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恵比島駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
恵比島駅
駅舎(2012年9月)
えびしま
Ebishima
真布 (2.9 km)
(7.6 km) 峠下
地図
所在地 北海道雨竜郡沼田町字恵比島
北緯43度51分4.30秒 東経141度52分53.43秒 / 北緯43.8511944度 東経141.8815083度 / 43.8511944; 141.8815083
所属事業者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
所属路線 留萌本線
キロ程 20.7 km(深川起点)
電報略号 エヒ←ヱヒ
駅構造 地上駅
ホーム 1面1線
乗降人員
-統計年度-
2人/日
-2013年-
開業年月日 1910年明治43年)11月23日[1]
廃止年月日 2023年令和5年)4月1日
備考 無人駅
路線廃止に伴う廃駅
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恵比島駅
えびしま
Ebishima
(2.5 km) 本通
所属事業者 留萠鉄道
所属路線 留萠鉄道線
キロ程 0.0 km(恵比島起点)
開業年月日 1930年(昭和5年)7月1日
廃止年月日 1971年(昭和46年)4月15日
備考 路線廃止による。
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恵比島駅(えびしまえき)は、北海道空知総合振興局雨竜郡沼田町字恵比島にあった北海道旅客鉄道(JR北海道)留萌本線廃駅)である。電報略号エヒ事務管理コードは▲121504[2]であった。

廃止直前時点で、一部の普通列車(朝一番の留萌行き)は当駅を通過していた。

歴史

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1977年の恵比島駅と周囲約1.5キロメートル範囲。左上が留萌方面。駅裏深川側からほぼ90°のカーブを描いて右上に向かっていた留萠鉄道の軌跡が確認できるが、駅裏の車庫や転車台があった所は車庫線の白い跡だけが残されている。カーブの箇所も貯木場に利用されて殆ど判別つかない。貨物取扱廃止直後の姿。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

駅名の由来

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所在地名から。アイヌ語の「エピソマㇷ゚(e-pis-oma-p)」(頭〔水源〕が・浜〔の方〕に・入っている・もの〔川〕)に由来すると考えられている[10][11]

ここでいう「エピソマㇷ゚(e-pis-oma-p)」とは、アイヌ語研究者の山田秀三の推測では、付近に流れる幌新太刀別川支流、エビス川の事ではないか、と考えられている[10]

道内各地に同様の地名があるが、これらは水源から向こうに越えると海辺に行ける川で、アイヌ時代交通路になっていたらしい所が多く、ここでいう「ピㇱ(pis)」はおそらく留萌の方を指していたとされる[10]

駅構造

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廃止時点では単式ホーム1面1線を有する地上駅であった。ホームは線路の南西側(留萌方面に向かって左手側)に存在する[12]転轍機を持たない棒線駅となっていた[12]。かつては単式ホーム島式ホーム(片面使用)複合型2面2線を有する列車交換可能な交換駅であった[13]。当時は互いのホームは駅舎側ホーム中央部分と対向側ホーム南側を結んだ跨線橋で連絡した[13]。駅舎側(西側)が下り線、島式ホーム駅舎側が上り線となっていた(番線表示なし)[13]。そのほか1983年(昭和58年)4月時点では上り線の深川方から分岐し島式ホーム外側(かつては留萠鉄道用のホームであった)の留萌方に至る行き止まりの側線を1線[13]、下り線の留萌方から分岐し駅舎北側のホーム切欠き部分の貨物ホームへの貨物側線を1線、上下線各々に安全側線を有していた[13]。交換設備運用廃止後は1993年(平成5年)3月までに線路は撤去されたが、ホーム前後の線路は転轍機の名残で湾曲していた[12]

無人駅となっていた。駅舎は構内の西側に位置しホーム中央部分に接している[12]有人駅時代からの駅舎は改築され、ヨ3500形車掌車[14]を改造した貨車駅舎となっている[12]。当駅でロケーションが行われたテレビドラマ『すずらん』撮影の際に、古い建物へのカムフラージュのために木製板が貼られ[14][15]、ドラマ撮影終了後もそのまま使用されている。内部も塗装が整備されている[15]トイレは、駅前の中村旅館の建物に男女別の水洗トイレがあり、外から直接利用できた。[15]。 なお、トイレは、恵比島駅廃止後も引き続き利用できる。

また、この貨車駅舎の隣の旧駅舎の基礎の上に、テレビドラマのロケセットであった架空の「明日萌驛」(あしもいえき)が設置され[15]、当駅周辺が観光地化されていることから継続して設置されている[15]。 明日萌駅舎では、恵比島駅廃止後も、ゴールデンウィークなどに駅舎開放や、グッズ販売などのイベントが期間限定不定期で開催されている。

