コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ロサード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ロサード
第60回菊花賞パドック(1999年11月7日)
欧字表記 Rosado[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 1996年4月22日[1]
死没 2022年11月30日(26歳没)
登録日 1998年5月28日
抹消日 2003年11月28日
サンデーサイレンス[1]
ローザネイ[1]
母の父 Lyphard[1]
生国 日本の旗 日本北海道早来町[1]
生産者 ノーザンファーム[1]
馬主 (有)社台レースホース[1]
調教師 橋口弘次郎栗東[1]
競走成績
生涯成績 46戦6勝[1]
獲得賞金 4億3383万6000円[1]
勝ち鞍
GII オールカマー 2002年
GIII 新潟3歳S 1998年
GIII 京阪杯 1999年
GIII 小倉記念 2001年・2003年
テンプレートを表示

ロサード(欧字名:Rosado1996年4月22日 - 2022年11月30日)は、日本競走馬種牡馬[1] 。主な勝ち鞍に1998年新潟3歳ステークス1999年京阪杯2001年小倉記念2002年オールカマー2003年の小倉記念。バラ一族の小兵と呼ばれた[2]

馬名スペイン語で「薔薇色の」を表す言葉 (Rosado) 。いわゆる「薔薇一族」の一頭[3]で、半姉デイリー杯3歳ステークスを勝ったロゼカラー、全弟にセントライト記念など重賞3勝のヴィータローザがいる。

戦歴

[編集]

社台レースホースのクラブ馬で募集価格は8000万円(40口)。一口馬主の一人に宮川一朗太がいる[4]

1998年、デビュー戦となった阪神競馬場での新馬戦に勝利し、続く新潟3歳ステークスでは直線外から鋭く伸びて勝利し重賞初制覇[3]。姉ロゼカラー同様早くから活躍する。その後は、京王杯3歳ステークスで後の優駿牝馬(オークス)の優勝馬ウメノファイバーの2着に入り、東京優駿(日本ダービー)では15番人気ながら6着に食い込むなどの走りをみせる。3歳秋には初の古馬との対戦となった京阪杯で1年ぶりの勝利を挙げた。

古馬となってからは、芝のマイルから中距離重賞を中心に出走を続け、4歳時は未勝利ながら北九州記念京阪杯で2着など好走。5歳夏には小倉記念で久々の勝利を挙げた。

6歳時は夏に北九州記念で3年連続となる2着になると、秋には新潟開催となったオールカマーを5頭横一線の叩き合いを制してレコードで勝利する[3]。7歳秋には再度小倉記念を勝利。これが現役最後の勝利となった。その後4年連続出走となった天皇賞(秋)8着、マイルチャンピオンシップ13着を最後に引退し、種牡馬となった[5]

引退後

[編集]

2004年から社台スタリオンステーション荻伏で種牡馬となり、2007年からはビッグレッドファームで種牡馬として繋養された[6]。2010年から2012年は種付を行っておらず、種牡馬としては休業状態となっていたが[7]、2013年には産駒のクラウンロゼの活躍もありビッグレッドファームの種牡馬リストにも再び名を連ねた。2016年まで種付を行った[8]が、その後は活躍馬に恵まれず、2017年7月20日付けで用途変更され、供用停止となった[9]

その後、ホーストラスト北海道へ移動し、2021年から引退名馬繋養展示事業の対象馬となったが、2022年11月30日に死亡した[10]。26歳没。

初年度産駒は2007年にデビュー。同年6月24日にアンヴェイルが2歳新馬戦でロサード産駒として中央競馬初出走、2008年2月3日にはケンモンスターが3歳未勝利戦を勝ち、産駒の中央競馬初勝利となった[11]。2010年7月10日には、タマニューホープが産駒初となる中央競馬の特別レース勝ちを収めた。

種付数0となる前の最後の世代である2010年生まれ3頭のうちの1頭、クラウンロゼが、産駒の中央競馬重賞への初出走となった2013年1月12日フェアリーステークスを制し[7]、産駒の中央重賞初勝利。その後、同年3月9日アネモネステークスにも勝利し、3連勝で桜花賞へと駒を進め、産駒初のG1レースへの出走を果たした。

代表産駒

[編集]

