ケムナ誠
広島東洋カープ #29 | |
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2018年2月8日 東光寺球場 | |
基本情報 | |
国籍 | 日本 |
出身地 | アメリカ合衆国ハワイ州[1][2] |
生年月日 | 1995年6月5日(29歳) |
身長 体重 |
190 cm 98 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 右投右打 |
ポジション | 投手 |
プロ入り | 2017年 ドラフト3位 |
初出場 | 2019年9月15日 |
年俸 | 2100万円(2025年)[3] |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
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この表について
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ケムナ 誠(ケムナ まこと、本名:ケムナ ブラッド 誠[4][5]、英: Brad Makoto Kemna、1995年6月5日 - )は、アメリカ合衆国ハワイ州出身のプロ野球選手(投手)。右投右打。広島東洋カープ所属。
経歴
[編集]プロ入り前
[編集]アメリカ人の父と日本人の母を両親に持ち、アメリカ合衆国ハワイ州で生まれ、3歳から日本に移り住み5歳から高校卒業までを宮崎県日南市で過ごした[6]。
小学校6年から野球を始め、日南市立油津中学校では軟式野球部に所属。日南高校の硬式野球部に入ったのは2年から。3年春から本格的に投手に転向するも最後の夏は地方大会で初戦敗退。
日本文理大学では2年春からリーグ戦に登板[2]。大学では先発、中継ぎ、抑えと全てのポジションを経験[6]。4年時の第66回全日本大学野球選手権大会では3回途中4失点も、秋のリーグ戦では150km/h超の速球に、春から本格的に投げ始めたスライダー、カーブ、チェンジアップなどを交えた投球で打者を圧倒。課題だった制球力も改善した[2]。
2017年のNPBドラフト会議で広島東洋カープから3巡目で指名を受け、11月13日に契約金5000万円、年俸700万円(いずれも推定)で仮契約を結んだ[7]。背番号は29[8]。
広島時代
[編集]2018年は、ウエスタン・リーグ公式戦15試合に登板するも一軍での登板は無かった。
2019年は、9月15日に一軍に初昇格し同日の対東京ヤクルトスワローズ戦(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)でプロ初登板を果たし、1回を無失点に抑えた[9]。
2020年は、7月5日に一軍昇格すると中継ぎとして41試合に登板。初登板から5試合連続無失点を記録するなど結果を残し、終盤戦11月5日の対読売ジャイアンツ戦(マツダ)では延長10回1イニングを無失点に抑え、裏に松山竜平がサヨナラ打を放ちプロ初勝利[10][注 1]。シーズン終盤には勝ちパターンの一角を担うなど、飛躍のシーズンとなった[11]。
2021年は、40試合に登板し2勝2敗12ホールドで防御率4.58を記録。
2022年は、5月1日に一軍登録されると同月7日の横浜DeNAベイスターズ戦(マツダ)で先発森下暢仁を好リリーフしシーズン初勝利[12]。8月後半からは登板13試合連続で無失点の安定感を見せ、3年連続で40試合登板をクリアするなど稼働数でもリリーフ陣を支え、最終的に43登板4勝0敗14ホールド、防御率3.20の成績を残した[13]。オフに800万増の推定年俸2700万円で契約更改[13]。
2023年は開幕一軍に入り[14]、4月20日の対阪神タイガース戦(甲子園)[15]、5月19日の同じく対阪神戦(甲子園)で勝利投手となるも[16]、その後は1イニング4失点など調子を崩し[17]、8月10日に登録抹消。9月13日に群馬県内の病院で「右肘関節内遊離体、および骨棘切除」の手術を行ったことを発表した。復帰時期は未定[18]。
2024年は、3月3日の教育リーグ対阪神戦で手術後初の対外登板、1回1安打無失点2奪三振の好投で順調な回復を見せた[19]。その後ウエスタン・リーグで4試合に登板し防御率0.00の結果を残すと4月21日に一軍昇格[20]、5月3日の対DeNA戦(マツダ)の8回から手術後初となる268日ぶりの一軍登板を果たし、1回1安打無失点で抑えた[21]。この年はわずか5試合の登板ながら防御率は1.80を記録した。
プレースタイル
[編集]身長191cmの恵まれた体格から投げ下ろす最速151km/hの直球と縦に大きく割れるカーブが持ち味。九州地区担当スカウトの田村恵も「恵まれた体格と角度のある直球が魅力で、伸びしろも大きい、スケールの大きな投手になり、ローテの中心となって投げてもらいたい」と評している[22]。
人物
