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狼・無頼控

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狼・無頼控』(おおかみ ぶらいひかえ)は、毎日放送映像京都が制作し、NETテレビ(現・テレビ朝日)系列(現在とはネット系列編成が異なる)で放映された時代劇

1973年(昭和48年)10月5日から1974年(昭和49年)3月29日にかけて、金曜夜9時からの1時間枠で放送された。全26回。

作品内容

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時は江戸時代末期(おそらく天保の改革の直前ぐらいと思われる)、江戸の片隅の小料理屋「蔦の家」に屯する6人の男女。その正体は、大目付跡部和泉守の組織する私設実働部隊「狼」。多額の報酬と引き換えに諸国諸藩、または江戸で起こった悪事を暴き、当事者である悪人たちを陰で始末する任務を引き受ける。無論、彼らに対する公的な支援は一切なく、任務は命の保障すらない危険なもの。そして、彼らもまた、任務よりも己の信念を優先する、題名通り無頼の一匹狼の集団。ゆえに、時として仲間割れを起こしたり、求められたものから逸脱してとんでもない方向に突っ走ろうとする。それでも彼らは「金のため」を建前に虐げられた者たちのために任務に挑み、何だかんだ言いながらも絶妙のチームワークで事件を解決してゆくのである。

キャスト

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  • 剣 条之介 … 村野武範
    一刀流の使い手で、馬術の心得もある若い浪人。御隠居を出し抜いてやろうと考えたり、クライマックスの大立ち回りでの暴れっぷりなどエネルギッシュな所もあれば、国の行く末を憂えたり、ゲストヒロインに恋をして悲恋に終わり、悲嘆にくれるところを見せることもある。仲間からは「条」「条さん」と呼ばれることが多い。
  • 九鬼 大紋 … 佐藤允
    流派は違うものの条之介と同じく一刀流の使い手である浪人。
    元はさる藩の剣術指南役であったが、その藩に起こった揉め事を解決するためにまだ幼い自分の子供を殺さざるを得なくなり、そのために武士の世界に愛想が尽きて浪人となった。
    そういう過去があるからか、難儀をしている子供を見ると何かと手を貸したくなり、また若い被害者が出ると激しい怒りを燃やす。また、結構博識である。
    酒をこよなく愛し、何かというと愛用のふくべに口をつけて酒を飲む仕種が見られる。
    仲間からは「紋さん」と呼ばれることが多い。
  • 玄庵 … 長門勇
    医者を生業とするが、望まぬ妊娠をしてしまった女たちのために違法行為である堕胎手術を秘かに引き受けてもいる。
    チームの参謀であると同時に拳法の達人で、立ち回りのときは腰に差した二丁の釵を使用する他、相手の武器を奪って使うこともある。
    仲間からは「藪庵」と呼ばれることが多く、「玄庵」という本名が登場する事は少ない。
  • 菊次 … 田村亮
    元は浅草の軽業師で今は博徒。軽業師時代に十八番であった手裏剣を仕込んだ花札投げで相手の喉笛や頸動脈を狙う殺し技を使うほか、匕首や髷に刺している簪で相手を倒すこともある。
    また、髪結いの技も体得していて、知り合いの芸人の髪を結ったりもしているようである。
    その男っぷりから仲間から「御役者」というあだ名で呼ばれることもあり、そのため条之介同様ゲストヒロインとのロマンスが描かれるエピソードも多い。
  • 流れ矢の仙三 … なべおさみ
    表の顔は花火師だが、掏摸をやっていた過去がある。身の軽さから探索を引き受けることが多い。立ち回りのときは火薬の知識を応用して作った爆弾で相手を蹴散らす。
  • 南美 … 渥美マリ(第1~17話)
    チームの紅一点。仙三とともに探索を引き受けることが多いが、その時は女であることを最大限に利用することが多い。
    立ち回りのときは2連発式の短筒を使う。
  • 朱実 … 夏純子(第17[1]~26話)
    事件解決後、名張を去る条之介たちについてそのまま江戸へ下り、なし崩し的に一員となる。
    くノ一だけに諜報活動はもとより、格闘戦に長けている。右手首に鈴を紐で結わえ付けてあるのだが、この中に細身の刃物が縮めて仕込んであり、立ち回りのときにはこれを伸ばして相手の急所を刺す。

  • お蔦 … 野際陽子
    小料理屋「蔦の家」の女将だが、実は跡部配下の隠密。跡部に変わって任務の依頼をしたり、補足的な指令を伝える連絡係を務めることもある。
  • 炎 竜軒 … 丹波哲郎(第7話から準レギュラー)
    高島流砲術を使う砲術師で、愛用の小型大砲を背負い、仕官先を探しながら全国を旅している。酒好きのせいか大紋とは気が合うらしい。豪放磊落な性格で、失敗談を語っては「慙愧、慙愧」というのが口癖。
  • 跡部 和泉守 … 山村聰
    条之介たち「狼」の雇い主。彼らの前には裕福な町人の隠居風の身なりで現れるので、条之介たちは「御隠居」と呼んでいる。
    正体はこの世の不正に厳しく目を光らせる大目付。そのため敵も多いようで、1話では浪人風の刺客に襲われたこともある。
    条之介たちには全幅の信頼を寄せているようで、彼らの暴走も大目に見ているようである。

