増毛駅
増毛駅 | |
---|---|
駅舎(2015年7月) | |
ましけ Mashike | |
◄箸別 (2.8 km) | |
所在地 | 北海道増毛郡増毛町弁天町1丁目 |
所属事業者 | 北海道旅客鉄道(JR北海道) |
所属路線 | 留萌本線 |
キロ程 | 66.8 km(深川起点) |
電報略号 | マケ |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 1面1線 |
乗車人員 -統計年度- |
0人/日(降車客含まず) -2013年度- |
開業年月日 | 1921年(大正10年)11月5日[1] |
廃止年月日 | 2016年(平成28年)12月5日 |
備考 |
無人駅[2] 路線廃止に伴う廃駅 |
増毛駅(ましけえき)は、北海道増毛郡増毛町弁天町1丁目にある北海道旅客鉄道(JR北海道)留萌本線の廃駅[2]である。電報略号はマケ、事務管理コードは▲121513[3]であった。
歴史
[編集]留萌本線が当初目指していた留萌港の修築は1910年に着工していたが、留萌は波が荒く土木技術上の問題から整備に時間を要し、鉄道が開通しても港が完成しない事態が予想されていた。そこで港を早く使える増毛まで留萌本線を延長することになった[4]。当駅は1921年に開業し、結果として1929年の留萌港開港より早い営業開始となった。
留萌本線の部分廃止に伴い、2016年(平成28年)12月5日に廃駅となった。廃止後の駅施設は、2018年(平成30年)4月より観光・交流施設として改修・利用されている(後述)。
年表
[編集]- 1921年(大正10年)11月5日:鉄道省の駅として開業[5][6]。一般駅[1]。
- 1949年(昭和24年)6月1日:公共企業体である日本国有鉄道に移管。
- 1978年(昭和53年)10月2日:貨物取扱い廃止[5]。
- 1981年(昭和56年):同年公開の映画『駅 STATION』で当駅とその周辺が主要な舞台となる[7]。
- 1984年(昭和59年)2月1日:荷物取扱い廃止[1]。同時に無人[8][9](簡易委託)化。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化によりJR北海道に承継[5]。
- 2016年(平成28年)12月5日:留萌駅 - 当駅間の廃止に伴い、廃駅となる[10]。
駅名の由来
[編集]アイヌ語で「カモメの多いところ」を意味する「マシュケ」より[11][12]。「増毛」という駅名が薄毛に悩む人の間で人気を博し[12]、当駅の入場券が縁起切符として販売されていた[13]。駅廃止後の2022年には、TOKIOの城島茂が出演するアートネイチャーのテレビCMが当駅で収録された[14]。
駅構造
[編集]廃止時には1面1線のホームを持つ、行き止まりの地上駅であった。無人駅で[2]留萌駅が管理していた。
駅周辺
[編集]駅周辺には明治初期から旧商家丸一本間家などの建物が並ぶほか、道内最古の木造校舎である旧増毛小学校[15]があり、あわせて「増毛の歴史的建物群」として北海道遺産に選定されている[16]。
- 北海道道301号増毛港線
- 増毛町役場・増毛町消防本部
- 留萌警察署増毛駐在所
- 増毛郵便局
- 留萌信用金庫増毛支店
- 北洋銀行増毛支店
- 南るもい農業協同組合(JA南るもい)増毛支所
- 増毛漁業協同組合
- 増毛漁港
- 沿岸バス「旧増毛駅」停留所
- 2017年4月1日より現名称に変更となり、同時に「特急はぼろ号(現・特急ましけ号)」が停車するようになった。
駅跡
[編集]廃駅後、増毛町ではJR北海道より駅舎の譲渡を受け[17]、これを観光施設として転用するため建物面積を開業当時の大きさで増築復元、外板の板張りへの変更、蛍光灯を丸い電球タイプに置き換えるなど駅開業当時の姿に近づける改修工事を行い[18][19]、2018年4月にオープンした[20][21]。旧駅舎内では地元の水産加工会社が売店を営業しており、海産物を中心に土産物や「たこ親爺の蛸ザンギ」などの軽食を販売している。かつては旧駅務室で「暑寒そばの会」による「そば処 増毛駅」が営業していた。
隣の駅
[編集]- 北海道旅客鉄道(JR北海道)
- 留萌本線
- 箸別駅 - 増毛駅
脚注
