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船の科学館

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東京臨海副都心 > 東八潮 > 船の科学館
船の科学館
Museum of Maritime Science

船の科学館
(2008年7月4日撮影)
船の科学館の位置(東京都区部内)
船の科学館
船の科学館の位置
施設情報
専門分野 船舶
管理運営 公益財団法人日本海事科学振興財団
開館 1974年7月20日
閉館 2024年1月28日(本館、別館)
所在地 東京都品川区東八潮3番1号
位置 北緯35度37分13.2秒 東経139度46分20.5秒 / 北緯35.620333度 東経139.772361度 / 35.620333; 139.772361座標: 北緯35度37分13.2秒 東経139度46分20.5秒 / 北緯35.620333度 東経139.772361度 / 35.620333; 139.772361
外部リンク 船の科学館 公式ホームページ
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船の科学館(ふねのかがくかん Museum of Maritime Science)は、公益財団法人日本海事科学振興財団が運営する海事博物館東京都品川区東八潮の現東京臨海副都心地区に、1974年昭和49年)7月に竣工・開館した。2011年10月に本館展示を休止[注釈 1]し、南極観測船宗谷」の展示公開と屋外展示場での収蔵物展示を中心に博物館として営業しており、体験教室など各種イベントを継続して実施している。

概要

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財団法人日本船舶振興会(現公益財団法人日本財団)が、モーターボート競走の収益金を世のため人のために生かす事業として海事博物館を構想、1967年に日本海事科学振興財団を設立して開館にいたったものである[1]船舶海運海洋開発海上保安に関する事柄を中心に、船舶の構造・歴史の解説や、エンジンなど各種機器の展示を行ってきた。1974年(昭和49年)7月20日に三橋設計の設計で開館し、開館当時は現在の東京臨海副都心地区最初の建築物といえる建物だった。1978年(昭和53年)からおよそ1年間にわたり同館周辺で開催された宇宙科学博覧会では、1期・2期の両期で1100万人もの来場者を集めた。開館以来、同館の運営には日本財団が競艇の収益を元に助成を行っており、競艇と関わり合いの深い施設である。

部分休館と本館解体

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2011年9月30日をもって本館展示を無期限で休止する[2]とともに、青函連絡船羊蹄丸」の展示保存を終了した[3]。本館は開館後37年が経過して施設建屋・展示内容共に老朽化が著しく、羊蹄丸については維持費負担の点から国内団体に無償譲渡されることになった。休館は同年7月1日に公表された[4]。7月20日から休館日までは謝恩価格として入館料が大人200円に引き下げられると共に企画展やイベントなどが開催され、休館前の2か月間で12万人以上の見学者が来館した[5]。最終日は羊蹄丸の模擬出港などのセレモニーが実施された。

本館展示休止中は、本館展示や収蔵品を撮影した画像等を公式ホームページに掲載し、インターネットを通じて公開するという「バーチャル博物館」の試みを推進するとともに、資料の貸し出しを行う「海と船の博物館ネットワーク」の試み、本館展示のリニューアルを検討するとしていたが、本館施設の処置については長らく公式発表がなかった[3]

しかしながら本館展示が休止されてから12年後の2023年12月26日に、建設から50年が経過した施設の老朽化が著しい事を理由に2024年2月より本館解体工事を開始する事が発表された。なお、リニューアル計画自体は存続しており、さらなる博物館活動の充実を図るための候補地の検討も進められている事も同時に発表されている[6]

現状

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2011年10月1日以降も南極観測船「宗谷」と屋外展示物の公開を行っており、2017年までは体験教室プールで各種イベントを開催していた。また、2012年1月2日からは新設されたMINI展示場(現別館展示場)にて本館収蔵資料の展示公開を開始し[7]、2020年現在「別館展示場」と呼んでいる。2016年には隣接地での東京国際クルーズターミナル建設に伴い、「宗谷」の展示場所を対岸桟橋に移動した[8]。なお、屋外展示物と別館展示場における資料展示公開は前述の本館解体工事に伴い2024年1月28日に終了した[6]。宗谷、別館、屋外展示ともに入場無料だった[9]

本館

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本館

2011年10月より展示休止、2024年1月28日を以て閉館。

建物自体が英国のクルーズ客船クイーン・エリザベス2号」をモチーフにした大型客船の形をしている。展示内容も実物の船の構造にあわせ、1階が機関関連展示及び船の歴史、ブリッジを模した構造の6階が操舵室関連展示になっていた。1階の中心に設置された巨大な船舶用ディーゼルエンジンは実物で、館建設の過程で搬入設置したものである。船の煙突マストに相当する部分は展望台になっており、航海訓練所練習船南極観測船の出港に際して展望台への信号旗掲揚(UW旗)と汽笛吹鳴での見送りが行われていた。

