コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

キム・ヨンギョン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
金軟景から転送)
キム・ヨンギョン
김연경
基本情報
国籍 大韓民国の旗 韓国
生年月日 (1988-02-26) 1988年2月26日(36歳)
出身地 京畿道安山市
ラテン文字 Kim Yeon-gyeong
ハングル表記 김연경
身長 192cm
体重 73kg
血液型 AB型
選手情報
所属 大韓民国の旗 仁川興国生命ピンクスパイダーズ
背番号 10
ポジション OH
指高 243cm
利き手
スパイク 317cm
ブロック 305cm
獲得メダル
女子 バレーボール
大韓民国の旗 大韓民国
アジア選手権
2013 ナコンラチャシマ
2015 天津
2017 ビニャン
2019 ソウル
アジア競技大会
2010 広州
2014 仁川
テンプレートを表示

キム・ヨンギョンハングル: 김연경、金軟景、1988年2月26日 - )は、韓国京畿道安山市出身の女子バレーボール選手。元韓国代表

来歴

[編集]

幼少期

[編集]

大韓民国京畿道安山市生まれ。バレーボールをしていた姉の影響を受け、小学校4年生の時に安山西小学校のバレーボール部に入部し、バレーボールを始める。その後、元谷中学校ハンボム高等学校(旧:韓一電算女子高等学校)に進学。

高等学校入学時には170cmとさほど高くはなかった身長は、高等3年間で約20cmも伸びた。(プロデビューした17歳の時188cmだった)

大韓民国ジュニア代表から招集され、2004年アジアユース選手権(2位)、2005年世界ユース選手権(5位)に出場。

プロデビュー

[編集]
2005/06 韓国Vリーグでのキム

韓一電算女子高校卒業後、ドラフトで2005年に興国生命ピンクスパイダーズに入団。同年17歳で韓国代表に選出され、2005年ワールドグランドチャンピオンズカップでは、アタック得点で全選手中3位の成績を修める活躍をした。2005-06年韓国Vリーグではチームの優勝に貢献し、MVPと新人賞を獲得した。

2006-07年の韓国Vリーグも優勝を果たし、2年連続でレギュラーラウンドMVPファイナルとMVPを獲得した。2007-08年の韓国Vリーグは優勝は逃したものの歴代最高のスパイク決定率である47.59%を記録し、3年連続でスパイク賞を受賞した。世界選手権ワールドカップなどに出場した。

国外移籍

[編集]

2009年、韓国Vリーグと初の自国開催となった日韓トップマッチの優勝に導き、MVPを獲得した。同年5月、キムの日本のVプレミアリーグJTマーヴェラス入団が発表され、韓国プロバレーボール史上初となる国外移籍選手となった。同年11月のワールドグランドチャンピオンズカップでは、ベストスコアラー賞を受賞している。 2009-10年のVプレミアリーグでは、セッター・竹下佳江とのコンビで大車輪の活躍を見せ、チームを開幕25連勝へ導くと共に自身も得点王となった。決勝では東レのエース・木村沙織に打ち負け準優勝に終わるが、翌2010-11年シーズンでは優勝を果たし、キム自身もMVPを獲得した。続く黒鷲旗も制覇した。

2011年5月、キムはJTマーヴェラスを退団し、トルコリーグのフェネルバフチェに移籍した[1]

2012年の欧州チャンピオンズリーグではアジア人初のMVPと得点王を獲得した。

2012年5月のロンドンオリンピック世界最終予選において、2大会ぶりの予選突破に大きく貢献した。8月の同大会本戦でも韓国代表36年ぶりとなるベスト4進出の原動力となり、キムはベストスコアラーと最優秀選手(MVP)に輝いた。なお、4位のチームから最優秀選手が選出されるのは異例のことであった[2][3]

2014年よりキムは代表チームの主将を務め、同年のワールドグランプリの予選ラウンドでは得点ランキング1位となる活躍を見せチームを牽引した。

2015年5月、トルコリーグ優勝を果たし、MVP・ベストスコアラー・ベストスパイカーの3冠を受賞[4]。同年8月のワールドカップでもベストスコアラーを獲得した。

2016年4月、欧州チャンピオンズリーグにて準優勝し、キムも自らベストアウトサイドヒッター賞を受賞した。2017年6月、中国バレーボールリーグの上海国華人寿に移籍した[5][6]

韓国Vリーグ復帰

[編集]

2020年より仁川興国生命ピンクスパイダーズに復帰。

2023年、女子韓国代表のアドバイザーに就任した[7]