[編集]広島のキャンプが行われる天福球場には幼少期に毎日のように通っており、高校卒業間近にはキャンプ中に広島の選手の昼食を作ることもある「直ちゃんラーメン」でアルバイトした経験がある。ケムナもそのようなエピソードから、「(指名されるまでは広島ファンであることを)なるべく隠していたんですけど、カープに指名されてすごくうれしかったです」と語る[6]。
詳細情報
[編集]年度別投手成績
[編集]年 度 |
球 団 |
登 板 |
先 発 |
完 投 |
完 封 |
無 四 球 |
勝 利 |
敗 戦 |
セ 丨 ブ |
ホ 丨 ル ド |
勝 率 |
打 者 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
敬 遠 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴 投 |
ボ 丨 ク |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
W H I P |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2019 | 広島 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 5 | 1.0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0.00 | 2.00 |
2020 | 41 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 11 | .500 | 212 | 51.0 | 37 | 3 | 23 | 1 | 1 | 55 | 3 | 0 | 22 | 22 | 3.88 | 1.18 | |
2021 | 40 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0 | 12 | .500 | 175 | 39.1 | 45 | 4 | 15 | 1 | 2 | 28 | 2 | 0 | 20 | 20 | 4.58 | 1.53 | |
2022 | 43 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 | 0 | 14 | 1.000 | 172 | 39.1 | 37 | 1 | 18 | 1 | 3 | 37 | 1 | 0 | 21 | 14 | 3.20 | 1.40 | |
2023 | 24 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1 | 1.000 | 113 | 26.2 | 24 | 1 | 13 | 0 | 0 | 25 | 2 | 0 | 12 | 11 | 3.71 | 1.39 | |
2024 | 5 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 25 | 5.0 | 6 | 0 | 5 | 0 | 0 | 5 | 0 | 0 | 1 | 1 | 1.80 | 2.20 | |
通算:6年 | 154 | 0 | 0 | 0 | 0 | 9 | 3 | 0 | 38 | .750 | 702 | 162.1 | 150 | 9 | 75 | 3 | 6 | 151 | 8 | 0 | 76 | 68 | 3.77 | 1.39 |
- 2024年度シーズン終了時
年度別守備成績
[編集]年 度 |
球 団 |
投手 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 | ||
2019 | 広島 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1.000 |
2020 | 41 | 1 | 6 | 0 | 0 | 1.000 | |
2021 | 40 | 2 | 10 | 1 | 1 | .923 | |
2022 | 43 | 0 | 4 | 0 | 0 | 1.000 | |
2023 | 24 | 0 | 4 | 0 | 0 | 1.000 | |
2024 | 5 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | |
通算 | 154 | 4 | 24 | 1 | 1 | .966 |
- 2024年度シーズン終了時
記録
[編集]- 初記録
- 投手記録
- 初登板:2019年9月15日、対東京ヤクルトスワローズ24回戦(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)、7回表に4番手で救援登板、1回無失点
- 初奪三振:同上、7回表に雄平から見逃し三振
- 初ホールド:2020年9月2日、対中日ドラゴンズ14回戦(ナゴヤドーム)、6回裏一死に2番手で救援登板、2/3回無失点
