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ダノンバラード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ダノンバラード
第61回日経賞パドック(2013年3月23日)
欧字表記 Danon Ballade[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 黒鹿毛[1]
生誕 2008年2月19日(16歳)[1]
抹消日 2014年4月27日[2]
ディープインパクト[1]
レディバラード[1]
母の父 Unbridled[1]
生国 日本の旗 日本北海道新ひだか町[1]
生産者 ケイアイファーム[1]
馬主 (株)ダノックス[1]
調教師 池江泰郎栗東
池江泰寿(栗東)
[1]
調教助手 田重田裕生[3]
競走成績
生涯成績 26戦5勝[1]
獲得賞金 3億2907万6000円[1]
勝ち鞍
GII アメリカJCC 2013年
GIII ラジオNIKKEI杯2歳S 2010年
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ダノンバラード(欧字名:Danon Ballade2008年2月19日 - )は、日本競走馬種牡馬[1]。主な勝ち鞍に2010年ラジオNIKKEI杯2歳ステークス2013年アメリカジョッキークラブカップ

馬名の由来は、冠名+母名の一部。

戦績

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  • 特記事項なき場合、本節の出典はJBISサーチ[4]

2010年10月24日、京都競馬場での2歳新馬戦でデビューし、1着[5]。父・ディープインパクトの鞍上を務めた武豊にとっても、ディープインパクトの仔で勝利を挙げたのこれが初めてであった[5]。続く京都2歳ステークスマーベラスカイザーの3着となったのち、12月のラジオNIKKEI杯2歳ステークスではオールアズワンをクビ差退けて重賞初制覇[6]。ディープインパクトにとっても、これが産駒の重賞初勝利となった[6]

3歳となった2011年、2月の共同通信杯で始動もナカヤマナイトの9着。このあと、池江泰郎厩舎の定年解散により池江泰寿厩舎に移籍[7]クラシック路線に進み、第一冠の皐月賞オルフェーヴルの3着に入って二冠目の東京優駿に出走予定だったが、最終追い切り前に左前球節部の靭帯の痛みによる跛行のため、出走を回避した[8]。休養を挟み11月のアンドロメダステークスで復帰も3着に終わり、その後も中日新聞杯3着、年明けて日経新春杯2着など勝てない競馬が続き、準オープンクラスに降級。降級初戦、7月中京競馬場での1600万下条件特別関ケ原ステークスを勝って[9]、1戦でオープンクラスに復帰する。小倉記念4着、カシオペアステークス2着を経てアンドロメダステークスで4勝目を挙げた[10]

金鯱賞8着を挟み5歳初戦として出走のアメリカジョッキークラブカップでは2着トランスワープを1馬身4分の1差おさえて1位入線を果たしたが、最後の直線での御法についてトランスワープの関係者から異議が出されたものの到達順位のとおりに確定[11]。鞍上のフランシス・ベリーは2月10日までの騎乗停止処分となった[12]。その後は宝塚記念ゴールドシップの2着[13]鳴尾記念オールカマーで3着の成績を残したものの勝ち星を挙げるには至らず、2014年4月19日のアンタレスステークス14着が最後の競馬となって、4月27日付で競走馬登録を抹消された[2]