人物

[編集]
  • 韓国国内では“100年に1人の逸材”と称されている。
  • キムは2シーズンを日本で過ごしたこともあり、大抵の日本語が話せるようである。
  • 大友愛狩野舞子、木村、栗原恵井野亜季子等と親交があるほか、木村の著書でキムは「いつか同じチームで一緒にプレーがしたいです」とコメントした。
  • JTでチームメイトだった竹下佳江のことを「おばちゃん」と呼んでいた。
  • JT時代はそのキャラクターが非常に愛された。実力もさることながら、チームのムード盛り上げ役も兼ねることとなった。JTを去り帰国をする際はJTメンバー全員が空港まで見送りに駆けつけた。
  • 攻守において万能であり、レセプション (サーブレシーブ)、DIG (スパイクレシーブ)も非常に優秀である。
  • オランダ代表を務めるジョバンニ・グイデッティ監督はキムのことをこう評した。
 Body of Russia, power of United States, the technique like Korean and quickness of Brazil all in one player. She is the best player in the world for sure!
「ロシア人の体、アメリカ人のパワー、韓国人の技術、そしてブラジル人の速さを兼ね備えている。彼女は間違いなく世界一の選手だ。」
 I think Kim Yeon Koung is the best player in the world; I have not seen anyone like her in the last 30 years.
「彼女は世界のベストプレイヤーだ。彼女のような選手は過去30年見たことがない。」
  • 2012ロンドン五輪3位決定戦で日本に敗れ、珍しく大泣きした[8]
  • 2017年アジア選手権において、キム・ヨンギョン自身が使用する日本製のシューズに貼ってあった「大韓独立万歳」ロゴの箇所をシールで隠してあった事が日本国内で波紋を呼んだ。これについてキム・ヨンギョンはこうつぶやいた。その後、行われたグラチャンバレーでも韓国選手が日本製シューズに貼ってあった同じロゴを同様にシールで隠していた。ちなみにキム・ヨンギョンを始め、主力の韓国選手はグラチャンには出場しなかった。
  • 2018年 8月に行われたアジア大会ではチームの主力として出場。 自身最後のアジア大会になるだろう韓国は準決勝でタイに敗れたが3位決定戦で日本を下し悲願の銅メダルを獲得した。
  • 韓国代表を務めるステファノ・ラバリーニ監督はキムのことをこう評した。
「キムヨンギョンはキャプテンを超えた韓国のリーダー。カリスマ性と実力で常にチームを団結させてくれる。素晴らしいリーダーであり立派な人物だ。」

球歴

[編集]

所属クラブ

[編集]

受賞歴

[編集]

個人成績

[編集]

リーグ別成績

[編集]

韓国Vリーグ[10]、Vプレミアリーグ[11]、トルコリーグ[12][13]、中国リーグ[14]レギュラーラウンドとファイナルラウンドにおける個人成績は下記の通り。

2011/12 - 2012/13 トルコリーグ、中国リーグの個人成績は記録されなかった。

レギュラーラウンド
シーズン 所属 出場 アタック ブロック サーブ サーブレシーブ 得点 備考
試合 セット 打数 得点 失点 決定率 効果率 決定 /set 打数 エース /set 得点率 受数 成功率 総得点 /set
ブロック ミス
2005/06 興国 28 110 1366 542 48 116 39.7% 27.7% 36 0.33 432 45 0.41 10.42% 468 63.5% 756 6.87 [注 1]
2006/07 23 90 974 439 34 62 45.1% 35.2% 37 0.41 330 30 0.33 9.09% 482 58.7% 562 6.24
2007/08 28 102 1120 533 36 83 47.6% 37.0% 36 0.35 326 23 0.23 7.06% 593 61.4% 649 6.36 [注 2]
2008/09 28 117 1204 567 45 76 47.1% 37.0% 60 0.51 405 43 0.37 10.62% 719 59.4% 670 5.73
2009/10 JT 28 102 1322 630 85 47.7% 41.2% 48 0.47 384 13 0.18 3.39% 661 58.5% 696 6.82
2010/11 22 77 849 425 75 50.1% 41.2% 29 0.38 254 12 0.22 4.72% 437 71.9% 471 6.12
2013/14 フェネル 19 63 477 228 14 45 47.8% 35.4% 22 0.35 219 41 0.65 18.72% 295 34.9% 291 4.62
2014/15 17 58 528 248 16 45 47.0% 33.5% 29 0.50 275 54 0.93 19.64% 277 32.1% 331 5.71
2015/16 13 46 410 180 22 36 43.9% 29.8% 18 0.39 153 12 0.26 7.84% 291 33.3% 210 4.57
2016/17 16 59 488 227 14 43 46.5% 34.8% 20 0.34 227 26 0.44 11.45% 304 24.7% 273 4.63
2018/19 エジザー 17 51 405 170 19 24 42.0% 31.4% 17 0.33 194 10 0.20 5.15% 263 28.5% 197 3.86
2019/20
全ラウンド合算
シーズン 所属 出場 アタック ブロック サーブ サーブレシーブ 得点 備考
試合 セット 打数 得点 失点 決定率 効果率 決定 /set 打数 エース /set 得点率 受数 成功率 総得点 /set
ブロック ミス
2005/06 興国 33 128 1627 646 58 142 39.7% 27.4% 40 0.31 505 48 0.38 9.50% 559 64.4% 910 7.11
2006/07 27 106 1183 532 44 75 45.0% 34.9% 43 0.41 386 34 0.32 8.81% 571 58.1% 679 6.41
2007/08 32 119 1329 621 48 103 46.7% 35.4% 37 0.31 386 26 0.22 6.74% 693 61.3% 751 6.31
2008/09 34 142 1469 703 54 101 47.9% 37.3% 70 0.49 503 53 0.37 10.54% 868 60.1% 826 5.82
2009/10 JT 32 116 1553 732 104 47.1% 40.4% 53 0.46 435 20 0.17 4.60% 731 59.5% 805 6.94
2010/11 22 77 849 425 75 50.1% 41.2% 29 0.38 254 12 0.22 4.72% 437 71.9% 471 6.12
2013/14 フェネル 27 93 846 394 31 69 46.6% 34.8% 32 0.34 323 48 0.52 14.86% 501 35.9% 474 5.10
2014/15 23 77 744 336 25 62 45.2% 33.5% 39 0.51 361 60 0.78 16.62% 399 31.1% 435 5.65 [注 3]
2015/16 19 71 662 289 30 58 43.7% 30.4% 24 0.34 231 16 0.23 6.93% 410 32.0% 329 4.63
2016/17 23 81 676 308 22 54 45.6% 34.3% 28 0.35 297 31 0.38 10.44% 421 23.3% 367 4.53
2017/18 上海 28 108 954 487 117 51.0% 38.8% 42 0.39 456 44 0.40 9.65% 450 84.9% 573 5.31
2018/19 エジザー 26 83 642 266 35 41 41.4% 29.6% 24 0.29 297 15 0.18 5.05% 452 26.8% 305 3.67
2019/20
太字 はタイトル獲得

