レゾナック
2023年7月から本社が入居する、東京汐留ビルディング | |
種類 | 株式会社 |
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機関設計 | 監査役設置会社[1] |
市場情報 |
大証1部(廃止) 4217 1970年10月上場 |
本社所在地 |
日本 〒105-7325 東京都港区東新橋一丁目9番1号 東京汐留ビルディング[2] |
設立 |
1962年(昭和37年)10月10日 (日立化成工業株式会社) |
業種 | 化学 |
法人番号 | 3011101018084 |
事業内容 | 主要製品の項を参照 |
代表者 |
高橋秀仁(代表取締役社長) 上口 啓一(代表取締役) |
資本金 | 155億円 |
発行済株式総数 | 2億835万株 |
売上高 | 3383億円(2019年) |
営業利益 | 1325億円(2019年) |
純利益 | 1213億円(2019年) |
純資産 | 2949億8300万円(2019年) |
総資産 | 4260億8900万円(2019年) |
従業員数 | 6,872人(2020年) |
決算期 | 3月末 |
主要株主 | レゾナック・ホールディングス |
外部リンク | 株式会社レゾナック |
株式会社レゾナック(英語: Resonac Corporation.)は、日本の大手化学メーカー(樹脂加工・機能性化学)。旧商号は日立化成株式会社(ひたちかせい、英語: Hitachi Chemical Company, Ltd.)で、かつては日立製作所の化学部門が独立した日立グループの代表的企業であり、旧日立金属・旧日立電線とともに、日立御三家と称されていたが、現在ではいずれも日立グループから離脱した。2020年4月28日、昭和電工の連結子会社となり、同年10月1日に昭和電工マテリアルズ株式会社(しょうわでんこうマテリアルズ、英語: Showa Denko Materials co.,Ltd.)に商号を変更した。2023年1月、昭和電工と統合、事業を承継し商号を株式会社レゾナックに変更。社名は英語の“RESONATE”(共鳴する・響き渡る)と、“CHEMISTRY”(化学)の「C」を組み合せたもの[3]。
概要
[編集]日本ブレーキ工業などを含む約50社、人員23,000人以上を擁するグループを形成している。日立グループ時代から自主独立して事業運営されており社長も生え抜きである。また、日立グループ時代には日本経済新聞社発表の「優れた会社ランキング」において、毎年、上位にランクインしていたこともあった。
日立グループ時代は春光グループの春光会及び春光懇話会、三和グループの三水会及びみどり会の会員企業であった[4]が、日立グループを離脱すると共に、いずれからも離脱している。
2017年3月、経済産業省と東京証券取引所が共同で「女性活躍推進に優れた企業」として選定するなでしこ銘柄に選定された。平成28年度選定企業として、日立製作所、日立ハイテクノロジーズも選定されている[5]。
沿革
[編集]- 1912年 - 日立製作所が油性ワニスの研究を開始(創業)。
- 1962年 - 日立化成工業株式会社を設立。
- 1963年 - 日立製作所の化学製品部門の営業資産を譲り受け、同時に日立化工を合併して営業開始。
- 1970年10月1日 - 東京証券取引所、大阪証券取引所各2部に上場。
- 1971年 - 東京証券取引所、大阪証券取引所各1部に指定替え。
- 2007年 - 子会社の日立ハウステック(現・ハウステック)の売却を発表。
- 2008年
- 日立粉末冶金を完全子会社化。
- 日立グループのライフサイエンス事業強化に向け、日立製作所よりパーソナル・ヘルスケア事業を譲り受ける。
- 2009年 - 伊・ブレンボ社と2年にわたり共同開発を続けていた、高級車向けNAO(ノンアスベストオーガニック)ブレーキパッドの製造技術を同社に供与。
- 2010年4月1日 - 日立粉末冶金の営業、事業企画、研究開発部門を移管統合。
- 2011年 - 樹脂製がいし製造事業を香蘭社に売却[6]。
- 2012年3月30日 - 新神戸電機を完全子会社化。
- 2013年
- 1月1日 - 日立化成株式会社に商号変更[7]。本社を東京都新宿区西新宿(新宿三井ビル)から東京都千代田区丸の内(グラントウキョウサウスタワー)に移転。
- 4月 - 新神戸電機の営業、事業企画、研究開発部門を移管統合。なお、電池関連の研究開発は前年10月に統合済。
- 2014年
- 4月1日 - 日立粉末冶金を吸収合併[8]。
- 7月25日 - 構造改革と称し1,000人の希望退職者募集を発表。
- 2016年
- 2017年2月13日 - 伊・FIAMM Energy Technology S.p.A(FIAMMの鉛蓄電池事業の分割会社)を連結子会社化[12][13]。