主題歌

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スタッフ

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  • 企画:太田昭和(第1~6、8話)、細井保伯(第7、9~26話)、西岡善信(第18~26話)(映像京都)
  • プロデューサー:青木民男(毎日放送)、柳田博美(大映テレビ)、徳田良雄(映像京都)
  • 脚本:放映リスト参照
  • 撮影:森田富士郎、藤井秀男
  • 美術:西岡善信、内藤昭
  • 音楽:山下毅雄
  • 殺陣:美山晋八
  • 特技:宍戸大全JAC
  • ナレーター:芥川隆行
  • 監督:放映リスト参照
  • タイトルバック演出:市川崑
  • 制作:毎日放送、映像京都

放映リスト

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放送日 サブタイトル 脚本 監督 ゲスト
1 1973年

10月05日

裏切りの報酬 中村努 池広一夫 南原宏治 藤岡重慶 上野山功一 伊達三郎
2 10月12日 女狩り秘聞 八尋大和  大洲斉 川辺久造 近藤宏 江幡高志 志摩みずえ
3 10月19日  将軍爆破計画 高岩肇 国原俊明 佐藤慶 菅貫太郎 原聖四郎 花岡秀樹
4 10月26日 地獄の罠 浅井昭三郎 安田公義 中村敦夫 五木ひろし 殿山泰司 稲野和子
5 11月02日 怪猫呪いの大井戸 浅井昭三郎 三隅研次 岸田森 山岡徹也 石山律 佐藤友美
6 11月09日 舞姫無惨 生田直親 黒田義之  高樹蓉子 須賀不二男 有吉ひとみ 相川圭子
7 11月16日 鬼ヶ峠のつむじ風 浅井昭三郎

永原秀一

森一生 丹波哲郎 麻田ルミ 須藤健 弓恵子
8 11月23日 恐怖の夜叉面 生田直親  森一生  音無美紀子 河原崎建三 鈴木瑞穂 織本順吉
9 11月30日 闇の魔王を消せ 中村努 森一生 勝新太郎 相川圭子 高毬子 志賀勝
10 12月07日 ほえろ!大砲 直居欽哉

原田順夫 

国原俊明 丹波哲郎 戸浦六宏 森川千恵子 小林勝彦
11 12月14日 (秘)浮世絵地獄 八尋大和 大洲斉 本田みちこ 笠原玲子 山本麟一 内田勝正 山下洵一郎
12 12月21日 大江戸の鷹 服部佳 安田公義 丘みつ子 花沢徳衛 穂積隆信 司美智子 千波丈太郎
13 12月28日 黄金の洞穴 笠原良三 大洲斉 宍戸錠 司美智子 北町史朗 杉山俊夫
14 1974年

01月04日

くりから峠の決闘 中村努 森一生 丹波哲郎 松尾嘉代 浜田雄史 大杉雄二
15 01月11日 異聞女人の館 鈴木生朗 黒田義之 天本英世 水上竜子 相川圭子 高樹蓉子 潤ますみ 中島葵
16 01月18日 紅蜘蛛の復讐 荒木芳久

中村努

安田公義 京春上 見明凡太朗 藤岡重慶 木村元
17 01月25日 くノ一故郷に死す 服部佳 池広一夫 睦五郎 亀石征一郎 岩田直二 津島道子
18 02月01日 大奥地獄花 石森史郎 黒田義之 加藤嘉 川合伸旺 高樹蓉子 長谷川弘
19 02月08日 (秘)くノ一養成学校 八尋大和 黒田義之 長谷川待子 原良子 川崎あかね 石橋蓮司
20 02月15日 血ぬられた発禁本 鈴木生朗 池広一夫 藤巻潤 鹿沼エリ 伊吹新吾 八代郷子
21 02月22日 獄門台の花嫁 八尋大和 太田昭和 服部妙子 林ゆたか 戸浦六宏 江幡高志
22 03月01日 (秘)殺しの手順 山田隆之 大洲斉 倉野章子 市毛良枝 小林昭二 須賀不二男
23 03月08日 生き人形献上 石森史郎 黒田義之 田口計 神田隆 上野山功一 日吉としやす
24 03月15日 奥医師(秘)物語 八尋大和 森一生 山下洵一郎 真山知子 宮口二郎 秋元京子
25 03月22日 花嫁連続殺人鬼 石森史郎 南野梅雄 三浦真弓 中尾彬 太田美緒 五味龍太郎
26 03月29日 (秘)指令 狼を殺せ! 山田隆之 大洲斉 鈴木瑞穂 小林勝彦 北林早苗 池田幸路

放送局

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同時ネット

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時差ネット

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映像ソフト

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2004年1月よりキングレコードからDVDが発売された(全7枚、DVD-BOXはなし)。

脚注

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  1. ^ 17話はゲスト扱い。
  2. ^ 『河北新報』1974年4月5日 - 4月26日付朝刊、テレビ欄。
  3. ^ 『河北新報』1974年4月4日 - 4月25日付朝刊、テレビ欄。
  4. ^ 『福島民報』1973年11月3日 - 1974年4月23日付朝刊、テレビ欄。
  5. ^ a b 山梨日日新聞』1974年3月テレビ欄。
  6. ^ 信濃毎日新聞』1974年3月テレビ欄。
  7. ^ a b c 北國新聞』1974年3月テレビ欄。
  8. ^ 山陰中央新報』1974年3月テレビ欄。
  9. ^ 『読売新聞』岡山版・1974年1月23日付朝刊、テレビ欄。
  10. ^ 高知新聞』1974年3月テレビ欄。
  11. ^ 熊本日日新聞』1974年3月テレビ欄。
  12. ^ 西日本スポーツ』1975年3月28日テレビ欄。
NET 金曜21時台(当時はMBSの制作枠。一部地域を除く)
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