カップ大会

[編集]

オリンピック

[編集]
年度 出場 アタック ブロック サーブ サーブレシーブ 得点 備考
試合 セット 打数 得点 失点 決定率 効果率 決定 /set 打数 エース /set 得点率 受数 成功率 総得点 /set
2012 オリン 8 31 388 185 47 47.68% 35.57% 15 0.48 124 7 0.23 5.65% 172 70.35% 207 6.68
2016 リオ 6 20 222 100 23 45.05% 34.68% 8 0.38 60 4 0.19 6.67% 121 34.71% 112 5.60

出演

[編集]

日本のテレビ番組

[編集]

韓国のテレビ番組

[編集]

著書

[編集]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 総合MVP、レギュラーラウンドMVP、新人賞、スパイク賞、サーブ賞、得点王を同時に受賞し、でプロデビューしたシーズンに6冠を達成した。
  2. ^ 3年連続でスパイク賞を受賞した。
  3. ^ サーブエース60とセット平均0.78は最高記録だけど、ベストサーバー賞ではなくスパイク賞を受賞した。

出典

[編集]
  1. ^ 入団を伝えるフェネルバフチェ公式サイト
  2. ^ london2012.com. “Women's Volleyball - Players Ranking”. 2012年8月閲覧。
  3. ^ [1]
  4. ^ Turkish Volleyball Federation official web page
  5. ^ 日本でも活躍した韓国女子バレーのエース、中国のチームに移籍―韓国メディア”. exite news. 2017年7月23日閲覧。
  6. ^ 「月刊バレーボール」2017年8月号 129ページ
  7. ^ “韓国バレーボール界の「女帝」キム・ヨンギョンが同国代表のアドバイザーとして初仕事”. 日刊スポーツ. (2023年5月17日). https://www.nikkansports.com/sports/news/202305170000137.html 2023年5月17日閲覧。 
  8. ^ リオ五輪女子バレー日韓戦の前に知っておきたい韓国女子バレー事情”. 2019年9月19日閲覧。
  9. ^ 2017-2018中国女排超级联赛”. Baidu. 2019年8月4日閲覧。
  10. ^ 選手累積記録(선수 누적 기록)”. Korean Volleyball Federation. 2020年1月28日閲覧。
  11. ^ キム ヨンギョン”. 日本バレーボールリーグ. 2020年1月28日閲覧。
  12. ^ 2013-2014 Acıbadem Bayanlar Ligi”. Türkiye Voleybol Federasyonu. 2020年1月28日閲覧。
  13. ^ 2014-2015 Bayanlar Ligi”. Türkiye Voleybol Federasyonu. 2020年1月29日閲覧。
  14. ^ 2017-2018中国女子排球超级联赛 单项排名”. Chinese Volleyball Association. 2020年1月29日閲覧。
  15. ^ 「チャンネルΣ」 2011年11月12日(土)放送内容”. 価格.com. 2020年1月28日閲覧。
  16. ^ 「アナザースカイ」 2013年2月1日(金)放送内容”. 価格.com. 2020年1月28日閲覧。

外部リンク

[編集]