コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

山崎晃大朗

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
山﨑晃大朗から転送)
山崎 晃大朗
東京ヤクルトスワローズ 二軍外野守備走塁コーチ #77
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 和歌山県那賀郡貴志川町(現:紀の川市
生年月日 (1993-08-11) 1993年8月11日(31歳)
身長
体重
174 cm
74 kg
選手情報
投球・打席 左投左打
ポジション 外野手
プロ入り 2015年 ドラフト5位
初出場 2016年7月31日
最終出場 2024年10月3日(引退試合)
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
選手歴
コーチ歴
  • 東京ヤクルトスワローズ (2025 - )

山崎 晃大朗(やまさき こうたろう、1993年8月11日 - )は、和歌山県那賀郡貴志川町(現:紀の川市)出身の元プロ野球選手外野手)。左投左打。東京ヤクルトスワローズ所属。

経歴

[編集]

プロ入り前

[編集]

西貴志ドリームスで野球を始める。同じ西貴志小学校の1学年上に西川遥輝、4学年上に益田直也がいた[1]。‌

中学時代には地元の和歌山北ボーイズで投手外野手としてプレー。

中学卒業後は青森山田高等学校へと進学し、2年秋から中堅手レギュラーを獲得。3年の春に控え投手を務め、3年春の準々決勝、準決勝と連続完封も記録。3年夏予選は両チーム合計41安打の打撃戦の末、光星学院高校に敗れるも個人としては決勝で2ラン含む3安打など4戦15打数9安打8打点と好成績を残す(甲子園出場経験はなし)。

日本大学時代は1年春からリーグ戦に出場。2年秋までは主に代走・守備固めを務め、3年春にレフトのレギュラーを掴み規定打席に到達。3年秋からは1番打者を任され、リーグ最多の3三塁打、5盗塁を記録する。4年に打率.333、15安打11四死球の好成績を残し、拓殖大学との入れ替え戦では2試合4安打の活躍で7シーズンぶりの一部昇格に貢献した。また高校の1年後輩に木浪聖也、高校・大学の1年後輩に京田陽太がいる。

2015年のプロ野球ドラフト会議で、大学の先輩・真中満が一軍監督を務める東京ヤクルトスワローズから5巡目で指名。契約金3800万円、年俸800万円(推定)という条件で契約した。背番号は、真中が現役時代に付けていた31[2]

ヤクルト時代

[編集]

2016年、同期入団の原樹理とともに、春季キャンプを一軍でスタート。キャンプ中には、臨時コーチの若松勉をはじめ、一軍の首脳陣から打撃面で非常に高い評価を受けた[3][4]。7月14日のフレッシュオールスターゲーム倉敷マスカットスタジアム)に、同リーグ選抜のメンバーとして出場。8回表の打席では、塹江敦哉が投じた159km/hの速球を打ち返したが、二塁へのゴロで凡退している[5]。7月31日の対読売ジャイアンツ戦(東京ドーム)に、「2番・右翼手」としてスタメンで一軍デビュー。「8番・右翼手」としてスタメンに起用された8月5日の対阪神タイガース戦(明治神宮野球場)では、一軍13打席目に当たる5回裏の第2打席に藤浪晋太郎からの一軍初安打で出塁すると、二塁への盗塁で一軍初盗塁を記録した[6]イースタン・リーグ公式戦では、通算100試合の出場で規定打席に到達し、38盗塁で盗塁王のタイトルを獲得した。また、打率.251、1本塁打、33打点を記録したほか、打席数(458)・出塁率(.358)・犠打(19)がいずれもリーグ2位に到達。オフの10月12日に第1回WBSC U-23ワールドカップ日本代表に選出され[7]、同大会で優勝を果たした[8]

2017年、7月25日に一軍に昇格し、8月2日の対巨人戦でプロ初の猛打賞を記録すると[9]、8月23日の対阪神戦では4安打を記録[10]。8月26日の対横浜DeNAベイスターズ戦でプロ初本塁打を記録した[11]。7月26日の対中日ドラゴンズ戦では10点差逆転勝利の立役者の1人となった[12]

2018年、打率.184と振るわず、前年を下回る23試合の出場に終わった[13]

2019年は開幕一軍とはならなかったが、80試合に出場し、打率.274、8打点だった。

2020年は109試合に出場し、打率.245、3本塁打、23打点を記録したが、リーグワーストの9盗塁死を喫した[14]。11月8日の対巨人戦(東京ドーム)で田中豊樹から決勝点となる逆転満塁本塁打を放つ活躍を見せた。[15]

2021年、自己キャリアハイの114試合に出場。春先は1番打者として起用されていたが、塩見泰隆の活躍やドミンゴ・サンタナの加入により、5月下旬以降は主に代走と守備固めとしてチームの優勝及び日本一に貢献した[16]。日本シリーズ進出を決めたCSファイナル第3戦では、監督の高津臣吾と共に胴上げをされた[17]

