谷津 (上尾市)
谷津 | |
---|---|
北緯35度58分15.3秒 東経139度35分23.7秒 / 北緯35.970917度 東経139.589917度 | |
国 | 日本 |
都道府県 | 埼玉県 |
市町村 | 上尾市 |
地区 | 上尾地区 |
面積 | |
• 合計 | 0.2448[1] km2 |
人口 | |
• 合計 | 2,837人 |
等時帯 | UTC+9 (日本標準時) |
郵便番号 |
362-0042[3] |
市外局番 | 048(浦和MA)[4][5] |
ナンバープレート | 大宮 |
座標の場所は上尾郵便局を示す。 |
谷津(やつ)は、埼玉県上尾市の町名。現行行政地名は谷津一丁目および二丁目。住居表示実施済み[6]。郵便番号は362-0042[3]。
市の統計などでは上尾地区で分類されている。
地理
[編集]埼玉県の中央地域(県央地域)で、上尾市中央部の大宮台地と、鴨川左岸側の低地からの谷戸からなる[7]起伏がある場所に位置する。町域は東部を高崎線を挟んで仲町や愛宕と接し、南部は西宮下、西部は富士見、北部は柏座と接する。全域が市街化区域[8]に指定され、駅前空間となる北東部は商業地域で、他は第一種住居地域や第二種住居地域に指定され、一部に耕作地が残るほかは主に住宅地が広がっている。上尾駅が至近にあり、その西口駅前広場が谷津の地区内に位置され、そこから西上尾第一・第二団地や川越市方面への路線バスや羽田空港へ向かう空港連絡バスも運行されるなど、市内では交通至便な地域である。
地価
[編集]住宅地の地価は、2018年(平成30年)の公示地価によれば、谷津二丁目7-7の地点で14万6000円/m2となっている[9]。
歴史
[編集]もとは江戸期より存在した武蔵国足立郡大谷領に属する谷津村であった[7]。古くは柏座村のうちにあったが、正保〜元禄期の間に春日谷津村とともに分村して成立した。飛地が柏座および弁財両村のうちに存在した[7]。村高は『元禄郷帳』および『天保郷帳』によると122石余であった。化政期の戸数は16軒で、村の規模は東西5町、南北3町余であった[7][10]。地名の由来は低湿地を意味する「ヤチ」が起源である[7]。 1875年(明治8年)の農業産物高は『武蔵国郡村誌』によると米34.85石、陸稲3石、大麦50石、小麦23石、大豆13石、小豆1石、甘藷3000貫であった[11]。
- はじめは幕府領、1698年(元禄11年)では幕府領。なお検地は1661年(寛文元年)に実施[7][10]。
- 1789年(寛政元年)より旗本柴田氏の知行地となる[7]。
- 幕末の時点では足立郡谷津村であった。旗本小川源之進の知行であった[12][7][注釈 1]。
- 1868年(慶応4年)6月19日 - 武蔵知県事・山田政則(忍藩士)の管轄となる。
- 1869年(明治2年)
- 1871年(明治4年)11月13日 - 第1次府県統合により埼玉県の管轄となる。
- 1872年(明治5年)
- 1879年(明治12年)3月17日 - 郡区町村編制法により成立した北足立郡に属す。郡役所は浦和宿に設置。
- 1884年(明治17年)7月14日 - 連合戸長役場制により成立した上尾宿連合に属す。連合戸長役場は上尾宿に設置[17]。
- 1889年(明治22年)4月1日 - 町村制施行に伴い、谷津村を含む区域をもって上尾町が成立、上尾町の大字谷津となる[7]。
- 1908年(明治41年)3月 - 谷津の鎮守氷川社を柏座の春日社に合祀する[18]。
- 1936年(昭和11年)6月 - 地内で昭和産業上尾工場が操業を開始する[19]。上尾五大工場[注釈 2]のひとつで、敷地面積は約70000 m2を有していた。
