コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦
監督 小中和哉
脚本 長谷川圭一
製作総指揮 円谷一夫
出演者
主題歌 田中昌之&大門一也
「ウルトラマンガイア!」
撮影 大岡新一
編集 松木朗
配給 松竹
公開 日本の旗 1999年3月6日
上映時間 74分[1]
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
配給収入 3.4億円[2]
前作 ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち
次作 ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY
テンプレートを表示

ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦』(ウルトラマンティガ ウルトラマンダイナ アンド ウルトラマンガイア ちょうじくうのだいけっせん)は、円谷プロダクション製作の特撮映画作品。1999年3月6日全国松竹系にて公開。同時上映は『ウルトラマンM78劇場 Love & Peace』。

キャッチコピーは、「テレビじゃ見られない3大ヒーロー集結!!」、「君の勇気が地球を救う!」。

概要

[編集]

ウルトラマンゼアス』以後、恒例となったウルトラシリーズ映画作品の1本[3]。特撮テレビドラマ『ウルトラマンガイア』の映画化作品であり、ウルトラマンティガウルトラマンダイナとの共演を描く。映画としての独立性を重視し、少年を主人公格に据えてその成長を描くジュブナイル作品ともなっている[3][4]

『ガイア』の主人公・高山我夢が、ウルトラシリーズがフィクション作品として扱われているパラレルワールドを訪れる。そこでは『ガイア』もテレビ放送されており、プロローグで勉が見ている同作のビデオはテレビシリーズからの流用ではなく、本映画のために新規撮影されている。

ガイアの新たな形態であるV2とスプリーム・ヴァージョンが登場しており、テレビシリーズで初登場する第26話の本放送日と本作品の劇場公開日は同日に行われる形となった。

公開前のCMでは『ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア』と宣伝されていた。

俳優の濱田岳や声優の入野自由が子役時代に出演した映画作品の1つでもあり、本映画でダイナの声を担当したつるの剛士は、初対面当時の濱田や入野たちに我夢を演じた吉岡毅志を交えて撮影した記念写真を、後年に自身の公式ブログで公開している[5]

制作

[編集]

映画前作『ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち』の好評を受け、そのコンセプトを引き継ぎ放送中の『ウルトラマンガイア』を中心とした『ウルトラマンティガ』『ウルトラマンダイナ』のクロスオーバー作品として制作されることとなった[3][4]。『ガイア』は前2作品と世界観が異なるが、チーフプロデューサーの鈴木清の提案により、パラレルワールドを舞台とすることとなった[3][4]

本作品の監督であり『ダイナ』最終章の監督も担当した小中和哉は、当初は『ダイナ』最終回で別の宇宙へ行ったダイナが『ガイア』の世界を訪れる展開を考えていたが、先を視聴者に想像してもらうという『ダイナ』最終回の趣旨に反するために見送り[注釈 1]、兄の小中千昭との雑談の中で出たメタフィクションという方向性で企画が進められた[3][4][注釈 2][8]

XIGファイターEXやXIGアドベンチャーなどのメカニックは大半がコンピューターグラフィックスで描かれ、ビル爆破のシーンでは実景に合成で破片やガレキを加えるなど、従来のミニチュア特撮とは異なるデジタル特撮による描写が多用された[出典 2]

学校の先生役には、かつて鈴木清がカメラマンとして参加していたテレビドラマ『うしろの正面だあれ』に出演した歌手の和田アキ子に出演してもらおうと交渉を行ったが、彼女のスケジュールの関係で実現しなかった[10]

本作の脚本を担当した長谷川圭一は、平成三部作を振り返って一番苦労した脚本だったと述懐して、「本筋で絶対に書けないということで、超変化球で行くしかなかった」と語りつつ、結果として、テレビ本編と質感の違う面白いものが出来たと評価している[11]

ストーリー

[編集]