1999年(平成11年)には、スタンプラリー用の「明日萌駅(JR恵比島駅)」と記載され、明日萌驛駅舎のイラスト入りの駅スタンプが設置されていた[16]。これは当駅2つ目の駅スタンプであった[16]

留萠鉄道恵比島駅

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島式ホーム外側の3番線(北東側)を発着線とし、その北側に貨物側線及び機関区を有していた[17]。同鉄道の線路はホームを出ると深川方に進んでから左手に曲がり、北に進んでいた[17]。同鉄道廃線後、旧構内は荒地になっている[17]

利用状況

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乗車人員の推移は以下のとおりであった。年間の値のみ判明している年については、当該年度の日数で除した値を括弧書きで1日平均欄に示す。乗降人員のみが判明している場合は、1/2した値を括弧書きで記した。また、「JR調査」については、当該の年度を最終年とする過去5年間の各調査日における平均である。

年度 乗車人員 出典 備考
年間 1日平均 JR調査
1981年(昭和56年) (29.0) [13] 1日乗降:58人
1992年(平成04年) (12.0) [12] 1日乗降:24人
2015年(平成27年) 「10名以下」 [18]
2016年(平成28年) 1.4 [JR北 2]
2017年(平成29年) 1.8 [JR北 3]
2018年(平成30年) 1.8 [JR北 4]
2019年(令和元年) 2.2 [JR北 5]
2020年(令和02年) 2.0 [JR北 6]
2021年(令和03年) 1.6 [JR北 7]
2022年(令和04年) 1.8 [JR北 8] 同年度末で営業終了

駅周辺

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周辺は農村地帯である。明治時代は「峠の宿」と呼ばれる交通の要衝であったが、既にかつての面影は無くなっている[13]

 (2014年9月30日廃止)

その他

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  • NHK連続テレビ小説すずらん」の撮影でこの駅が使用されたため、撮影用の多数のセットが組まれている。本来の駅舎は車掌車改造駅舎であるが、板で覆われてしまい倉庫のような佇まいになっており、隣に立派な木造駅舎「明日萌駅(あしもいえき)」が作られている。旧駅舎の土台をそのまま利用し、ホーム側の窓際には振り向きかけた姿の等身大蝋人形が設置されている。
    • 「すずらん」の撮影で使用したセットの建物が継続設置されている。
    • 旧黒瀬旅館 - 「すずらん」ロケの際「中村旅館」として登場。見学可。
  • その他、『てなもんや駅長奮闘記』『氷点』でもロケ地として使われた。

隣の駅

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北海道旅客鉄道(JR北海道)
留萌本線(当駅廃止直前時点)
真布駅 - 恵比島駅 - 峠下駅
留萠鉄道
炭砿線(路線廃止時点)
恵比島駅 - 本通駅

脚注

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注釈

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  1. ^ a b 北海道炭鉱汽船70年史 昭和33年発行、北海道鉱業概要 大正7年発行、大正12年版全国専用線一覧より。専用線 延長4M(マイル)以下。なお昭和5年版からは記載されていない(ただし以下に述べる地図上では分岐点からの専用線の延長は500-600m前後であり、専用線一覧の記述は恵比島駅からの作業距離約4kmを含んだ数値と見られる)。管轄は当駅。専用線の分岐位置は、大日本帝国陸地測量部大正10年発行及び昭和7年発行の5万分の1地形図「恵比壽」によれば北緯43度51分51.1秒 東経141度50分57.7秒 / 北緯43.864194度 東経141.849361度 / 43.864194; 141.849361付近から北へ分岐。なおこの地形図上では軽便鉄道の終点(同炭鉱の山元)は北緯43度55分37.8秒 東経141度52分19.4秒 / 北緯43.927167度 東経141.872056度 / 43.927167; 141.872056で、現在留萌川に沿って上流へ向かう道道613号線はほぼその軌道跡であった。また、北緯43度54分10.6秒 東経141度52分26.2秒 / 北緯43.902944度 東経141.873944度 / 43.902944; 141.873944付近から東方へ「平澤」沿いに600m程度の分岐線を持っていた。留萌炭鉱は大正8年より北海道炭鉱汽船が租借し天鹽(天塩)炭礦と称したが、第一次世界大戦後の不景気により採炭に至らずそのまま休止となった。