- 1955年(昭和30年)1月1日 - 町村合併促進法の施行に伴い、上尾町が平方町・原市町・大石村・上平村・大谷村と合併して新たな上尾市が成立する[20]。上尾町の大字となる。
- 1958年(昭和33年)7月15日 - 上尾町が市制施行し[20]、上尾市の大字となる。
- 1966年(昭和41年)7月1日 - 住居表示に関する法律に基づき住居表示(第二次)が実施され[21]、大字谷津の一部が大字柏座の一部、および西宮下の一部と併合して谷津一・二丁目が成立する[22][7]。また、大字谷津の一部が住居表示を実施して富士見(一丁目)、弁財、柏座、春日の各一部となる[21][7]。
- 1967年(昭和42年)
- 1969年(昭和44年)9月13日 - 地区内に商店街「モンシェリーヴィル」(現「上尾モンシェリー」)が開業する(着工は同年4月1日、竣工は同年9月6日)[23][24]。総工費は3億7727万4000円。当施設は同年10月に全国商店街店舗共同化コンクールの中小企業庁長官賞を受賞した。なお、モンシェリーヴィルとはフランス語で恋人の街を意味する[23]。なお、11月に「モンシェリーヴィル」の一角に西友ストアーが開業する[23]。
- 1970年(昭和45年)11月18日 - 地内の上尾スターレーン(宝産業が運営するボウリング場)のテナントとしてキンカ堂が開店する[25][注釈 3]。
- 1971年(昭和46年)9月18日 - 上尾市管理橋では最長である宏栄橋が上尾駅北側に開通する[26][27]。混雑緩和や危険防止を目的に設置された。開通当初から西口への一方通行の橋である。着工は1970年(昭和45年)11月で、工費は1億8100万円であった。
- 1975年(昭和50年)
- 1986年(昭和61年)10月8日 - 大谷北部第一特定区画整理事業の完成により地番変更を実施。大字谷津の残部が大字大谷本郷、大字小泉、大字弁財、および弁財一丁目、大字今泉、大字壱丁目の各一部と併合して今泉一丁目が成立する[31]。 大字谷津消滅。
- 1988年(昭和63年)
- 3月3日 - 地区内の昭和産業上尾工場跡地に商業施設「上尾ショーサンプラザ」が開業する。
- 5月30日 - 上尾郵便局が宮本町から現在地に移転する。
- 1995年(平成7年)2月28日 - 上尾駅西口のペデストリアンデッキが完成する[32]。
- 2003年(平成15年)1月 - 地内の西友ストアーの跡地に建設された「ライオンズタワー上尾」の2階に「上尾市プラザ22」がオープンする[29]。
- 2007年(平成19年) - 谷津公民館が建て替えられる[16]。
- 2009年(平成21年)12月16日 - 「谷津の大山灯籠行事」が市の無形民俗文化財に指定される[33]。
- 2010年(平成22年)2月22日 - 地内の「キンカ堂」が自己破産し閉鎖された(一部テナントは翌年6月まで営業)[注釈 5]。
存在していた小字
[編集]※ 『新編武蔵風土記稿』には「榎戸」・「根カラミ」・「前クホ」・「並木」・「橋戸」・「杉ノ内」の記載があるが未確認である[34]
世帯数と人口
[編集]2019年(平成31年)1月1日現在の世帯数と人口は以下の通りである[2]。
町丁 | 世帯数 | 人口 |
---|---|---|
谷津一丁目 | 435世帯 | 853人 |
谷津二丁目 | 959世帯 | 1,984人 |
計 | 1,394世帯 | 2,837人 |
小・中学校の学区
[編集]市立小・中学校に通う場合、学区(校区)は以下の通りとなる[36]。