勉強もスポーツも苦手な少年・新星勉は、世界中で大人気を誇るテレビ特撮番組『ウルトラマンガイア』に憧れていた。

ある夜、勉は『ウルトラマンガイア』のビデオを観ている最中、不思議な空間に吸い込まれたかと思うと、謎の赤い球と「何も変わらない」と呟く少女のイメージを目撃する。翌日、その少女と瓜二つの七瀬リサが勉のクラスに転校してきたうえ、勉は隠れ家として使用している廃倉庫で不思議な赤い球を見つける。ウルトラマンガイアに変身する高山我夢に会いたいと赤い球に願うと、ファイターEXと共に本物の我夢が異次元から出現する。

勉は自分が我夢を呼んだと友達に自慢する。話を聞いた上級生の鹿島田浩は勉から赤い球を奪うと、それが本当なら自分が怪獣を呼んで勉を踏み潰させてやると呟く。その願いが現実となって巨大異形獣サタンビゾーが出現し、我夢はガイアに変身してサタンビゾーを倒す。だが、自分をガイアだと知っている子どもたちの集団に追いかけ回された末におもちゃ屋で『ウルトラマンガイア』のグッズやポスターを見かけて、ここが自分の世界ではないことに気付く。そして、勉と出会った我夢は赤い球の詳細を知るが、国籍不明機の搭乗者として警官隊に取り囲まれる。そこで赤い球の効力が切れ、我夢は元の世界に戻されて異世界の記憶を失ってしまう。

一方、偶然とはいえ自分が呼び出した怪獣がガイアに倒されたことに怒りを覚えた浩は、隙を突いて勉から再び赤い球を奪い、ガイアを超える強力な怪獣を生み出そうと考える。それがきっかけで、勉たちの世界に危機が訪れる。我夢は勉の本で記憶を取り戻すと勉たちの世界を救うため、自ら開発したXIGアドベンチャーに乗り込んで次元の壁を越え、決戦に挑む。

