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『同級生 リメイク』はFANZA GAMESから発売され、開発にはシルキーズプラスが協力した[1]。
本作は1992年発売のアダルトゲーム『同級生』のリメイクであり、オリジナル版『同級生』のシステムをもとにした「クラシックモード」に加え、選択肢による好感度の上下を可視化するなどして遊びやすくした「イージーモード」[2][3][注 1]や、シーン鑑賞モードなどが追加されており、ヒロインの音声もフルボイス化されている。また、豪華版にはWindows 8.1/10に対応した初代『同級生』が収録されている[5][6]。
2022年4月15日、Steamにて『Dōkyūsei:Bangin'Summer』として全年齢移植版が発売された[7][注 2]。音声は日本語対応するもインターフェイスは対応なし[8]。
制作[編集]
リメイク版のプロデューサーであるFANZA GAMESのヤス(松田泰明)は、もともと本作のファンであり、エルフの『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』がリメイクされたことが本作のリメイクのきっかけの一つとなったと、BugBugによるインタビューの中で述べている[9]。また、ヤスは現在のユーザーにも美少女ゲームの古典である本作を遊んでほしいという気持ちが強かったと同時に、システム面を変更する必要性からオリジナル版を現行OSに対応させるではなくリメイクを選んだとも述べている[9][4]。一方、ヤスは大元が大作だったゆえに物量が多くて開発期間が長くなってしまったと、美少女ゲーム専門のニュースサイト・E-ROADとのインタビューの中で振り返っている[4]。
シナリオはWin版をベースとしており、2020年時点の倫理的に問題がある部分のみの調整にとどめられている[10]。シナリオを改変すると登場人物の言動に疑問や矛盾が生じてしまうおそれがあることから、ヤスはシナリオをそのまま使いたいと考えており、それに合わせようと世界観も1990年代を基準とした[9]。前述の問題上どうしても改変が必要な場面については、外部のライターが担当した[9]。
また、社内からはヤスの意図を理解したうえで「エンディングの後にHシーンを追加してほしい」という声も寄せられていたが、追加シーンが取ってつけたものになってしまうことに加え、蛭田のシナリオから乖離してしまうという懸念から、Hシーンの追加は行われなかった[9]。同様の理由から、コンシューマ版の追加キャラクターも登場させなかった[9]。原画には、初代のデザインの意図を理解したうえで現代的にアレンジできるという理由から、すめらぎ琥珀が起用された[9]。
2021年4月1日には、フロッピーディスク版を19194545年12月17日に発売予定であるとの告知ページが公開された[11]が、当然ながらこれはエイプリルフールのネタであり、まもなくネタばらしのツイートが出された[12]。
キャスティング[編集]
役名 | 声優名 | |
---|---|---|
仁科くるみ | 北大路ゆき |
ヒロインの一人である仁科くるみは、北大路ゆきが演じた[13]。物語の前半において、くるみは恋人の一哉との関係に悩んでいることから、北大路は気持ちが落ち込んで内側にぐっと抑えるイメージで演じていたと「げっちゅブログ」に寄せた記事の中で明かしており、自分のもとの声が陰寄りなので、暗すぎたり病みすぎたりしないよう注意を払ったと話している[13]。いっぽう、吹っ切れた後は甘え度高く演じられたのですごく楽しかったとも話しており、おとなしい雰囲気ながらも小悪魔なところもあるので、たまにほんのわずかあざとさを出す漢字を意識していたとも話している[13]。また、ヤスはおっとりしながらもかわいい雰囲気を保ちつつも、少し幼さを残した喋りがぴったりでぐっと来たと記事に寄せたコメントの中で明かしている[13]。
北見六花はオリジナル版『同級生』のファンであり、もともとオファーが来ていなかったものの、せめてモブでも出してほしいと頼み込んだ結果、15役ものモブキャラクターを演じた[14]。北大路は前述のブログ記事の中で、北見にLINEで思い入れのある役について尋ねたところ、語尾に「スケベ」をつけて喋るラブホテルのおばさんを挙げ、「語尾の「スケベ」をどう言えばより面白く、嫌らしくなるか試行錯誤して収録したので、とてもやりがいがありました!(笑)」という回答が寄せられ、それを見た北大路はここで初めて北見がその役を演じたことを知り、自分もそのキャラクターが好きだと返信したという[13]。
反響[編集]
発売前の反響[編集]
制作発表が2020年10月23日の0時に予告無しで行なわれたためもあり、同日のTwitterにて「同級生リメイク」というワードがトレンド入りしたことがまもなく報じられている[6]。また、美少女ゲーム業界内でも発表への反響は大きく、関係のあるデバッグ会社から連絡が来ることもあったとされている[9]。
リメイク版のキャンペーンとして、豪華版の購入者を対象としてた原作開発当時に用いられた竹井正樹による生原画を抽選で30名にプレゼントする企画が実施された[15][16]。これについてプログラマ兼ライターの岩崎啓眞は原作を「ゲーム史上に燦然と輝くメルクマーク[注 3]の一つ」と高く評価したうえで、「権利元の歴史意識を疑う企画と言わざるを得ない」と苦言を呈している[17]。一方、ヤスはこの企画への賛否を予想して制作チームと相談し、「リメイクがなければ倉庫で眠っていた物」「(ユーザーに)大事に扱ってもらえれば幸せ」という思いで実施に踏み切っており、原作スタッフにも快諾されている[16]。
発売後の反響・評価[編集]
美少女ゲーム専門サイト「E-ROAD」はリメイク版の体験版について、イラストをうまくリメイクできたと評価すると同時に、プレイしていてタイムスリップをしたような感覚を味わったと述べており、主人公の言動は今(2021年1月時点)見ればちょっと危ない人とも受け取れると評した[4]。
