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'''京都タワー'''(きょうとタワー)は、[[京都府]][[京都市]][[下京区]]にある[[塔]]である。[[京阪グループ]]の[[京阪ホテルズ&リゾーツ]]株式会社が運営している<ref>{{Cite web |url = https://www.keihanhotels-resorts.co.jp/ |title = 平成28年10月1日に「京阪ホテルズ&リゾーツ株式会社」に商号変更しました。|website = www.keihanhotels-resorts.co.jp|publisher = www.keihanhotels-resorts.co.jp|date = |accessdate = 2020-10-08}}</ref>。



2021年5月13日 (木) 21:51時点における版

京都タワー
Kyoto Tower
京都タワー(京都駅烏丸口から) 地図
情報
用途 展望塔
設計者 山田守
構造設計者 京都大学工学部建築学教室棚橋諒
施工 大林組
建築主 京都タワー株式会社
構造形式 モノコック構造(応力外被構造)
敷地面積 2,783 m²
階数 285段
高さ 131 m
着工 1963年昭和38年)
竣工 1964年(昭和39年)
所在地 600-8216
京都府京都市下京区烏丸七条下ル東塩小路町721-1
座標 北緯34度59分55秒 東経135度45分42秒 / 北緯34.99861度 東経135.76167度 / 34.99861; 135.76167 (京都タワー)座標: 北緯34度59分55秒 東経135度45分42秒 / 北緯34.99861度 東経135.76167度 / 34.99861; 135.76167 (京都タワー)[1]
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京都タワーの位置(日本内)
京都タワー
京都タワー

京都タワー(きょうとタワー)は、京都府京都市下京区にあるである。京阪グループ京阪ホテルズ&リゾーツ株式会社が運営している[2]

概要

京都駅烏丸中央口前に大きく聳え立っている。台座となっている京都タワービルを含めた高さは131メートルあり、京都市内では最も高い建造物である。

1953年昭和28年)、京都駅北側の土地に建っていた京都中央郵便局が移転することが決まり[* 1]、移転後の跡地の活用が検討されていた。またこの土地は国際文化観光都市たる京都の表玄関、京都駅の真正面に当たる物であり、それに相応しくまた公共性に富む土地活用が求められていた[3]京都商工会議所主催の懇談会で株式会社物産観光センター(のちに株式会社京都産業観光センター)の設立が決まり、翌1959年4月11日、創立した[4]

当初は屋上に展望台などを作る程度は検討されていたものの、巨大なタワーを建てる事は想定していなかった[5]。だが検討の結果、建物の内部にあまり影響を与えずにタワーを建築出来る事が判明し、山田守(建築家)の設計管理および京都大学工学部建築学教室棚橋諒教授の構造設計により建造されることとなった[6]。この際、単なる鉄骨による無骨なタワーでは京都の表玄関には相応しくないとして、白い円筒状の優雅なデザインが採用された[7]キッチュなデザインとも評される[8]。建築には日本で初めて、炭酸ガス半自動溶接機が大々的に使用されたという[9]

1963年(昭和38年)2月7日の地鎮祭後、建物は同年8月13日に立柱式、翌1964年(昭和39年)8月31日に開館[* 2][10]。タワーは1964年2月3日に立柱式、12月28日の開業であった[11]

その構造は、鉄骨を一切使わず、厚さ12ミリメートルから22ミリメートルの特殊鋼板シリンダーを溶接で繋ぎ合わせ、円筒型の塔身を作ったもの(モノコック構造[12][13]となっており、タワー外部に仮設タワーとクレーンを設け引き上げを行った[14]。工期は約1年10カ月、総工費は38億6400万円であった[15]

タワーの姿は、市内の町家葺きを波に見立て、海のない京都の街を照らす灯台をイメージしたものである[12]

タワー上部の展望台からは、京都市内および周辺のほか、天気の良い日には大阪市街を望むこともできる[16]

台座のビルにはホテルや名店街が入居するほか、地下3階には朝7時から営業している公衆浴場がある。また、展望台や名店街ではタワーに関するグッズなどの販売も行われている。

開業40周年を機に作成されたマスコットキャラクターが、2004年平成16年)12月たわわちゃんとして正式に誕生した。

2014年(平成26年)の開業50周年に向けたエレベーター改修工事や外壁の塗り直しのため、展望室や台座のビルにあるレストランなどは2012年(平成24年)12月2日から2013年(平成25年)3月まで休業となり、4月1日からリニューアルオープンしている。なお、このリニューアルを機に、レストランは喫茶・軽食も提供するラウンジに営業形態を変更した[17]。なお工事期間中も、ホテルや土産店の営業は続けられていた。

