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台中線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
台鉄捷運紅線 (台中)から転送)
台中線
台中線(山線)を走る普悠瑪自強号(TEMU2000型)
台中線(山線)を走る普悠瑪自強号TEMU2000型
基本情報
中華民国の旗 台湾
起点 竹南駅
終点 彰化駅
駅数 23駅
電報略号 ㄊㄓㄒ (ㄕㄢㄒ)
開業 1903年5月25日
全通 1908年4月20日
所有者 台湾鉄路公司
運営者 台湾鉄路公司
路線諸元
路線距離 85.5 km
軌間 1,067 mm
線路数 複線
複線区間 全線
電化区間 全線
電化方式 交流25,000V・60Hz 架空電車線方式
路線図

縦貫線の中段で2つに分かれる路線のうち、内陸部にあるほうが台中線。
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台中線
各種表記
繁体字 臺中線
簡体字 台中线
拼音 Táizhōng xiàn
通用拼音 Táijhōng siàn
注音符号 ㄊㄞˊ ㄓㄨㄥ ㄒㄧㄢˋ
発音: タイジョンシェン
台湾語白話字 Tâi-tiong sòaⁿ
客家語白話字: Thòi-chûng Sien
日本語読み: たいちゅうせん
英文 Taichung Line
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台中線(たいちゅうせん)は、台湾苗栗県竹南鎮竹南駅から台中駅を経て彰化県彰化市彰化駅に至る台湾鉄路公司鉄道路線。台湾鉄路公司西部幹線の一部をなす。通称は山線。実際の運行形態は、縦貫線を参照。

歴史

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縦貫線 (台湾鉄路管理局)#歴史」も参照

台中線は基隆駅 - 高雄駅間を結ぶ縦貫線の一部として建設された路線で、縦貫線の竹南駅 - 彰化駅間に相当する。

縦貫線は台湾を代表する幹線であったが、苗栗駅 - 豊原駅間の急勾配区間が輸送上のネックとなっていた。そこで、海沿いの平坦部に新線を建設し、内陸部を走る従来の路線と新線に列車を分散させて輸送力の増強を図ることになった。1922年、竹南駅 - 彰化駅間を海沿いに走る海岸線が開通する。これ以降、海岸線の通称「海線」に対して内陸部を抜ける従来のルートは通称「山線」と呼ばれることとなった。

戦前は海岸線が縦貫線のメインルートとして扱われ、急行列車を含めた長距離列車が海岸線経由で運行される一方、台中線を経由するのは比較的短距離を運行する列車であった。しかし、山線の路線改良(「旧山線」も参照)や電化が進められた現在では台中線が縦貫線のメインルートとしての扱いを受けており、対号列車の多くが台中線を経由して運行されている。

21世紀以降は台鉄捷運化政策に伴い市街地の立体化が計画され、2016年に台中市内が高架化されたほか、終着の彰化市内でも高架化事業計画が進行している[1]

年表

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  • 1903年(明治36年)5月25日 - 中港(現・竹南) - 苗栗間が開通[2]
  • 1908年(明治41年)4月20日 - 縦貫線竹南駅 - 彰化駅間(台中駅経由、現在の台中線に相当する区間)が全通。同時に縦貫線も全線が完成する[2]
  • 1922年(大正11年)10月11日 - 海岸線(竹南駅 - 彰化駅間、大甲駅経由)全通[3]。海岸線の完成に伴い、台中駅経由のルートは「山線」と通称されるようになる。
  • 1935年昭和10年)4月21日 - 新竹・台中地震で甚大な被害を受ける[4]:頁300-303
  • 1959年8月7日 - 八七水災中国語版で甚大な被害を受け、完全復旧には17日間を要した[4]:頁304-306
  • 1979年7月1日 - 台中線の電化に伴い、縦貫線全線電化完了[5]:349
  • 1988年 - 豊原以南が複線化[4]:頁297-299
  • 1996年 - 三義以北が複線化[4]:頁297-299
  • 1998年9月24日 - 三義と后里を結ぶ複線の新ルートが開通し、全線複線化が実現する[4]:頁297-299。旧ルートは旧山線としてその後保存、再活用が模索された。
  • 1999年9月21日 - 台湾大地震により三義トンネルなどが甚大な被害を受け、復旧には10月8日まで18日間を要した[4]:頁307
  • 2016年
    • 9月10日 - 豊富駅が北勢渓の北側、高鉄苗栗駅横に移転[6]
    • 10月16日 - 豊原駅 - 大慶駅間を高架に切り替え、一連の高架化工事が完了した[7]
  • 2018年10月28日 - 栗林頭家厝松竹精武五権駅開業[8]

