日中山芝2000m、鞍上オイシン・マーフィー)で重賞初挑戦。東スポ杯2歳S(東京芝1800m)を1分44秒5のレコード勝ちしたコントレイル、関東馬で新馬・リステッドを連勝して臨んだワーケアに次ぐ3番人気に支持され、コントレイルの横綱競馬に屈したものの2着に入った[6]。(競走に関する詳細は、第36回ホープフルステークスを参照。)

3歳(2020年)

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初戦はスプリングステークス(3月22日中山・芝1800m)から始動。このレースからCOVID-19 (新型コロナウイルス感染症)の影響で無観客競馬となった。鞍上に父ドリームジャーニーやその弟オルフェーヴルで主戦を務めた池添謙一を迎え、単勝1.7倍の1番人気に支持されたが、レースでは6番人気の伏兵ガロアクリークに及ばず2着に終わった[7]

続く皐月賞(4月19日中山・芝2000m)は先述のコントレイル、弥生賞ディープインパクト記念勝ち馬サトノフラッグ、昨年の朝日杯フューチュリティステークスを無傷の3連勝で制し、休み明け距離延長でこの舞台に臨むサリオスに次ぐ4番人気で出走、しかしレースではコントレイルの8着に終わった[8]。(競走に関する詳細は、第80回皐月賞を参照。)

5月31日にCOVID-19の影響で76年ぶりの無観客競馬として行われた東京優駿日本ダービー、東京芝2400m)。皐月賞で3着以下を突き放したコントレイルおよびサリオスの2頭に圧倒的支持が集まり、本馬は単勝オッズ66.4倍の10番人気に甘んじた。しかしレースではコントレイルを前に見る形で競馬を進め、前述の2強に及ばなかったものの、3着に入った。しかしレース後に骨折が発覚し、そのまま休養に入る。(競走に関する詳細は、第87回東京優駿を参照。)

秋は熱発でセントライト記念を回避し、コントレイルが出走する神戸新聞杯で始動。大外枠から直線を向くと前を猛追し、メンバー中最速の上がり3F35.4秒の末脚で1勝馬ロバートソンキーを捕らえ2着に入った[9]

10月25日に行われた菊花賞はコントレイルの7着に敗退した。

4歳(2021年)

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3か月後、4歳初戦となったアメリカジョッキークラブカップは中団から直線でしぶとく脚を伸ばしたがアリストテレスに半馬身及ばず2着に敗れた[10]。その後日経賞に向けて調整を進めていたが、3月に右前脚屈腱炎を発症していることが判明、長期休養となることがわかった[11][12]

5歳(2022年)

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1年4ヶ月に及ぶ休養・リハビリを経て、6月4日中京競馬場にて行われた鳴尾記念で復帰初戦を迎えた。新たな鞍上にダミアン・レーンを迎え、これまでの戦績内容から長期休養明けにもかかわらず10頭中2番人気に支持され2番枠からスタートを切った。スタート直後は素早く最内を取り、道中は1番人気で川田将雅騎手騎乗のカイザーバローズを外に見ながら中団の位置で体力を温存した。最後の直線コースに入ると進路を確保して上がり3F33.7秒の末脚で抜け出して先頭に立ち、大外からジェラルディーナサンレイポケットの追撃を退け、待望の重賞初勝利を飾った[13]

前走から中495日での重賞勝利は、JRAがグレード制を導入した1984年以降では2007年京都ハイジャンプテイエムドラゴン(中573日)に次ぐ長期間隔のJRA重賞V記録となった。平地重賞では中461日で88年オールカマー(当時G3)を制したスズパレードを上回る新記録となった。

6歳(2023年)

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1月15日に中京競馬場で行われた日経新春杯より始動。トップハンデである59キロを背負いながら、道中は中団の前方からロスなく運び、直線で脚を伸ばしてゴール手前でキングオブドラゴンを差し切り、重賞2勝目を飾った[14][15][16][17]。この59キロのハンデを背負っての芝の重賞制覇は、2011年に行われた京都大賞典で勝利をおさめたローズキングダム以来11年3カ月ぶりとなった[17]

続いて大阪杯に出走したが9着に敗れ、その後、エコー検査で両前脚の浅屈腱炎が判明し、9か月間の長期休養を余儀なくされた[18][19]