出典

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  1. ^ a b c d e 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、868頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  2. ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、230頁。doi:10.11501/1873236https://doi.org/10.11501/18732362022年12月10日閲覧 
  3. ^ 書籍『JR・私鉄全線各駅停車1 北海道630駅』(小学館1993年6月発行)179ページより。
  4. ^ a b c d e f 書籍『日本鉄道旅行地図帳 全線全駅全廃線 1 北海道』(監修:今尾恵介新潮社2008年5月発行)44ページより。
  5. ^ a b 沼田町百年史 平成7年3月発行。
  6. ^ a b “留萌本線では11駅を停留所化 旭鉄”. 交通新聞 (交通協力会): p. 1. (1983年10月1日) 
  7. ^ 「通報 ●山口線大歳駅ほか76駅の駅員無配置について(旅客局)」『鉄道公報号外』日本国有鉄道総裁室文書課、1984年1月30日、32面。
  8. ^ 書籍『無人駅探訪』(監修:西崎さいき、文芸社2011年6月発行)148ページより。
  9. ^ 鉄道事業の一部廃止の日を繰り上げる届出について』(PDF)(プレスリリース)国土交通省北海道運輸局鉄道部、2022年12月9日。オリジナルの2023年1月5日時点におけるアーカイブhttps://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/12502483/wwwtb.mlit.go.jp/hokkaido/content/000283326.pdf2022年12月9日閲覧 
  10. ^ a b c 山田秀三『北海道の地名』(2版)草風館、浦安市〈アイヌ語地名の研究 山田秀三著作集 別巻〉、2018年11月30日、80頁。ISBN 978-4-88323-114-0 
  11. ^ 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、102頁。ASIN B000J9RBUY 
  12. ^ a b c d e f 書籍『JR・私鉄全線各駅停車1 北海道630駅』(小学館1993年6月発行)155ページより。
  13. ^ a b c d e f g 書籍『国鉄全線各駅停車1 北海道690駅』(小学館1983年7月発行)195ページより。
  14. ^ a b 書籍『ダルマ駅へ行こう!』(著:笹田昌宏、小学館文庫2007年5月発行)66-67ページより。
  15. ^ a b c d e f 書籍『北海道鉄道駅大図鑑』(著:本久公洋、北海道新聞社2008年8月発行)170ページより。
  16. ^ a b 書籍『駅スタンプの旅 SL編』(著:松井信幸、エイ出版社2004年2月発行)27ページより。
  17. ^ a b c 書籍『私鉄の廃線跡を歩くI 北海道・東北編』(著:寺田裕一、JTBパブリッシング、2007年9月発行)53ページより。
  18. ^ 極端にご利用の少ない駅(3月26日現在)” (PDF). 平成28年度事業運営の最重点事項. 北海道旅客鉄道株式会社. p. 6 (2016年3月28日). 2017年12月10日閲覧。
  19. ^ 沼田町営バス時刻表” (PDF). 沼田町. 2019年6月9日閲覧。

JR北海道

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  1. ^ 留萌線(石狩沼田・留萌間)の廃止日繰上げの届出について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2022年12月9日。オリジナルの2022年12月9日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20221209052157/https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/221209_KO_Rmoi_line.pdf2022年12月9日閲覧 
  2. ^ 駅別乗車人員(2016)」(PDF)『線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)(地域交通を持続的に維持するために)』、北海道旅客鉄道株式会社、3頁、2017年12月8日。オリジナルの2018年8月17日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20180817124109/http://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/region/pdf/koumoku/03.pdf2018年8月17日閲覧 
  3. ^ 留萌線(深川・留萌間)」(PDF)『線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)(地域交通を持続的に維持するために)』、北海道旅客鉄道株式会社、3頁、2018年7月2日。オリジナルの2018年8月18日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20180818074206/http://www.jrhokkaido.co.jp/corporate/region/pdf/senku/03.pdf2018年8月18日閲覧 
  4. ^ 留萌線(深川・留萌間)” (PDF). 線区データ(当社単独では維持することが困難な線区)(地域交通を持続的に維持するために). 北海道旅客鉄道. p. 3 (2019年10月18日). 2019年10月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月18日閲覧。
  5. ^ 留萌線(深川・留萌間)” (PDF). 地域交通を持続的に維持するために > 輸送密度200人未満の線区(「赤色」「茶色」5線区). 北海道旅客鉄道. p. 3 (2020年10月30日). 2020年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月4日閲覧。
  6. ^ 駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道. 2022年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月14日閲覧。
  7. ^ 駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道. 2022年9月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月3日閲覧。
  8. ^ 駅別乗車人員 特定日調査(平日)に基づく”. 北海道旅客鉄道. 2023年11月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年11月10日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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