出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
関取在位後に4階級以上陥落した力士一覧(せきとりざいいごによんかいきゅういじょうかんらくしたりきしいちらん)は、関取経験者(最高位が十両以上)でかつ、自身の最高位より4階級以上下回る番付上の地位に在位した経験を持つ大相撲の力士の一覧である。
- 2024年11月場所番付発表時点の記録。
- 本表(「該当力士数」「該当力士一覧」)では、明治以降の明確な記録が残っている力士に限定して記し、江戸時代の看板大関等の記録については、近現代ほど記録が明確でないため参考記録として分離する。
- 幕内については、横綱・大関・関脇・小結・前頭(平幕)の区分があるが、本項ではその各々を独立した階級として定義する。ただし横綱については制度・立場上下位への陥落が起こり得ないため必然的に本項の対象外となる。
- 「該当力士数」の表の空欄は該当者なしを意味する。
- 「該当力士一覧」の表について
- 「陥落時の最低地位」は、陥落から引退もしくは復帰までの期間に在位した最も低い地位を示す。
- 「復帰後の最高地位」の空欄(-)は、最低地位に在位中またはその場所の番付発表前に引退した、もしくは最低地位に在位した状態で現役を務めていることを示す。
- 複数回記録した力士は、各回を分離して記載する。
該当力士数
|
陥落前の最高位
|
大関
|
関脇
|
小結
|
前頭
|
十両
|
陥落後の最低位
|
十両
|
5人
|
本項対象外
|
幕下
|
|
16人
|
本項対象外
|
三段目
|
1人
|
3人
|
6人
|
対象外
|
序二段
|
1人
|
|
1人
|
12人
|
対象外
|
序ノ口
|
|
|
|
5人
|
7人
|
番付外
|
|
|
|
1人
|
3人
|
四股名 |
陥落前の最高位 |
十両陥落場所 |
陥落時の最低地位 |
復帰後の最高地位 |
最高地位の場所 |
備考
|
大受久晃
|
東大関 |
1977年5月 |
西十両筆頭 |
- |
陥落場所初日から3連敗を喫して途中休場、9日目限りで引退、年寄・楯山を襲名。
|
雅山哲士
|
西大関 |
2010年9月 |
東十両2枚目 |
東小結 |
2012年1月
|
大相撲野球賭博問題により、2010年7月場所を謹慎休場。
|
2013年3月
|
東十両9枚目
|
-
|
陥落場所千秋楽限りで引退、年寄・二子山を襲名。
|
把瑠都凱斗
|
東大関 |
2013年9月 |
東十両3枚目 |
- |
陥落場所前(番付発表後)に引退。出場せず。
|
琴奨菊和弘
|
東大関 |
2020年11月 |
西十両3枚目 |
- |
陥落場所6日目まで1勝5敗で途中休場、8日目に引退、年寄・秀ノ山を襲名。
|
栃ノ心剛史
|
東大関2 |
2023年3月 |
東十両5枚目 |
- |
最低地位場所5日目まで5連敗、6日目に引退。
|
四股名 |
陥落前の最高位 |
幕下陥落場所 |
陥落時の最低地位 |
復帰後の最高地位 |
最高地位の場所 |
備考
|
朝乃山広暉
|
東大関 |
2024年11月 |
東幕下筆頭 |
- |
- |
現役
|
四股名 |
陥落前の最高位 |
三段目陥落場所 |
陥落時の最低地位 |
復帰後の最高地位 |
最高地位の場所 |
備考
|
朝乃山広暉
|
東大関 |
2022年7月 |
西三段目22枚目 |
東小結 |
2024年5月 |
現役。新型コロナウイルス対応ガイドライン違反により、2021年7月場所から2022年5月場所まで出場停止。
|
四股名 |
陥落前の最高位 |
序二段陥落場所 |
陥落時の最低地位 |
復帰後の最高地位 |
最高地位の場所 |
備考
|
照ノ富士春雄
|
東大関 |
2019年3月 |