登場人物

[編集]
高山 我夢たかやま がむ/ウルトラマンガイア
ウルトラマンガイア』本編の主人公。赤い球の力により、XIGファイターEXと共に勉たちの世界を訪れる。
サタンビゾーを倒して変身を解いて早々、子どもたちの集団に追いかけ回されるが、警察に捕まりそうになったところで球の力が弱り、元の世界に戻されてしまう。元の世界に戻った後は勉たちと出会った記憶を失っていたが、偶然持ち帰っていた勉の本(ガリバー旅行記)のおかげで記憶を取り戻すと自作の時空移動メカ・XIGアドベンチャーで再び勉の世界へ向かい、誕生して暴れ回るキングオブモンスから勉の世界を必死に守り抜いた。赤い球が消えると同時に再び元の世界へ送り返された。それに先駆け、勉の本には「この世界は滅んだりしない、君たちが未来を信じる限り」とサインしていた。
勉の世界では元の世界よりエネルギーの消耗が激しく、サタンビゾー戦でライフゲージの点滅が早かったことに戸惑う描写がある。
新星 勉にいぼし つとむ
本作品のもう一人の主人公[12]。『ウルトラマンガイア』の大ファンである小学3年生。勉強や運動は苦手で、人と話すことに少し臆病な感じを見せる気弱な少年。
家にはガイア関連の無数のウルトラマングッズを持っており、ビデオを何度でも見直すほどウルトラシリーズのことが大好きである[13]。「我夢のような人は特別」といつもガイアに変身できる我夢と、何のとりえもない自分との違いをコンプレックスのように話す。我夢と触れ合うことで大きく成長し、ガイアが3大怪獣によって大ピンチとなった際にはティガとダイナを呼び出す活躍を見せる。最後は赤い球は世界を滅亡させようとする危険な存在だと悟って球を消滅させることを決意し、自らの意思で消滅させた。
七瀬 リサななせ リサ
本作品のゲストヒロイン。突如勉のクラスに転校してきた少女。
風変わりな態度を見せている。容姿は勉が物語冒頭で見た謎の少女と同一である。正体は赤い球のインターフェイスであり、球に込められていた欲望のエネルギーが消えて青くなると同時に消滅する。その後、勉のクラスには同名の少女が転校してきた。
  • 監督の小中和哉は、赤い球は勉が未来に出会う少女の姿を借りていたのであり、勉が守るべき未来の象徴であるとしている[6][7]
平間 優ひらま ゆう
勉の親友。小学3年生。眼鏡をかけており、勉の話に半ば呆れ気味。
現実主義だが、現実世界を本心では否定しており[13]、浩たちの代わりに赤い球に操られた際には、スキューラとバジリスを生み出し、ガイアのピンチを拡大させてしまう。赤い球を手放した後は球を取り戻せてガイアを救う術を探す勉に声援を送った。
鹿島田 浩かしまだ ひろし
勉にたびたび強い口調で言い立てては、ものを横取りする乱暴な性格の不良少年。小学4年生。一人称は「僕」だが、赤い球に操られた際は「俺」に変わっていた。
赤い球でサタンビゾーを呼び出した際には、勉が言えない身長や体重などのデータを正確に読み上げてみせた特撮マニアだが、本人はそれを隠していることとウルトラマンより怪獣が好みらしく、ウルトラマンが好きな勉に「ウルトラマンなんか卒業しろ」「いい年して幼稚でダサくてくだらない」と迫っていた(その態度は何を言われても隠さずウルトラマンが好きと言える勉への裏返しだった模様)。本人曰く「夢は日本一のモデラーになること」。サタンビゾーがガイアに倒されると怒って「もっと強い怪獣を出してやる」という企みで勉から赤い球を奪い、そのまま赤い球に操られてキングオブモンスを生み出してしまう。勉の体当たりで赤い球を手放されて耕平と亘と共に正気に戻り、赤い球やキングオブモンスにこだわっていた記憶を消された形で改心、赤い球を取り戻せてもキングオブモンスとスキューラとバジリスの3大怪獣を消せなくてガイアが敗北寸前に追い込まれたため絶望する勉に「頑張れ」と声援を送り、事件後は勉と和解し親友になった。
中原 耕平なかはら こうへい
いつも浩の後ろをついている取り巻きの一人。小学4年生。常に3人で行動している。勉や優を片手で拘束できるほど力が強い。事件後は勉と和解し親友になった。
小杉 亘こすぎ わたる
浩と共に行動する彼の取り巻きの一人。小学4年生。いつも浩が話したことを勉に復唱している少年。事件後は勉と和解し親友になった。
ウルトラマンティガ
赤い球の力によって出現した光の巨人。ガイアのピンチを救い、海中でスキューラと戦って勝利する。球が消えると同時に消滅した。
ウルトラマンダイナ
赤い球の力によって出現した光の巨人。ガイアのピンチを救い、宇宙でバジリスと戦って勝利する。球が消えると同時に消滅した。

