コンテンツにスキップ

「オクシュロス」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
m link修正, replaced: 円盤投げ円盤投げ using AWB
Cewbot (会話 | 投稿記録)
m Bot作業依頼: パウサニアスの改名に伴うリンク修正依頼 (パウサニアス (地理学者)) - log
21行目: 21行目:
== 参考文献 ==
== 参考文献 ==
* [[アポロドーロス]]『ギリシア神話』[[高津春繁]]訳、[[岩波文庫]](1953年)
* [[アポロドーロス]]『ギリシア神話』[[高津春繁]]訳、[[岩波文庫]](1953年)
* [[パウサニアス]]『ギリシア記』飯尾都人訳、龍渓書舎(1991年)
* [[パウサニアス (地理学者)|パウサニアス]]『ギリシア記』飯尾都人訳、龍渓書舎(1991年)
* 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』、[[岩波書店]](1960年)
* 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』、[[岩波書店]](1960年)



2021年11月15日 (月) 11:08時点における版

オクシュロス古希: Ὄξυλος, Oxulos, : Oxylus)は、ギリシア神話の人物である。主に、

の2人が知られている。以下に説明する。

アレースの子

アイトーリア地方の都市カリュドーンの王カリュドーンの娘プロートゲネイア軍神アレースの息子[1]

ハイモーンの子

このオクシュロスは、カリュドーン王家の出身で、オイネウス王の娘ゴルゲーヘーラクレースの妻デーイアネイラの姉妹)の子孫にあたるハイモーンの子[2]。一説にアンドライモーンの子[3]。ピエリアとの間にアイトーロス、ライアースをもうけた[4]

オクシュロスは円盤投げ競技の最中に円盤を投げ損ない、兄弟のテルミオス、あるいはスコピオスの子アルキドコスに当たって殺してしまった。そのためエーリス地方に亡命した[5]。1年後、オクシュロスは矢を受けて片眼になった馬に乗って帰国しようとしたが、そのとき彼はペロポネーソス半島への帰還を果たさんとするヘーラクレイダイテーメノスに出会った。テーメノスは神託に従って帰還の案内人になると予言された3つ眼の男を探しており、片目の馬に乗ったオクシュロスを予言の男だと考えた。そこでオクシュロスはテーメノスに乞われて、彼らのために帰還の案内をすることになった[3]

オクシュロスはコリントス地峡を通過して陸路から半島に帰還するのではなく、海を渡って帰還することを勧め、渡海に適したアイトーリア地方の都市モリュクリオンに案内した。ヘーラクレイダイはオクシュロスがエーリス地方を欲していることを知り、案内の返礼に、帰還が成功した暁には彼にエーリス地方を与えることを約束したが[2]、オクシュロスはヘーラクレイダイをペロポネーソス半島に案内した際に、彼らが豊かなエーリス地方を欲しがることを恐れて、エーリス地方を通らずにアルカディア地方を通って目的の地に導いた[6]。その後、オクシュロスはヘーラクレイダイを背景に戦争をすることなくエーリス地方を得ようとした。エーリスの王ディーオスはこれに反発したが、戦争によって滅びることを避けるため、双方から両軍を代表して戦う戦士を選び、彼らの勝敗によって決することを提案した[6]。この戦いにオクシュロスは投石に長けたアイトーリア人ピューライクメースを選び、ディーオス王はエーリス軍の弓兵デグメノスを選んだ。戦いはピューライクメースが勝利し、オクシュロスがエーリス地方を手に入れた。オクシュロスは古くからの民であるエペイオス人を迫害することはなかったが、土地を分配してアイトーリア人の入植を進めた。また王位を失ったディーオスにも特権を認め、エーリス地方に根付いていたアウゲイアースなどの英雄崇拝も旧来通りのままとした[7]。さらにオクシュロスはエーリス市の城壁から離れて暮らす住民に対して集住を命じることで、エーリス市をさらに繁栄させた。デルポイ神託に従ってペロプスの子孫アゴーリオス(オレステースの子ペンティロスの子ダマシアースの子)をアカイア地方のヘリケー英語版に発見し、市の共同建設者として迎え入れた[8]

子供のうち、アイトーロスは若くして死に、神託によって遺体をエーリス市の内にも外にも埋葬してはならないと命じられたため、オリュムピアのゼウス神殿の門に葬った[4]。オクシュロスの死後、王権はライアースが継承した[8]

脚注

  1. ^ アポロドーロス、1巻7・7。
  2. ^ a b パウサニアス、5巻3・6。
  3. ^ a b アポロドーロス、2巻8・3。
  4. ^ a b パウサニアス、5巻4・4。
  5. ^ パウサニアス、5巻3・7。
  6. ^ a b パウサニアス、5巻4・1。
  7. ^ パウサニアス、5巻4・2。
  8. ^ a b パウサニアス、5巻4・3。

参考文献