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全日本中学校陸上競技選手権大会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

全日本中学校陸上競技選手権大会(ぜんにほんちゅうがっこうりくじょうきょうぎせんしゅけんたいかい)は、毎年8月下旬に行われる中体連陸上競技の全国大会である。通称「全中陸上」(ぜんちゅうりくじょう)。開催時期は8月下旬で、開催地は毎年持ち回りとなる。

他に陸上競技における中学生の全国大会としてジュニアオリンピック(10月)があるが、こちらは学年別または生年別で、種目数も限られていて開催地も持ち回りではないといった違いが見られる。

「全中」の名を冠した陸上競技の大会は他に12月開催される全中駅伝全国中学校駅伝大会)があるが、所謂「全中」と言うと全中陸上を指す場合が多い。

参加資格

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各種目には参加標準記録が設定されていて、指定された大会でこの記録を突破しないと出場することができない(参加標準記録と同記録を出した場合は突破と認められる)。逆に参加標準記録を突破しさえすれば各都道府県から(極端な話同一校から)何人でも出場することができる。ただし、4×100mRは各都道府県1チーム(1校)まで(開催地のみ2チーム)。1種目あたりの参加人数が増えすぎた場合、当該種目の参加標準記録が見直されることがある。

参加標準記録突破は指定大会(都道府県中学総体と通信陸上)でのみ有効であり、記録会などで参加標準記録を上回る水準の記録を出しても参加標準記録突破は認められない。ただし、自然災害などで指定大会を開催できなかった場合、代替大会での記録または同年度中のベスト記録をもって参加標準記録の突破を認められる措置が取られる。なお、参加標準記録の突破にはラウンドや順位は問わないので、予選で参加標準記録を突破して準決勝や決勝を棄権しても当該種目の全国大会出場は認められる。

個人種目は1人2種目まで出場が認められているが、2種目に出場する場合、両種目とも参加標準記録を突破する必要がある。都道府県によっては指定大会が2大会とも個人種目が1人1種目の出場しか認められていない場合があり、当該都道府県の選手が全国大会に2種目で出場したい場合、2つの指定大会で別々の種目にエントリーし、なおかつ両大会で参加標準記録を突破する必要がある。

北海道を除く都府県中学総体で上位に入った選手は全国大会の前に開催される地区大会(東北・関東・北信越・東海・近畿・中国・四国・九州)に出場する権利が与えられるが、地区大会の結果によって全国大会の出場権を得ることはない。また、同一都府県で参加標準記録突破者が多い種目においては「全国大会には出場できるが地区大会には出場できない」という事例が発生する。

歴史

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  • 1974年:第1回大会を開催。
  • 1980年:
    • この年から開催地が持ち回りとなる。
    • 前年まで実施されていた男子100mHが廃止され、新たに男子110mHが実施される。
    • 前年まで実施されていた女子80mHが廃止され、新たに女子100mHが実施される。
  • 1981年:男子1年100m、男子1年1500m、男子200mが新たに実施される。
  • 1988年:男子4×200mリレー、女子4×100mリレーが新たに実施される。
  • 1993年:
    • 前年まで学年別で実施されていた男子100m(1年・2年・3年)、男子1500m(1年・2年)、女子100m(1年・2年・3年)が共通種目に一本化され、学年別種目は全て廃止される。
    • 新たに女子1500mが実施される。
  • 2003年:前年まで実施されていた男子4×200mリレーが廃止され、新たに男子4×100mリレーが実施される。
  • 2004年:前年まで男女ともに実施されていた三種競技A、三種競技Bが廃止され、新たに四種競技が実施される。
  • 2006年:男子砲丸投の規格が前年までの4kgから5kgに変更される。
  • 2009年:
    • 男子800mの参加標準記録が見直され、2分02秒00から2分01秒50に変更される。
    • 女子の2種目で参加標準記録を見直し。100mが12秒64から12秒60に、100mHが15秒14から15秒00に変更される。
  • 2011年:
    • 参加標準記録の突破を電動計測のみ認めることとし、手動計測による記録は認められなくなる。
    • 男子の4種目で参加標準記録を見直し。100mが11秒30から11秒25に、200mが23秒04から22秒90に、400mが52秒04から52秒00に、110mHが15秒24から15秒00に変更される。
    • 女子の7種目で参加標準記録を見直し。100mが12秒60から12秒55に、200mが26秒04から25秒90に、800mが2分17秒50から2分17秒00に、1500mが4分40秒00から4分38秒00に、100mHが15秒00から14秒85に、走幅跳が5m30から5m35に、四種競技が2500点から2570点に変更される。
  • 2012年:女子四種競技の参加標準記録が見直され、2570点から2600点に変更される。
  • 2014年:
    • 男子の5種目で参加標準記録を見直し。100mが11秒25から11秒20に、200mが22秒90から22秒75に、400mが52秒00から51秒70に、1500mが4分10秒50から4分08秒50に、3000mが9分02秒00から8分59秒00に変更される。
    • 女子の2種目で参加標準記録を見直し。走高跳が1m57から1m60に、走幅跳が5m35から5m40に変更される。
  • 2015年:
    • 男子800mの参加標準記録が見直され、2分01秒50から2分01秒00に変更される。
    • 女子の2種目で参加標準記録を見直し。100mが12秒55から12秒53に、100mHが14秒85から14秒80に変更される。
  • 2016年:
    • 男子の2種目で参加標準記録を見直し。3000mが8分59秒00から8分57秒00に、走幅跳が6m50から6m55に変更される。
    • 女子の3種目で参加標準記録を見直し。800mが2分17秒00から2分16秒50に、走幅跳が5m40から5m45に、四種競技が2600点から2630点に変更される。
  • 2017年:男子の2種目で参加標準記録を見直し。400mが51秒70から51秒60に、800mが2分01秒00から2分00秒50に変更される。
  • 2018年:女子200mの参加標準記録が見直され、25秒90から25秒80に変更される。
  • 2020年:この年は三重県伊勢市で開催予定だったが、新型コロナの感染拡大懸念で初の中止[1]

