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エリザベス女王杯

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エリザベス女王杯
Queen Elizabeth II Cup[1]
第39回エリザベス女王杯
開催国 日本の旗 日本
主催者 日本中央競馬会
競馬場 京都競馬場
創設 1976年11月21日
2016年の情報
距離 芝2200m
格付け GI
賞金 1着賞金9300万円
出走条件 サラ系3歳以上牝馬(国際)(指定)
負担重量 定量(3歳54kg、4歳以上56kg)
出典 [2][3]
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エリザベス女王杯(エリザベスじょおうはい)は、日本中央競馬会(JRA)が京都競馬場で施行する中央競馬重賞競走GI)である。

正賞はエリザベス女王杯、京都府知事賞、日本馬主協会連合会会長賞[2][3]

概要

第33回優勝馬リトルアマポーラ
第36回優勝馬スノーフェアリー
第38回優勝馬メイショウマンボ

1970年から1975年まで京都競馬場の芝2400mで行われていた4歳(現3歳)牝馬限定の重賞「ビクトリアカップ」が本競走の前身で、中央競馬における4歳牝馬三冠競走の最終戦に位置づけられていた[4][5][6]

1975年にエリザベス2世が来日したことを記念し、1976年に「エリザベス女王杯」が創設[5][6]。距離や競走条件はビクトリアカップを踏襲したが、回次は新たに第1回とされた[5][6]。以来1995年まで、京都競馬場の芝2400mで4歳牝馬限定競走として施行していた[5]

1996年に牝馬競走体系が見直され、本競走の競走条件が「4歳牝馬」から「4歳以上牝馬」に変更、あわせて施行距離も芝2200mに短縮され、さらに同年からは本競走に代わる4歳牝馬三冠の最終戦として「秋華賞」が新設された。これにより、本競走は牝馬三冠路線を歩んできた4歳牝馬と古馬牝馬の実績馬が集い、女王を争うレースへと位置づけが大きく変わった[6]

1995年から指定交流競走として行われ、所定の成績をあげた地方競馬所属馬も出走が認められるようになった[6]。1999年からは外国馬も出走可能な国際競走に指定[6]、2008年からはジャパン・オータムインターナショナルのひとつとして行われるようになった[6]

2012年には英国王室と縁の深い関係を持つレースであることから、一般的にイギリス連邦以外では許可されないエリザベス女王即位60年記念「ダイヤモンドジュビリー」を日本で実施することについて特別に許可が下り、「エリザベス女王即位60年記念」の副題がつけられた[6]。さらに従来は「Queen Elizabeth II Commemorative Cup」としていた欧文表記も、バッキンガム宮殿から特別の許可が下りたため2013年の第38回から「Queen Elizabeth II Cup」に改められた[1]

競走条件

以下の内容は、2016年現在[2][3]のもの。

出走資格:サラ系3歳以上牝馬(出走可能頭数:最大18頭)

  • JRA所属馬
  • 地方競馬所属馬(出走資格のある馬のみ)
  • 外国調教馬(9頭まで、優先出走[7]

負担重量:定量(3歳54kg、4歳以上56kg)

  • 第1 - 20回は55kg[6]

出馬投票を行った馬のうち優先出走権を持つ馬から優先して割り当て、その他の馬は「通算収得賞金」+「過去1年間の収得賞金」+「過去2年間のGI(JpnI)競走の収得賞金」の総計が多い順に出走できる。

優先出走権

外国馬、およびレーティング順位の上位5頭(106ポンド以上)は優先出走が認められる。

JRA所属馬は、同年に行われた下表の競走で1着となった馬に優先出走権が与えられる[8]

競走名 競馬場 距離
府中牝馬ステークス GII 日本の旗東京競馬場 芝1800m

地方競馬所属馬の出走権

地方競馬所属馬は同年に行われた下表の競走のいずれかで2着以内に入着すると、優先出走権が与えられる[9][7]