タワー外観と内部

タワー上層部に楕円形の展望台(有料)が設置されており、内部は2層構造となっている。双眼鏡も置いてあり、無料で使用できる[18]

外観は、タワー部はミルキーホワイト色を基調とし、展望台およびその上部の一部分に赤色が用いられている。また、タワービル部にはグループ会社である京阪電気鉄道(京阪)により、京都駅からJR東福寺駅を経由して祇園・清水方面への利用を促す広告などが設置されている。

外観塗装色については法規制があり、白と赤となっている。これは地上高60メートルを越える建造物に該当するため、高輝度航空障害灯を設けない場合は紅白縞模様(鉄塔や煙突と同じ)とする必要があるためである。

京都タワービル内部(京都タワーサンド)

京都タワービルは、特に地下1階から地上2階までが2017年4月14日から商業施設「KYOTO TOWER SANDO(京都タワーサンド)」と称されてリニューアルオープンした。サンドの名前は、参道にちなんでいる[19]。地下1階は「フードホール」と称され飲食フロア、地上1階が「マーケット」と称され物販(土産物等)、地上2階が体験のフロアーとなる。それ以外の部分である地下3階は大浴場、地上3階以上はレストラン・ホテル(京都タワーホテル)となる。

なお、京都タワーサンドとしてリニューアルされる前は、修学旅行生向け土産店が多く[20]ダイコクドラッグ・100円ショップ(ザ・ダイソー)・手芸店・TAITOゲームセンター[21][22]などがさまざまに入居していた。かつては地下三階にもNAMCOのゲームセンターが入居していた[23]。かつては、スチームバスを完備したタワー浴場にゲームセンターが併設されていたが、2012年にNAMCOから撤退した[24][25]。TAITOも2017年のリニューアルまでに撤退し、現在京都タワー内にゲームセンターはない。

要目

京都タワービル

  • 構造:地上9階・地下3階(地上31メートル
  • 敷地面積:2783平方メートル
  • 延べ床面積 : 2万6256平方メートル[10]
  • 所在地:京都府京都市下京区烏丸七条下ル

タワー部分

  • 構造:応力外皮構造(円筒形)
  • 高さ:100メートル(タワーのみ)
  • 地上高さ:131平方メートル(海抜159メートル、展望室は地上100メートル[1]
  • 塔の直径 : 上部5.5メートル、下部10メートル[1]
  • 延べ床面積 : 1021平方メートル、うち上部展望台237平方メートル[1]
  • 総重量:約800トン(タワーのみ)
  • 施行 大林組[26]

※以上要目については特記無き場合公式サイトによる[27]

建設を巡る論争

建設当初から、古都である京都にこのような建造物が必要なのかについて賛否が分かれている。

これは建設当時、「東寺の塔よりも高いものは建てない」ことが不文律となっていた京都市で歴史的景観との調和のありようが争点となったことを端緒とする。政財界中心の建設推進派と、学者文化人主導の反対派が世論を二分して議論を交わしたが、これは都市の美観論争として日本で初めてのこととされている。

結局、高さなどの法規制が厳しい建築物ではなく「工作物」として建設されたが、この議論はこののち、1972年(昭和47年)に施行された「京都市景観条例」に制定された巨大工作物規制区域設定の1項目として活かされることとなった[28]

作品などでの使用事例

京都市のランドマークであり象徴的な景観であることから、報道や様々な著作物において、当タワーが登場する。

フィクション作品での事例として、映画『ゴジラvsメカゴジラ』の劇中ではゴジラの熱線によって京都タワーが破壊される演出がなされているほか、漫画『日本沈没』では地震で倒壊する京都タワーが描かれている。

このほか、一般的な作品以外での事例として、京都市に本社を置く任天堂のゲーム機「Wii」取扱説明書(準備編)では、注意喚起イラスト中の窓外風景に京都タワーをはじめとした市内の景観が描かれている[29]

たわわちゃん

開業40周年を機に作成されたマスコットキャラクター。2004年12月たわわちゃんとして発表され、2006には着ぐるみが登場した。性別は女性で、性格はおっとりしているという[30]

ギャラリー

京都タワーから望む京都市街: 北(烏丸通) - 東(塩小路通) - 南(京都駅) - 西(塩小路通

脚注

註釈

  1. ^ 実際に移転が完了したのは1961年9月 (『京都タワー十年の歩み』 p.4)。取り壊し完了は1962年3月(同 p.12)。
  2. ^ それに先だって3月16日からツーリスト・インフォメーション・センター京都案内所が営業を開始している。なお『京都タワー十年の歩み』 p.30によれば、本来はタワーの完成を待って全館一斉にオープン、としたかったものが、作業に難渋が見られ、やむを得ず段階的な営業開始を強いられたとのことである。