丁目 | 番地 | 小学校 | 中学校 |
---|---|---|---|
谷津一丁目 | 全域 | 上尾市立鴨川小学校 | 上尾市立南中学校 |
谷津二丁目 | 1-1ソフィア上尾 | ||
谷津二丁目 | 1-2以降 | 上尾市立富士見小学校 | 上尾市立西中学校 |
交通
[編集]地区の東境をJR東日本高崎線が通るが、鉄道駅は設置されていない。最寄り駅は柏座一丁目に所在する上尾駅[9]で至近距離にある。なお、西口駅前広場は谷津の区域に位置する。
道路
[編集]地区内に国道や主要地方道・一般県道は通っていない。なお、上尾郵便局の直ぐ北側を東西に通る都市計画道路(仮称)仲町谷津線が計画されている[37]。高崎線との交差箇所はアンダーパスとなる予定。
バス
[編集]谷津二丁目に所在する西口駅前広場より西上尾第一・第二団地方面や川越駅方面への路線バスが多数運行されている。
- 地区内は始・終点となる「上尾駅西口」バス停留所のみ設置されている。
- 大石桶川線
- 大石領家北上尾線
- 平方丸山公園線
- 平方小敷谷循環
- 大谷循環
- 原市瓦葺線
- 地区内は「上尾駅西口」・「谷津」バス停留所が設置されている。
地域
[編集]町内会
[編集]祭事
[編集]施設
[編集]地区が駅前に位置するため、多数の商業施設が立地する。なお、上尾駅は柏座一丁目に立地する。地内に指定緊急避難場所は存在しない[43]。
- 上尾市役所 上尾駅出張所[44]
- 上尾郵便局
- 上尾警察署 上尾駅西口交番
- 上尾ショーサンプラザ
- 上尾モンシェリー(アーケード商店街)
- ライオンズタワー上尾 - 上尾市プラザ22(商工課および観光協会)が2Fに入居。
- ソフィア上尾
- 上尾市農産物直売所 - 埼玉県内では初の農産物直売所で、宏栄橋高架下に立地する[28]。立地場所は柏座と谷津に跨るが、施設の所在地は谷津二丁目である。
- みずほ銀行 上尾支店
- 三菱UFJ銀行 上尾支店
- りそな銀行 上尾西口支店
- 谷津観音堂 - かつては「足立坂東観音霊場」の第二十六番札所であった[16]。市指定有形文化財の「木彫十一面観音立像」は12年に一度の午年に御開帳である。また、「谷津の大山灯籠行事」が行なわれる。
- 谷津公民館 - 谷津観音堂境内に所在
- 谷津公園
- 谷津第二公園
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ “統計あげお 平成30年版 第1章 土地・気象”. 上尾市役所. p. 2 (2019年5月30日). 2020年5月27日閲覧。
- ^ a b “町丁大字別人口表”. 上尾市役所 (2019年2月4日). 2019年2月10日閲覧。
- ^ a b “郵便番号”. 日本郵便. 2019年2月14日閲覧。
- ^ “市外局番の一覧”. 総務省. 2019年2月14日閲覧。
- ^ “単位料金区域別市外局番等一覧表”. NTT東日本. 2020年5月27日閲覧。
- ^ “住居表示に関する届け出”. 上尾市役所 (2017年12月28日). 2019年2月23日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k 『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』 868頁。
- ^ 都市計画図がご覧になれます。 - 上尾市役所(2014年9月5日).2020年5月10日閲覧。
- ^ a b 国土交通省地価公示・都道府県地価調査.2019年2月14日閲覧。
- ^ a b 新編武蔵風土記稿 谷津村.