登場怪獣

[編集]
赤い球[注釈 3]
『ガイア』の世界や本作品の世界とは異なる異次元の世界で作られた物質文明の最終到達点[16]。本作品における一連の事件の幕開けとなるきっかけを作った。外見は何の変哲もない赤い球体の水晶のようであるが、持つ者の潜在意識下の欲望や破壊願望を際限なく具現化する力を持つ。ただし、一度実体化したものを消すことはできない。物語序盤ではエネルギー不足だったために望みの持続時間が短かったが、浩の欲望のエネルギーを吸収して不足を解消し[注釈 4]、彼や優の心を負の感情で踏み躙る[注釈 5]。一方、物語終盤では根底の善意と本当は世界を滅ぼさせたなくない気持ちを併せ持つ勉たちの叫びに応えてウルトラマンティガとウルトラマンダイナを呼び出し、ガイアの逆転勝利に導いた。最後は存在しない方が良いと考えた勉の「球よ、消えろ!!」の叫びにより、青く変色してリサとともに消滅し、それと同時に、本作品の世界における一連の事件も無かったことにされる(ただし、球と直接接触して我夢と巡り合えた勉の記憶は残っていた)。
  • 監督の小中和哉は『ウルトラマン』に登場するギャンゴをイメージしており、プロットでは同作品を踏襲したコメディの要素もあった[3]
『小説 ティガ・ダイナ&ウルトラマンガイア 超時空のアドベンチャー』に登場した赤い球
赤い球の製作者が愚かな願いによって球が消滅した際に備えて用意していたバックアップが起動し、再び本作品の舞台となった地球に出現した。
諸元
キングオブモンス
KING OF MONSTER[17][14]
別名 最強合体獣
身長 83 m[出典 3]
体重 8万2千 t[出典 3]
出身地 鹿島田浩のブレインワールド[出典 4][注釈 6]
最強合体獣 キングオブモンス
「サタンビゾーを超え、ウルトラマンガイアを倒せる強力な怪獣」を念頭に浩が赤い球に願って実体化させた怪獣。浩が粘土細工で作った最強怪獣のイメージに加え、亘が考えたバジリスの翼を背中に、耕平が考えたスキューラの顎を腹部と腰回りに組み合わせている[23][24]。後に赤い球の言葉を聞いて負の感情に支配された優の「この世界を破壊したい」という強力な願いに反応し、組み合わせた部分からバジリスとスキューラを生み出す。両目の間にある赤い結晶体は、時折瞬きするかのように上下に開閉する。モチーフは緑色を基調にした粘土細工で造られているものの、体色は青が主体である。
武器は、発射方向の物体をすべて破壊するクレメイトビーム[出典 5]、背中の翼ボーンウイング[20][16]を展開させてフォトンエッジをも跳ね返すバリヤーボーンシールド[20][17]、尻尾を使った攻撃ボーンテール[17]、顎状の腹部で敵を押さえつけるシャークファング[出典 6]、両腕から繰り出す怪力アームパワー。ボーンウイングを展開し、マッハ7の速度で飛行することも可能[20]
別次元の世界を徹底的に滅亡させることが使命で、力の源である赤い球に込められた欲望のエネルギーが増すごとに段々強くなっていく。作中では我夢の乗るXIGアドベンチャーの高圧電流に耐えてクレメイトビームの2連発で破壊し、ガイアV2のウルトラバリヤーをも破るほどの実力を見せたが、格闘戦においてはガイアのパンチやキックで怯むなどやや押されていた。バジリスやスキューラとの連携でガイアを追い詰めるもティガやダイナの参戦によって形勢が逆転するとスプリーム・ヴァージョンにヴァージョンアップしたガイアに押されて空を飛んで特攻する不意打ちを仕掛けるが、バジリスとスキューラが倒されると同時に翼と腹部にダメージを受けて弱体化し、墜落する。クレメイトビームをウルトラバリヤーで防がれ、最期はフォトンストリームの一撃で爆散した。
  • 初稿段階での名称は、キンググロノス[23][24]
  • 三角形がモチーフで、三角の要素を入れている[23][24]
  • スーツのシャークファングは着脱式となっている[25]
  • 映画『新世紀ウルトラマン伝説』にも登場。映像は本作品からの流用。
  • 大怪獣バトル ULTRA MONSTERS』では、尻尾攻撃は「モンステールアタック」、突進攻撃は「キングオブクラッシャー」と表記されている。
大怪獣バトル ULTRA MONSTERS EX』に登場したキングオブモンス
第15話「歴史改変計画」に登場。
ババルウ星人が使役する怪獣として登場。ゼットンを退けた主人公の前にババルウ星人が送り込むが、バトルナイザーの怪獣によってババルウ星人もろとも倒された。
  • 最上位カードは全ステータスが4桁に達する初めての怪獣となっている。その反面、毒属性(『NEO』以降は光属性も追加)攻撃には非常に弱い。必殺技は劇中同様にクレメイトビームを使用し、それを地面に走らせて爆発させるものはファイナルクレメイトビームとして区別される。このほか、尻尾攻撃のモンステールアタックがあり、NEO第7弾からはエネルギーをまとった状態で空中から体当たりを経てファイナルクレメイトビームを放つキングオブクラッシャーが追加された。『NEO』以降、クレメイトビーム関係の必殺技には高熱属性が付加されている。
