一條力真
| 基本情報 | |
|---|---|
| 国籍 |
 日本 |
| 出身地 | 茨城県石岡市 |
| 生年月日 | 2003年2月10日（21歳） |
| 身長 体重 |
189 cm 82 kg |
| 選手情報 | |
| 投球・打席 | 右投右打 |
| ポジション | 投手 |
| 経歴（括弧内はプロチーム在籍年度） | |
この表について
| |
一條 力真（いちじょう りきま、2003年2月10日 - ）は、茨城県石岡市出身の野球選手[1][2][3][4][5]。右投右打。
経歴
[編集]茨城県石岡市出身[1][2][3][4][5]。東幼稚園年長時に兄の影響で石岡オリオンズで野球を始め、内野手・外野手としてプレーした[6][7]。このときについて一條はのちに「厳しくて何度もやめたいと思ったことがある」と話した。厳しい監督に対し、泣きながら投げ続けたこともあるという。小学4年時に投手に転向[6]。石岡中学校時代は軟式野球部でプレーした[6][4]。中学3年時に県選抜に選ばれ、Kボールの全国大会に出場[6]。高校は常総学院高校で、高校入学時の球速は130 km/h前後であった[8]。2年春からベンチ入りし[6]、2年時から夏の茨城県大会に登板[8]。同年秋には菊地竜雅と並ぶ常総学院の二枚看板となった[8][6]。秋大会では、菊池を抑え背番号1を背負い[9]、県大会で優勝するも[6]、関東大会1回戦で健大高崎高校を相手に登板し9回逆転負けを喫する[8]。翌3年春の大会は中止となり、夏の甲子園交流試合への出場も叶わず[8]。夏の茨城独自大会2回戦、取手二高戦では7回1/3を1安打9奪三振無失点に抑え[4][10]、安打を許した4回以外は三者凡退に封じた[7][11]。4回には2人目の打者の2球目に投じた速球が当時の自己最速148 km/hを計測[8][11][7]。この速球は、常総学院監督の佐々木力も「今までで1番いいストレートだった」と評価した[11]。この試合で9回から登板した菊地も最速を152 km/hに更新し[11]、「自分もこの夏に出す気持ちでいきたい」と闘争心を燃やした[12]。3回戦多賀高校戦では、9回に4番手で登板し、1回1安打無失点の好投を見せるもチームは敗戦[13][14]。試合後には「悔しいしかない。しょうがないです。完全燃焼できたかは正直まだわからないです」と話し、高校最後の夏を終えた[13][14]。高校時には大学進学を希望し、プロ志望届を提出せず[9][15][16]。2021年1月14日に東洋大学のスポーツ推薦入試に合格したことが発表された[17][18]。
その後、東洋大学総合情報学部に入学した[8][2]。1年秋から2部リーグ戦で登板[6][19]。2年春開幕戦に登板し、自己最速151 km/hを記録し無失点[20]。2年秋には2部で救援初勝利を収める[19]。リーグ戦優勝を果たし、中央大学との入れ替え戦に臨んだ[8]。第1戦はのちに北海道日本ハムファイターズにドラフト1位指名される細野晴希の後を受けて登板し、勝利に貢献[8][21]。第2戦ではビハインドの場面で5番手で登板するも、1回2/3を4四死球と制球を乱した[8]。第3戦は、登板の機会が回ってこないままチームがサヨナラ負けを喫し、悔しさを味わった[8]。一條はこの入れ替え戦についてのちに、「ぐっちゃぐちゃで投げていて、デッドボールも与えてしまって。色々なところがバラバラでした。そこから成長してきたと感じています」 と語った[8]。3年秋には1部リーグ戦で6試合に登板[6]。チームは混戦の末最下位となり[22]、入れ替え戦駒澤大学戦 1回戦では9回2死満塁の場面で救援登板し、抑える[23]。4回戦では9回から登板し、延長10回タイブレークにに2者連続三振を奪うも、2死一二塁から失策が重なってサヨナラ負けを喫した[24][22]。「ベースカバーもそうですし、当たり前のことをちゃんとやる。なにが起こるかわからない。勉強になりましたね」 と振り返った[22]。3年の1年間を「すごくいろいろあったなと。1部に上がってまた2部まで落ちてっていう1年でした」と総括した[22]。 