現役時の特徴

[編集]
  • 小倉競馬場のコースを得意としており、小倉記念2勝、北九州記念2着3回と良績を残した。橋口弘次郎は小倉競馬場で活躍した管理馬の中で、一番印象深い馬だとコメントしている[12]
  • 新潟競馬場でも参戦機会が少ない中で良績を残しており、改修前(新潟3歳ステークス)と改修後(オールカマー)双方の重賞を勝った唯一の馬である[3]
  • 400キログラム台前半と牡馬としては小柄な馬体であったが、馬格を瞬発力でカバーし鋭い追い込みをみせた[3]
  • GIでは11走して最高着順は日本ダービーの6着、2桁着順4回と実績を残すことができなかったが、6年の現役生活の間、大きな怪我や長期の戦線離脱もなく元気に走り続けた。
  • 6勝を挙げているが、そのすべてが違う騎手の騎乗で挙げた勝利である。
  • 中央競馬でグレードレースに41回出走しているが、これはイクノディクタスの40回を上回り当時の最多出走記録を更新するものだった[13]

競走成績

[編集]
年月日 競馬場 競走名 頭数 オッズ
(人気)
着順 騎手 斤量 距離(馬場) タイム
(上り3F
タイム
勝ち馬/(2着馬)
1998 7. 18 阪神 3歳新馬 9 5.2(3人) 01着 高橋亮 52 芝1400m(良) 01:24.4 (36.8) -0.2 (ビッグフィガー)
9. 6 新潟 新潟3歳S GIII 15 10.3(5人) 01着 江田照男 53 芝1400m(良) 01:22.9 (36.4) -0.1 (ノーザンカピタン)
10. 24 京都 デイリー杯3歳S GII 12 4.9(2人) 11着 高橋亮 53 芝1600m(良) 01:38.2 (37.3) 2.2 エイシンキャメロン
11. 14 東京 京王杯3歳S GII 9 6.8(4人) 02着 高橋亮 54 芝1400m(良) 01:22.9 (35.7) 0.1 ウメノファイバー
12. 13 中山 朝日杯3歳S GI 14 19.0(6人) 09着 高橋亮 54 芝1600m(良) 01:36.3 (36.8) 1.0 アドマイヤコジーン
1999 3. 21 中山 スプリングS GII 16 11.5(4人) 10着 高橋亮 56 芝1800m(不) 01:52.9 (38.3) 1.7 ワンダーファング
4. 25 東京 NZT4歳S GII 18 44.4(10人) 04着 江田照男 56 芝1400m(重) 01:23.7 (36.0) 0.3 ザカリヤ
5. 16 東京 NHKマイルC GI 18 53.3(12人) 09着 江田照男 57 芝1600m(良) 01:34.9 (36.2) 1.1 シンボリインディ
6. 6 東京 東京優駿 GI 18 141.2(15人) 06着 高橋亮 57 芝2400m(良) 02:26.4 (35.0) 1.1 アドマイヤベガ
10. 17 京都 京都新聞杯 GII 18 40.3(7人) 04着 江田照男 57 芝2200m(良) 02:12.7 (34.8) 0.4 アドマイヤベガ
11. 7 京都 菊花賞 GI 15 52.9(11人) 11着 江田照男 57 芝3000m(良) 03:08.7 (34.9) 1.1 ナリタトップロード
11. 27 京都 京阪杯 GIII 17 6.1(3人) 01着 安藤勝己 55 芝1800m(良) 01:46.4 (34.5) -0.3 (ドラゴンライト)
2000 1. 5 京都 京都金杯 GIII 16 6.5(2人) 04着 安藤勝己 57 芝1600m(良) 01:34.5 (33.6) 1.1 キョウエイマーチ
1. 30 東京 東京新聞杯 GIII 16 5.3(2人) 08着 高橋亮 56 芝1600m(良) 01:34.3 (35.3) 0.7 ダイワカーリアン
5. 14 福島 新潟大賞典 GIII 16 22.6(11人) 08着 中舘英二 56 芝2000m(稍) 02:02.2 (37.2) 1.2 タヤスメドウ
6. 4 東京 安田記念 GI 18 145.6(15人) 16着 高橋亮 58 芝1600m(良) 01:35.1 (35.0) 1.2 フェアリーキングプローン
6. 24 阪神 米子S OP 15 11.1(6人) 09着 池添謙一 56 芝1600m(良) 01:34.8 (34.5) 0.8 チェックメイト
7. 16 小倉 北九州記念 GIII 14 30.1(9人) 02着 高橋亮 56 芝1800m(良) 01:46.4 (34.1) 0.1 トゥナンテ
8. 13 小倉 小倉記念 GIII 14 8.8(6人) 03着 高橋亮 56.5 芝2000m(良) 02:00.0 (36.1) 0.3 ミッキーダンス
9. 9 阪神 朝日CC GIII 13 5.0(2人) 04着 高橋亮 57 芝2000m(良) 01:58.6 (35.2) 0.3 ミッキーダンス
