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きりしま (護衛艦)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
きりしま
洋上を航行する「きりしま」
洋上を航行する「きりしま」
基本情報
建造所 三菱重工業長崎造船所
運用者  海上自衛隊
艦種 ミサイル護衛艦(DDG)
級名 こんごう型護衛艦
建造費 1,292億1300万円
母港 横須賀
所属 第2護衛隊群第6護衛隊
艦歴
発注 1990年
起工 1992年4月7日
進水 1993年8月19日
就役 1995年3月16日
要目
基準排水量 7,250トン
満載排水量 9,485トン
全長 161m
最大幅 21m
深さ 12.0m
吃水 6.2m
機関 COGAG方式
主機 石川島播磨-GE LM2500 × 4基
出力 100,000PS
推進器 スクリュープロペラ × 2軸
最大速力 30ノット以上
燃料 1,785トン
航続距離 6,000海里(巡航速度:20ノット)
乗員 300名
兵装 54口径127mm単装速射砲 × 1門
Mk.15 Mod2 高性能20mm機関砲(CIWS) × 2基
ハープーンSSM 4連装発射機 × 2基
Mk.41 mod6 VLS × 90セル
68式3連装短魚雷発射管 × 2基
C4ISTAR イージスシステム
ミサイル防衛対応
OYQ-102 対潜情報処理装置
レーダー SPY-1D 多機能型
OPS-28D 対水上
OPS-20 航海用
Mk.99/SPG-62ミサイル誘導用 × 3基
81式射撃指揮装置2型-21G
ソナー OQS-102
OQR-2 曳航式
電子戦
対抗手段
NOLQ-2 ESM/ECM
Mk.137 デコイ発射機 × 4基
その他 AN/SLQ-25 対魚雷デコイ
テンプレートを表示
SM-3を発射した「きりしま」

きりしまローマ字JS Kirishima, DDG-174)は、海上自衛隊護衛艦こんごう型護衛艦の2番艦。艦名の由来は霧島山旧海軍金剛型戦艦霧島」に続き、日本の艦艇としては2代目である。同型一番艦の名称は「こんごう」であり、戦艦の金剛、霧島から二代続けて同規模の艦艇の名称として使われた。このように2代続けて「こんごう(金剛)型」である上に建造元も同じである。1番艦「こんごう」と比較して、対潜ヘリコプター用データリンクアンテナを増設した。本艦の就役により4護衛隊群の8艦8機体制が確立された。

本記事は、本艦の艦暦について主に取り扱っているため、性能や装備等の概要についてはこんごう型護衛艦を参照されたい。

艦歴

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「きりしま」は、中期防衛力整備計画に基づく平成2年度計画7200トン型護衛艦2314号艦[1]として、三菱重工業長崎造船所香焼工場で1992年4月7日に起工され、1993年8月19日に進水、1995年3月16日に就役し、第1護衛隊群第61護衛隊に編入され横須賀に配備された。

就役後リンク16のアンテナを追加装備している。またCIWS(ファランクス)を能力向上型のblock1Bに換装している。

1995年9月22日から12月25日までの間、イージスシステムの装備認定試験(SQT)のためハワイに派遣。

1996年1998年2002年環太平洋合同演習 (RIMPAC) に参加した。

2002年12月16日テロ対策特別措置法に基づきインド洋に派遣、2003年4月まで任務に従事し、5月20日に帰国した。

2004年8月9日、テロ対策特別措置法に基づき、護衛艦「たかなみ」、補給艦はまな」と共にインド洋に派遣。同年12月まで任務に従事する。その帰路の最中にスマトラ島沖地震の発生を受け、国際緊急援助隊派遣法に基づいてタイ王国に派遣され、被災者の捜索を行う(自衛隊タイ派遣)。2005年1月11日、帰国した。

2007年4月16日房総半島南方沖で護衛艦「むらさめ」、「いかづち」、「たかなみ」と共にインド海軍デリー級ミサイル駆逐艦マイソール」等と米印両海軍との初の3ヶ国共同訓練を実施した。

同年11月28日から12月1日まで寄港中の中国人民解放軍海軍駆逐艦「深圳」乗組員の訪問が予定されていたが、アメリカからイージスシステム漏洩を危惧してこれを反対を要請し、中止となった。尚、代艦として護衛艦「いかづち」を訪問した。

2006年及び2008年、環太平洋合同演習 (RIMPAC) に参加した。

2008年3月26日、護衛隊改編により第4護衛隊群第8護衛隊に編入された。

同年4月9日、護衛艦「はまぎり」と共に東京に入港したフランス海軍フードル級揚陸艦ミストラル」等と交歓を行う。

2010年8月25日から11月13日の間、BMD機能付加に伴う装備認定試験のため、ハワイに派遣され、10月28日に弾道ミサイル迎撃試験を行い、予め時刻を知らせられない条件下で発射された射程1,000km級の弾頭分離型準中距離弾道ミサイルを模した標的ミサイルの捕捉・追尾・迎撃に成功した[2][3]パールハーバー寄港中にバトルシップ (映画)の撮影に協力している。

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による東日本大震災に対し、地震発生から116分後、災害派遣のため横須賀から緊急出港する。

2012年6月21日から22日にかけて、護衛艦「くらま」、「ゆうだち」、アメリカ合衆国海軍空母「ジョージ・ワシントン」(CVN-73)ほか数隻、大韓民国海軍の艦艇数隻と共に朝鮮半島南方海域にて日米韓共同訓練を実施[4]

2014年6月7日、米国派遣訓練及び環太平洋合同演習(RIMPAC 2014)に参加するため護衛艦「いせ」とともに呉を出港、各種戦術訓練及びHA/DR(人道支援・災害救済)訓練等を実施し、8月20日横須賀に帰港した[5]