競走名 競馬場 距離
京都大賞典 GII 日本の旗京都競馬場 芝2400m
府中牝馬ステークス GII 日本の旗東京競馬場 芝1800m
秋華賞 GI 日本の旗京都競馬場 芝2000m

上記のほか、以下の条件のいずれかに該当する馬にも出走資格が与えられる[6]

  • JRAで施行するGI競走(2歳GI競走は除く)の優勝馬
  • 指定された外国の国際G1競走(2歳G1競走は除く)の優勝馬
  • 地方競馬指定交流競走のGI・JpnI競走(2歳GI・JpnI競走は除く)の優勝馬

賞金

2016年の1着賞金は9300万円で、以下2着3700万円、3着2300万円、4着1400万円、5着930万円[2][3]

褒賞金制度

ジャパン・オータムインターナショナルに含まれるようになった2008年より、指定された外国の競走に優勝した馬が同年の本競走で優勝した場合は優勝賞金に加え褒賞金を交付している。

2016年現在の指定競走と金額は以下の通り[10]

歴史

  • 1976年 - 4歳(現3歳)牝馬限定の重賞競走として創設、京都競馬場の芝2400mで施行。
  • 1984年 - グレード制施行によりGI[注 1]に格付け。
  • 1996年
    • 出走資格を「4歳牝馬」から「4歳以上牝馬」に変更。
    • 施行距離を芝2200mに変更。
  • 1999年 - 国際競走に指定。
  • 2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走資格が「4歳以上牝馬」から「3歳以上牝馬」に変更。
  • 2008年 - ジャパン・オータムインターナショナルシリーズに指定。
  • 2012年
    • 出走馬選定方法が変わり、レーティング上位5頭に優先出走を認める。
    • 「エリザベス女王即位60年記念」の副題をつけて施行。
  • 2013年 - 競走名の欧文表記を「Queen Elizabeth II Cup」に変更[1]