10. 8 京都 京都大賞典 GII 12 19.7(4人) 03着 松永幹夫 57 芝2400m(良) 02:26.3 (33.2) 0.3 テイエムオペラオー
10. 29 東京 天皇賞(秋) GI 16 45.1(8人) 08着 松永幹夫 58 芝2000m(重) 02:00.8 (35.4) 0.9 テイエムオペラオー
11. 25 京都 京阪杯 GIII 18 4.4(1人) 02着 安藤勝己 57 芝1800m(良) 01:45.4 (34.4) 0.2 ジョウテンブレーヴ
2001 1. 14 京都 日経新春杯 GI 11 3.9(1人) 09着 安藤勝己 57 芝2400m(良) 02:26.7 (34.9) 0.9 ステイゴールド
5. 13 京都 都大路S OP 16 5.9(3人) 03着 安藤勝己 57 芝1600m(良) 01:32.1 (34.2) 0.0 ビハインドザマスク
6. 10 東京 エプソムC GIII 18 3.7(1人) 05着 江田照男 57 芝1800m(良) 01:45.6 (34.8) 0.5 アドマイヤカイザー
7. 15 小倉 北九州記念 GIII 9 2.6(1人) 02着 小牧太 56 芝1800m(良) 01:48.6 (35.2) 0.3 エイシンプレストン
8. 12 小倉 小倉記念 GIII 13 3.8(2人) 01着 小牧太 57 芝2000m(良) 02:00.2 (35.5) -0.1 (トウカイオーザ)
10. 7 東京 毎日王冠 GII 12 9.9(6人) 02着 横山典弘 57 芝1800m(良) 01:45.4 (34.6) 0.1 エイシンプレストン
10. 28 東京 天皇賞(秋) GI 13 31.8(6人) 09着 横山典弘 58 芝2000m(重) 02:03.6 (37.0) 1.6 アグネスデジタル
11. 18 京都 マイルCS GI 18 43.8(13人) 07着 吉田稔 57 芝1600m(良) 01:33.7 (33.5) 0.5 ゼンノエルシド
12. 9 阪神 鳴尾記念 GIII 13 15.4(7人) 05着 川原正一 58 芝2000m(良) 02:00.3 (35.4) 0.5 メイショウオウドウ
2002 3. 31 阪神 産経大阪杯 GII 14 14.9(6人) 04着 小牧太 57 芝2000m(良) 02:00.0 (35.2) 0.9 サンライズペガサス
5. 4 京都 都大路S OP 18 8.5(4人) 06着 角田晃一 58 芝1600m(良) 01:34.4 (33.8) 0.7 パープルエビス
5. 25 中京 金鯱賞 GII 18 13.5(4人) 07着 河内洋 57 芝2000m(良) 01:59.8 (36.2) 1.5 ツルマルボーイ
7. 14 小倉 北九州記念 GIII 16 3.0(1人) 02着 芹沢純一 57 芝1800m(良) 01:45.5 (35.6) 0.2 トッププロテクター
8. 11 小倉 小倉記念 GIII 14 4.1(1人) 05着 小牧太 58 芝2000m(良) 02:00.5 (37.5) 0.8 アラタマインディ
9. 22 新潟 オールカマー GII 13 5.4(2人) 01着 後藤浩輝 57 芝2200m(良) R2:11.7 (35.1) -0.0 (アグネススペシャル)
10. 27 中山 天皇賞(秋) GI 18 75.9(15人) 12着 後藤浩輝 58 芝2000m(良) 01:59.3 (34.5) 0.8 シンボリクリスエス
2003 3. 9 中京 中京記念 GIII 16 17.4(8人) 08着 中舘英二 58 芝2000m(良) 02:01.0 (37.5) 0.9 タガノマイバッハ
4. 6 阪神 産経大阪杯 GII 15 34.0(10人) 09着 池添謙一 58 芝2000m(良) 01:59.7 (34.9) 0.6 タガノマイバッハ
4. 26 東京 東京競馬場リニューアル記念 OP 13 8.5(5人) 04着 柴田善臣 57 芝2400m(良) 02:24.5 (34.8) 0.8 タップダンスシチー
5. 18 新潟 新潟大賞典 GIII 16 9.3(4人) 16着 中舘英二 57 芝2000m(良) 01:59.2 (34.8) 0.9 ダンツフレーム
8. 17 小倉 小倉記念 GIII 11 6.9(4人) 01着 武幸四郎 57 芝2000m(稍) 02:00.7 (35.3) -0.0 (サンライズシャーク)
11. 2 東京 天皇賞(秋) GI 18 87.6(14人) 08着 武幸四郎 58 芝2000m(良) 01:59.0 (34.1) 1.0 シンボリクリスエス
11. 23 京都 マイルCS GI 18 88.4(16人) 13着 角田晃一 57 芝1600m(良) 01:34.1 (34.1) 0.8 デュランダル
  • タイム欄のRはレコード勝ちを示す。