2014年10月24日第2護衛隊群第6護衛隊に編入された。

2018年8月15日から21日にかけて、関東南方から四国南方を経て沖縄周辺に至る海空域において米海軍空母「ロナルド・レーガン」他艦艇数隻とともに日米共同巡航訓練を実施した[6]

2021年6月23日から24日にかけて、関東南方海域において護衛艦「まや」、「はぐろ」、補給艦「ときわ」とともに米海軍駆逐艦マスティン」と日米共同訓練を実施した[7]

同年9月2日から7日にかけて、東シナ海から四国南方を経て関東南方に至る海空域おいて、英国空母打撃群(CSG21英語版:空母「クイーン・エリザベス」、駆逐艦「ディフェンダー」、米駆逐艦「ザ・サリバンズ」、オランダ海軍フリゲート「エファーツェン」、カナダ海軍フリゲート「ウィニペグ」)と日英米蘭加共同訓練(PACIFIC CROWN 21‐3)を実施する[8]。海自からは本艦の他、護衛艦「いせ」、「あさひ」、「たかなみ」、「はるさめ」、「おおなみ」、「てるづき」及び潜水艦1隻、P-1哨戒機が、航空自衛隊からはF-2F-15戦闘機E-767早期警戒管制機が参加し、対抗戦、防空戦、対潜戦等を実施する[8]

同年9月23日から10月1日にかけて、沖縄南方海空域において護衛艦「やまぎり」とともに日米共同訓練を実施した。米海軍からは空母「カール・ヴィンソン」、駆逐艦「チャフィー」、巡洋艦「レイク・シャンプレーン」、補給艦「ラパハノック」が参加し、防空戦、対潜戦、洋上補給、通信訓練等を実施した[9]。10月2日及び3日には沖縄南西において護衛艦「いせ」を加え、空母「ロナルド・レーガン」、「カール・ヴィンソン」、英海軍空母「クイーン・エリザベス」などと日米英蘭加新共同訓練を実施した[10]

現在、第2護衛隊群第6護衛隊に所属し、定係港は横須賀である。

歴代艦長

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歴代艦長(特記ない限り1等海佐
氏名 在任期間 出身校・期 前職 後職 備考
01 濱田良昭 1995.3.16 -
1996.12.8
防大13期 きりしま艤装員長 第62護衛隊司令
02 古関 修 1996.12.9 -
1997.12.7
防大16期 第2護衛隊群司令部幕僚 第6護衛隊司令
03 竹中勝義 1997.12.8 -
1999.3.31
防大16期 たちかぜ艦長 海上自衛隊第1術科学校研究部長
04 堤 明夫 1999.4.1 -
2000.7.31
防大17期 防衛医科大学校学生部
学生課長
海上自衛隊第1術科学校研究部長
05 太田也寸志 2000.8.1 -
2002.3.3
防大22期 海上幕僚監部防衛部運用課
運用第1班長
海上自衛隊第1術科学校
教育第2部長
06 吉村司郎 2002.3.4 -
2004.3.31
防大20期 護衛艦隊司令部付 海上自衛隊第1術科学校
教育第1部長
07 三木 功 2004.4.1 -
2006.9.19
防大22期 おおなみ艦長 海上自衛隊第1術科学校生徒部長 就任時2等海佐
2006.1.1、1等海佐 
08 清水博文 2006.9.20 -
2007.12.2
防大29期 海上自衛隊第1術科学校
生徒部長
第2護衛隊群司令部幕僚
09 池田秀人 2007.12.3 -
2009.8.2
防大28期 せとぎり艦長 統合幕僚監部防衛計画部計画課勤務  
10 中筋 篤 2009.8.3 -
2011.7.14
防大29期 情報本部勤務 海上幕僚監部防衛部運用支援課勤務
11 豊住 太 2011.7.15 -
2013.9.12
防大29期 第2護衛隊群司令部幕僚 余市防備隊司令
12 佐藤恭弘 2013.9.13 -
2015.3.31
防大31期 第2護衛隊群司令部首席幕僚 誘導武器教育訓練隊司令
13 沢田俊彦 2015.4.1 -
2016.3.24
防大36期 横須賀地方総監部防衛部
第3幕僚室長 兼 第5幕僚室長
統合幕僚監部運用部運用第1課勤務
14 西田敏志 2016.3.25 -
2017.8.6
防大37期 護衛艦隊司令部付 舞鶴地方総監部防衛部第3幕僚室長
15 西村俊行 2017.8.7 -
2019.1.31
防大37期 第2護衛隊群司令部首席幕僚 自衛艦隊司令部勤務
兼 護衛艦隊司令部勤務
16 石井和徳 2019.2.1 -
2020.4.9
自衛艦隊司令部勤務
兼 護衛艦隊司令部勤務
開発隊群司令部勤務
17 高梨康行 2020.4.10 -
2022.3.21
護衛艦隊司令部勤務 海上訓練指導隊群司令部勤務
→2022.4.1 舞鶴海上訓練指導隊司令
18 石寺隆彦 2022.3.22 -
2024.5.12
防大39期 佐世保海上訓練指導隊副長
兼 指導部長
いずも艦長
19 波江野裕一 2024.5.13 -
海上幕僚監部人事教育部援護業務課
援護企画班長

脚注

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参考文献

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  • 石橋孝夫『海上自衛隊全艦船 1952-2002』(並木書房、2002年)
  • 世界の艦船 増刊第66集 海上自衛隊全艦艇史』(海人社、2004年)

関連項目

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外部リンク

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