西序二段48枚目 |
第73代横綱 |
2021年9月以降
|
現役
|
該当力士なし
該当力士なし
四股名 |
陥落前の最高位 |
幕下陥落場所 |
陥落時の最低地位 |
復帰後の最高地位 |
最高地位の場所 |
備考
|
羽黒花統司
|
東関脇 |
1965年9月 |
西幕下51枚目 |
- |
陥落後2場所連続で全休してそのまま引退、年寄・大鳴戸を襲名。出場せず。
|
小城ノ花正昭
|
西関脇 |
1967年5月 |
東幕下2枚目 |
- |
陥落後全休してそのまま引退、年寄・高崎を襲名。出場せず。
|
前田川克郎
|
西関脇 |
1967年5月 |
西幕下筆頭 |
- |
陥落前の場所で9勝6敗と勝ち越したが「番付削減」の影響で幕下陥落。陥落場所に出場し引退。
|
琴風豪規
|
西関脇 |
1979年5月 |
西幕下30枚目 |
東大関 |
1981年11月 - 1985年5月(22場所)[注 1] |
引退後に年寄・尾車を襲名。
|
鳳凰倶往
|
東関脇 |
1986年3月 |
東幕下4枚目 |
西十両筆頭 |
1986年9月 |
|
1987年3月 |
東幕下8枚目 |
東前頭9枚目 |
1989年1月 |
|
1989年7月 |
西幕下53枚目 |
- |
最低地位在位場所を全休してそのまま引退。
|
若翔洋俊一
|
東張出関脇 |
1997年9月 |
西幕下13枚目 |
- |
最低地位在位場所4日目限りで引退、年寄・音羽山を襲名。
|
追風海直飛人
|
西関脇 |
2005年9月 |
東幕下49枚目 |
- |
最低地位在位場所を休場中に引退。
|
隆乃若勇紀
|
東関脇 |
2007年7月 |
西幕下3枚目 |
西幕下2枚目 |
2007年9月
|
陥落場所を勝ち越すも十両復帰ならず、翌場所を4連敗から途中休場し14日目限りで引退。
|
土佐ノ海敏生
|
東関脇 |
2011年1月 |
東幕下筆頭 |
- |
陥落場所前(番付発表前)に引退、年寄・立川を襲名。出場せず。
|
北勝力英樹
|
西関脇 |
2011年5月 |
西幕下13枚目 |
- |
陥落場所休場中に引退、年寄・谷川を襲名。出場せず。
|
若の里忍
|
東関脇 |
2015年9月 |
西幕下4枚目 |
- |
陥落場所前(番付発表前)に引退、年寄・西岩を襲名。出場せず。
|
豊ノ島大樹
|
東関脇 |
2016年11月 |
西幕下35枚目 |
東前頭14枚目 |
2019年7月 |
|
2020年3月 |
西幕下7枚目 |
- |
最低地位在位場所前(番付発表前)に引退、年寄・井筒を襲名。
|
朝赤龍太郎
|
西関脇 |
2017年1月 |
西幕下14枚目 |
- |
最低地位在位場所前(番付発表前)に引退、年寄・錦島を襲名。
|
琴勇輝一巖
|
東関脇 |
2021年3月 |
西幕下41枚目 |
- |
最低地位在位場所前(番付発表前)に引退、年寄・君ヶ濱を襲名。出場せず。
|
魁聖一郎
|
東関脇 |
2022年9月 |
東幕下筆頭 |
- |
陥落場所前(番付発表当日)に引退、年寄・友綱を襲名。出場せず。
|
若隆景渥
|
東関脇 |
2023年11月 |
東幕下6枚目 |
東前頭2枚目 |
2024年11月 |
現役
|
四股名 |
陥落前の最高位 |
三段目陥落場所 |
陥落時の最低地位 |
復帰後の最高地位 |
最高地位の場所 |
備考
|
出羽ヶ嶽文治郎
|
東関脇 |
1938年5月 |
東三段目11枚目 |
西幕下10枚目 |
1939年5月
|
復帰後の最高地位在位中に引退、年寄・田子ノ浦を襲名。
|
栃赤城雅男
|
東関脇 |
1990年3月 |
東三段目4枚目 |
- |
陥落場所前(番付発表前)に引退。出場せず。
|
勢翔太
|
西関脇
|
2021年7月
|