競走成績

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以下の内容は、JBISサーチ[20]netkeiba.com[21]の情報に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上がり3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
2019.09.01 小倉 2歳新馬 芝1800m(重) 12 5 6 002.20(1人) 01着 R1:51.6(36.8) -0.5 0川田将雅 54 (ダンシングリッチー) 490
0000.10.26 京都 萩S L 芝1800m(稍) 7 4 4 002.20(1人) 01着 R1:50.8(34.5) -0.1 0C.スミヨン 55 (シリアスフール) 490
0000.12.28 中山 ホープフルS GI 芝2000m(良) 13 4 5 006.90(3人) 02着 R2:01.6(35.8) -0.2 0O.マーフィー 55 コントレイル 492
2020.03.22 中山 スプリングS GII 芝1800m(良) 10 3 3 001.70(1人) 02着 R1:50.0(34.2) -0.2 0池添謙一 56 ガロアクリーク 490
0000.04.19 中山 皐月賞 GI 芝2000m(稍) 18 8 17 013.00(4人) 08着 R2:01.9(36.3) -1.2 0池添謙一 57 コントレイル 486
0000.05.31 東京 東京優駿 GI 芝2400m(良) 18 3 6 066.4(10人) 03着 R2:24.9(34.7) -0.8 0池添謙一 57 コントレイル 486
0000.09.27 中京 神戸新聞杯 GII 芝2200m(良) 18 8 18 020.30(3人) 02着 R2:12.8(35.4) -0.3 0池添謙一 56 コントレイル 488
0000.10.25 京都 菊花賞 GI 芝3000m(良) 18 3 6 010.30(2人) 07着 R3:06.9(36.3) -1.4 0池添謙一 57 コントレイル 488
2021.01.24 中山 AJCC GII 芝2200m(不) 17 2 4 006.80(3人) 02着 R2:18.0(37.3) -0.1 0池添謙一 55 アリストテレス 494
2022.06.04 中京 鳴尾記念 GIII 芝2000m(良) 10 2 2 004.90(2人) 01着 R1:57.7(33.7) -0.1 0D.レーン 56 ジェラルディーナ 496
0000.09.25 中山 オールカマー GII 芝2200m(良) 13 4 5 005.40(3人) 07着 R2:13.7(35.9) -1.0 0戸崎圭太 56 ジェラルディーナ 494
0000.11.27 東京 ジャパンC GI 芝2400m(良) 18 2 3 009.50(4人) 03着 R2:23.8(34.0) -0.1 0D.レーン 57 ヴェラアズール 494
2023.01.15 中京 日経新春杯 GII 芝2200m(稍) 14 2 2 003.80(1人) 01着 R2:14.2(35.0) -0.1 0D.イーガン 59 (キングオブドラゴン) 500
0000.04.02 阪神 大阪杯 GI 芝2000m(良) 16 3 6 006.60(3人) 09着 R1:58.1(35.3) -0.7 0川田将雅 58 ジャックドール 498
2024.06.09 東京 エプソムC GIII 芝1800m(良) 18 2 4 007.20(3人) 09着 R1:45.4(34.4) -0.7 0戸崎圭太 58 レーベンスティール 492
  • 競走成績は2024年6月9日現在

血統表

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ヴェルトライゼンデ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サンデーサイレンス系ヘイロー系
[§ 2]

ドリームジャーニー
2004 鹿毛
父の父
ステイゴールド
1994 黒鹿毛
*サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
ゴールデンサッシュ *ディクタス
ダイナサッシュ
父の母
オリエンタルアート
1997 栗毛
メジロマックイーン メジロティターン
メジロオーロラ
エレクトロアート *ノーザンテースト
*グランマスティーヴンス

*マンデラ
Mandela
2000 栗毛
Acatenango
1982
Surumu Literat
Surama
Aggravate Aggressor
Raven Locks
母の母
Mandellicht
1994
Be My Guest Northern Dancer
What a Treat
Mandelauge Elektrant
Mandriale
母系(F-No.) 3号族(FN:F3-d)
5代内の近親交配 Northern Dancer 5×4、ノーザンテースト 5×4
出典
  1. ^ [22]
  2. ^ [23]