競走成績

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以下の内容は、JBISサーチ[4]、netkeiba.com[14]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場) 頭数 枠番 馬番 オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬/(2着馬)
2010. 10.24 京都 2歳新馬 芝1800m(良) 12 5 5 01.4(1人) 1着 1:48.7 (34.6) -0.3 武豊 55 (ブルースビスティー)
11.27 京都 京都2歳S OP 芝2000m(良) 10 6 6 01.8(1人) 3着 2:01.7 (35.1) -0.1 武豊 55 マーベラスカイザー
12.25 阪神 ラジオNIKKEI杯2歳S GIII 芝2000m(良) 15 5 8 06.9(4人) 1着 2:02.2 (34.7) -0.0 武豊 55 オールアズワン
2011. 02.13 東京 共同通信杯 GIII 芝1800m(良) 13 7 11 02.9(1人) 9着 1:49.2 (34.5) -0.7 武豊 57 ナカヤマナイト
04.24 東京 皐月賞 GI 芝2000m(良) 18 1 2 18.9(8人) 3着 2:01.3 (35.3) -0.7 武豊 57 オルフェーヴル
11.12 京都 アンドロメダS OP 芝2000m(良) 12 2 2 01.6(1人) 3着 2:00.6 (34.2) -0.2 武豊 55 ユニバーサルバンク
12.10 小倉 中日新聞杯 GIII 芝2000m(稍) 18 7 3 03.3(2人) 3着 1:59.6 (35.6) -0.0 M. デムーロ 57 コスモファントム
2012. 01.15 京都 日経新春杯 GII 芝2400m(良) 12 8 11 06.5(3人) 2着 2:23.9 (34.9) -0.2 岩田康誠 56 トゥザグローリー
03.04 中京 中日新聞杯 GIII 芝2000m(良) 17 8 17 02.9(1人) 3着 2:02.6 (35.1) -0.4 福永祐一 57 スマートギア
05.06 新潟 新潟大賞典 GIII 芝2000m(稍) 15 5 9 04.7(1人) 4着 1:59.4 (35.7) -0.4 三浦皇成 57 ヒットザターゲット
05.27 東京 目黒記念 GII 芝2500m(良) 18 1 2 06.9(5人) 4着 2:31.0 (34.9) -0.4 岩田康誠 57 スマートロビン
07.07 中京 関ヶ原S 1600 芝2000m(稍) 11 6 6 01.7(1人) 1着 2:03.1 (35.4) -0.3 小牧太 57 (ワルキューレ)
08.05 小倉 小倉記念 GIII 芝2000m(良) 12 4 4 03.0(2人) 4着 1:58.0 (34.9) -0.7 小牧太 57 エクスペディション
10.28 京都 カシオペアS OP 芝1800m(稍) 18 3 6 05.7(3人) 2着 1:46.5 (34.5) -0.1 安藤勝己 56 リルダヴァル
11.11 京都 アンドロメダS OP 芝2000m(重) 14 6 9 02.7(1人) 1着 2:01.7 (34.7) -0.0 C. ルメール 57 (メイショウウズシオ)
12.01 中京 金鯱賞 GII 芝2000m(良) 12 1 1 04.7(2人) 8着 02:01.0 (35.8) -0.6 北村友一 56 オーシャンブルー
2013. 01.20 中山 AJCC GII 芝2200m(良) 12 3 3 06.0(3人) 1着 2:13.1 (36.0) -0.2 F. ベリー 56 トランスワープ
02.24 中山 中山記念 GII 芝1800m(良) 15 7 12 06.0(4人) 6着 01:47.7 (35.8) -0.4 F. ベリー 57 ナカヤマナイト
03.23 中山 日経賞 GII 芝2500m(良) 15 4 5 15.7(6人) 7着 02:32.9 (35.0) -0.9 戸崎圭太 57 フェノーメノ
06.01 阪神 鳴尾記念 GIII 芝2000m(良) 16 4 7 15.7(6人) 3着 01:59.1 (34.5) -0.2 岩田康誠 57 トウケイヘイロー
06.23 阪神 宝塚記念 GI 芝2200m(良) 11 4 4 43.8(5人) 2着 02:13.8 (36.2) -0.6 川田将雅 58 ゴールドシップ
09.22 中山 オールカマー GII 芝2200m(良) 16 5 9 03.0(1人) 3着 02:12.1 (35.0) -0.1 川田将雅 57 ヴェルデグリーン
10.27 東京 天皇賞(秋) GI 芝2000m(良) 17 8 16 32.1(6人) 16着 02:00.5 (38.0) -3.0 川田将雅 58 ジャスタウェイ
12.22 中山 有馬記念 GI 芝2500m(良) 16 1 1 40.9(9人) 15着 02:37.0 (41.2) -4.7 川田将雅 57 オルフェーヴル
2014. 01.26 中山 AJCC GII 芝2200m(良) 16 4 7 07.8(4人) 12着 2:14.9 (37.0) -0.9 後藤浩輝 57 ヴェルデグリーン
04.19 阪神 アンタレスS GIII ダ1800m(良) 16 5 9 36.0(8人) 14着 01:53.0 (38.1) -1.5 川田将雅 57 ナムラビクター