- 2018年11月2日 - 半導体材料など幅広い製品で検査不正が行われていたと発表(後述)。
- 2019年12月18日 - 昭和電工が当社の全株式をTOB(株式公開買付け)で取得し、完全子会社化すると発表。当社株式の51.24%を保有する日立製作所はTOBに同意[14]。
- 2020年
- 4月1日 - フォーム、フェノール樹脂成形材料、複合材料の3事業を日立化成テクノサービスへ、小型フィルムコンデンサを除くコンデンサ事業をエーアイシーSPCへ、それぞれ会社分割により承継[15][16]。同日付でエーアイシーSPCの株式の全ては南通江海电容器股份有限公司に譲渡され、エーアイシーSPCはエーアイシーテック株式会社へ商号変更した。
- 4月21日 - 昭和電工は当社へのTOBが成立したと発表[17]。
- 4月28日 - 昭和電工の連結子会社となる[17]。
- 6月19日 - 東京証券取引所1部上場廃止[18]。
- 6月23日 - 株式併合により、HCホールディングスの完全子会社となる。
- 10月1日 - 昭和電工マテリアルズ株式会社に商号変更[19]。小型フィルムコンデンサ事業をTAMC株式会社へ会社分割で承継。同日付でTAMC株式会社の株式の全ては、株式会社タイツウに譲渡された[20]。
- 2021年
- 8月2日 - 食品包装用ラップフィルム事業を株式会社キッチニスタへ会社分割で承継。同日付で株式会社キッチニスタの株式の全ては、信越ポリマー株式会社に譲渡[21][22]。
- 9月1日 - プリント配線板事業と子会社の昭和電工マテリアルズ・エレクトロニクス株式会社の事業を、それぞれリンクステック株式会社及びリンクステックサーキット株式会社に会社分割し、両社の株式をポラリス・キャピタル・グループ傘下のPTCJ-Sホールディングス株式会社に譲渡[23]。
- 12月1日 - 蓄電デバイス・システム事業を会社分割し、新会社の株式と同事業に関連する子会社エナジーシステムサービスジャパン株式会社などの株式を、アドバンテッジ パートナーズ系ファンド傘下のサステナブル・バッテリー・ソリューションズ株式会社に譲渡[24]。
- 12月31日 - 昭和電工マテリアルズ・エレクトロニクス株式会社及びAAFC Energy Technology株式会社を吸収合併。
- 2023年
- 1月1日 - 持株会社に移行する昭和電工より事業を承継し、商号を株式会社レゾナックに変更[25]。
- 7月1日 - 本社をレゾナック・ホールディングスと共に港区の東京汐留ビルディングへ移転[26]。
- 10月 - 本店所在地を本社所在地と同じ東京都港区東新橋1-9-1へ移転[27] 。
- 2024年
主要製品
[編集]- 半導体用材料
- ディスプレイ・光学関連材料
- 配線板用基板材料
- 配線板用プロセス材料
- リチウムイオン電池用負極材料
- 機能性樹脂・材料
- 成形用樹脂・材料
- 医薬品・ライフサイエンス関連製品
- カーボン・セラミックス
- 機能性フィルム
- 自動車関連製品
製造事業所
[編集]- 山崎事業所(茨城県日立市、ひたちなか市)
- 五井事業所(千葉県市原市、野田市、茨城県神栖市、徳島県徳島市)
- 下館事業所(茨城県筑西市、結城市)
- 松戸事業所(千葉県松戸市、香取郡多古町)
- 彦根川瀬事業所(滋賀県彦根市)
- 彦根清崎事業所(滋賀県彦根市)
- 徳山事業所(山口県周南市)
- 東長原事業所(福島県会津若松市)
- 伊勢崎事業所(群馬県伊勢崎市)
- 龍野事業所(兵庫県たつの市)
- 横浜事業所(神奈川県横浜市)
- 塩尻事業所(長野県塩尻市)
- 小山事業所(栃木県小山市、大田原市)
- 喜多方事業所(福島県喜多方市)
-
旭ダム湖空撮
ここから湯野上発電所に送水され、発電された電力は喜多方まで送電される。 -
神奈川県横浜市神奈川区恵比須町の横浜事業所
研究所
[編集]- 先端技術研究開発センタ(つくば、下館(研究所)、山崎、松戸、川崎(大川)、千葉、横浜、小山、喜多方、富山、大町、新川崎)
- 高分子研究所(つくば、下館(研究所)、五井、山崎、共創の舞台、川崎、川崎(大川)、川崎(千鳥)、伊勢崎、龍野、大分、千葉、新川崎
- 計算情報科学研究センター(共創の舞台、つくば)
- パッケージングソリューションセンター
実業団
[編集]- 昭和電工マテリアルズバドミントン部(バドミントンS/Jリーグ 女子所属)
関連する人物
[編集]- 主な所属選手
主要グループ会社
[編集]- 日本ブレーキ工業株式会社(八王子市)
- 株式会社レゾナック・オートモーティブプロダクツ(田川市)- 旧・昭和電工マテリアルズ・オートモーティブプロダクツ株式会社
- 株式会社レゾナック・アプライドカーボン(日立市)- 旧・昭和電工マテリアルズ浪江株式会社
- 株式会社レゾナック電子材料九州(神埼郡吉野ヶ里町)- 旧・昭和電工電子材料九州株式会社