ライターの神山小道は、萌えゲーアワードに寄せたレビュー記事の中で、リメイク版についてはHシーンがヒロイン1人につき1つ程度ながらも底抜けにエロティックであり、キャストの演技も自然だったと評価している[3]。
アダルトゲーム雑誌「BugBug」2022年4月号に掲載された「読者が選ぶ2021年間美少女ゲームランキング」において、リメイク版が1位を獲得した[18]。 「BugBug」2022年5月号に掲載された、かつて「萌えゲーアワード」の審査委員を務めた者たち[注 4]による座談会の中で、その一人だった「BugBug」編集長のマス大澤は、リメイク版の大ヒットはある種の原点回帰だと評している[18]。
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ^ @DiGination_infoの2020年10月24日のツイート、2020年10月24日閲覧。
- ^ ジサトラハッチ (2021年2月25日). “『同級生リメイク』をいち早く体験!フルHD&フルボイス&イージーモード追加、現代に通じる保存すべき名作だ (3/4)”. ASCII.jp. 2021年6月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月30日閲覧。
- ^ a b “【レビュー】『同級生リメイク』は、オリジナル版ファンも大満足の神ゲーだった”. 萌えゲーアワード (2021年3月29日). 2021年5月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月30日閲覧。
- ^ a b c d “『同級生 リメイク』インタビュー!プロデューサーを直撃取材”. E-ROAD (2021年1月9日). 2021年1月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月22日閲覧。
- ^ “エルフの恋愛ADV『同級生』のフルリメイク版が、2021年2月26日に発売決定。PC用ソフトで発売元はFANZA GAMES”. ファミ通.com (KADOKAWA Game Linkage). (2020年10月23日). オリジナルの2020年11月23日時点におけるアーカイブ。 2020年10月23日閲覧。
- ^ a b “美少女ゲームの金字塔「同級生」がまさかの復活! 「同級生リメイク」発売決定”. GAME Watch (インプレス). (2020年10月23日). オリジナルの2020年11月29日時点におけるアーカイブ。 2020年10月23日閲覧。
- ^ “elf、『同級生リメイク』Steam版を発売”. E-ROAD (2022年4月14日). 2022年4月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年5月4日閲覧。
- ^ a b “『同級生リメイク』の全年齢移植版がSteam向けに3月11日配信―音声は日本語対応もインターフェイスは対応なし”. Game*Spark (2022年2月18日). 2023年5月18日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “【BugBug】話題沸騰中の『同級生リメイク』の経緯やポイントについて仕掛け人のプロデューサー・ヤス氏に1月号で6ページに渡って直撃ロングインタビュー!!”. bugbug.news (富士美出版). (2020年12月12日). オリジナルの2021年1月23日時点におけるアーカイブ。 2020年12月15日閲覧。
- ^ “原作「同級生」からの変更点”. 『同級生 リメイク』. FANZA GAMES. 2020年10月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年10月24日閲覧。
- ^ “同級生リメイク フロッピーディスク版発売決定!!”. 『同級生 リメイク』. FANZA GAMES (2021年4月1日). 2021年4月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月10日閲覧。
- ^ @DiGination_infoの2021年4月1日のツイート、2021年4月10日閲覧。
- ^ a b c d e “声優コラム【ゆき、きいろ、りっかの声色雪月花】第1回『Making*Lovers』『同級生リメイク』北大路ゆき、月野きいろ、北見六花”. 2023年5月17日閲覧。
- ^ “Getchu.com:げっちゅブログ:声優コラム【ゆき、きいろ、りっかの声色雪月花】第26回『最終回なので、3人で色々語っちゃいます!』北大路ゆき、月野きいろ、北見六花”. blog.getchu.com (2023年3月31日). 2023年5月18日閲覧。
- ^ “同級生リメイク版公式ページ”. FANZA GAMES DiGination. 2021年4月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月11日閲覧。
- ^ a b “【開発者インタビュー】色鮮やかに蘇った名作『同級生リメイク』を作り上げた情熱を追う”. 萌えゲーアワード (2021年3月29日). 2021年4月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月11日閲覧。
- ^ @snapwithの2020年10月23日のツイート、2020年10月25日閲覧。
- ^ a b c “【BugBug】元「萌えゲーアワード」審査委員3人が2021年Myベスト作品を大発表!! 5月号掲載「BugBugアワード座談会」をダイジェストで紹介”. bugbug.news (2022年4月28日). 2022年4月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月28日閲覧。
外部リンク[編集]
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