『小説 ティガ・ダイナ&ウルトラマンガイア 超時空のアドベンチャー』に登場したキングオブモンス
浩、亘、耕平がカイザーギラレス13世への対抗手段として赤い球に願って出現させた。カイザーギラレス13世のシールドと鎧に攻撃をすべて防がれ、光線の一撃で倒された。
諸元
バジリス
BASILISS[17][14]
別名 骨翼超獣
身長 69 m[出典 7]
体重 4万5千 t[出典 7]
出身地 小杉亘のブレインワールド[出典 8][注釈 7]
骨翼超獣 バジリス
亘がイメージした虫に似た二足歩行型の超獣。赤い球の力でキングオブモンスの背中から分離した。
口から放つ破壊光弾バルバリボール[出典 9]や鎌状の両手シザーアーム[17]を武器とし、そのシザーアームを交差させて敵を押さえつけるギロチン殺法アームクリッパー[13][17]、体当たり技のバジリス・ボディアタック[出典 10]、嘴で敵を攻撃するビルスマッシュ[13][17](未使用)、キック技のバジョック[17](未使用)も得意としている。背中に葉脈のような翅が4つ生えており、それで自由に空を飛べる。その飛行速度はウルトラマンダイナ・ミラクルタイプと同等のマッハ10[出典 11]
戦闘の最中に上空へ飛び去り、そのまま宇宙空間でウルトラマンダイナと対決する。ダイナを苦戦させるが、最後はソルジェント光線を受けて大気圏内で炎上し、爆発した。
  • ×マークがモチーフで、羽に×マークの要素を入れている[23][24]。普通、穴の開いた羽では空は飛べないが、子供の空想の産物という理由で採用された[23][24]
  • スーツの翼は展開式となっており、飛行シーンの撮影にも用いられた[25]
  • 映画『新世紀ウルトラマン伝説』にも登場。映像は本作品からの流用。
『大怪獣バトル ULTRA MONSTERS EX』に登場したバジリス
第14話「戦場の惑星」に登場。
ババルウ星人が使役する怪獣として登場。惑星ボリスを訪れた主人公たちにレイオニクスバトルを申し出したババルウ星人により、呼び出される。バトルナイザーの怪獣と戦うが、実力がおよばず倒された。
  • 必殺技は劇中で使用したバルバリボールのほか、両腕の鎌を使った切り裂き攻撃アームクリッパーバジリススラッシュがある。『NEO』第1弾より同じくキングオブモンスの分身であるスキューラとのタッグ必殺技スタンニングドロップが、『NEO』第5弾では特大のバルバリボールを発射するバルバリボールマキシマムが追加された。『NEO』以降、バルバリボールには雷属性が付加されている。
諸元
スキューラ
SCULLA[17][14]
別名 巨大顎海獣
体高 29 m[20][17]
全長 73 m[出典 12]
体重 5万6千 t[出典 12]
出身地 中原耕平のブレインワールド[出典 13][注釈 7]
巨大顎海獣 スキューラ
耕平がイメージした魚に似た四足歩行型の怪獣。赤い球の力でキングオブモンスの腹部から分離した。
外見上口に見える部分は身体の半分くらいのところまで開くことができ、その巨大な顎で敵を挟み込むシークレットジョー[出典 14]と、高速で敵に体当たりを繰り出すスキューラッシュ[出典 14]という技を使う。巨体に似合わず地上をウルトラマンティガ・スカイタイプと同様のマッハ2[出典 15]、水中をマッハ3の速度で航行可能[出典 16]。また、体表は硬くしなやかで丈夫であり、並のビーム攻撃なら簡単に弾き返す強度をもつ。
ウルトラマンティガによって海へ放り投げられ、そのまま海底で戦闘になる。持ち前の巨大顎であるシークレットジョーでティガを挟み込んで苦しめるも脱出され、最後はゼペリオン光線で撃破された。
  • 初稿段階での名称は、シーバ[23][24]
  • 丸がモチーフで、口が開いた姿が丸になっている[23][24]
  • スーツの顎は可動式となっており、操演によって動かされる[25]。造形物はスーツのほか、水中移動シーン用の1/3サイズのミニチュアが用いられた[25]
  • 映画『新世紀ウルトラマン伝説』にも登場。映像は本作品からの流用。
  • データカードダス『大怪獣ラッシュ ウルトラフロンティア』ではプラズマソウルを取りこんだプラズマ怪獣として3弾から登場。
諸元
サタンビゾー
SATAN-BIZARRE[17][14]
別名 巨大異形獣
身長 67 m[出典 17]
体重 5万 t[出典 17]
出身地 魔界ゾーランド[出典 18][注釈 6]
巨大異形獣 サタンビゾー
劇中のテレビ特撮番組『ウルトラマンガイア』第13話「悪魔の接吻」に登場する、魔界ゾーランド出身という設定の敵怪獣だが、浩が赤い球に願って実体化させた。
得意技は爪から放つ10000度の破壊光弾サタンズキッス[出典 19]、顔面から放つ破壊光線ビズビーム[出典 19]のほか、接近戦では両腕の甲に付いた全長19メートルまで伸縮自在な鋭い爪巨大爪[20][17]を武器とする。ガイアV2のフォトンエッジで消滅する。

