木原功仁哉
きはら くにや 木原 功仁哉 | |
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生誕 |
1984年??月??日 日本・兵庫県神戸市 |
国籍 | 日本 |
出身校 | 京都大学工学部卒業 |
職業 | 弁護士 |
活動期間 | 2014年- |
団体 | 「祖国再生同盟」代表 |
政党 | 無所属 |
公式サイト | 公式ウェブサイト |
木原 功仁哉(きはら くにや、1984年〈昭和59年〉 - )は、日本の弁護士、政治活動家、反ワクチン訴訟弁護団主任弁護士[1]、「祖国再生同盟」代表[2]。ワクチン接種中止などを求めて国に「反ワクチン訴訟」を起こし、反ワクチン団体「神真都Q」や、マスク不着用の町議が行う「反マスク訴訟」で弁護人を務める[3][4][5][6][7]。
略歴
[編集]兵庫県神戸市出身、滝川中学校・高等学校を経て京都大学工学部卒業。2013年、大阪市立大学法科大学院を修了し司法試験に合格。2014年、東京弁護士会に加入し弁護士登録[8]。
2021年に兵庫1区から衆院選に出馬して落選[1][7]した。選挙では、「マスクの着用は不要」「ワクチンは人口の削減が目的」「ウクライナは日本にとって敵性国家」「日本が受け入れているウクライナ難民は、本当に難民かわからない」「日本国憲法は無効で、大日本帝国憲法が現在も有効」「食料品等の物価高はユダヤ系の国際金融資本のせい」などと主張した[7][9][10]。街頭演説には、兵庫県尼崎市の長尾和宏医師も応援に駆けつけた[11][12][13]。
2022年には兵庫県選挙区から参院選に立候補して落選[14]、2023年には神戸市東灘区選挙区から神戸市議選に立候補して落選、2024年には兵庫1区から第50回衆議院議員総選挙に立候補して落選している[15]。
祖国再生同盟
[編集]2021年、「祖国再生同盟」を結成し、「GHQ占領下で制定された日本国憲法は無効であり、大日本帝国憲法が現在も有効である」などの主張を行う[2][10][16]。団体の代表は木原が、最高顧問は南出喜久治が、特別顧問は西村眞悟が務めている[2]。
反ワクチン運動
[編集]2019年 - 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行時、ビル・ゲイツが講演会で行った発言から、「COVID-19ワクチンは、ビル・ゲイツが人口減少を目論んだものである」と主張した[5]。ビル・ゲイツは、妻と「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」を作り、無償で発展途上国にワクチンを供給しているが、講演で行った「発展途上国では乳幼児の死亡率と出生率が高いが、ワクチンで乳幼児の死亡率を抑えれば、出生率も低下して人口爆発が防げる」といった趣旨の発言が、反ワクチン派の陰謀論「ビル・ゲイツによる人口削減計画」の根拠に使われている[5][17][18]。
2021年、国を相手に「COVID-19ワクチンの接種中止」などを求める「反ワクチン訴訟」を、南出喜久治と起こした[3][19][10]。2021年10月12日、訴訟の第1回口頭弁論が東京地方裁判所で開かれ、数百人がマスクを着用せずに庁舎内に入り混乱した[20]。また木原が意見陳述で、再三の注意にもかかわらず「訴訟と関連性のない」発言をやめなかったため、強制的に退廷させられた[21]。2022年8月、一審で敗訴し、控訴をした[3]。
2022年、反ワクチン団体「神真都Q」の裁判で、南出と弁護人を務めた[22]。神真都Qの元代表などのメンバーは、ワクチン接種会場やクリニックで妨害行為を行い、建造物侵入で逮捕・起訴されている[23][24][25][26][27][28][29]。木原は「ワクチン接種阻止活動は祖国防衛権の行使であり、神真都Qは反ワクチン運動のスケープゴートにされている」と主張した[30]。神真都Qは、トランプ元大統領を支持するQアノンの陰謀論に影響を受けた『光の戦士』を自称しており、「コロナワクチンは『闇の政府(ディープステート)』が人類滅亡を目論んだもの」だと考え、接種会場には「殺人行為を止めに入った」と主張している[31][32][33][34][35][36]。
反マスク運動
