小國以載
小國 以載:元IBF世界スーパーバンタム級王者(2016年12月31日獲得) | |
基本情報 | |
---|---|
本名 | 小國 以載 |
通称 |
赤穂の流星[1] Meteor of Ako |
階級 | スーパーバンタム級 |
身長 | 172cm |
リーチ | 176cm |
国籍 | 日本 |
誕生日 | 1988年5月19日(36歳) |
出身地 | 兵庫県赤穂市 |
スタイル | 右ボクサーファイター |
プロボクシング戦績 | |
総試合数 | 27 |
勝ち | 21 |
KO勝ち | 8 |
敗け | 3 |
引き分け | 3 |
小國 以載(おぐに ゆきのり、1988年5月19日 - )は、日本のプロボクサー。兵庫県赤穂市出身[2]。元IBF世界スーパーバンタム級王者。角海老宝石ボクシングジム所属、かつてはVADYボクシングジムに所属していた[3]。父親がつけた愛称は「赤穂の流星」[1]。
来歴
[編集]中学時代はバスケットボール部に所属。3年時に部活を引退した後、漫画「はじめの一歩」を読んだのがきっかけで[1]アマチュアの赤穂ボクシングジムに通い、そこで高校時代まで中間国彰の指導を受けた[4]。神戸第一高等学校3年時にインターハイバンタム級3位となる。卒業後は芦屋大学に進学し、1・2年時に全日本選手権で3位となった[1]。
アマチュア時代は、宮崎亮に2勝1敗、高校時代に岩佐亮佑に1度負けている[5]。その後、アマチュア時代から師事する高嶋譲がVADYジムを開設したのを機にプロへの転向を決め[6]、大学を中退[1]。B級プロテスト合格。
2009年11月8日、プロデビューを3回KO勝利で飾る。フィリピンの名門・ALAジムやメキシコのイグナシオ・ベリスタインのもとで修業を行う[5]。4戦目ではノーランカーでありながら、WBCバンタム級9位のシュテファーヌ・ジャモエと対戦交渉をしたが、ジャモエが亀田和毅との対戦を優先させたため、実現には至らなかった[5]。
デビュー6連勝後の2011年11月3日、神戸サンボーホールでロリ・ガスカが持つOPBF東洋太平洋スーパーバンタム級王座に挑戦[7]。5回に2度ダウンを奪い、3-0(119-109、116-111、115-111)の判定勝ちで王座を獲得した[4][8][9]。
2012年3月18日、刈谷のあいおいホールで大橋弘政と対戦し、初回に右ストレートでダウンを奪うと試合を一方的に進めたが、7回に偶然のバッティングでカットした左目付近の傷が深くなったため、9回3-0(2者が88-83、88-84)負傷判定勝ちを収め初防衛に成功した[10][11]。
2012年7月6日、赤穂ハーモニーホールで芹江匡晋と対戦し[12]、2回と5回にダウンを奪い[13]、12回3-0(117-110、118-110、118-109)の判定勝ちを収め2度目の防衛に成功した[14][15]。
2012年11月18日、神戸サンボーホールで元OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級王者のロリ・ガスカと対戦し、12回2-1(116-112、116-114、113-114)の判定勝ちを収め、1年ぶりの再戦を制し3度目の防衛に成功した[16][17]。
2013年3月10日、神戸サンボーホールでOPBF東洋太平洋スーパーバンタム級7位の和氣慎吾と対戦し、2回にダウンを奪われ、10回終了間際に連打を浴びせられ、この回のインターバルで小國陣営が棄権を申し出たため、小國はプロ初黒星を喫した[18][19]。 小國には当初から一度でも負けたら辞めるとの決意があり、試合後に引退を表明した[20]。
2013年5月23日、角海老宝石ボクシングジムに移籍し現役を続行することを発表した[21]。
2013年10月5日、後楽園ホールで日本スーパーバンタム級4位でOPBF東洋太平洋スーパーバンタム級10位の岩﨑悠輝(新開)とノンタイトル8回戦を行い、3-0(79-73×2、79-74)の判定勝ちを収め再起に成功した。
2014年7月28日、後楽園ホールでこの日デビューしたライアン・ソー・タナチョー(タイ)とノンタイトル10回戦を行い、4回2分26秒TKO勝ちを収めた[22]。試合後にライアン・ソー・タナチョーは無気力試合をしたとして招聘禁止ボクサーとなった[23]。
2014年12月6日、後楽園ホールで日本スーパーバンタム級2位の石本康隆(帝拳)と日本スーパーバンタム級王座決定戦を行い、10回3-0(96-94×2、96-95)の判定勝ちを収め王座を獲得した[24]。 この試合に勝利したことが評価され、小國は東日本ボクシング協会の2014年12月度の月間敢闘賞に選出された[25]。