東三段目21枚目
|
-
|
陥落場所前(番付発表後)に引退、年寄・春日山を襲名。出場せず。
|
該当力士なし
該当力士なし
該当力士なし
四股名 |
陥落前の最高位 |
三段目陥落場所 |
陥落時の最低地位 |
復帰後の最高地位 |
最高地位の場所 |
備考
|
大豊昌央
|
西小結 |
1985年11月 |
西三段目24枚目 |
西幕下3枚目 |
1986年5月
|
引退後に年寄・荒汐を襲名。
|
巴富士俊英
|
西張出小結 |
1998年7月 |
東三段目85枚目 |
- |
陥落後2場所連続で全休してそのまま引退。出場せず。
|
千代天山大八郎
|
西小結 |
2007年5月 |
西三段目16枚目 |
西幕下56枚目 |
2007年9月
|
|
2007年11月
|
西三段目27枚目
|
東三段目4枚目
|
2008年1月
|
復帰後の最高地位在位中に引退。
|
時天空慶晃
|
東小結 |
2016年7月 |
東三段目87枚目 |
- |
陥落後2場所連続で全休してそのまま引退、年寄・間垣を襲名。出場せず。
|
常幸龍貴之
|
東小結 |
2016年11月 |
西三段目23枚目 |
東十両7枚目 |
2021年5月
|
|
千代鳳祐樹
|
西小結 |
2018年3月 |
東三段目3枚目 |
西十両5枚目 |
2021年1月
|
引退後に年寄・佐ノ山を襲名。
|
四股名 |
陥落前の最高位 |
序二段陥落場所 |
陥落時の最低地位 |
復帰後の最高地位 |
最高地位の場所 |
備考
|
臥牙丸勝
|
東小結 |
2020年11月 |
東序二段46枚目 |
- |
陥落場所休場中に引退。出場せず。
|
該当力士なし
該当力士なし
四股名 |
陥落前の最高位 |
序二段陥落場所 |
陥落時の最低地位 |
復帰後の最高地位 |
最高地位の場所 |
備考
|
男嶌舟藏
|
西前頭12枚目 |
1924年1月 |
西序二段10枚目 |
- |
|
騏乃嵐和稔
|
東前頭2枚目 |
1991年9月 |
西序二段6枚目 |
- |
陥落後全休してそのまま引退。出場せず。
|
佐嘉昇博
|
東前頭14枚目 |
1993年9月 |
東序二段60枚目 |
西幕下20枚目 |
1995年1月
|
|
玉海力剛
|
東前頭8枚目 |
1996年3月 |
東序二段48枚目 |
- |
陥落場所前(番付発表後)に引退。出場せず。
|
若ノ城宗彦
|
西前頭6枚目 |
2004年1月 |
西序二段79枚目 |
- |
引退後に準年寄・若ノ城を襲名。
|
鳥羽の山喜充
|
西前頭13枚目 |
2005年3月 |
西序二段90枚目 |
東幕下2枚目 |
2008年9月
|
|
天風健人
|
東前頭13枚目 |
2019年3月 |
西序二段50枚目 |
西幕下19枚目 |
2021年7月
|
|
2022年9月 |
西序二段3枚目 |
西幕下32枚目 |
2024年3月
|
現役
|
誉富士歓之
|
西前頭6枚目 |
2019年7月 |
東序二段14枚目 |
東三段目52枚目 |
2019年9月
|
復帰後の最高地位在位中に引退、年寄・楯山を襲名。
|
宇良和輝
|
東前頭4枚目 |
2019年9月 |
西序二段106枚目 |
西小結 |
2024年1月
|
現役
|
芳東洋
|
東前頭12枚目 |
2024年5月 |
西序二段39枚目 |
-
|
現役
|
友風勇太
|
西前頭3枚目 |
2021年3月 |
西序二段55枚目 |
東前頭14枚目 |
2023年11月
|
現役
|
豊響隆太
|
東前頭2枚目 |
2021年7月 |
西序二段31枚目 |
-
|
陥落場所前(番付発表前)に引退、年寄・山科を襲名。出場せず。
|
四股名 |
陥落前の最高位 |
序ノ口陥落場所 |
陥落時の最低地位 |
復帰後の最高地位 |