2024年1月8日には新年最初の練習を行い、「悔しい気持ちを忘れずに、1部昇格を目指したい。『先発を』と言われたらやります」「先発でも、抑えでも。言われたところでしっかり投げたい」 「長いイニングを投げるために、カーブと横に曲がるボールを覚えたい」 と、1部昇格への決意と、今後への課題を口にした[25][26]。4年時の大学最後の秋季リーグ戦は、個人の目標として「無失点」を掲げ、意気込みは「1部昇格」と語った[27]。その初戦、拓殖大学戦の6点リードの8回に6番手で同リーグ戦初登板し、2回を投げて1安打を許しながらも無失点を記録した[8]。一條は「久しぶり（の登板）だったので、力が入っちゃったと思うんですけど『ランナーを出してもいい』と思って、腕を振って投げるというだけでした」と振り返った[8]。9月12日にプロ志望届を提出[28]。10月6日の駒澤大学戦では9回表1点差の1死二三塁のピンチの場面で登板し、死球を与えて満塁にするも、後続を捕邪飛と空振り三振に抑えた[29]。10月16日の国士舘大学戦では9回に登板し、1安打無失点[30]。
2024年10月24日に行われたプロ野球ドラフト会議にて、千葉ロッテマリーンズからドラフト3位指名された[2][3][31][32][33][34][35][36][37]。担当スカウトは福澤洋一[32][36][38][39]。会議は東京都文京区の東洋大学白山キャンパスで監督、部員らと見守った[3]。指名時には驚きのあまり数秒放心状態となり、Xで公開された映像[40]がネット上で話題となっていた[33][34]。指名後に白山キャンパス125記念ホールで行われた[2]記者会見では、「すごくうれしく思います」「日本を代表するピッチャーになりたい」と今の気持ちや今後への思いを語った[3]。ドラフト終了後には100件以上の祝福メッセージが届いたという[32][31][35]。10月26日に東洋大学でアマチュアスカウトディレクターの榎康弘と福澤に指名挨拶を受け、「まだまだ全然実感湧かないです」と話すも、「落差のあるフォークボールを生かし、三振も取ってアピールしていきたい」[41][31]「右ピッチャーのリリーフの即戦力と、うれしい言葉をもらいました」と今後への思いやうれしさを語った[32][38][35][39]ほか、常総学院高校の先輩で千葉ロッテマリーンズ所属の鈴木昭汰に「プロの世界のことを聞きたい」と話した[42]。また、同じく長身の佐々木朗希に「どうしてそんなに（球が）速いのか聞きたい」と話した[41]。同年秋のリーグ戦は、10月29日の駒澤大学戦で延長11回タイブレークの末勝利し、昨年春以来の2部優勝を決めた[43]。一條は10回から3番手でドラフト会議後初の登板[43]。2回3奪三振の無安打無失点のサヨナラ勝利を呼び込む好投を披露した[43]。試合後には「先発の岩崎と島田が頑張ってきてくれたので、僕がヘマできない」と話し、「また後ろの方になると思うので、こういうピンチの場面でしっかり抑えて1部に上がれたらと思います」と入れ替え戦への思いを語った[43]。11月には、東京農業大学との入れ替え戦に臨んだ[24][44][45]。2戦目では8回から登板し、2回1安打無失点[24][44][45]。2連勝で大学ラストゲームを3季ぶりの1部リーグ戦昇格で飾った[24][44][45]。「点差もあったので気持ち良く投げられた。精神面で成長できました」[24]「最後は3人三振で終わりたかったですけど…」[44]と登板後には話した。今後について試合後には、「夢を与える投手になりたい」と話した[24]。東都大学リーグ1部通算6試合の登板で、1勝1敗防御率1.04を記録した[6]。1部2部合計では、通算21試合の登板（そのうち先発2試合）、31投球回で2勝1敗21奪三振、防御率1.74の成績を残した[19][5]。
選手としての特徴・人物