歴代優勝馬

コース種別の記載がない距離は、芝コースを表す。

優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。

競走条件は第20回まで「4歳牝馬」、第21回から第25回は「4歳以上牝馬」、第26回以降は「3歳以上牝馬」。

中央所属馬の表記は「JRA」としている。外国馬の所属表記は調教国の出典が明記されているもののみ表記し、検証できないものは空欄とした。

回数 施行日 競馬場 距離 優勝馬 性齢 所属 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1976年11月21日 京都 2400m ディアマンテ 牝3 JRA 2:28.5 松田幸春 稲葉幸夫 佐藤弘嘉
第2回 1977年11月20日 京都 2400m インターグロリア 牝3 JRA 2:28.7 福永洋一 柳田次男 松岡正雄
第3回 1978年11月19日 京都 2400m リードスワロー 牝3 JRA 2:29.1 武邦彦 服部正利 熊本芳雄
第4回 1979年11月18日 阪神 2400m ミスカブラヤ 牝3 JRA 2:32.6 岡部幸雄 西塚十勝 (有)鏑矢
第5回 1980年11月16日 京都 2400m ハギノトップレディ 牝3 JRA 2:27.9 伊藤清章 伊藤修司 日隈広吉
第6回 1981年11月15日 京都 2400m アグネステスコ 牝3 JRA 2:28.1 西浦勝一 久保道雄 渡辺孝男
第7回 1982年11月21日 京都 2400m ビクトリアクラウン 牝3 JRA 2:29.2 嶋田功 稲葉幸夫 飯田正
第8回 1983年11月20日 京都 2400m ロンググレイス 牝3 JRA 2:30.1 河内洋 小林稔 中井長一
第9回 1984年11月4日 京都 2400m キョウワサンダー 牝3 JRA 2:28.4 樋口弘 吉岡八郎 浅川吉男
第10回 1985年11月3日 京都 2400m リワードウイング 牝3 JRA 2:26.8 内田国夫 鶴留明雄 宮崎忠比古
第11回 1986年11月2日 京都 2400m メジロラモーヌ 牝3 JRA 2:29.1 河内洋 奥平真治 (有)メジロ牧場
第12回 1987年11月15日 京都 2400m タレンティドガール 牝3 JRA 2:29.3 蛯沢誠治 栗田博憲 飯田政子
第13回 1988年11月13日 京都 2400m ミヤマポピー 牝3 JRA 2:27.2 松田幸春 松田由太郎 大宮良吾
第14回 1989年11月12日 京都 2400m サンドピアリス 牝3 JRA 2:28.8 岸滋彦 吉永忍 (株)ヒダカ・ブリーダーズ・ユニオン
第15回 1990年11月11日 京都 2400m キョウエイタップ 牝3 JRA 2:25.5 横山典弘 稗田研二 松岡正雄
第16回 1991年11月10日 京都 2400m リンデンリリー 牝3 JRA 2:29.6 岡潤一郎 野元昭 林田秋利
第17回 1992年11月15日 京都 2400m タケノベルベット 牝3 JRA 2:27.1 藤田伸二 小林稔 武岡大佶
第18回 1993年11月14日 京都 2400m ホクトベガ 牝3 JRA 2:24.9 加藤和宏 中野隆良 金森森商事(株)
第19回 1994年11月13日 京都 2400m ヒシアマゾン 牝3 JRA 2:24.3 中舘英二 中野隆良 阿部雅一郎
第20回 1995年11月12日 京都 2400m サクラキャンドル 牝3 JRA 2:27.2 小島太 境勝太郎 (株)さくらコマース
第21回 1996年11月10日 京都 2200m ダンスパートナー 牝4 JRA 2:14.3 四位洋文 白井寿昭 吉田勝己
第22回 1997年11月9日 京都 2200m エリモシック 牝4 JRA 2:12.5 的場均 沖芳夫 山本慎一
第23回 1998年11月15日 京都 2200m メジロドーベル 牝4 JRA 2:12.8 吉田豊 大久保洋吉 メジロ商事(株)
第24回 1999年11月14日 京都 2200m メジロドーベル 牝5 JRA 2:13.5 吉田豊 大久保洋吉 メジロ商事(株)
第25回 2000年11月12日 京都 2200m ファレノプシス 牝5 JRA 2:12.8 松永幹夫 浜田光正 (有)ノースヒルズマネジメント
第26回 2001年11月11日 京都 2200m トゥザヴィクトリー 牝5 JRA 2:11.2 武豊 池江泰郎 金子真人
第27回 2002年11月10日 京都 2200m ファインモーション 牝3 JRA 2:13.2 武豊 伊藤雄二 伏木田達男
第28回 2003年11月16日 京都 2200m アドマイヤグルーヴ 牝3 JRA 2:11.8 武豊 橋田満 近藤利一
第29回 2004年11月14日 京都 2200m アドマイヤグルーヴ 牝4 JRA 2:13.6 武豊 橋田満 近藤利一
第30回 2005年11月13日 京都 2200m スイープトウショウ 牝4 JRA 2:12.5 池添謙一 鶴留明雄 トウショウ産業(株)
第31回 2006年11月12日 京都 2200m フサイチパンドラ[注 2] 牝3 JRA 2:11.6 福永祐一 白井寿昭 関口房朗
第32回 2007年11月11日 京都 2200m ダイワスカーレット 牝3 JRA 2:11.9 安藤勝己 松田国英 大城敬三
第33回 2008年11月16日 京都 2200m リトルアマポーラ 牝3 JRA 2:12.1 C.ルメール 長浜博之 (有)社台レースホース
第34回 2009年11月15日 京都 2200m クィーンスプマンテ 牝5 JRA 2:13.6 田中博康 小島茂之 (株)グリーンファーム
第35回 2010年11月14日 京都 2200m スノーフェアリー 牝3 GBR 2:12.5 R.ムーア E.ダンロップ アナモイン社
第36回 2011年11月13日 京都 2200m スノーフェアリー 牝4 GBR 2:11.6 R.ムーア E.ダンロップ アナモイン社
第37回 2012年11月11日 京都 2200m レインボーダリア 牝5 JRA 2:16.3 柴田善臣 二ノ宮敬宇 田中由子
第38回 2013年11月10日 京都 2200m メイショウマンボ 牝3 JRA 2:16.6 武幸四郎 飯田明弘 松本好雄
第39回 2014年11月16日 京都 2200m ラキシス 牝4 JRA 2:12.3 川田将雅 角居勝彦 大島昌也
第40回 2015年11月15日 京都 2200m マリアライト 牝4 JRA 2:14.9 蛯名正義 久保田貴士 (有)キャロットファーム
第41回 2016年11月13日 京都 2200m クイーンズリング 牝4 JRA 2:12.9 M.デムーロ 吉村圭司 吉田千津

