ペイシディケー
ペイシディケー(古希: Πεισιδίκη, Peisidikē)は、ギリシア神話の女性である。長母音を省略してペイシディケとも表記される。主に、
の5人が知られている。以下に説明する。
アイオロスの娘
[編集]このペイシディケーは、アイオロスとエナレテーの娘で、クレーテウス、シーシュポス、アタマース、サルモーネウス、デーイオーン、マグネース、ペリエーレース、カナケー、アルキュオネー、カリュケー、ペリメーデーと兄妹。ミュルミドーンとの間にアンティポス、アクトールを生んだ[1][2]。
ペリアースの娘
[編集]このペイシディケーは、テッサリアー地方のイオールコスの王ペリアースの娘で、アカストス、ペロペイア、ヒッポトエー、アルケースティスと兄妹[3]。彼女たち姉妹はコルキスの魔女メーデイアにそそのかされ、父親が若返ると信じて切り刻んで殺してしまった[4]。なお、ヘーシオドスによると彼女の姉妹はアルケースティスとメドゥーサである[5]。
ネストールの娘
[編集]このペイシディケーは、メッセーネー地方のピュロスの王ネストールとクラティエウスの娘アナクシビアーとの娘で、ペルセウス、ストラティオス、アレートス、エケプローン、アンティロコス、トラシュメーデース、ペイシストラトス、ポリュカステーと兄妹[6][7]。ヘーシオドスによると、ペイシディケーは女神たちと美を競ったという[6]。
レウコーンの娘
[編集]このペイシディケーは、ボイオーティア地方のオルコメノスの王アタマースの子レウコーンの娘で、エリュトラース[8]、エウヒッペー(エウイッペー)他と兄妹[9]。パピュルスの欠損が多いが、彼女たちはイーノーの死後、ディオニューソスの養育をすることになったらしい[10]。
レスボス島の王女
[編集]このペイシディケーは、レスボス島のメーテュムナ市の王女である。トロイア戦争でアキレウスの軍勢の攻撃を受けたとき、ペイシディケーは敵であるアキレウスに恋し、自分を妻とするならば祖国を裏切ると申し出た。そこでアキレウスはペイシディケーの助力で市を攻略したのち石打ちの刑で殺した[11]。
モネニア市の王女
[編集]このペイシディケーは、トローアス地方のモネニア市の王女である。トロイア戦争でモネニアがアキレウスの軍勢に攻撃されたとき、アキレウスに手紙を送り、降伏の意を伝えた。というのはモネニアは水不足に陥っていたために戦争に耐えることが出来なかったからである。その後、ペイシディケーがどうなったのかは伝わっていない[12]。