運行形態

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  • 区間車
    • 苗栗市台中市彰化市を中心に往復。また、北部の区間車は苗栗発着が多く、中部の区間車は后里発着が多いため、苗栗と后里を結ぶ区間列車は1時間の基隆-嘉義の列車のみとなるのが基本である。
    • 1日26本は成追線に乗り入れ台中線から海岸線直通運行。通霄-豊原の運行が主体である。
  • 西部幹線対号列車
    • 以前は高雄屏東発着だったが、現在は潮州・ - 七堵基隆間を運行。
    • 一部列車は瑞芳駅花蓮駅台東駅まで運行。
    • 1999年9月21日の地震では、山線が閉鎖され、山線のすべての列車が海線に迂回した。北行きの自強号は、まず台中駅に行って乗客を拾い、その後、成追線に引き返して海線経由で運行を続けた。この自強号は海線での営業停車駅は無かったが、莒光号と復興号は海線の後龍、大甲、沙鹿の3駅で客扱いを行った。
    • 2008年5月15日以降、復興号は定期列車で山線を走ることはなくなったが、2011年には春節と国慶節に山線で臨時列車が運行され、2015年には台湾ランタンフェスティバルの昼間に松山から新烏日まで復興号が臨時運行されるなど、山線でも臨時列車が随時運行されていた。
    • 2016年10月20日から2019年6月18日までの間、台中鉄道の豊原から大慶までの高架化工事完了に伴い、莒光号の定期列車(観光列車除く)は山線を走ることがなくなった。しかし、2019年6月19日、莒光号は再び山線を走るようにダイヤが変更された。
    • 同時に太魯閣号はドアのペダルと高架駅のホームの隙間でペダルが破損する可能性があるため、高架化後は海線経由に変更されて当路線を経由しなくなった。
    • 主要停車駅は苗栗、豊原、台中。后里、潭子にも適宜停車する。

使用車両

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過去の使用車両

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駅一覧

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  • の駅は廃駅
  • 背景色がである部分は現在施設が未完成もしくは供用されていないことを示す。
  • 営業キロ基隆駅を起点に計算。
駅名 駅間
キロ
竹南
累計
キロ
基隆
累計
キロ[9]
等級[10] 接続路線・備考 所在地
日本語 繁体字
中国語
竹南駅 竹南車站 0.0 0.0 125.4 一等 台湾鉄路管理局:縦貫線(北段)海岸線 苗栗県 竹南鎮
尖山駅 尖山車站   2.9 128.3 廃止  
造橋駅 造橋車站 5.3 5.3 130.7 招呼   造橋郷
134信号場 134公里號誌站   8.6 134.0 廃止  
豊富駅 豐富車站 5.8 11.2 136.6 招呼 台湾高速鉄路公司台湾高速鉄道苗栗駅 後龍鎮
苗栗駅 苗栗車站 4.0 15.2 140.6 一等   苗栗市
南勢駅 南勢車站 6.7 21.8 147.2 招呼  
銅鑼駅 銅鑼車站 4.1 26.0 151.4 三等   銅鑼郷
三義駅 三義車站 7.5 33.5 158.8 三等   三義郷
泰安駅 泰安車站 10.9 44.3 169.7 簡易   台中市 后里区
后里駅 后里車站 2.6 46.9 172.3 三等  
豊原北信号場 豐原北號誌站   57.4 182.8 廃止   豊原区
豊原駅 豐原車站 6.7 53.7 179.1 一等  
栗林駅 栗林車站 2.5 56.2 181.6 簡易   潭子区
潭子駅 潭子車站 2.5 58.7 184.1 三等  
頭家厝駅 頭家厝車站 1.9 60.6 186.0 簡易  
松竹駅 松竹車站 1.7 62.3 187.7 簡易 台中捷運緑線 北屯区
太原駅 太原車站 1.5 63.8 189.2 簡易  
精武駅 精武車站 2.0 65.8 191.2 簡易   東区
台中駅 臺中車站 2.1 67.9 193.3 特等 台中捷運:藍線(計画中)橘線(計画中) 中区
老松町駅 老松町車站   69.2 194.6 廃止   南区
五権駅 五權車站 2.0 69.9 195.3 簡易  
大慶駅 大慶車站 2.2 72.1 197.5 簡易 台中捷運:緑線
烏日駅 烏日車站 2.9 75.1 200.5 簡易   烏日区
新烏日駅 新烏日車站 0.8 75.9 201.3 二等 台湾高速鉄路公司:台湾高速鉄道台中駅
台中捷運:緑線(高鉄台中駅)
学田駅 學田車站   76.9 202.3 廃止  
遊園地前駅 遊園地前車站   77.4 202.8 廃止  
成功駅 成功車站 2.7 78.4 203.8 三等 台湾鉄路管理局:成追線
台中捷運:緑線(計画中)
大肚渓北信号場 大肚溪北號誌站   79.8 205.5 廃止 大肚区
大肚渓南信号場 大肚溪南號誌站 1.9 80.5 205.9 號誌 台中線と海岸線との実際の分岐点 彰化県 彰化市
金馬駅 金馬車站 台湾鉄路管理局:海岸線
台中捷運:緑線(計画中)
彰化駅 彰化車站 5.0 85.5 210.9 一等 台湾鉄路管理局:海岸線・縦貫線 (南段)