エリザベス女王杯の記録

  • レースレコード - 2:11.2(第26回優勝馬 トゥザヴィクトリー)[6]

関連項目

  • ビクトリアカップ - 前身の競走
  • 秋華賞 - 本競走に代わって1996年に創設された3歳牝馬三冠最終戦
  • ヴィクトリアマイル - 春の古馬牝馬女王決定戦
  • サンドリンガム賞Prix de Sandringham) - フランスのG2戦。フランスオークス(ディアヌ賞)の前哨戦、リラ賞として行われていたが1972年にエリザベス女王がロンシャン競馬場の観戦に訪れた際にエリザベス女王杯(Coupe de Sa Majesté la Reine Elizabeth)と改名された[11]。のちに、エリザベス女王が所有する王室牧場にちなんでサンドリンガム賞と改称された[12]

脚注

注釈

  1. ^ 当時の格付表記は、JRAの独自グレード。
  2. ^ 第31回はカワカミプリンセスが1位で入線したが最後の直線入口で他馬の進路を妨害したとして審議の結果12着に降着処分、2位に入線したフサイチパンドラが繰り上がりで優勝となった(参考:カワカミプリンセスの走破時計 2:11.4)。

出典

  1. ^ a b c エリザベス女王杯の英語名称の変更 - 競馬ブック、2014年11月23日閲覧
  2. ^ a b c d 重賞競走一覧(レース別・関西)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 32. 2016年11月14日閲覧。
  3. ^ a b c d 平成28年第5回京都競馬番組” (PDF). 日本中央競馬会. 2016年11月14日閲覧。
  4. ^ 2016年度第5回京都競馬特別レース名解説(第4日)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 3. 2016年11月14日閲覧。
  5. ^ a b c d エリザベス女王杯特集(レースガイド)”. netkeiba.com. 2016年11月14日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g h i j k 今週の注目レース(第40回エリザベス女王杯:歴史・プレイバック)”. 日本中央競馬会. 2015年11月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年11月14日閲覧。
  7. ^ a b V 出馬投票 2.出走できる馬の決定方法 (4)-ロ、(4)-ハ-(一)」『平成28年度競馬番組一般事項』(PDF)日本中央競馬会、22頁http://www.jra.go.jp/keiba/program/pdf/h28-bangumi_ippan.pdf#page=222016年11月14日閲覧 
  8. ^ V 出馬投票 2.出走できる馬の決定方法 (4)-イ-(一)」『平成28年度競馬番組一般事項』(PDF)日本中央競馬会、21頁http://www.jra.go.jp/keiba/program/pdf/h28-bangumi_ippan.pdf#page=212016年11月14日閲覧 
  9. ^ 「地」が出走できるGI競走とそのステップ競走について(平成28年度)』(PDF)日本中央競馬会http://jra.jp/keiba/program/pdf/h28-kakuchi.pdf2016年11月14日閲覧 
  10. ^ 交付対象競走、指定外国競走、交付対象馬及び褒賞金の額 (PDF)
  11. ^ A Brief History: Prix de Sandringham. France Galop. 2015年6月16日閲覧
  12. ^ 『フランス競馬百年史』 ギイ・チボー・著、真田昌彦・訳、財団法人競馬国際交流協会・刊、2004年、p231

各回競走結果の出典

外部リンク