出典

  1. ^ a b c d 『京都タワーのあゆみ 創業50周年誌』p.89
  2. ^ 平成28年10月1日に「京阪ホテルズ&リゾーツ株式会社」に商号変更しました。”. www.keihanhotels-resorts.co.jp. www.keihanhotels-resorts.co.jp. 2020年10月8日閲覧。
  3. ^ 『京都タワー十年の歩み』 pp.7-8 なお土地の西部に隣接する京阪自動車(現・京阪バス)所有の土地も買収され、また北側に隣接する駿河屋の土地買収も検討されたが、条件が折り合わずこれは決裂となった(同書 pp.12-14)
  4. ^ 懇談会や会社の設立の経緯について、詳しくは『京都タワー十年の歩み』 第一節を参照。
  5. ^ 『京都タワー十年の歩み』 p.19
  6. ^ 『京都タワー十年の歩み』 pp.19-21
  7. ^ 『京都タワー十年の歩み』 p.21
  8. ^ 今川朱美「京都のキッチュデザインを探せ~建築界におけるキッチュデザインの確立~
  9. ^ 『京都タワー十年の歩み』 p.27
  10. ^ a b 『京阪百年のあゆみ』 p.331
  11. ^ 『京都タワーのあゆみ 創業50周年誌』 第3章の年表。
  12. ^ a b 公式サイト 「タワーについて」
  13. ^ 『京都タワー十年の歩み』pp.42-44
  14. ^ 『京都タワー十年の歩み』pp.27-30
  15. ^ 『京都タワー十年の歩み』 p.30, p.38
  16. ^ 公式サイト 「京都タワー展望室」
  17. ^ “京都タワー、4月までお休み…エレベーター改修”. 読売新聞. (2012年12月2日). http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20121202-OYT1T00551.htm 2012年12月2日閲覧。 
  18. ^ https://www.keihanhotels-resorts.co.jp/kyoto-tower/enjoy/panoramaview.html
  19. ^ “京都タワー一新、グルメやコスメの「参道」14日開業”. 京都新聞 (京都新聞社). (2017年4月13日). http://kyoto-np.co.jp/economy/article/20170413000083 
  20. ^ “日本体験 おこしやす 京都タワー、14日新装開業”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社). (2017年4月13日). http://www.nikkei.com/article/DGXLASJB13H0A_T10C17A4AM1000/ 
  21. ^ タイトー京都タワー店≪NEW OPEN!≫のアルバイト・パート求人情報”. moppy-baito.com. moppy-baito.com. 2020年10月8日閲覧。
  22. ^ 現在、京都タワー店はない。”. www.taito.co.jp. www.taito.co.jp. 2020年10月8日閲覧。
  23. ^ 地下3階でエレベーターを降りると、いきなりゲーセンが・・・”. silverwing.xrea.jp. silverwing.xrea.jp. 2020年10月8日閲覧。
  24. ^ 昭和の雰囲気がでるフォント使いで期待が高まります。”. www.kyo1010.com. www.kyo1010.com. 2020年10月8日閲覧。
  25. ^ 京都タワー大浴場~YUU~リニューアルオープン”. www.jalan.net. www.jalan.net. 2020年10月8日閲覧。
  26. ^ 『京都タワー十年の歩み』 pp.38
  27. ^ 大多数の数値は『京都タワー十年の歩み』 pp.38- で確認可能。おおよそ全ての設備が網羅されている。
  28. ^ 建設省都市局公園緑地課監修『屋外広告の知識』 P.200 ぎょうせい
  29. ^ 本体取扱説明書・準備編 (PDF) p.14「安全に使用していただくために…」 - 任天堂(2011年1月7日閲覧)
  30. ^ 『京都タワーの歩み 50』p.88

参考文献

  • タワーについて”. 京都タワー. 2006年2月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年4月4日閲覧。
  • 京都タワー展望室”. 京都タワー. 2012年4月4日閲覧。
  • 1969、『京都タワー十年のあゆみ』、京都産業観光センター - 会社の設立、タワーの建造に詳しい。
  • 1985、『京都タワーの歩み 創業二十五周年誌』、京都タワー株式会社
  • 2010、『京都タワーの歩み 創業50周年誌』、京都タワー株式会社 - 年表などを参照。京都府立京都学・歴彩館蔵書

関連項目

外部リンク

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