キャスト

[編集]

声の出演

[編集]

スーツアクター

[編集]

スタッフ

[編集]

主題歌

[編集]
「ウルトラマンガイア!」
作詞 - 康珍化 / 作曲 - 松原みき / 編曲 - 大門一也 / 歌 - 田中昌之&大門一也

映像ソフト化

[編集]
  • VHSおよびDVD(セル、レンタル共通)、レーザーディスクは1999年12月18日発売[31]。全メディア共通で『ウルトラマンM78劇場 Love & Peace』を同時収録。なお、ウルトラシリーズの劇場版としては最後のレーザーディスクとなった。
  • 2007年11月26日発売のDVD『ティガ ダイナ ガイア メモリアルボックス ザファイナル』および2016年2月24日発売の『ウルトラマンガイア Complete Blu-ray BOX』に単独収録されている。
  • DVDは2010年1月にファミリーセレクションとしても再発売されている。

音楽ソフト

[編集]
  • 『ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦 オリジナル サウンドトラック』TYCY-10017

関連作品

[編集]

テレビ番組

[編集]
集合!ウルトラ3大戦士 映画ガイアの秘密
本映画公開を記念して放送された特別番組。スーパーGUTSのユミムラ・リョウとナカジマ・ツトムが再会したハネジローと共に、自分たちのいる『ティガ』と『ダイナ』の世界から『ガイア』の世界へワープし、XIGのコマンドルームで出会った我夢とともに『ティガ』・『ダイナ』・『ガイア』本編のダイジェストと映画の見所を語るという内容である。
ウルトラマン列伝
2013年1月9日から同年1月30日まで、本作品が4回に渡って分割放送された。新規映像として、吉岡が我夢として当時を振り返るという形で本映画の解説を行っている。また、同番組内で放送されている『ウルトラゼロファイト』に登場するジャンナインの声を本作品で平間優を演じた入野自由が演じていることから、公式ブログでもそのことが取り上げられている[32]
ウルトラマン クロニクルZ ヒーローズオデッセイ
2021年4月3日から、本作品が3回に渡って分割放送されている。