2022年はサンタナの故障や青木宣親の不調で先発出場が増え、規定打席に届かなかったものの自身最多の118試合に出場。5月8日の対巨人戦では、相手の抑えである大勢から決勝打となる逆転2点適時打を打った[18]。同月25日の対北海道日本ハムファイターズ戦では、北山亘基から人生初となる逆転サヨナラ3点本塁打を放ち勝利に貢献した[19][20]。なお、前日には村上宗隆もサヨナラ本塁打を打っており[21]、ヤクルトは2日連続のサヨナラ勝ちを収めることになった。

2024年西川遥輝と約20年ぶりにチームメイトとなり競い合いが期待された[22]が、開幕から不調に陥りシーズン大半を二軍で過ごした。外野手では西川のほか丸山和郁岩田幸宏らの台頭もあり、9月25日に球団を通して同年限りで現役引退することが発表された[23]。右膝の状態が万全ではないことや、視力の低下もあって、引退を決断したという[24]。引退試合となった10月3日の対広島東洋カープ戦に「7番・中堅手」で先発からフル出場(途中から右翼手)し、大瀬良大地森浦大輔から安打を放つ有終の美を飾った。

引退後

[編集]

引退後もチームに残り、同じく同年限りで引退した西浦直亨、2020年限りで引退していた井野卓と共に2025年のコーチ就任が発表された。背番号は77に変更された。役職は二軍外野守備走塁コーチ。

選手としての特徴・人物

[編集]

50m走のタイム5.9秒の俊足[2]、遠投110mの強肩を誇る[2]。打撃ではパンチ力があり[25]、逆方向に強いゴロを打つことに長ける[26]

愛称は「コータロー[27][28]

明るいキャラクターで[23]、ヤクルト入団後はチームを和らげるムードメーカー的存在となっている[29][30]

詳細情報

[編集]

年度別打撃成績

[編集]
















































O
P
S
2016 ヤクルト 7 19 18 1 3 0 0 0 3 0 1 0 0 0 1 0 0 8 0 .167 .211 .167 .377
2017 59 246 219 30 53 10 2 1 70 13 6 5 9 0 18 0 0 44 3 .242 .300 .320 .619
2018 23 47 38 7 7 0 1 0 9 0 1 1 3 0 6 0 0 12 1 .184 .295 .237 .532
2019 80 185 168 20 46 4 3 0 56 8 4 0 6 0 10 0 1 39 4 .274 .318 .333 .652
2020 109 323 282 29 69 6 1 3 86 23 8 9 7 2 31 0 1 70 5 .245 .320 .305 .625
2021 114 245 215 41 53 10 3 1 72 12 8 2 10 0 19 0 1 53 0 .247 .311 .335 .646
2022 118 378 341 52 88 12 4 2 114 37 10 5 9 2 24 0 2 65 5 .258 .309 .334 .643
2023 64 153 137 17 33 2 0 0 35 3 9 1 6 0 10 0 0 33 2 .241 .293 .255 .548
2024 22 39 30 4 4 0 0 0 4 1 1 0 6 0 3 0 0 13 0 .133 .212 .133 .345
通算:9年 596 1635 1448 201 356 44 14 7 449 97 48 23 56 4 122 0 5 337 20 .246 .306 .310 .616
  • 2024年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績

[編集]


外野












2016 ヤクルト 6 7 0 0 0 1.000
2017 56 114 1 2 0 .983
2018 16 15 0 0 0 1.000
2019 65 86 1 1 1 .989
2020 96 156 3 1 0 .994
2021 108 132 2 1 1 .993
2022 114 172 5 2 1 .989
2023 58 81 1 1 0 .988
通算 519 763 13 8 3 .990
  • 2023年度シーズン終了時

表彰

[編集]

記録

[編集]
初記録

背番号

[編集]
  • 31(2016年 - 2024年)
  • 77(2025年 - )
  • 8(2016 WBSC U-23ワールドカップ 日本代表)

登場曲

[編集]