また、東京港内の信号所を制御して航行管制を行う東京海上保安部交通管制室が本館3階にあり、開館中は業務風景をガラス越しに見学できた。

  • 6F - 展示室(操舵室)、操船シミュレーション
  • 5F - 多目的ホール「ホールマーメイド」
  • 4F - レストラン「海王」、多目的ホール「マリンホール」
  • 3F - 展示室(日本の船の歴史)、ラジコン船コーナー、東京海上保安部港内交通管制室
  • 2F - 展示室(船の役割)、潜水艦コーナー
  • 1F - 展示室(船の歴史・構造)、多目的ホール「オーロラホール」
  • B1F - 展示室(海洋開発)

別館 展示場

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2012年1月に公開された展示施設で、公開当時は「MINI展示場」と呼ばれていた。売店マリンショップだった建物を改装し、操船シミュレータや船舶模型など本館収蔵資料を展示していた[7]

屋外展示場

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別館:南極観測船「宗谷」、青函連絡船「羊蹄丸」

以前は宗谷・羊蹄丸の2隻が係留されていたが、現在は宗谷のみになっている。

2006年頃まで「本館・宗谷・羊蹄丸共通入館券」という本館入館券に大人300円(小児200円)増しの券、あるいは羊蹄丸と宗谷のみの「羊蹄丸券(同600円〈小児300円〉)」が必要であった。その後「本館・宗谷入館券」となり羊蹄丸が名目上無料開放された後、2008年頃に本館・宗谷共通入館券も撤廃された。以降本館展示休止までは、羊蹄丸・宗谷には本館入館券を提示するか、(入館券が無い場合)運営維持費の募金を求められていた。

南極観測船「宗谷」

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  • 2016年9月に、隣接して建設される東京国際クルーズターミナルの工事に伴い、船首を陸側にする形で、かつて羊蹄丸が係留されていた場所に移動。
  • 2017年4月1日に見学が再開された。

青函連絡船「羊蹄丸」

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  • 2011年9月30日に保存展示を終了[3]。本館展示休止により年間3,000万円の維持費を支出できなくなったため、えひめ東予シップリサイクル研究会に無償譲渡されることとなり、2012年3月25日新居浜港へ曳航され同地で一般公開の後、同年7月から翌2013年4月にかけて香川県多度津町で解体された。
  • 過去には「マリンウェディング」と呼ばれる結婚式が船内のホールで行われることもあった。

屋外展示物

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過去の展示物

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日本財団パラアリーナ

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2018年6月1日、プールのあった敷地にパラスポーツ専用体育館の日本財団パラアリーナが建てられ、運用開始した[14]。2020年4月3日、日本財団は、新型コロナウイルス新規感染者の病床不足による医療崩壊を回避するため、軽症患者向けベッドの設置を発表[15]、同年7月30日、日本財団災害危機サポートセンターが完成し、メディアに公開された[16][17]

旧遊泳プール

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船の科学館体験教室プール

2008年シーズンを最後に34年間の遊泳の営業を終了したシーサイドプール。営業当時の入場料金は大人1800円、子ども900円。なお、入場料は船の科学館の入館料もセットとなっていたため、館内や南極観測船「宗谷」・青函連絡船羊蹄丸」などを見学可能であった。

体験学習

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1周約200mのプールを利用した体験教室。実際のシーカヤックカヌーセーリングカヌーに搭乗し、それを操作することで船の基本や知識を学ぶ。

操船体験や遭難体験などが開催されていた。

イベントでの運用

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レストラン・売店

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  • シーサイドレストラン海王(閉店)
    本館4階にあった中華レストラン。一般団体向けメニュー、修学旅行向け特別メニュー、個人向けメニューがある。多目的ホールも併設し、結婚式の披露宴、研修会、セミナーなど幅広い利用が可能。
  • マリンショップ(閉店)
    船舶に関連した土産や模型、プラモデル、書籍などを販売していた。本館展示休止後、MINI展示場に改装された。