血統表

[編集]
ロサード血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サンデーサイレンス系ヘイロー系
[§ 2]

*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
父の父
Halo
1969 黒鹿毛
Hail to Reason Turn-to
Nothirdchance
Cosmah Cosmic Bomb
Almahmoud
父の母
Wishing Well
1975 鹿毛
Understanding Promised Land
Pretty Ways
Mountain Flower Montparnasse
Edelweiss

*ローザネイ
Rosa Nay 1988
栗毛 フランス
Lyphard
1969
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Goofed Court Martial
Barra
母の母
Riviere Doree
1980
Secretariat Bold Ruler
Somethingroyal
Riverqueen Luthier
Riverside
母系(F-No.) ローザネイ系(FN:1-w) [§ 3]
5代内の近親交配 Almahmoud 4x5 [§ 4]
出典
  1. ^ JBISサーチ ロサード 5代血統表2017年9月7日閲覧。
  2. ^ ロサードの種牡馬情報 競馬ラボ、2021年1月30日閲覧
    netkeiba.com ロサード 5代血統表2017年9月7日閲覧。
  3. ^ JBISサーチ ロサード 5代血統表2017年9月7日閲覧。
  4. ^ JBISサーチ ロサード 5代血統表2017年9月7日閲覧。


脚注

[編集]
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o ロサード”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年11月19日閲覧。
  2. ^ 【1998年・新潟3歳S】さすがサンデーサイレンス産駒!〝バラ一族の小兵〟ロサード 思い出される2歳Sダブル制覇の偉業”. 東スポ競馬 (2022年8月22日). 2024年8月2日閲覧。
  3. ^ a b c d e JRAホームページ|トピックス&コラム|競馬コラム|The G-Files”. JRA (2009年9月5日). 2018年2月26日閲覧。
  4. ^ 【宮川一朗太】今週の地方競馬予想”. netkeiba.com. 2018年2月26日閲覧。
  5. ^ ロサードが引退、種牡馬入り”. netkeiba.com (2003年11月27日). 2018年2月26日閲覧。
  6. ^ ロサードがビッグレッドファームへ”. netkeiba.com (2007年1月16日). 2018年2月26日閲覧。
  7. ^ a b 藤井正弘 (2013年1月16日). “藤井正弘の血統トピック「孝行娘の出現でロサードの種牡馬復帰を呼ぶ!?」”. スポーツニッポン. 2013年1月22日閲覧。
  8. ^ https://www.jbis.or.jp/horse/0000309217/sire/generation/thorough_s/
  9. ^ 2017年の供用停止種雄馬一覧”. 公益財団法人 ジャパン・スタッドブック・インターナショナル (2018年2月21日). 2018年2月26日閲覧。
  10. ^ ロサードの死亡について - 引退名馬、2022年12月3日閲覧。
  11. ^ ロサード産駒、JRA初勝利”. netkeiba.com (2008年2月3日). 2018年2月26日閲覧。
  12. ^ 小倉ターフ賞受賞者コメント”. ラジオNIKKEI (2015年9月6日). 2018年2月26日閲覧。
  13. ^ 出走回数ランキング”. 競馬道 (2006年4月24日). 2023年12月17日閲覧。

外部リンク

[編集]