2015年4月30日、後楽園ホールで日本スーパーバンタム級1位の古橋岳也(川崎新田)と対戦し、10回1-0(96-94、95-95×2)の判定で引き分けたが初防衛に成功した[26]。
2016年12月31日、島津アリーナ京都でIBF世界スーパーバンタム級王者のジョナサン・グスマン(ドミニカ共和国)と対戦し、12回3-0(3者共115-112)の判定勝ちを収め王座獲得に成功した[27][28][29]。
2017年9月13日、大阪府立体育会館でIBF世界スーパーバンタム級3位の岩佐亮佑と対戦し、6回2分16秒TKO負けを喫し初防衛に失敗。試合後に現役引退を表明した[30][31][32]。
2018年9月26日、角海老宝石ボクシングジムで記者会見を開き、現役復帰と12月1日、後楽園ホールの「ダイナミックグローブ」で復帰戦を行うことを発表した[33]。また、4月に結婚し、8月には長男も生まれたことも明かされた[34]。
2018年12月1日、後楽園ホールでアレガ・ユニアン(インドネシア)と対戦し、4回2分25秒TKO勝ちを収め、再起戦を勝利で飾った[35]。
2019年5月8日、後楽園ホールでIBFバンタム級5位のスックプラサード・ポンピタック(タイ)と対戦し、10回3-0(96-93、97-93、97-92)で判定勝ちを収めた[36][37]。
2022年5月20日、およそ3年ぶりの復帰戦を行ない、後楽園ホールでOPBF東洋太平洋バンタム級王者の栗原慶太とスーパーバンタム級10回戦で対戦し、4回2分40秒負傷引き分けとなった[38]。
2023年10月12日、有明アリーナで元3階級制覇王者のジョンリル・カシメロとスーパーバンタム級10回戦で対戦し、偶然のバッティングで小國が頭部を負傷、4回27秒負傷引き分けとなった[39]。
2024年10月13日、横浜武道館にてスーパーバンタム級8回戦でWBO世界同級9位フィリップス・ンギーチュンバと対戦し、1回に3度のダウンを奪われて2分23秒でTKO負けとなった[40][41]。
人物
[編集]- 2022年以降、現役を続けつつU-NEXTの解説者も会務めている。
- 2023年5月8日、浅草橋にて兄がオーナーを務めるフィットネス専門ジム「Be STAR FITNESS BOXING GYM」がオープンし、小國も指導に当たる[42]。
戦績
[編集]- アマチュア:72戦 58勝 (28KO・RSC) 14敗[5]
- プロ:27戦21勝(8KO) 3敗 3分
戦 | 日付 | 勝敗 | 時間 | 内容 | 対戦相手 | 国籍 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2009年11月8日 | ☆ | 3R 1:22 | KO | チャーンサック・シッサイトーン | タイ | プロデビュー戦 |
2 | 2010年2月21日 | ☆ | 1R 0:52 | TKO | 坂光輝(松田) | 日本 | |
3 | 2010年5月2日 | ☆ | 8R | 判定3-0 | ジェディオン・アンバ | フィリピン | |
4 | 2010年10月10日 | ☆ | 10R | 判定3-0 | エリック・ラパダ | フィリピン | |
5 | 2011年1月16日 | ☆ | 8R | 判定3-0 | ガオナー・チュワタナ | タイ | |
6 | 2011年5月21日 | ☆ | 8R | 判定3-0 | 松元雄大(G・ツダ) | 日本 | |
7 | 2011年11月3日 | ☆ | 12R | 判定3-0 | ロリ・ガスカ | フィリピン | OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチ |
8 | 2012年3月18日 | ☆ | 9R 0:21 | 負傷判定3-0 | 大橋弘政(HEIWA) | 日本 | OPBF防衛1 |
9 | 2012年7月14日 | ☆ | 12R | 判定3-0 | 芹江匡晋(伴流) | 日本 | OPBF防衛2 |
10 | 2012年11月18日 | ☆ | 12R | 判定2-1 | ロリ・ガスカ | フィリピン | OPBF防衛3 |
11 | 2013年3月10日 | ★ | 10R 終了 | TKO | 和氣慎吾(古口) | 日本 | OPBF王座陥落 |
12 | 2013年10月5日 | ☆ | 8R | 判定3-0 | 岩﨑悠輝(新開) | 日本 | |
