ザ・チック・コリア・エレクトリック・バンド
『ザ・チック・コリア・エレクトリック・バンド』 | ||||
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チック・コリア・エレクトリック・バンド の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | カリフォルニア州ロサンゼルス マッド・ハッター・レコーディング・スタジオ[1] | |||
ジャンル | フュージョン | |||
時間 | ||||
レーベル | GRPレコード | |||
プロデュース | チック・コリア | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チック・コリア アルバム 年表 | ||||
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『ザ・チック・コリア・エレクトリック・バンド』(The Chick Corea Elektric Band)は、チック・コリア率いる「チック・コリア・エレクトリック・バンド」が1986年に発表したスタジオ・アルバム。
背景
[編集]エレクトリック・バンドは1985年初頭にコリア、ジョン・パティトゥッチ、デイヴ・ウェックルのトリオとして結成されたが、1986年にはギタリストのスコット・ヘンダーソンを迎えて4人編成となった[2]。ただし、ヘンダーソンは本作では部分的な参加にとどまり、カルロス・リオスがギターを弾いた曲もある[3]。ヘンダーソンの2019年のインタビューによれば、バンドの方向性に関してコリアと意見が合わず、短期間でエレクトリック・バンドを解雇されたとのことで、「彼(コリア)はダンスのステップを踏み、私にもロック・スターみたいにステージの中央でソロを弾くことを要求して、全くのトップ40バンドだった」「私は彼に『ラスベガスのレヴューを運営するならともかく、これはジャズ・グループなんじゃないか』と言った」と語っている[4]。
本作はコリアのキャリアにおいて、リターン・トゥ・フォーエヴァー解散以来のエレクトリック・ジャズに特化した作品とみなされており、コリア自身は当時「考えの古い人々を嫌っているわけではないけど、私は若者にこそ自分の音楽を伝えたかった」とコメントしている[2]。なお、リズム隊を務めたパティトゥッチとウェックルは、後にコリアの別プロジェクト「チック・コリア・アコースティック・バンド」にも参加した[5]。
反響・評価
[編集]『ビルボード』のジャズ・アルバム・チャートでは6位に達した[6]。スコット・ヤナウはオールミュージックにおいて5点満点中3点を付け「音楽的才能の高さ、各プレイヤーの個性、そしてコリアの多彩な曲作りによって、エレクトリック・バンドはすぐに1980年代後半を代表するフュージョン・グループの一つとなった」と評している[3]。
収録曲
[編集]特記なき楽曲はチック・コリア作曲。オリジナルLPは8曲入りだが、同時期に発売されたCDには「シティ・ゲイト」、「オール・ラヴ」、「シルヴァー・テンプル」が追加された[1]。
- シティ・ゲイト - "City Gate" - 0:54
- ランブル - "Rumble" - 4:06
- サイド・ウォーク - "Side Walk" (Chick Corea, John Patitucci, Dave Weckl) - 3:52
- クール・ウィーゼル・ブギ - "Cool Weasel Boogie" - 6:46
- ゴット・ア・マッチ? - "Got a Match?" - 5:43
- エレクトリック・シティ - "Elektric City" - 4:10
- ノー・ゾーン - "No Zone" - 5:33
- キング・コックローチ - "King Cockroach" - 6:56
- インディア・タウン - "India Town" - 5:08
- オール・ラヴ - "All Love" - 5:48
- シルヴァー・テンプル - "Silver Temple" - 8:38
参加ミュージシャン
[編集]トラック・ナンバーはCDに準拠。
- チック・コリア - キーボード、シンセサイザー、シンクラヴィア、シーケンサー、ゴング
- ジョン・パティトゥッチ - 6弦エレクトリックベース(on #1, #5, #8, #9, #11)、アコースティック・ベース(on #4, #7, #10)、フェンダー・ジャズベース(on #6, #8)
- デイヴ・ウェックル - ドラムス(all songs)、シモンズ(on #1, #2, #3, #6, #7, #9)、ドラムマシン(on #1, #3, #7, #8, #9, #11)、パーカッション(on #2)
- スコット・ヘンダーソン - エレクトリック・ギター(on #1, #8, #11)
- カルロス・リオス - エレクトリック・ギター(on #3, #4, #6)
脚注
[編集]- ^ a b The Chick Corea Elektric Band - The Chick Corea Elektric Band (1986, CD) | Discogs
- ^ a b Stewart, Zan (1986年6月10日). “ELEKTRIC BAND GIVES COREA A CHARGE”. Los Angeles Times. 2020年12月13日閲覧。
- ^ a b Yanow, Scott. “The Elektric Band - Chick Corea Elektric Band, Chick Corea”. AllMusic. 2020年12月13日閲覧。
- ^ “Scott Henderson Says Chick Corea's Music Got Worse Since Scientology, Vows to Never Join Band With 'Religious Fanatics'”. Ultimate-Guitar.com (2019年12月7日). 2020年12月13日閲覧。
- ^ “Going Electric: 1986-1999”. chickcorea.com. 2020年12月13日閲覧。
- ^ “Chick Corea - Awards”. AllMusic. 2016年3月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年12月13日閲覧。
外部リンク
[編集]- ザ・チック・コリア・エレクトリック・バンド - Discogs (発売一覧)