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o ヴェルトライゼンデ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年4月2日閲覧。
  2. ^ The LONGINES World's Best Racehorse Rankings For 3yos and upwards which raced in 2022”. IFHA. 2023年1月18日閲覧。
  3. ^ The LONGINES World's Best Racehorse Rankings For 3yos and upwards which raced in 2023”. 国際競馬統括機関連盟. 2024年1月25日閲覧。
  4. ^ “【東西現場記者走る】ヴェルトライゼンデ成長一途” (日本語). サンスポZBAT!競馬. https://race.sanspo.com/keiba/news/20191225/pog19122505040005-n1.html 2021年1月29日閲覧。 
  5. ^ 【萩S】ヴェルトライゼンデが追い比べを制しデビュー2連勝/JRAレース結果 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2020年9月17日閲覧。
  6. ^ 【ホープフルS】コントレイルここも完勝! 無傷3連勝でGI制覇!/JRAレース結果 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2020年9月17日閲覧。
  7. ^ 【スプリングS】ヴェルトライゼンデ猛追届かず2着 池添、皐月賞で「巻き返したい」 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2020年9月17日閲覧。
  8. ^ 【皐月賞】1番人気コントレイルが無敗でクラシック制覇 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2020年9月17日閲覧。
  9. ^ 2着ヴェルトライゼンデ上がり3F35秒4 メンバー最速に池添「いい伸び、次が楽しみ」 中日スポーツ、2020年9月27日、2020年9月28日閲覧
  10. ^ 【AJCC】ヴェルトライゼンデがしぶとく脚を伸ばし2着 池添謙「改めて底力を感じました」”. サンスポZBAT!競馬 (2021年1月24日). 2021年11月28日閲覧。
  11. ^ 日本ダービー3着のヴェルトライゼンデが屈腱炎で長期休養に | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2021年11月28日閲覧。
  12. ^ ヴェルトライゼンデが右前屈腱炎発症で長期離脱 | 競馬ニュース” (2021年3月4日). 2022年6月9日閲覧。
  13. ^ 【鳴尾記念結果】ヴェルトライゼンデが1年4か月ぶりの休養明けを重賞初Vで飾る”. netkeiba (2022年6月4日). 2022年6月9日閲覧。
  14. ^ “【日経新春杯結果】ヴェルトライゼンデが接戦を制す トップハンデをこなして重賞2勝目”. netkeiba.com. (2023年1月15日). https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=219697 2023年1月15日閲覧。 
  15. ^ “【日経新春杯】ヴェルトライゼンデがV トップハンデ59キロ関係なし、ジャパンC3着馬が意地見せた”. スポーツニッポン. (2023年1月15日). https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2023/01/15/kiji/20230115s00004048330000c.html 2023年1月15日閲覧。 
  16. ^ “【日経新春杯】ヴェルトライゼンデが59キロを克服して2度目の重賞V!”. サンケイスポーツ. (2023年1月15日). https://www.sanspo.com/race/article/general/20230115-POJ2S3N6TFINLN4A64CPBEWT7I/ 2023年1月16日閲覧。 
  17. ^ a b “ヴェルトライゼンデ11年ぶり59キロ平地芝重賞V JC3着の貫禄見せた/日経新春杯”. 日刊スポーツ. (2022年1月16日). https://p.nikkansports.com/goku-uma/news/article.zpl?topic_id=1&id=202301150000997&year=2023&month=1&day=16 2023年1月16日閲覧。 
  18. ^ “ヴェルトライゼンデ 両前脚屈腱炎…長期休養の見込み”. スポーツニッポン. (2023年4月7日). https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2023/04/07/kiji/20230406s00004000813000c.html 2023年4月8日閲覧。 
  19. ^ “ヴェルトライゼンデ全治9カ月以上 両前脚の浅屈腱炎”. サンケイスポーツ. (2023年4月8日). https://www.sanspo.com/race/article/general/20230408-V4XWRJLBSJOU7KFULTEAEFEARM/ 2023年4月8日閲覧。 
  20. ^ ヴェルトライゼンデ 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年4月2日閲覧。
  21. ^ ヴェルトライゼンデの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2023年4月2日閲覧。
  22. ^ 血統情報:5代血統表|ヴェルトライゼンデ|JBISサーチ(JBIS-Search)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月2日閲覧。
  23. ^ ヴェルトライゼンデの血統表”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2020年6月2日閲覧。

外部リンク

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