種牡馬時代

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2014年4月の競走馬登録抹消に際し、JRAからは故郷のケイアイファームで種牡馬となる予定と発表されたが[2]、5月に日高スタリオンステーションに入厩[15]2015年から種牡馬として供用された。初年度産駒は25頭[16]

種牡馬生活2年目の2016年は日高スタリオンステーション閉鎖のためレックススタッドで繋養されたが[17]、同年8月にトルコの馬主[注釈 1]に購買され、イタリアのベスナーテ牧場に移動[19]。トルコ情勢[注釈 2]が安定してからトルコへ移動する予定になっていた[20]。イタリア時代には、2017年に61頭に種付けを行った[19]

のちに第二の繋養先はイギリスに変更され、2017年11月にトルコとイタリアの馬主が所有したままイギリスのバッツフォードスタッドに移動。2018年にイギリスで初めて繋養されるディープインパクト産駒の種牡馬となった[19]

2018年春、日本でデビューを控えていた初年度産駒の質に注目した岡田繁幸により買い戻され[16]、7月に帰国。ウィンターフェル[注釈 3]、ナイママ[注釈 4]といった産駒が結果を出す中での逆輸入となった[24]2019年からビッグレッドファームで供用され、2019年の種付け頭数は108頭、血統登録数66頭[16]。その中から2022年8月28日キタウイング新潟2歳ステークスを制して産駒のJRA重賞初制覇を達成した[25]

2023年より、初年度産駒(2016年産)のモンブランテソーロ[注釈 5]が白馬牧場で後継種牡馬入りしている。

主な産駒

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グレード制重賞勝ち馬

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地方重賞勝ち馬

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血統表

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ダノンバラード血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サンデーサイレンス系/ヘイロー系
[§ 2]

ディープインパクト 2002
鹿毛 北海道早来町
父の父
*サンデーサイレンス
Sunday Silence 1986
青鹿毛 アメリカ
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
父の母
*ウインドインハーヘア
Wind in Her Hair 1991
鹿毛 アイルランド
Alzao Lyphard
Lady Rebecca
Burghclere Burghclere
Highclere

*レディバラード
Lady Ballade 1997
黒鹿毛 アイルランド
Unbridled 1987
黒鹿毛 アメリカ
Fappiano Mr. Prospector
Killaloe
Gana Facil Le Fabuleux
Charedi
母の母
Angelic Song 1988
鹿毛 カナダ
Halo Hail to Reason
Cosmah
Ballade Herbager
Miss Swapsco
母系(F-No.) レディバラード(IRE)系(FN:12-c) [§ 3]
5代内の近親交配 Halo 3 × 3 = 25.00% [§ 4]
出典
  1. ^ [30]
  2. ^ [31][32]
  3. ^ [30]
  4. ^ [30][32]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 2015年に同じディープインパクト初年度産駒のスマートロビンをトルコに導入したターキッシュ・ブラッドストック[18]
  2. ^ ダノンバラードが購買される直前の2016年7月にクーデター未遂事件が発生し、非常事態宣言が発令されていた。
  3. ^ 2歳時にホッカイドウ競馬門別)で3勝[21]ダートグレード競走北海道2歳優駿においても写真判定の誤審のため当初1着とされた[22]
  4. ^ 2歳時にホッカイドウ競馬(門別)所属でコスモス賞1着、札幌2歳ステークス2着[23]
  5. ^ 中央(JRA)4勝。主な勝ち鞍は2021年五稜郭ステークス(3勝クラス)[26]