[編集]マスクの着用は酸欠や熱中症、雑菌の汚染により健康被害を引き起こすとし、「脱マスク」「鼻出し・あごマスク」を勧めている[10][37]。
2021年の衆院選で没収された供託金などの返還を求めた裁判で、マスクをせずに出廷し、裁判長から着用を促され、従わなかった[38]
マスク不着用の北海道白糠町議が町に起こした「反マスク」裁判で、南出と弁護人を務める[6][3][39]。2022年6月、一審で敗訴し、控訴をした[6][3]。控訴審では、町議と共にマスクをせずに入廷し、裁判長から着用を促され、従わなかった[40]。
池田利恵日野市議会議員が、「自民党から除名されたのは無効」とする裁判で、南出と弁護人を務める[41]。池田は、全国で「反ワクチン・反マスク」の講演会を行うが、参加者にマスク着用を促さなかったことで、自民党を除名された[41][42]。
選挙
[編集]当落 | 選挙 | 執行日 | 年齢 | 選挙区 | 政党 | 得票数 | 得票率 | 定数 | 得票順位 /候補者数 |
政党内比例順位 /政党当選者数 |
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落 | 第49回衆議院議員総選挙 | 2021年10月31日 | 37 | 兵庫県第1区 | 無所属 | 7174票 | 3.37% | 1 | 5/5 | / |
落 | 第26回参議院議員通常選挙 | 2022年 7月10日 | 38 | 兵庫県選挙区 | 無所属 | 2万5113票 | 1.09% | 3 | 9/13 | / |
落 | 2023年神戸市議会議員選挙 | 2023年4月9日 | 39 | 神戸市東灘区選挙区 | 無所属 | 4386票 | ーー | 9 | 10/14 | / |
落 | 第50回衆議院議員総選挙 | 2024年10月27日 | 40 | 兵庫県第1区 | 無所属 | 9731票 | 4.65% | 1 | 6/7 | / |
脚注
[編集]- ^ a b “兵庫1区 無 木原功仁哉(37)”. 毎日新聞. 2022年12月19日閲覧。
- ^ a b c “祖国再生同盟”. 祖国再生同盟. 2022年10月12日閲覧。
- ^ a b c d e “訴訟記録”. 反ワクチン運動基金. 2022年12月19日閲覧。
- ^ “兵庫 木原功仁哉氏(無新)ワクチン後遺症救済を”. 産経新聞 (2022年7月5日). 2022年12月19日閲覧。
- ^ a b c “弁護士木原くにや通信第1号”. 木原功仁哉. 2022年10月12日閲覧。
- ^ a b c “訴 状” (PDF). 反ワクチン運動基金 (2021年8月30日). 2022年12月19日閲覧。
- ^ a b c “反ワクチン団体「神真都Q」メンバーに美輪明宏の甥も 逮捕されたリーダーに殺人未遂の前科”. 日刊ゲンダイDIGITAL (2022年4月21日). 2022年12月19日閲覧。
- ^ “木原くにやの「生い立ち」”. 木原功仁哉. 2022年10月12日閲覧。
- ^ “木原くにやオフィシャル”. 2022年12月19日閲覧。
- ^ a b c d “<候補者の横顔>木原 功仁哉氏(38)無新”. 神戸新聞 (2022年6月22日). 2022年12月19日閲覧。
- ^ “木原功仁哉 法律事務所 - Twitter” (2021年10月29日). 2022年12月19日閲覧。
- ^ “本日17時前後に、尼崎の #長尾クリニック の #長尾和宏院長 先生が応援演説に駆けつけて下さいます‼️”. 木原功仁哉法律事務所 - facebook (2021年10月29日). 2022年12月19日閲覧。
- ^ “この動画について”. 木原功仁哉法律事務所 - facebook (2021年10月30日). 2022年12月19日閲覧。
- ^ “木原功仁哉 参議院選挙・開票結果2022 兵庫選挙区 : 読売新聞”. 2023年5月13日閲覧。
- ^ 日本放送協会. “衆議院選挙2024 兵庫(神戸・姫路など)開票速報・選挙結果 NHK”. www.nhk.or.jp. 2024年12月3日閲覧。
- ^ “木原代表が出馬を表明 「祖国再生同盟」 /兵庫”. 毎日新聞 (2022年6月11日). 2022年12月19日閲覧。
- ^ “第5回 「自分が信じたい陰謀論」に騙される”. ヒューモニー (2022年7月15日). 2022年12月17日閲覧。