小説

[編集]
『小説 ティガ・ダイナ&ウルトラマンガイア 超時空のアドベンチャー』
本映画の20年後を舞台とした続編小説。付属の帯には、我夢役の吉岡が推薦文を寄せている。

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 『ダイナ』の最終回後のダイナ(アスカ)の行方は、後に『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』および『ウルトラマンサーガ』で描かれている。
  2. ^ この案が出た時、小中は最初に『ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』を思い浮かべたという[出典 1]
  3. ^ 『ウルトラマン画報 下巻』では赤い玉と記述している[14]ほか、『円谷プロ全怪獣図鑑』では赤い球体と記述している[15]
  4. ^ その際には凸凹な形に形状が変わって肥大化している。
  5. ^ その際には棘の生えた歪な形に形状が変わっているが、純粋たる正義の心に負の感情は通用しないため、ウルトラマンが大好きな正義の心を持つ勉の心を踏み躙ることはできない。
  6. ^ a b 『ウルトラマン大辞典』では新星勉の街と記述している[22]
  7. ^ a b 『ウルトラマン大辞典』ではキングオブモンスの腹部と記述している[27]
  8. ^ エンディングでは役名未表記。
  9. ^ 勇志と誤記。
  10. ^ 本作品用として新規にアフレコ収録された[30]
  11. ^ 佐橋は矢野立美が担当した『ウルトラマンティガ』と『ウルトラマンダイナ』のBGMのアレンジも手掛けている。

出典

[編集]
  1. ^ FCティガ/ダイナ/ガイア 2001, p. 79.
  2. ^ 「1999年日本映画配給収入」『キネマ旬報2000年2月下旬号、キネマ旬報社、2000年、154頁。 
  3. ^ a b c d e f g h テレビマガジン特別編集 1999, p. 93, 「映画 ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦」
  4. ^ a b c d e f 平成ウルトラ映画全集 2001, pp. 84–85, 「良質のSFドラマの提示 ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦」
  5. ^ 濱田岳”. つるの剛士 公式ブログ. LINE (2020年4月18日). 2021年4月24日閲覧。
  6. ^ a b c 切通理作 2000, pp. 216–227, 「第2章 ダイナ編 小中和哉
  7. ^ a b c 増補改訂版 2019, pp. 38–55, 「ウルトラマンダイナ スタッフ&キャスト証言 小中和哉」
  8. ^ “小中兄弟を直撃!「平成ウルトラマン」誕生秘話から最新作『VAMP』まで、共作の歴史を振り返る - 2ページ目”. Movie Walker (ムービーウォーカー). (2019年8月27日). https://moviewalker.jp/news/article/202295/p2/ 2021年2月22日閲覧。 
  9. ^ 宇宙船YB 2000, p. 45, 池田憲章「1999回顧2000展望【国内】」.
  10. ^ 白石雅彦、荻野友大『帰ってきたウルトラマン大全』双葉社、2003年1月15日、306頁。ISBN 978-4-575-29494-1 
  11. ^ 『ウルトラマン ティガ・ダイナ・ガイア パーフェクトガイド』、2019年4月30日発行、ぴあ株式会社、P34。
  12. ^ 大辞典 2001, p. 240.
  13. ^ a b c d e f g h i j k l m パンフレット 1999
  14. ^ a b c d e f g h i j k l m n 画報 下巻 2003, p. 151, 「ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦」
  15. ^ a b c d e f g h i 円谷プロ全怪獣図鑑 2013, p. 272
  16. ^ a b c d e f g UPM vol.14 2021, p. 25, 「根源的破滅招来体、宇宙戦闘獣、怪獣、怪人」
  17. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z FCティガ/ダイナ/ガイア 2001, p. 80, 「劇場用映画(含むウルトラマンナイス)怪獣リスト」
  18. ^ a b c d e f g h i j k テレビマガジン特別編集 1999, p. 53
  19. ^ a b c d e f 宇宙船YB 2000, p. 13
  20. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v 平成ウルトラ映画全集 2001, pp. 52–53, 「MONSTER」
  21. ^ a b 大辞典 2001, p. 109
  22. ^ 大辞典 2001, pp. 109、147.
  23. ^ a b c d e f g h デザイン画集 2018, pp. 243, 「丸山浩デザイン解説 ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦」
  24. ^ a b c d e f g h デザイン画集TDG編 2022, pp. 224–227, 「『ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦』」
  25. ^ a b c d e f 平成ウルトラ映画全集 2001, p. 93, 「特別企画 造形物としてのキャラクター図鑑」
  26. ^ 大辞典 2001, p. 252
  27. ^ 大辞典 2001, pp. 178、252.
  28. ^ 大辞典 2001, p. 178
  29. ^ 大辞典 2001, p. 147
  30. ^ テレビマガジン特別編集 2009, p. 119.
  31. ^ 宇宙船YB 2000, pp. 61、65.
  32. ^ 「我夢に会いたい!」濱田岳さん、入野自由さんが…!”. 『ウルトラマン列伝』公式ブログ (2013年1月8日). 2013年4月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年2月22日閲覧。