競技種目・参加標準記録

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男子(13種目) 競技種目 女子(10種目)
11秒20 100m 12秒53
22秒75 200m 25秒80
51秒60 400m
2分00秒50 800m 2分16秒50
4分08秒50 1500m 4分38秒00
8分57秒00 3000m
100mH 14秒80
15秒00 110mH
各都道府県総体優勝チーム 4×100mR 各都道府県総体優勝チーム
1m85 走高跳 1m60
4m00 棒高跳
6m55 走幅跳 5m45
13m00 砲丸投 12m50
2500点 四種競技 2630点

大会記録

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男子

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種目 記録 名前 所属 日付
100m
10秒64
日吉克実 伊豆市立修善寺中学校 2010年8月23日 第37回
200m
21秒18
日吉克実 伊豆市立修善寺中学校 2010年8月22日 第37回
400m
48秒18
谷川鈴扇 邑楽町立邑楽中学校 2009年8月24日 第36回
800m
1分53秒15
和田仁志 駒ヶ根市立赤穂中学校 1983年8月28日 第10回
1500m
3分53秒94
川口峻太朗 岡山市立京山中学校 2021年8月20日 第48回
3000m
8分18秒49
増子陽太 鏡石町立鏡石中学校 2022年8月19日 第49回
110mH
13秒50 高城昊紀 宮崎県立宮崎西高等学校附属中学校 2023年8月25日 第50回
400mR
42秒25
斉藤涼馬
田村莉樹
内屋翔太
大石凌功
吉田町立吉田中学校 2019年8月24日 第46回
走高跳
2m06
中島大輔 栃木市立皆川中学校 2010年8月22日 第37回
棒高跳
4m78
岸本都夢 高松市立玉藻中学校 2021年8月18日 第48回
走幅跳
7m22
趙振 東大阪市立盾津中学校 2013年8月22日 第40回
栁田大輝 館林市立第一中学校 2018年8月21日 第45回
砲丸投
16m72
奥村仁志 大野市立和泉中学校 2015年8月20日 第42回
四種競技
3054pt
中村仁 播磨町立播磨南中学校 2004年8月23日 第31回
110mMH
14秒13(+2.5)
砲丸投
13m82
走高跳
1m85
400m
52秒37