- ^ 『上尾百年史』 250-254頁。
- ^ 『上尾百年史』 23頁。
- ^ 『上尾百年史』 26-30頁。
- ^ 『上尾市史 第八巻 別編1、地誌』 117-123頁。
- ^ 『上尾百年史』 610-615頁。
- ^ a b c d 「上尾市西口の癒しスポット 谷津観音」(PDF)『上尾商工会議所情報誌「あぴお」 8月号』第65号、上尾商工会議所、2009年8月1日、7頁、2021年12月5日閲覧。
- ^ 『上尾百年史』 98-116頁。
- ^ 柏座・春日(かすが)神社 - 八枝神社. 2020年6月13日閲覧。
- ^ a b 『上尾百年史』 311-328頁。
- ^ a b 『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』 1421頁。
- ^ a b c 『上尾百年史』 233-235頁。
- ^ a b 『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』 929頁。
- ^ a b c d 『上尾市史 第八巻 別編1、地誌』 299-230頁。
- ^ 『上尾市史 第七巻 通史編(下)』 568-569頁。
- ^ 『上尾市史 第五巻 資料編5、近代・現代2』 550-551頁。
- ^ 『広報あげお 収録版(広報あげお No.195)』埼玉県上尾市役所、1973年9月30日、784頁。
- ^ “上尾市市制施行55周年記念 2013上尾市勢要覧”. 上尾市役所. p. 10 (2013年). 2013年10月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年10月27日閲覧。
- ^ a b 「がんばれ!上尾の農産物」『上尾商工会議所情報誌 あぴお』第31号、上尾商工会議所、2005年10月1日、8頁、2020年7月4日閲覧。
- ^ a b c “上尾市のあゆみ - 統計あげお平成23年版” (PDF). 上尾市役所. pp. 135-144 (2012年3月). 2014年4月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月4日閲覧。
- ^ 『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』 928頁。
- ^ 『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』 増補5頁。
- ^ 広報広聴課 (2018年7月). “広報あげお 2018年7月号(No.1012)” (PDF). 上尾市役所. pp. 1-9. 2019年2月14日閲覧。
- ^ a b “谷津の大山灯籠行事”. 上尾市教育委員会 (2016年3月9日). 2020年6月14日閲覧。
- ^ a b 『上尾市史 第八巻 別編1、地誌』 261-271頁。
- ^ 『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』 1389頁。
- ^ “市内小・中学校通学区一覧”. 上尾市 (2018年4月1日). 2019年2月14日閲覧。
- ^ a b “『上尾の都市計画』 Ⅵ 上尾市の都市計画の現況” (PDF). 上尾市役所. pp. 16・36・46 (2019年4月). 2019年10月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年8月15日閲覧。
- ^ “上尾市緊急輸送道路閉塞建築物耐震診断補助制度”. 上尾市役所 (2014年8月25日). 2019年2月14日閲覧。
- ^ “西宮下中妻線の事業認可取得について”. 上尾市役所 (2017年3月14日). 2020年5月26日閲覧。
- ^ 路線図 (PDF) - 東武バス. 2019年2月18日閲覧。
- ^ ぐるっとくん 上尾市内循環バスROAD案内マップ (PDF) - 上尾市役所.2019年2月11日閲覧。
- ^ “自治会・町内会・区会に加入しましょう”. 上尾市役所 (2021年3月15日). 2022年4月27日閲覧。
- ^ “指定緊急避難場所・指定避難所・福祉避難所”. 上尾市役所 (2022年2月14日). 2022年4月27日閲覧。
- ^ “特集 JR高崎線上尾駅開業130周年 時代と共に変わる上尾駅” (PDF). 上尾市役所. 2019年2月14日閲覧。
参考文献
[編集]- 上尾市教育委員会・編『上尾市史 第五巻 資料編5、近代・現代2』上尾市役所、1998年3月31日。
- 上尾市教育委員会・編『上尾市史 第七巻 通史編(下)』埼玉県上尾市、2001年3月30日。
- 上尾市教育委員会・編『上尾市史 第八巻 別編1、地誌』上尾市役所、1997年3月31日。
- 「角川日本地名大辞典」編纂委員会『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』角川書店、1980年7月8日。ISBN 4040011104。
- 上尾百年史編集委員会・編『上尾百年史』上尾市役所、1972年2月10日。
- 「谷津村」『新編武蔵風土記稿』 巻ノ147足立郡ノ13、内務省地理局、1884年6月。NDLJP:763999/46。
- 旧高旧領取調帳データベース
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- あげおガイド アピマップ - 上尾市役所