交通機関

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付属施設

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東京海洋会館
船の科学館を運営する日本海事科学振興財団が、日本財団の支援のもと1974年に新宿区百人町大久保駅近く)の不動産を買収して設置した「船の科学館付属研修施設」である。1988年12月に閉館した。
ホテル海洋
東京海洋会館の建て替えにより21階建ての高層ホテルとしたもので、1992年開業。低層部はコンベンション施設で占められており、運営は引き続き日本海事科学振興財団の直営であった。2005年にリプラスロードへ売却され運営権が異動。その後、親会社のリプラスが経営破綻したことにより、オリックス不動産傘下でビジネスホテルブルーウェーブインを運営する子会社ブルーウェーブが買収した。コンバージョンのうえ2010年7月20日に複合施設「ハンドレッドサーカスイーストタワー(HUNDRED CIRCUS East Tower)」として開業し、サービスアパートメント形態の短期賃貸マンション「ハンドレッドステイ東京新宿」などが入居している。

テレビ番組での使用

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  • FNS27時間テレビ』 - ビートたけしが扮する「火薬田ドン」などのキャラクターが登場する中継で、遊泳プールが一部の年に使われていた。
  • 宇宙鉄人キョーダイン』 - オープニングの多くが船の科学館で撮影されている。
  • 西部警察』 - 1979年12月30日に放送された第12話「ビッグバッド・ママ」で登場。13号埋立地に停泊している貨物船で、国外逃亡を企む犯人グループが東京都観光汽船のすみだ2号をジャックし、貨物船に乗り込もうとした所を、船の科学館に追い込み逮捕した。本館がバックで映った他、海上での銃撃戦のシーンで「宗谷」も映った。
  • おはようスタジオ』1980年代前半から2000年1月4日まで、1980年1月4日に封印したタイムカプセルを本館内に設置・展示していた。

脚注

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注釈

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  1. ^ 博物館側の説明としては「リニューアル工事」であるが、その後展示再開することなく2024年2月より解体工事が始まる予定。

出典

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  1. ^ 日本海事科学振興財団について”. 2016年12月15日閲覧。
  2. ^ “船の科学館、9月末で本館展示休止 「羊蹄丸」も”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社). (2011年9月1日). オリジナルの2017年5月28日時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/WqkTM 
  3. ^ a b c 船の科学館 本館展示の休止について”. 財団法人 日本海事科学振興財団 (2011年7月1日). 2016年1月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年7月8日閲覧。
  4. ^ 船の科学館 本館展示の休止について』(PDF)(プレスリリース)財団法人 日本海事科学振興財団 船の科学館 学芸部 企画広報課、2011年7月1日。オリジナルの2017年5月28日時点におけるアーカイブhttps://megalodon.jp/2017-0528-0919-17/www.marinavi.com/images/%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B9/2011/0701Funenokagakukan_release.pdf 
  5. ^ 船の科学館「本館展示休止」と「宗谷」無料公開のお知らせ”. 財団法人日本海事科学振興財団 (2011年10月1日). 2012年6月24日閲覧。
  6. ^ a b 船の科学館「別館展示場」・「屋外展示資料」の展示公開終了のお知らせ”. 船の科学館 (2023年12月26日). 2023年12月27日閲覧。
  7. ^ a b 「船の科学館 MINI 展示場」の新規公開について”. 財団法人日本海事科学振興財団 (2011年12月23日). 2013年1月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年6月24日閲覧。
  8. ^ 南極観測船「宗谷」、37年ぶり移動 岸壁工事で対岸に”. 朝日新聞デジタル (2016年9月23日). 2020年8月18日閲覧。
  9. ^ 船の科学館とは
  10. ^ 船の科学館における有人潜水調査船「しんかい2000」の展示協力について”. 海洋研究開発機構 (2006年7月13日). 2011年10月3日閲覧。
  11. ^ 日本トルコ友好120周年事業(串本町)”. 和歌山県. 2018年2月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年2月16日閲覧。
  12. ^ アタテュルク騎馬像除幕式典”. 和歌山県. 2018年2月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年2月16日閲覧。
  13. ^ 船の科学館公式Twitter、2016年9月15日のツイート2016年12月15日閲覧。
  14. ^ パラスポーツ専用体育館「日本財団パラアリーナ」が完成 オープンセレモニーに森組織委会長、小池都知事ら出席”. PR TIMES. 2019年5月14日閲覧。
  15. ^ 『新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急支援』に関する日本財団パラアリーナの運用について”. PRTIMES (2020年4月3日). 2020年8月18日閲覧。
  16. ^ お台場に仮設住宅がズラリ! コロナ感染者の臨時療養施設が完成”. nippon.com (2020年7月30日). 2020年8月18日閲覧。
  17. ^ 「個室はプレハブ」「家電はアイリスオーヤマ」記者が見たお台場コロナ療養施設の全貌【写真24枚】”. Business Insider Japan (2020年7月31日). 2020年8月18日閲覧。

外部リンク

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