参考

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  • 過去に行われていた種目、参考扱いの種目
  • 学年別種目はいずれも第19回を最後に共通化された。
種目 記録 名前 所属 備考
100m
10秒46
小寺慎之助 習志野市立第四中学校 (+0,1) 第52回
1年100m
11秒40
池上洋二郎 山鹿市立山鹿中学校 第14回
1年1500m
4分14秒1
和田仁志 駒ヶ根市立赤穂中学校 第8回
2年100m
11秒02
池上洋二郎 山鹿市立山鹿中学校 第15回
2年1500m
4分02秒9
和田仁志 駒ヶ根市立赤穂中学校 第9回
100mH
13秒10
岡宏彰 高松市立玉藻中学校 第7回から110mHへ移行 第4回
800mR
1分30秒50
中里吉雄
青木大輔
古川伸一
人見祐一
日立市立豊浦中学校 第30回から400mRに移行 第24回
砲丸投(4 kg)
19m41
高久保雄介 守山市立明富中学校 第33回から5kgへ移行 第28回
三種競技A
3253pt
鈴木秀明 横芝光町立光中学校 第31回から四種競技へ移行 第29回
100m
11秒43(+2.2)
砲丸投
14m02
走高跳
1m94
三種競技B
3348pt
池田大介 日南町立日南中学校 同上 第28回
砲丸投
15m25
走幅跳
6m76(+1.5)
400m
52秒29

女子

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種目 記録 名前 所属 日付
100m
11秒57
三好美羽 福山市立神辺西中学校 2024年7月
200m
24秒12
土橋智花 盛岡市立見前中学校 2010年8月22日 第37回
800m
2分07秒51
岡田芽 北斗市立上磯中学校 2009年8月23日 第36回
1500m
4分21秒00
高橋ひな 姫路市立山陽中学校 2013年8月22日 第40回
100mH
  13秒42 香取菜摘 古河市立三和中学校 2022年8月21日 第49回
400mR
47秒04
岡稚奈
福井有香
稲荷未来
藤木志保
和歌山県立桐蔭中学校 2019年8月24日 第46回
走高跳
1m76
佐藤恵
青葉幸紀
新潟市立木戸中学校
東松山市立南中学校
1980年8月22日
1985年8月24日
第7回
第12回
走幅跳
6m12
池田久美子 酒田市立酒田第三中学校 1995年8月22日 第22回
砲丸投
17m27
奥山琴未 岡山市立上道中学校 2019年8月24日 第46回
四種競技
3133pt
藤本奈那 福崎町立福崎東中学校 2009年8月23日 第36回
100mH
14秒53(+0.5)
走高跳
1m63
砲丸投
12m48
200m
26秒38(+1.6)

参考

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種目 記録 名前 所属 備考
1年100m
12秒39
飛田幸江 黒部市立鷹施中学校 第14回
2年100m
12秒12
吉田香織 福井市立足羽中学校 第15回
80mH
11秒80
曲渕千裕 今治市立上浦中学校 第7回から100mHへ移行 第5回
走高跳
1m78
佐藤恵 新潟市立木戸中学校 三種競技Aの内訳 第8回
三種競技A
3361pt
桝見咲智子 香川県明善中学校 第31回から四種競技へ移行 第26回
走高跳
1m67
100m
12秒84(+0.5)
砲丸投
14m62
三種競技B
3458pt
桝見咲智子 香川県明善中学校 同上 第26回
走幅跳
5m93
砲丸投
15m41
100mH
15秒06(+0.1)

