ジュリアス・ベア
種類 | 公開会社 |
---|---|
市場情報 | SIX: BAER |
本社所在地 |
スイス 8010 Bahnhofstrasse 36, チューリッヒ |
設立 | 1890年 |
業種 | 金融業 |
代表者 | フィリップ・リッケンバッハー(CEO) |
外部リンク | 公式ウェブサイト |
ジュリアス・ベア(ジュリアスベア銀行、独: Bank Julius Bär & Co. AG)は、スイス・チューリッヒに本拠を置く、富裕層や同族会社を顧客としたプライベート・バンクである。ピクテ銀行などと共に、プライベートバンキング専業の大手として知られている(2016年はプライベートバンク専業首位[1])。チューリッヒの他、モナコ・ドバイ・シンガポールなど、世界50か所以上の拠点を持つ。ジュリアス・ベア・グループ(独: Julius Bär Gruppe AG)として、スイス証券取引所に上場している(SIX: BAER)。
沿革
[編集]1890年にLudwig HirschhornとTheodor Grobにより設立された両替所に起源を持つ。1896年にJoseph Michael UhlとJulius Bärが参加し、Julius Bärは1901年に経営権を掌握、1922年まで保持した。その後はJulius Bärの親族による運営となり、息子のWalter Bärが後を継ぎ、Werner Bär、Richard Bär、その妻のEllen Bärらが取締役を務めた。1947年に3代目にあたるHans Bärが相続、Nicolas Bär、Peter Bär、 Rudolf Bär、Thomas Bärが取締役を務めた。1988年に4代目にあたるRaymond Bärが継ぎ、Michael Bär、Mark Bär、Andreas Bär、Beatrice Speiser-Bärが取締役を務めた[2]。
ジュリアス・ベアは1980年にスイスのプライベートバンクとして初めて株式を公開した。1984年にニューヨークに支店を開設。1986年、ジュネーヴを拠点とするSociété Bancaire SAを、1997年にルツェルンを拠点とするBank Falck & Co. AGを買収した。2005年1月、Bär一族はグループの独占的経営権を事実上放棄した[3]。
2006年11月にアジア初の支店を香港に開設、2009年5月、ミラノを拠点とするAlpha SIM S.p.A.を買収するとともに[4]、アセットマネジメントを行うGAM AGをグループから分離した[5]。
2008年2月、ケイマン諸島支店に勤務して2002年に解雇された元従業員のRudolf Elmerが、口座をジュリアス・ベアに持つ富裕層の脱税に関わる情報をウィキリークスに流出させる事件が発生した[6]。2011年1月、Rudolf Elmerは引き続きウィキリークスに脱税者の情報を流し[7]、ニューヨーク南部地区検察局はジュリアス・ベアを脱税幇助の疑いで捜査対象としたが、和解金の支払いにより、訴追は行われることなく決着させることで合意した[8]。
2010年、プライベートバンクのING Bankを[9]、2012年8月、バンクオブアメリカ・メリルリンチの米国外資産運用部門を買収した[10]。2014年3月、ブラジルのING Bankを買収[11]、さらにTFMアセットマネジメントへの増資を決定し、日本の富裕層へのサービス強化を発表した[12]。
日本におけるジュリアス・ベア
[編集]日本におけるジュリアス・ベアは、「TFMアセットマネジメントAG」の名称のもとでサービスが行われていたが、2015年12月に「ジュリアス・ベア ウェルスマネジメントAG」に[13]、2016年6月に「ジュリアス・ベア ウェルス マネジメント リミテッド」に商号を変更、ジュリアス・ベア・グループの100%出資子会社として活動していた。その後2018年9月、野村ホールディングスがジュリアス・ベア ウェルス マネジメント リミテッドの株式の40%を取得し、ジュリアス・ベアと野村の合弁による「ジュリアス・ベア ノムラ ウェルス マネジメント」が富裕層向けに金融サービスを提供している[14]。
出典
[編集]- ^ “Scorpio Partnership Global Private Banking Benchmark 2017” (英語). Scorpio Partnership (2017年8月9日). 2018年3月9日閲覧。
- ^ “Finanzdynastien (16): Julius Bär. Von Heidelsheim an die Zürcher Bahnhofstraße” (ドイツ語). フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング (2008年10月3日). 2016年9月19日閲覧。
- ^ “当社の歩み”. ジュリアス・ベア・グループ. 2016年9月19日閲覧。
- ^ “Julius Baer buys Italian asset manager Alpha SIM” (英語). ロイター (2009年5月25日). 2016年9月19日閲覧。
- ^ “Julius Baer to Split Off Asset Management Divisions as GAM Holding Ltd” (英語). Hedgetracker.com (2009年5月21日). 2016年9月19日閲覧。
- ^ “Judge Shuts Down Web Site Specializing in Leaks” (英語). ニューヨーク・タイムズ (2008年2月20日). 2016年9月19日閲覧。
- ^ “スイス元銀行家がウィキリークスに資料提供、脱税を告発”. ロイター (2011年1月18日). 2016年9月7日閲覧。
- ^ “ジュリアス・ベア、約640億円支払いで当局と決着-米脱税ほう助認める”. ブルームバーグ (2016年2月5日). 2016年9月19日閲覧。
- ^ “Julius Baer to buy ING Swiss private bank” (英語). ロイター (2009年10月7日). 2016年9月19日閲覧。
- ^ “Julius Baer to Acquire Merrill Non-U.S. Wealth Units” (英語). ブルームバーグ (2012年8月14日). 2016年9月19日閲覧。
- ^ “Julius Baer raises stake in Brazilian wealth manager GPS” (英語). ロイター (2014年3月25日). 2016年9月19日閲覧。
- ^ “スイス金融大手ジュリアス・ベア「日本で資産運用拡大」”. 日本経済新聞 (2014年7月13日). 2016年9月19日閲覧。
- ^ “TFMアセットマネジメントがジュリアス・ベア ウェルス マネジメントに改称” (PDF). ジュリアス・ベア・グループ (2016年1月21日). 2016年9月19日閲覧。
- ^ “スイスの大手プライベートバンク ジュリアス・ベア グループの子会社への出資について” (PDF). 野村ホールディングス (2018年9月27日). 2020年8月16日閲覧。
外部リンク
[編集]- ジュリアス・ベア ノムラ ウェルス マネジメント
- グローバルサイト
- Julius Baer (@juliusbaer) - X(旧Twitter)
- Julius Baer - YouTubeチャンネル