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o ダノンバラード”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年5月5日閲覧。
  2. ^ a b c ダノンバラードの競走馬登録抹消について”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2014年4月27日). 2021年5月5日閲覧。
  3. ^ 宝塚激走の実力を証明したいダノンバラード”. 競馬ラボ. 2022年7月16日閲覧。
  4. ^ a b ダノンバラード 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年5月5日閲覧。
  5. ^ a b 武豊騎手、ディープインパクト産駒で初勝利/京都新馬”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2010年10月24日). 2021年5月5日閲覧。
  6. ^ a b ディープ産駒が重賞初V!ダノンバラードがラジオNIKKEI杯2歳Sを制す”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2010年12月25日). 2021年5月5日閲覧。
  7. ^ 調教師7名が引退・勇退、各管理馬の転厩先決定”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2011年2月28日). 2021年5月5日閲覧。
  8. ^ ダノンバラード、日本ダービー出走を回避”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2011年5月25日). 2021年5月5日閲覧。
  9. ^ 【関ケ原S】(中京)~実績上位ダノンバラード 順当勝ち”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2012年7月7日). 2021年5月5日閲覧。
  10. ^ 【アンドロメダS】(京都)~ダノンバラードがハナ差しのぐ”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2012年11月11日). 2021年5月5日閲覧。
  11. ^ 直線はヒヤリ…、ダノンバラードが2年1か月ぶり重賞2勝目/AJCC”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2013年1月20日). 2021年5月5日閲覧。
  12. ^ ベリーは2月10日まで開催日6日間を含む16日間の騎乗停止”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2013年1月21日). 2021年5月5日閲覧。
  13. ^ 「夢の3強対決」はゴールドシップが制す!ジェンティル3着、フェノーメノ4着…/宝塚記念”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2013年6月23日). 2021年5月5日閲覧。
  14. ^ ダノンバラードの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2021年5月5日閲覧。
  15. ^ 日高スタリオンステーションにダノンバラードがスタッドイン”. 競走馬のふるさと案内所 馬産地ニュース. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年5月5日閲覧。
  16. ^ a b c “都落ち”のダノンバラードが「ディープインパクトの後継種牡馬争い」で覇権を握る……! 数字が示す“納得の理由”(河村 清明) @moneygendai”. マネー現代. 2022年8月9日閲覧。
  17. ^ レックススタッドが種牡馬展示会を開催、コパノリチャードなど展示”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2016年2月17日). 2021年5月5日閲覧。
  18. ^ Turkishbloodstock.com Horses List - ウェイバックマシン(2016年10月26日アーカイブ分)
  19. ^ a b c 英国で初めてディープインパクト産駒が供用される(イギリス)【生産】”. 海外競馬情報. 公益社団法人ジャパン・スタッドブック・インターナショナル (2017年11月20日). 2021年5月5日閲覧。
  20. ^ ダノンバラードがイタリアへトレード”. 競走馬のふるさと案内所 馬産地ニュース. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年5月5日閲覧。
  21. ^ ウィンターフェル”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年9月27日閲覧。
  22. ^ 前代未聞の大誤審!門別競馬で1着、2着を取り違えサンケイスポーツ、2018年11月3日(2021年5月5日閲覧)
  23. ^ ナイママ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年9月27日閲覧。
  24. ^ ビッグレッドファームにダノンバラードが新入厩”. 競走馬のふるさと案内所 馬産地ニュース. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年5月5日閲覧。
  25. ^ ダノンバラード産駒がJRA重賞初制覇 新潟2歳Sをキタウイングが勝利”. netkeiba.com (2022年8月22日). 2023年8月5日閲覧。
  26. ^ モンブランテソーロ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年5月22日閲覧。
  27. ^ ロードブレス”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年5月5日閲覧。
  28. ^ キタウイング”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年8月28日閲覧。
  29. ^ ダノンレジーナ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年5月5日閲覧。
  30. ^ a b c ダノンバラード 血統情報:5代血統表”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年5月5日閲覧。
  31. ^ ダノンバラードの種牡馬情報”. 競馬ラボ. 2021年5月5日閲覧。
  32. ^ a b c d ダノンバラードの5代血統表”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2021年5月5日閲覧。

外部リンク

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