- 初勝利:2020年11月5日、対読売ジャイアンツ24回戦(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)、10回表に7番手で救援登板・完了、1回無失点
- 打撃記録
- 初打席:2020年7月24日、対横浜DeNAベイスターズ6回戦(横浜スタジアム)、4回表に上茶谷大河から空振り三振
背番号
[編集]- 29(2018年 - )
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ この年は新型コロナ流行による6月開幕の影響で、セ・リーグ最終戦は11月14日であった。
出典
[編集]- ^ 「広島東洋カープ チームデータ」『広島東洋カープ』2018年2月1日。2018年2月4日閲覧。
- ^ a b c 「【広島3位】日本文理大・ケムナブラッド誠 米国生まれの長身右腕」『Sponichi Annex』2017年10月26日。2018年2月4日閲覧。
- ^ 「広島 - 契約更改 - プロ野球」『日刊スポーツ』。2024年10月30日閲覧。
- ^ 「名スカウトが総括。昨季ドラフトの成功と失敗」『Yahoo!ニュース(THE PAGE)』2018年10月21日。2024年6月16日閲覧。
- ^ 「全日本大学選手権でプロ注目の地方大学4人の150キロ級右腕」『Yahoo!ニュース(THE PAGE)』2017年6月5日。2024年6月16日閲覧。
- ^ a b c 「広島ドラ3ケムナ カープと浅からぬ縁「直ちゃんラーメン」でアルバイト」『Sponichi Annex』2017年11月1日。2018年2月4日閲覧。
- ^ 「ドラ3・ケムナが仮契約 地元の先輩・中崎から「盗めるものは盗みたい」」『デイリースポーツ』2017年11月13日。2018年2月4日閲覧。
- ^ 「中村奨「早く看板選手に」=広島が新入団発表-プロ野球」『時事通信社』2017年12月13日。2018年2月5日閲覧。
- ^ 「ケムナ 無失点デビュー「声援でアドレナリンがバンバン」」『デイリースポーツ online』2019年9月15日。2019年11月1日閲覧。
- ^ 「カープ7連勝を呼ぶ好リリーフ!ケムナ誠が嬉しいプロ初勝利!」『ATHLETE MAGAZINE』2023年11月6日。2024年6月20日閲覧。
- ^ 「広島ケムナの誓い…開幕からセットアッパー 反省と成功教訓に1年間フル回転」『デイリースポーツ』2020年12月14日。2021年2月21日閲覧。
- ^ 「ケムナ初勝利「必死にやる」 5月7日DeNA戦」『中国新聞デジタル』2022年5月7日。2024年6月20日閲覧。
- ^ a b 「広島・ケムナ 下半身強化で〝信頼感〟勝ち取る」『デイリースポーツ』2022年11月14日。2024年6月20日閲覧。
- ^ 「23年度「開幕一軍」の登録公示 新井監督率いる広島はルーキー含む29名」『BASEBALL KING』2023年3月30日。2024年6月20日閲覧。
- ^ 「広島、逆転勝ちで連敗止める 代打・松山がV打、救援陣踏ん張りケムナに白星」『BASEBALL KING』2023年4月20日。2024年6月20日閲覧。
- ^ 「【セ・リーグ順位表】阪神が広島との乱打戦に敗れ連勝が『7』でストップ」『日テレNEWS』2023年5月20日。2024年6月20日閲覧。
- ^ 「広島・ケムナ 回またいで急変…痛恨4失点に「間隔が空いたことは言い訳にはできない。次に生かすだけ」」『Sponichi Annex』2023年7月29日。2024年6月20日閲覧。
- ^ 「広島・ケムナが右肘を手術 今季は24試合に登板して防御率3・71 8月10日に登録抹消」『デイリースポーツ』2023年9月13日。2024年6月20日閲覧。
- ^ 「広島ケムナ誠が復帰へ一歩! 術後初の対外試合で1回2K無失点 フォーム改造に手応え」『西スポweb』2024年3月4日。2024年6月21日閲覧。
- ^ 「広島・ケムナが今季初の1軍昇格 昨秋の右肘手術から復帰「チームに貢献できるピッチングを」」『デイリースポーツ』2024年4月21日。2024年6月21日閲覧。
- ^ 「広島・ケムナ 268日ぶり復活の1回0封「緊張した」右肘手術からカムバック 最速153キロ計測」『デイリースポーツ』2024年5月4日。2024年6月21日閲覧。
- ^ 「ドラフト 日本文理大、ケムナ投手「日本一に貢献したい」 広島スカウトが訪問 /大分」『毎日新聞』2017年11月1日。2018年2月4日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 個人年度別成績 ケムナ誠 - NPB.jp 日本野球機構
- 選手の各国通算成績 Baseball-Reference (Japan)、The Baseball Cube
- 29 ケムナ 誠 - 広島東洋カープ公式サイト
- 選手情報 - 週刊ベースボールONLINE
- ケムナ誠 (@mak.em) - Instagram
- Brad Makoto Kemna (kemna.makoto) - Facebook