13 | 2014年1月11日 | ☆ | 8R 1:20 | TKO | 藤本悠起(三津山) | 日本 | |
14 | 2014年7月28日 | ☆ | 4R 2:26 | TKO | ライアン・ソー・タナチョー | タイ | |
15 | 2014年12月6日 | ☆ | 10R | 判定3-0 | 石本康隆(帝拳) | 日本 | 日本スーパーバンタム級王座決定戦 |
16 | 2015年4月30日 | △ | 10R | 判定1-0 | 古橋岳也(川崎新田) | 日本 | 日本王座防衛1 |
17 | 2015年9月30日 | ☆ | 10R | 判定3-0 | 源大輝(ワタナベ) | 日本 | 日本王座防衛2 |
18 | 2015年12月17日 | ☆ | 4R 2:01 | TKO | エークギティ・モークルンテープトンブリー | タイ | |
19 | 2016年4月19日 | ☆ | 5R 1:09 | TKO | マイク・タワッチャイ | タイ | |
20 | 2016年8月2日 | ☆ | 1R 0:30 | TKO | ジェイプ・マカドムピス | フィリピン | |
21 | 2016年12月31日 | ☆ | 12R | 判定3-0 | ジョナサン・グスマン | ドミニカ共和国 | IBF世界スーパーバンタム級タイトルマッチ |
22 | 2017年9月13日 | ★ | 6R 2:16 | TKO | 岩佐亮佑(セレス) | 日本 | IBF王座陥落 |
23 | 2018年12月1日 | ☆ | 4R 2:25 | TKO | アレガ・ユニアン | インドネシア | |
24 | 2019年5月8日 | ☆ | 10R | 判定3-0 | スックプラサード・ポンピタック | タイ | |
25 | 2022年5月20日 | △ | 4R 2:40 | 負傷 | 栗原慶太(一力) | 日本 | |
26 | 2023年10月12日 | △ | 4R 0:27 | 負傷 | ジョンリル・カシメロ | フィリピン | |
27 | 2024年10月13日 | ★ | 1R 2:23 | TKO | フリップス・ンギーチュンバ | ナミビア | スーパーバンタム級8回戦 |
テンプレート |
獲得タイトル
[編集]脚注
[編集]- ^ a b c d e 三浦宏 (2012年4月4日). “プロボクシング 小国以載さん”. 朝日新聞兵庫版 2012年8月9日閲覧。
- ^ “小國が大差判定で王座奪取”. 赤穂民報. (2011年11月3日)
- ^ “小國以載、7戦目での東洋太平洋王座誓う”. デイリースポーツ. (2011年10月28日) 2012年8月9日閲覧。
- ^ a b 小林伸哉 (2011年11月4日). “亡き祖母に誓った勝利 赤穂出身の東洋太平洋王者誕生”. 神戸新聞 2012年8月9日閲覧。
- ^ a b c d 『ボクシング・ビート』 & 2012年3月号, p. 121
- ^ ““関西期待の星”小国以載がプロ転向!”. デイリースポーツ. (2011年10月25日). オリジナルの2009年6月18日時点におけるアーカイブ。 2012年9月15日閲覧。
- ^ 小林隆宏 (2011年3月16日). “小国「真の王者勝ち取る」プロボクシング東洋太平洋”. 神戸新聞 2012年8月9日閲覧。
- ^ 7戦目の小國が東洋奪取 ボクシングニュース「Box-on!」 2011年11月3日
- ^ Oguni upsets Gasca Fightnews.com 2011年11月4日
- ^ Oguni keeps OPBF 122lb belt Fightnews.com 2012年3月18日
- ^ “小国初防衛! ダウン奪って負傷判定勝ち”. デイリースポーツ. (2012年3月19日) 2012年9月15日閲覧。
- ^ “東洋王者・小国、凱旋V2に自信”. デイリースポーツ: p. 2. (2012年7月6日) 2012年8月9日閲覧。
- ^ 小林隆宏 (2012年7月14日). “プロボクシング 小国、赤穂で東洋太平洋王座防衛”. 神戸新聞 2012年8月9日閲覧。
- ^ “王者小国が圧勝 Sバンタム級頂上決戦”. デイリースポーツ: p. 1. (2012年7月14日) 2012年8月9日閲覧。
- ^ Oguni keeps OPBF 122lb belt Fightnews.com 2012年7月14日
- ^ Oguni keeps OPBF 122lb belt Fightnews.com 2012年11月18日
- ^ 小国、接近戦で苦戦もV3…東洋太平洋Sバンタム級戦 スポーツ報知 2012年11月19日