関連項目

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出典

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  1. ^ a b 彰化市鐵路高架化可行性研究”. 彰化縣政府. pp. 7-11 (2021年10月18日). 2022年1月31日閲覧。
  2. ^ a b 台湾総督府鉄道部 (1911). 台湾鉄道史. 下. 国立国会図書館. pp. 187-190. https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/805265/111 
  3. ^ 台湾総督府 (1922-09-17). “台湾総督府告示第141号”. 官報. 1922年11月11日 (第3085号 ed.). 大蔵省印刷局. p. 314. https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2955203/3. "竹南清水間鐵道新設工事竣成ニ付大正十一年十月十一日ヨリ運輸營業ヲ開始シ同時ニ基隆高雄間停車場名竝營業哩程ヲ左ノ通改正ス"  国立国会図書館
  4. ^ a b c d e f 徐永欣, ed (2009). “第拾貳篇 縱覽三義篇之肆 舊山線鐵路史話”. 三義鄉誌下冊. 三義鄉公所. ISBN 9789860206937. https://tm.ncl.edu.tw/article?u=006_104_000038  國家圖書館 臺灣記憶
  5. ^ 壽俊仁, ed (1987). 臺灣鐵路百週年紀念. 臺灣鐵路管理局. https://tm.ncl.edu.tw/article?u=022_109_000062  國家圖書館 臺灣記憶
  6. ^ “移転した台鉄豊富駅、供用開始 高鉄苗栗駅まで徒歩2分に/台湾”. 中央社 フォーカス台湾. (2016年9月10日). https://japan.focustaiwan.tw/travel/201609120010 
  7. ^ “台中駅の新駅舎16日供用開始、豊原~大慶が高架化”. ワイズニュース. (2016年10月12日). https://www.ys-consulting.com.tw/news/66815.html 
  8. ^ 聯合報 (2018年10月26日). “台鐵台中新5站周日啟用 紀念票吸排隊潮”. オリジナルの2018年10月27日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20181027101521/https://udn.com/news/story/7325/3444246 2018年10月27日閲覧。 
  9. ^ (繁体字中国語)台湾鉄路管理局. “各站營業里程 西部幹線”. 2018年10月27日閲覧。
  10. ^ (繁体字中国語)台湾鉄路管理局. “各等級鐵路車站基本設施”. 2018年10月26日閲覧。

参考文献

[編集]
  • 『植民地の鉄道』、高 成鳳、日本経済評論社、2006年

外部リンク

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