- 株式会社HKSP(日立市)- 旧・日立化成住電パワープロダクツ株式会社
- ミナリスメディカル株式会社(中央区)- 旧・日立化成ダイアグノスティックス・システムズ株式会社。2021年(令和3年)7月、社名変更。
- HDマイクロシステムズ株式会社(文京区)
- 五井化成株式会社(市原市)
- 日化トウチュウ株式会社(筑西市)
- 株式会社レゾナック・ビジネスサービス(大田区)- 旧・昭和電工マテリアルズ・ビジネスサービス株式会社
- 株式会社レゾナック・テクノサービス(日立市)- 旧・昭和電工マテリアルズ・テクノサービス株式会社
- Hitachi Chemical Diagnostics, Inc.(アメリカ)
- HD Microsystems L.L.C.(アメリカ)
- Showa Denko Materials Powdered Metals (USA), Inc.(アメリカ)
- Minaris Regenerative Medicine, LLC.(アメリカ)
- Hitachi Chemical Diagnostics, Inc. (アメリカ)
- Showa Denko Materials Mexico, S.A. de C.V. (メキシコ)
- Minaris Regenerative Medicine GmbH(ドイツ)
- ISOLITE GmbH(ドイツ)
- Showa Denko Materials (Europe) GmbH(ドイツ)
- SD (Shanghai) Co., Ltd.(中国)
- SD Materials (Nantong) Co., Ltd.(中国)
- SD Automotive Products (Zhengzhou) Co., Ltd.(中国)
- SD Materials (Dongguan) Co., Ltd.(中国)
- SD Materials (Suzhou) Co., Ltd.(中国)
- SD Materials (Yantai) Co., Ltd.(中国)
- SD Electronic Materials (Chongqing) Co., Ltd.(中国)
- SD Materials (Shanghai) Co., Ltd.(中国)
- SD Electronic Materials (Guangzhou) Co., Ltd.(中国)
- SD Powdered Metals (Dongguan) Co., Ltd.(中国)
- Foshan J.B. Automotive Products Co., Ltd.(中国)
- Li-Bond Resin (Wuxi) Co., Ltd.(中国)
- SD Electronic Materials (Hong Kong) Limited(香港)
- Showa Denko Materials (Hong Kong) Co., Limited(香港)
- Showa Denko Semiconductor Materials (Taiwan) Co., Ltd.(台湾)
- Showa Denko International (Taiwan) Co., Ltd.(台湾)
- CSB Energy Technology Co., Ltd.(台湾)
- Taiwan First Li-Bond Co., Ltd.(台湾)
- Showa Denko Electronic Materials (Korea) Co., Ltd.(韓国)
- Showa Denko Materials (Johor) Sdn. Bhd.(マレーシア)
- Showa Denko Materials (Singapore) Pte. Ltd.(シンガポール)
- Showa Denko Materials (Asia-Pacific) Pte. Ltd.(シンガポール)
- Showa Denko Materials Automotive Products (Thailand) Company Limited(タイ)
- Showa Denko Materials (Thailand) Co., Ltd.(タイ)
- PT Showa Denko Materials Indonesia(インドネシア)
- Showa Denko Materials (India) Private Limited(インド)
その他
かつてのグループ会社
- 昭和電工マテリアルズ・エレクトロニクス株式会社(筑西市)
- 株式会社山岸エーアイシー(下伊那郡下條村)
- エナジーシステムサービスジャパン株式会社(大田区)
不祥事