代表歴

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ ヤクルト・西川遥輝&山崎晃大朗、同じ小学校出身の3人がグラウンドに集まる〝奇跡〟」『サンケイスポーツ』2024年6月7日。2024年6月8日閲覧
  2. ^ a b c ヤクルト5位 日大・山崎が仮契約、背番は指揮官現役時の31」『スポニチアネックス』2015年11月16日。2015年11月16日閲覧
  3. ^ 【ヤクルト】ドラ5山崎に若松臨時コーチ「青木より上」!1番・中堅争い名乗りスポーツ報知 2016年2月7日配信、2016年5月8日閲覧
  4. ^ ヤクルトD5・山崎晃は青木2世!杉村Cが太鼓判「似ている」(2/3ページ)」『サンケイスポーツ』2016年2月12日。2024年9月25日閲覧
  5. ^ 2016年度フレッシュオールスター・ゲーム 試合結果 NPBオフィシャルサイト (2016年7月14日) 2016年10月21日閲覧
  6. ^ ヤクルト山崎 藤浪からプロ初安打 初盗塁も決めた!」『スポーツニッポン』2016年8月5日。2024年9月25日閲覧
  7. ^ 「第1回 WBSC U-23ベースボールワールドカップ」に出場する侍ジャパンU-23代表選手が決定」『野球日本代表オフィシャルサイト』2016年10月12日。2016年10月12日閲覧
  8. ^ No. 1 Japan crowned World Champions, defeat No. 15 Australia in Final of WBSC U-23 Baseball World Cup WBSC | World Baseball Softball Confederation (英語) (2016年11月6日) 2016年11月7日閲覧
  9. ^ ヤクルト2年目の山崎、初の猛打賞!「打席の中で余裕」」『サンケイスポーツ』2017年8月3日。2024年9月25日閲覧
  10. ^ ヤクルト 山崎 プロ初の4安打「ラッキーな当たりも多かったです」」『スポニチ Sponichi Annex』2017年8月23日。2022年6月11日閲覧
  11. ^ ヤクルト 山崎プロ1号弾、リベロ決勝弾で接戦制す DeNA連勝止まる」『スポニチアネックス』2017年8月26日。2017年8月26日閲覧
  12. ^ ヤクルト劇的サヨナラ勝ち!10点差大逆転!史上4度目プロ野球タイ記録だ」『スポニチ Sponichi Annex』2017年7月26日。2022年6月11日閲覧
  13. ^ ヤクルト山崎晃大朗に「二軍に落ちるぞ」。石井琢朗が2年前に伝えたこと」『web Sportiva』2020年8月4日。2022年6月18日閲覧
  14. ^ 【ヤクルト】山崎晃大朗が2200万円で契約更改「1軍に食らいついて」」『スポーツ報知』2020年12月10日。2022年6月18日閲覧
  15. ^ 【ヤクルト】山崎晃大朗が逆転のグランドスラム「みんながつないでくれたチャンス」」『スポーツ報知』2020年11月8日。2023年10月29日閲覧
  16. ^ ヤクルト山崎晃大朗500万増 青木に発破かけられオフは“自分探しの旅”」『日刊スポーツ』2021年12月8日。2022年11月13日閲覧
  17. ^ ヤクルト 史上初?の2人同時胴上げ いじられ役の山崎が高津監督より高く宙を舞う」『スポニチ Sponichi Annex』2021年11月12日。2022年11月13日閲覧
  18. ^ 2022年5月8日(日) vs. 巨人 JERA セ・リーグ公式戦 東京ドーム」『東京ヤクルトスワローズ』。2022年11月13日閲覧
  19. ^ ヤクルト 連夜の劇勝!山崎が逆転サヨナラ3ラン、高津監督驚き「やるとは思っていなかった」」『スポニチ Sponichi Annex』2022年5月25日。2022年11月13日閲覧
  20. ^ 2022年5月25日(水) vs. 日本ハム セ・パ交流戦 神宮」『東京ヤクルトスワローズ』。2022年11月13日閲覧
  21. ^ 2022年5月24日(火) vs. 日本ハム セ・パ交流戦 神宮」『東京ヤクルトスワローズ』。2022年11月13日閲覧
  22. ^ INC, SANKEI DIGITAL (2023年11月19日). “ヤクルト・山崎晃大朗が少年野球チームの先輩・西川遥輝加入に「ライバルとして負けていられない」”. サンスポ. 2024年11月14日閲覧。
  23. ^ a b 【ヤクルト】山崎晃大朗が現役引退「感謝の気持ちでいっぱいです」高い守備力でリーグ連覇に貢献」『日刊スポーツ』2024年9月25日。2024年9月25日閲覧
  24. ^ ヤクルト、山崎晃大朗の今シーズン限りでの現役引退を発表 21年のリーグV&日本一、22年の連覇「一生の宝物」」『サンケイスポーツ』2024年9月25日。2024年9月25日閲覧
  25. ^ 正義三輪「寺島、清水、山崎……新人広報・三輪正義が考える、好調スワローズを支える若手の力」『文春オンライン』2020年7月21日。2022年11月28日閲覧
  26. ^ ヤクルト・山崎晃大朗インタビュー 小兵は小兵なりに 「今は使ってもらっている身。アピールを続けたい」 | 野球コラム」『週刊ベースボールONLINE』2017年9月13日。2022年11月28日閲覧
  27. ^ ヤクルト連覇を支えた名脇役の成長秘話。山崎晃大朗の「献身力」と奥村展征の「声」はチームに勇気を与え、勝利へと導いた」『web Sportiva』2022年9月29日。2022年12月19日閲覧
  28. ^ ヤクルト・山崎晃大朗&塩見泰隆 燕の同級生外野手クロストーク ともに2人で | 野球コラム」『週刊ベースボールONLINE』2021年12月11日。2022年11月28日閲覧
  29. ^ 台湾から楽天ガールズがキター!/キャンプ写真速報」『日刊スポーツ』2020年2月8日。2022年11月28日閲覧
  30. ^ ヤクルトがキャンプ地・浦添で野球教室 ムードメーカー山崎が貫禄の一打!」『BASEBALL KING』2020年2月9日。2022年11月28日閲覧

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]