- ^ Wake dethrones OPBF 122lb ruler Oguni Fightnews.com 2013年3月10日
- ^ リーゼント和気が小国を破り新王者 デイリースポーツ 2013年3月10日
- ^ “小国TKO陥落…初黒星で引退表明”. デイリースポーツ: pp. 1–2. (2013年3月11日) 2013年3月11日閲覧。
- ^ “報告”
- ^ 岡田が初防衛成功、シャムガルとの激戦制す Boxing News(ボクシングニュース) 2014年7月28日
- ^ 招へい禁止ボクサー 日本ボクシングコミッション(JBC) 2014年7月28日
- ^ 小國以載が石本康隆に小差判定勝ち、日本SB決定戦 Boxing News(ボクシングニュース) 2014年12月6日
- ^ 12月の月間MVPは加藤善孝、敢闘賞に小國以載 Boxing News(ボクシングニュース) 2015年1月9日
- ^ 小國以載がドロー防衛、日本S・バンタム級戦 Boxing News(ボクシングニュース) 2015年4月30日
- ^ Oguni wins IBF 122lb belt from Guzman Fightnews.com 2016年12月31日
- ^ “Yukinori Oguni Shocks Jonathan Guzman, Wins 122 Lb. Title”. BoxingScene. 2023年6月9日閲覧。
- ^ 小國以載がグスマン撃破、世界初挑戦で殊勲! Boxing News(ボクシングニュース) 2016年12月31日
- ^ Iwasa stops Oguni in six, wins IBF 122lb belt Fightnews.com 2017年9月13日
- ^ 岩佐亮佑が6回TKO王座奪取、小國以載は引退表明 Boxing News(ボクシングニュース) 2017年9月13日
- ^ 小国以載が引退宣言 王座陥落し「体がもちません」 日刊スポーツ 2017年9月13日
- ^ 元世界王者の小國が現役復帰 12.1再起戦で来年勝負 Boxing News(ボクシングニュース)2018年9月26日
- ^ 小国以載2度目の引退撤回「ミルク代も稼がないと」日刊スポーツ 2018年9月26日
- ^ 小国以載TKOで再起飾る、渾身敬礼パフォは空振り 日刊スポーツ 2018年12月1日
- ^ “【ボクシング】元世界王者・小國が再起2連勝 不運なダウン切り抜け、年内返り咲きへ意欲”. ベースボール・マガジン社WEB. (2019年5月9日) 2020年4月18日閲覧。
- ^ 小國以載 “世界前哨戦”に勝利「だいぶ戻ってきた」 Boxing News(ボクシングニュース)2019年5月8日
- ^ 元世界王者の小國以載 3年ぶり復帰戦は4回負傷ドローも「久しぶりにしては動けた」 Boxing News(ボクシングニュース)2022年5月20日
- ^ カシメロと小國以載まさかの4回負傷ドロー 小國が奮闘、カシメロは調整不足 Boxing News(ボクシングニュース)2023年10月12日
- ^ 千葉修宏. “元世界王者・小国以載、1回TKO負け「大仁田厚さんばりに辞めてまた復帰するかも」 - ボクシング : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2024年10月14日閲覧。
- ^ 因縁の対決、京口紘人がパラスを制す 小國以載はまさかの初回TKO敗… Boxing News(ボクシングニュース)2024年10月14日
- ^ “小國兄弟二人三脚の「Be STAR」ジムがオープン”
関連項目
[編集]参考文献
[編集]- MACC出版「王者の証明を誓う! 小國以載」『アイアンマン』3月号増刊(『ボクシング・ビート』3月号)、フィットネススポーツ、2012年2月15日、pp. 120–121。
外部リンク
[編集]前王者 ロリ・ガスカ |
第40代OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級王者 2011年11月3日 - 2013年3月10日 |
次王者 和氣慎吾 |
空位 前タイトル保持者 大竹秀典 |
第37代日本スーパーバンタム級王者 2014年12月6日 - 2015年11月6日(返上) |
空位 次タイトル獲得者 石本康隆 |
前王者 ジョナサン・グスマン |
IBF世界スーパーバンタム級王者 2016年12月31日 - 2017年9月13日 |
次王者 岩佐亮佑 |