開催地

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回数 開催日程 開催地 開催会場
第1回 1974年 8月17日 - 8月18日 東京新宿 国立霞ヶ丘競技場陸上競技場
第2回 1975年 8月16日 - 8月17日 東京新宿 国立霞ヶ丘競技場陸上競技場
第3回 1976年 8月14日 - 8月15日 東京新宿 国立霞ヶ丘競技場陸上競技場
第4回 1977年 8月13日 - 8月14日 東京新宿 国立霞ヶ丘競技場陸上競技場
第5回 1978年 8月26日 - 8月27日 東京新宿 国立霞ヶ丘競技場陸上競技場
第6回 1979年 8月26日 - 8月27日 東京新宿 国立霞ヶ丘競技場陸上競技場
第7回 1980年 8月22日 - 8月23日 栃木宇都宮 栃木県総合運動公園陸上競技場
第8回 1981年 8月27日 - 8月28日 大阪大阪 長居陸上競技場
第9回 1982年 8月21日 - 8月22日 愛媛松山 愛媛県総合運動公園陸上競技場
第10回 1983年 8月27日 - 8月28日 東京新宿 国立霞ヶ丘競技場陸上競技場
第11回 1984年 8月24日 - 8月25日 和歌山和歌山 紀三井寺運動公園陸上競技場
第12回 1985年 8月24日 - 8月25日 北海道札幌 札幌市円山競技場
第13回 1986年 8月23日 - 8月24日 東京世田谷 駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場
第14回 1987年 8月22日 - 8月23日 三重伊勢 三重県営総合競技場
第15回 1988年 8月20日 - 8月21日 福島郡山 郡山総合運動公園開成山陸上競技場
第16回 1989年 8月19日 - 8月20日 島根松江 松江市営陸上競技場
第17回 1990年 8月18日 - 8月19日 徳島鳴門 徳島県鳴門総合運動公園陸上競技場
第18回 1991年 8月20日 - 8月21日 宮崎宮崎 宮崎県総合運動公園陸上競技場
第19回 1992年 8月20日 - 8月21日 新潟新潟 新潟市陸上競技場
第20回 1993年 8月18日 - 8月20日 兵庫神戸 神戸総合運動公園ユニバー記念競技場
第21回 1994年 8月21日 - 8月23日 北海道札幌 札幌厚別公園競技場
第22回 1995年 8月20日 - 8月22日 山梨甲府 山梨県小瀬スポーツ公園陸上競技場
第23回 1996年 8月20日 - 8月22日 静岡静岡 静岡県草薙総合運動場陸上競技場
第24回 1997年 8月22日 - 8月24日 高知春野 高知県立春野総合運動公園陸上競技場
第25回 1998年 8月22日 - 8月24日 山形天童 山形県総合運動公園陸上競技場
第26回 1999年 8月20日 - 8月22日 富山富山 富山県総合運動公園陸上競技場
第27回 2000年 8月21日 - 8月23日 長崎長崎 長崎市総合運動公園かきどまり陸上競技場
第28回 2001年 8月20日 - 8月22日 広島広島 広島広域公園陸上競技場
第29回 2002年 8月20日 - 8月22日 京都京都 西京極陸上競技場
第30回 2003年 8月20日 - 8月22日 北海道札幌 札幌厚別公園競技場
第31回 2004年 8月23日 - 8月25日 群馬前橋 敷島公園陸上競技場
第32回 2005年 8月20日 - 8月22日 岐阜岐阜 長良川陸上競技場
第33回 2006年 8月19日 - 8月21日 香川丸亀 香川県立丸亀競技場
第34回 2007年 8月21日 - 8月23日 宮城利府 宮城スタジアム
第35回 2008年 8月19日 - 8月21日 新潟新潟 東北電力ビッグスワンスタジアム
第36回 2009年 8月22日 - 8月24日 大分大分 九州石油ドーム
第37回 2010年 8月21日 - 8月23日 鳥取鳥取 布勢陸上競技場
第38回 2011年 8月20日 - 8月22日 奈良奈良 鴻ノ池陸上競技場
第39回 2012年 8月20日 - 8月22日 千葉千葉 千葉県総合スポーツセンター陸上競技場
第40回 2013年 8月20日 - 8月22日 愛知名古屋 名古屋市瑞穂公園陸上競技場
第41回 2014年 8月18日 - 8月20日 香川丸亀 香川県立丸亀競技場
第42回 2015年 8月18日 - 8月21日 北海道札幌 札幌厚別公園競技場
第43回 2016年 8月21日 - 8月24日 長野松本 松本平広域公園陸上競技場
第44回 2017年 8月21日 - 8月24日 熊本熊本 えがお健康スタジアム
第45回 2018年 8月18日 - 8月21日 岡山岡山 シティライトスタジアム
第46回 2019年 8月21日 - 8月24日 大阪大阪 ヤンマースタジアム長居
第47回 2020年 中止 三重伊勢 三重交通Gスポーツの杜
第48回 2021年 8月17日 - 8月20日 茨城ひたちなか 笠松運動公園陸上競技場
第49回 2022年 8月18日 - 8月21日 福島福島 とうほう・みんなのスタジアム
第50回 2023年 8月22日 - 8月25日 愛媛松山 ニンジニアスタジアム
第51回 2024年 8月17日 - 8月20日 福井福井 9.98スタジアム
第52回 2025年 未定 沖縄沖縄 タピック県総ひやごんスタジアム
第53回 2026年 未定 山口 維新百年記念公園陸上競技場
第54回 2027年 未定 近畿

脚注

[編集]

参考文献

[編集]
  • 日本陸上競技連盟七十年史編集委員会 『日本陸上競技連盟七十年史』 財団法人日本陸上競技連盟, 1995年,980 - 985頁
  • 日本陸上競技連盟八十年史編集委員会 『日本陸上競技連盟八十年史』 財団法人日本陸上競技連盟, 2005年
  • 朝日新聞社発行『朝日新聞縮刷版8月号』1983年 - 1994年