最高地位の場所 |
備考
|
琉鵬正吉
|
東前頭16枚目 |
2012年5月 |
西序ノ口4枚目 |
- |
陥落後全休してそのまま引退。出場せず。
|
舛ノ山大晴
|
西前頭4枚目 |
2016年9月 |
東序ノ口11枚目 |
西幕下21枚目 |
2019年7月 |
|
旭大星託也
|
西前頭8枚目 |
2022年11月 |
西序ノ口5枚目 |
東幕下19枚目 |
2024年7月 |
現役
|
石浦鹿介
|
西前頭5枚目 |
2023年7月 |
西序ノ口15枚目 |
- |
陥落場所前(番付発表前)に引退、年寄・間垣を襲名。出場せず。
|
炎鵬友哉
|
東前頭4枚目 |
2024年7月 |
西序ノ口13枚目 |
西三段目56枚目 |
2024年11月 |
現役
|
四股名 |
陥落前の最高位 |
番付外陥落場所 |
陥落時の最低地位 |
復帰後の最高地位 |
最高地位の場所 |
備考
|
鏡桜秀興
|
西前頭9枚目
|
2021年9月
|
番付外
|
-
|
陥落後10場所連続で全休してそのまま引退。出場せず。
|
四股名 |
陥落前の最高位 |
序ノ口陥落場所 |
陥落時の最低地位 |
復帰後の最高地位 |
最高地位の場所 |
備考
|
琴別府要平
|
西十両12枚目
|
1990年9月
|
西序ノ口39枚目
|
東前頭筆頭
|
1995年3月
|
|
富風悟
|
西十両8枚目
|
2004年7月
|
東序ノ口37枚目
|
-
|
陥落場所前(番付発表前)に引退。出場せず。
|
出羽乃富士智章
|
西十両9枚目
|
2007年3月
|
東序ノ口29枚目
|
東三段目78枚目
|
2007年11月
|
復帰後の最高地位在位中に引退。
|
栃不動周二
|
西十両12枚目
|
2012年9月
|
西序ノ口16枚目
|
-
|
陥落場所前(番付発表前)に引退。出場せず。
|
慶天海孔晴
|
東十両11枚目
|
2013年9月
|
西序ノ口14枚目
|
東幕下2枚目
|
2015年1月
|
|
竜電剛至
|
西十両12枚目
|
2014年1月
|
西序ノ口17枚目
|
西小結
|
2019年7月
|
現役
|
政風基嗣
|
東十両12枚目
|
2018年5月
|
東序ノ口12枚目
|
-
|
陥落場所休場中に引退。出場せず。
|
四股名 |
陥落前の最高位 |
番付外陥落場所 |
陥落時の最低地位 |
復帰後の最高地位 |
最高地位の場所 |
備考
|
龍門孝幸
|
西十両筆頭
|
1982年5月
|
番付外
|
-
|
陥落場所限りで引退。出場せず。
|
北勝国英明
|
東十両12枚目
|
2010年9月
|
番付外
|
東十両6枚目
|
2012年7月
|
2010年9月場所の前相撲に出場。
|
飛翔富士廣樹
|
東十両13枚目
|
2014年9月
|
番付外
|
東幕下11枚目
|
2016年3月
|
2015年1月場所の前相撲に出場。
|
参考記録:江戸時代の大関(看板大関等)の記録
[編集]
この表では参考記録として、江戸時代の大関(看板大関等)が二段目(現在の幕下に相当)以下に陥落した例を示す。江戸時代には十両の地位がなかったが、それでも番付表上の「前頭」(「同」も含む。上段の「前頭」から本中・相中・前相撲を除いた最下段まで)を段ごとに別々の階級とすれば、大関-関脇-小結-前頭(上段)-二段目(-三段目-四段目)と4階級以上陥落している点は変わらない。ただし、当時段ごとに待遇差があったかどうかははっきりせず、「同」でなく「前頭」と書かれている部分までは当時の「幕内格」と見るべきだったとする説もあり、その点は現在の番付ほど扱いがはっきりしない面もある。
- ^ 東正大関:1981年11月 - 1982年3月、1982年9月、1983年3月、1983年9月(6場所)。