- ^ “鈴木エイト(ジャーナリスト)による『ここが変だよ「反ワクチン」徹底分析!』レポート! 「反ワクチン」「ニセ医療」の問題への関心に会場は満員”. ルーフトップ (2019年2月25日). 2022年12月17日閲覧。
- ^ “武漢ウイルスワクチン特例承認取消等請求事件 特設サイト”. 國體護持塾. 2022年12月19日閲覧。
- ^ “数百人マスクせず混乱、東京地裁”. 富山新聞社. 2022年10月12日閲覧。
- ^ “木原功仁哉法律事務所 - 【第1回口頭弁論期日のご報告】...” (2021年10月12日). 2022年12月19日閲覧。
- ^ “弁護士意見書”. 神真都Q会 (2022年8月4日). 2022年12月19日閲覧。
- ^ “日本の「陰謀論」最新事情、反ワクチン団体・神真都Qと参政党の内実”. ダイヤモンド社 (2022年8月26日). 2022年11月21日閲覧。
- ^ “東京ドームにも不法侵入か 反ワクチン団体代表を再逮捕 ほか7人も”. 朝日新聞 (2022年7月13日). 2022年11月21日閲覧。
- ^ “反ワクチン団体「神真都Q」とは?逮捕されたリーダーが接種会場“襲撃前”に語っていた一部始終”. 日刊ゲンダイ (2022年4月20日). 2022年11月21日閲覧。
- ^ “Qアノン支部を自称する「神真都Q」 ワクチン会場“襲撃”で13人逮捕後、離脱者が続出”. 日刊ゲンダイ(藤倉善郎) (2022年8月20日). 2022年12月4日閲覧。
- ^ “反ワクチン団体「神真都Q会」メンバーか コロナワクチン会場に侵入容疑 焼津署など8人逮捕”. あなたの静岡新聞 (2022年12月2日). 2022年12月4日閲覧。
- ^ “「神真都Q会」関係者8人を逮捕 ワクチン接種会場に侵入容疑”. 毎日新聞 (2022年12月1日). 2022年12月4日閲覧。
- ^ 藤原学思『Qを追う 陰謀論集団の正体』朝日新聞出版、2022年。ISBN 978-4022518576。
- ^ “ワクチン会場を襲った「神真都Q」 コアな支持者がコミューン化する可能性も”. 小学館. 2022年10月12日閲覧。
- ^ “過激化する反ワクチン集団「神真都Q」を放置してはいけない理由”. Yahoo!(原田隆之) (2022年4月8日). 2022年11月22日閲覧。
- ^ “反ワクチン団体「神真都Q」に潜入ジャーナリストが突撃!その正体とは_神真都(やまと)Qとは何者か(1)”. ダイヤモンド社 (2022年6月13日). 2022年11月23日閲覧。
- ^ “反ワクチン団体「神真都Q会」、警察が動向注視…「闇の政府が支配」Qアノンの陰謀論拡散”. 読売新聞 (2022年5月8日). 2022年11月23日閲覧。
- ^ “反ワクチン「神真都Q会」にいた5人の公判 陰謀論の怖さ浮き彫りに”. 朝日新聞 (2022年11月17日). 2022年12月4日閲覧。
- ^ “Japan police raid QAnon-linked Covid-denying conspiracy cult”. South China Morning Post (2022年12月5日). 2022年12月7日閲覧。
- ^ 『月刊 治安フォーラム2022年10月号(第28巻第10号)』立花書房、2022年9月10日。
- ^ “免疫アップ!大作戦”. 反ワクチン運動基金. 2022年12月19日閲覧。
- ^ “供託金返還訴訟でマスクせず出廷 衆院選で落選の弁護士、「思想信条に基づき着用しない」”. 神戸新聞 (2022年3月23日). 2022年12月19日閲覧。
- ^ “議員のマスク拒否、法廷闘争に 口元切り取りは正当な権利?挑発?”. 毎日新聞 (2022年3月11日). 2022年12月19日閲覧。
- ^ “法廷でもマスク拒否「子どもたちの心身の健康を害することが確実」と主張 議場退席に不服の町議 札幌高裁”. HBC (2022年11月15日). 2022年12月19日閲覧。
- ^ a b “池田利恵氏の提訴会見について” (PDF). 國體護持塾 (2021年10月8日). 2022年12月19日閲覧。
- ^ “それでいいのか自民党!池田としえがパワハラ・同調圧力に立ち向かいます”. Voice. 2022年12月14日閲覧。