[編集]速球の最高球速は2年秋のリーグ戦、立正大学戦で記録した153 km/h[注 1][31][38][41][19]。変化球はスライダー、カーブ、フォーク[注 2]、ツーシームを持っている[6][46]。しなやかなフォームから投げられる力強くキレのある[46]常時150 km/h台の速球とフォークが持ち味[8][43]。フォークは千賀滉大を参考にしている[47]。中学2年の頃に手と指の長さから遊びで投げたことが始まりだという[47]。「もっとスピードのあるフォークを投げたい」と、高校入学後握りを研究し、人差し指だけボールの縫い目にかけて投げるようにした[47]。「フォークはカットボール気味に入っちゃうとあんまり落ちないんですが、左バッターのツーシーム系を意識すると、いい落ち方をします」と一條自身で話した[8]。千葉ロッテマリーンズアマチュアスカウトディレクターの榎康弘には指名挨拶で「角度のある強いストレートと、フォークも落差がありカウントも取れるので、後ろを任せられる即戦力」[32]「マリン特有の風も上手く使えると思う」と評価された[41]。千葉ロッテマリーンズ球団からは、中継ぎの柱になると期待されている[36]。
高校時代からプロに注目されていたが、あまりプロを意識していなかった[8][1]。コロナ禍によって夏の甲子園が中止となるなど真剣勝負の場が減り、自分のボールが本当に通用するのかがわからなくなることもあったという[8]。一條はのちに、「夏にもっと投げられていたら（プロ志望するかも）分からなかったですけど、それ以前から自信はあまりなかったです。プロへの思いも、そこまでなかった」と語った[8]。4年秋のインタビューでは大学4年間でつかんだ自信から「今はもちろん（プロを）目指しています」と話した[8]。
高校時代には、「島田（直也）コーチに体重移動を教えてもらい、力のある真っすぐを投げられるようになった」と成長した[48]。
大学4年間で成長したこととして、メンタル面を挙げた[8]。2年秋の入れ替え戦以降、投球フォームの修正点を把握し、余計なことを考えず投げることを意識した[8]。チーム事情から試合の終盤を任されることが多かったことも、メンタル面の成長を後押ししたという[8]。のちに一條は「同点やタイブレークの場面で投げると、自然と成長できるんだと思います。特にタイブレークは『点を取られても自分のせいじゃない』ぐらいの割り切りで投げています」と語った[8]。
指名後からSNSでは「イケメン」と話題になっていた[32][31][1][41]。一條自身は「いや、うれしいですけど、野球なんで、やることは」[41]「誰かに似ているとかも言われたことはない」と話す[32]が、東洋大学のチームメイトは「もちろん野球部で一番イケメンです!」と話す[31]。榎康弘も「でもね、そこも大事ですよね。顔だけではなくて実力があってですけど。人気は出ると思いますよ」と話した[32][31]。189cmの高身長であることからも、早くも女性からの人気を獲得している[1]。
SNSでは大学の先輩である佐藤都志也との「東洋バッテリー」が期待されている[34]。
石岡オリオンズ時代には、弱音を吐かない一條を両親は温かく見守った[7]。練習に行きたくない一條の気持ちを察し、「お昼はおいしいお弁当を持って行くからね」と、母は笑顔で送り出したという[7]。両親の支えもあり、常総学院高校時代には「投げることが好き。伸びていく球を見ると気持ちがいい」と話すまでになった[7]。常総学院時代には、「小さいころ、支えてくれた両親がいたから今の自分がいる」と話し、両親に対する感謝の気持ちを手紙につづった[7]。
好きなロッテの菓子はパイの実[41]。バレンタインデーなどにもらえば「すごくうれしいですね」と話した[41]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e 「「もう虜です！」ロッテ３位指名の東洋大・一條力真の“圧倒的美貌”に女性ファン悶絶！「ビジュ良すぎ」「キュンキュンしちゃう」【ドラフト会議】」『THE DIGEST』2024年10月26日。2024年11月19日閲覧。
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