[編集]- 2018年11月2日(発表) - 当社は半導体材料など幅広い製品で検査不正が行われていたと発表。6月末に産業用鉛蓄電池で検査不正があったことを発表しており、7月から特別調査委員会を設け調査を進めた結果、不正が発覚した。新たに判明した検査不正は主力の29製品に及び、2017年度の連結売上高6692億円の約1割、対象顧客は延べ1900社に達する。国内の7事業所全てで不正があり、古くは約10年前から行われた不正もあり、現場の担当者レベルだけでなく、所長が知っていたケースもあった[30]。丸山寿社長(当時)は記者会見にて「全事業所で不正があった。中には10年以上のものもあった」などと説明した[31]。
脚注
[編集]- ^ コーポレート・ガバナンス - 昭和電工マテリアルズ株式会社
- ^ 企業概要(レゾナックホールディングス、レゾナック)
- ^ “2023年1月1日、昭和電工はレゾナックに生まれ変わりました | Resonac”. www.resonac.com. 2024年3月24日閲覧。
- ^ 田中彰「六大企業集団の無機能化: ポストバブル期における企業間ネットワークのオーガナイジン」『同志社商学』第64巻第5号、2013年、330-351頁、doi:10.14988/pa.2017.0000013201。
- ^ 女性活躍に優れた上場企業を選定「なでしこ銘柄」 経済産業省 2017年3月
- ^ “香蘭社、樹脂製碍子に参入 日立化成から事業買収” (2011年9月30日). 2019年10月12日閲覧。
- ^ ニュースリリース(2012年5月28日)
- ^ 日立粉末冶金株式会社の吸収合併完了のお知らせ. 2014年4月1日. 日立化成株式会社.
- ^ 新神戸電機株式会社の吸収合併完了のお知らせ. 2016年1月4日. 日立化成株式会社.
- ^ グループ会社の組織再編(簡易合併・略式合併)に関するお知らせ. 2015年8月25日. 日立化成株式会社
- ^ 連結子会社の吸収合併(簡易合併・略式合併)に関するお知らせ. 2015年10月26日. 日立化成株式会社.
- ^ イタリア共和国FIAMM Energy Technology S.p.A.の株式取得に関するお知らせ. 2016年11月28日. 日立化成株式会社.
- ^ FIAMM / THE COMPANY / HISTORY
- ^ 昭電工:日立化成をTOBで完全子会社化、総額9641億円で Reuters 2019年12月18日
- ^ 会社分割による樹脂材料関連3事業の連結子会社への事業承継に関するお知らせ日立化成 2020年1月27日
- ^ 会社分割および株式譲渡によるコンデンサ事業(小型フィルムコンデンサ事業を除く)等の譲渡に関するお知らせ日立化成 2020年1月28日
- ^ a b “昭和電工、日立化成のTOB成立”. 時事ドットコム. 2020年4月21日閲覧。
- ^ 株式併合、単元株式数の定めの廃止及び定款一部変更に関するお知らせ日立化成 2020年5月11日
- ^ “商号の変更に関するお知らせ”. 日立化成. 2020年9月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月24日閲覧。
- ^ 会社分割および株式譲渡による小型フィルムコンデンサ事業の譲渡に関するお知らせ日立化成 2020年7月9日
- ^ 食品包装用ラップフィルム事業の譲渡に関するお知らせ昭和電工マテリアルズ 2021年5月12日
- ^ 昭和電工マテリアルズ株式会社の食品包装用ラッピングフィルム事業を承継する新設会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ信越ポリマー 2021年5月12日
- ^ プリント配線板事業の譲渡に関するお知らせ昭和電工マテリアルズ 2021年6月7日
- ^ 蓄電デバイス・システム事業の譲渡に関するお知らせ昭和電工マテリアルズ 2021年7月8日
- ^ “昭和電工、23年に持株会社化 社名もレゾナックに変更”. 日本経済新聞 (2022年3月9日). 2022年3月10日閲覧。
- ^ “レゾナックグループ、本社オフィスの統合・移転のお知らせ”. ッレゾナック・ホールディングス (2023年4月4日). 2023年7月8日閲覧。
- ^ 株式会社レゾナックの情報(国税庁法人番号公表サイト)
- ^ 株式会社レゾナックからの表面保護フィルム事業譲受に関するお知らせサンエー化研 2024年11月18日
- ^ 表面保護用フィルム事業の譲渡に関するお知らせレゾナック 2024年11月18日
- ^ “日立化成「29製品で検査データ改ざん」の衝撃 国内の7事業所すべてで不正をしていた”. 東洋経済 2018/11/03 6:20. 2020年8月14日閲覧。
- ^ 日立化成丸山寿社長「全事業所で不正があった」日本経済新聞2018/11/2 18:48
外部リンク
[編集]関連項目
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