出典(リンク)

[編集]

参考文献

[編集]
  • 劇場パンフレット
    • 『ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦』パンフレット 1999年3月6日発行 発行:株式会社 講談社
  • テレビマガジン特別編集(講談社
    • 『テレビマガジン特別編集 ウルトラマンガイア』講談社、1999年12月22日。ISBN 4-06-178424-2 
    • 『テレビマガジン特別編集 平成ウルトラ映画全集』講談社、2001年1月16日。ISBN 4-06-178425-0 
    • 『テレビマガジン特別編集 大決戦!超ウルトラ8兄弟』構成・執筆・編集 小野浩一郎・岩畠寿明(エープロダクション)、講談社、2009年3月27日。ISBN 978-4-06-178434-5 
  • 『宇宙船YEAR BOOK 2000』朝日ソノラマ宇宙船別冊〉、2000年4月20日。雑誌コード:01844-04。 
  • 切通理作『地球はウルトラマンの星』ソニー・マガジンズ、2000年3月30日。ISBN 4-7897-1539-6 
  • 『空想特撮映像のすばらしき世界 ウルトラマンティガ / ウルトラマンダイナ / ウルトラマンガイア』朝日ソノラマ〈ファンタスティックコレクション〉、2001年7月20日。ISBN 4-257-03624-9 
  • 『ウルトラマン大辞典』監修 円谷プロダクション、中経出版、2001年12月21日。ISBN 4-8061-1556-8 
  • 『ウルトラマン画報』 下巻、竹書房、2003年5月9日。ISBN 4-8124-0999-3 
  • 大石真司、江口水基・島崎淳・間宮尚彦『円谷プロ全怪獣図鑑』円谷プロダクション監修、小学館、2013年3月11日。ISBN 978-4-09-682074-2 
  • 『丸山浩ウルトラデザイン画集』洋泉社、2018年11月22日。ISBN 978-4-8003-1596-0 
  • 講談社 編『ウルトラ特撮 PERFECT MOOK』 vol.14《ウルトラマンガイア》、講談社〈講談社シリーズMOOK〉、2021年1月25日。ISBN 978-4-06-520936-3 
  • 丸山浩『丸山浩ウルトラデザイン画集 光の記憶 ウルトラマンティガ・ダイナ・ガイア編』ホビージャパン、2022年7月27日。ISBN 978-4-7986-2876-9 

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]