[編集]- ^ a b c 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、870頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ a b c 袴田貴行、小川祐希、山下智恵、久野華代、遠藤修平「道政を問う:知事選まで1年/上 総花的な交通政策 経済再生、新幹線頼み 鉄道残すか、自動車道整備か」『毎日新聞』毎日新聞社、2014年4月25日
- ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、230頁。doi:10.11501/1873236 。2022年12月10日閲覧。
- ^ 明治39年3月24日 第22回帝国議会貴族院議事速記録本会議第18号,明治40年3月26日 第23回帝国議会衆議院議事速記録本会議第22号,明治40年3月27日 第23回帝国議会衆議院議事速記録本会議第23号,明治41年3月25日 第24回帝国議会衆議院議事速記録本会議第19号,明治41年3月26日 第24回帝国議会貴族院議事速記録本会議第19号,明治43年2月15日 第26回帝国議会衆議院議事速記録本会議第10号,明治43年3月14日 第26回帝国議会貴族院議事速記録本会議第12号
- ^ a b c 曽根悟(監修) 著、朝日新聞出版分冊百科編集部 編『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』 20号・宗谷本線/留萌本線、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2009年11月2日、20-23頁。
- ^ 『官報』 1921年10月29日 鉄道省告示第146号(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ JR増毛駅 増毛町役場(2018年4月26日閲覧)
- ^ “留萌本線では11駅を停留所化 旭鉄”. 交通新聞 (交通協力会): p. 1. (1983年10月1日)
- ^ “通報 ●山口線大歳駅ほか76駅の駅員無配置について(旅客局)”. 鉄道公報号外 (日本国有鉄道総裁室文書課): p. 32. (1984年1月30日)
- ^ 『留萌線(留萌・増毛間)の廃止日繰上げの届出について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2016年6月28日。オリジナルの2019年1月6日時点におけるアーカイブ 。2019年1月6日閲覧。
- ^ 知恵蔵mini『増毛駅』 - コトバンク
- ^ a b 「”日本最悪の赤字路線”北海道留萌線増毛駅、まもなく100年近い歴史に幕」『Abema Times』AbemaTV、2016年12月2日。2024年12月1日閲覧。
- ^ 「増毛駅なくても「髪毛黒生駅」があるさ 銚子電鉄にAGAの聖地誕生」『産経ニュース』産業経済新聞社、2015年12月10日。2024年12月1日閲覧。
- ^ “城島茂さんが“増毛の聖地”北海道・増毛町をレポート! アートネイチャー新CM「増毛町」篇10/1より放送開始”. 共同通信PRワイヤー. 2023年1月17日閲覧。
- ^ “留萌の概要2024 歴史的建造物”. 留萌振興局. 2024年11月27日閲覧。
- ^ “増毛の歴史的建物群(駅前の歴史的建物群と増毛小学校)”. NPO法人北海道遺産協議会. 2024年12月1日閲覧。
- ^ “95年間の歴史に幕 留萌-増毛間”. 毎日新聞. (2016年12月4日) 2016年12月6日閲覧。
- ^ “「新増毛駅」来春オープン 駅舎2倍、枕木で通路も”. 北海道新聞. (2017年10月4日). オリジナルの2017年10月4日時点におけるアーカイブ。 2017年10月10日閲覧。
- ^ “廃線の駅をなぜ改修? 聖地・旧増毛駅の再整備決定、駅舎は2倍の大きさに!?”. 乗りものニュース (2017年10月10日). 2017年10月10日閲覧。
- ^ 旧増毛駅、交流拠点で再出発/100人がテープカット 門出祝う『北海道新聞』朝刊2018年4月23日(2018年4月26日閲覧)。
- ^ 増毛駅 100年前の姿『朝日新聞』朝刊2018年4月23日(2018年4月26日閲覧)
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 増毛駅(旭川支社管内駅紹介) - 北海道旅客鉄道 - ウェイバックマシン(2016年11月12日アーカイブ分)
- 開設まもない頃の増毛駅 - 函館市中央図書館所蔵デジタルアーカイブ