利用者:MK-950131/sandbox/ユダヤ暦
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ユダヤ人およびユダヤ教 |
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ユダヤ暦(ユダヤれき、ヘブライ語: הלוח העברי、英語: Hebrew calendar)は、ユダヤ人の間で使われている暦法である。
概略
[編集]ユダヤ人はこの暦法をヘブライの月の算出に用いる。それによって読むべきトーラーを決め、その日に読むべき聖詩を定め、祝日を定めている。正月にあたる「ニサンの月」は大麦の収穫の始まりを祝う月でもある。
バビロン捕囚の影響
[編集]「ニサンの月」は別名「アビブの月」というように、月名が2つ存在するのは、バビロン捕囚期(『列王記』までの時代と『エズラ記』より後の時代の中間期)にバビロニア暦の影響を受けて月の名に変化があったためという説がある[1]。このニサンという月名もバビロニア語の「ニサンヌ」に由来する。バビロン捕囚中、キュロス2世(大王)による解放以前、メディアの勢力下となった時代を想定して描いている『エステル記』の3章7節に「ニサンの月」という月名があらわれる。
宗教暦と政治暦
[編集]古代ユダヤには、春から1年が始まる宗教暦(または「教暦」「新暦」ともいう)と、秋から1年が始まる政治暦(または「政暦」「旧暦」ともいう)との2種類があったが、ユダ族(南王国)では後者を使っていたため、その流れで現代のユダヤ暦も政治暦のほうに準拠している。宗教暦の年始めの月はアビブの月で、今の太陽暦(グレゴリオ暦)では3月から4月の時期にあたり、中国の陰暦では仲春(旧暦の2月)または季春(旧暦の3月)にあたる。政治暦では秋から新年が始まるのでこの月は7番目(閏年では8番目)になる[2]。
政暦とは、今日のユダヤ教で用いられている暦のことであり、教暦とは古代の農耕暦のことである。月名が2つ存在するのは、バビロン捕囚の前(列王記より前の書)と後(エズラ記より後の書)では用いた暦が異なるためである。
バビロン捕囚後にあたる時代に描いた『エステル記』に月名がでてくるが、『エステル記』ではテベトを「十月」、シワンを「三月」と呼んでいることから春から始まる宗教暦だったとする説と、月名としての「十月」や「三月」は必ずしも1年の始めの月から数えた数字とは限らない(古代中国の顓頊暦の月名や現代の英語の月名などに例がある)ので秋から始まる政治暦であっても問題ないとする説の両方がある。単純にこの頃(『エステル記』の後の時代)に宗教暦から政治暦に移行したというわけではなく、北王国滅亡以降は政治暦を主としつつも古くから両者が並行していた。
ユダヤ暦の各月の名称
[編集]政暦 | 教暦 | バビロニア暦 | 古代の暦 (cf.カナン暦) |
ヘブライ語 表記 |
ラテン文字翻字 | 日本語における 一般的な表記 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ティベリア式 | ヘブライ語 アカデミー |
その他の翻字 | ||||||
7 | 1 | Nisannu | アビブの月 Aviv אביב[月名 1] |
נִיסָן [月名 2] |
Nīsān | Nisan | Nissan | ニサン |
8 | 2 | ziw mu, Ayyaru | ジブの月 Ziv זיו[月名 3] |
אִיָּר | ʼIyyār | Iyyar | Iyar | イヤール |
9 | 3 | Simanu | 三月 | סִיוָן [月名 4] |
Sīwān | Sivan | Siwan | シバン |
10 | 4 | Dumuzi, Du‘uz | 四月 | תַּמּוּז | Tammūz | Tammūz | Tamuz | タンムーズ |
11 | 5 | Abu | 五月 | אָב | ʼĀḇ | Av | Ab,Abh | アブ |
12 | 6 | elulu | 六月 | אֱלוּל [月名 5] |
ʼĔlūl | Elul | エルール | |
1 | 7 | Tashritu | エタニムの月 Ethanim אֵתָנִים[月名 6] |
תִּשׁרִי | Tišrī | Tishri | Tishrei | ティシュリー |
2 | 8 | Arukhsamu | ブルの月 bul בול[月名 7] |
מַרְחֶשְׁוָן | Marḥešwān | Cheshvan | Marcheshvan Cheshvan Marẖeshwan |
マルヘシュヴァン |
3 | 9 | Kislimu | 九月 | כִּסְלֵו [月名 8] |
Kislēw | Kislev | Chisleu Chislev |
キスレーウ |
4 | 10 | T‘ebetu | 十月 | טֵבֵת [月名 9] |
Ṭēḇēṯ | tevet | Tebeth T‘ebheth |
テベット |
5 | 11 | shabat‘u | 十一月 | שְׁבָט [月名 10] |
Šəḇāṭ | Shvat | Shevat Shebat Sebat |
シュバット |
6 | 12 | Adarru | 十二月 | אֲדָר [月名 11] |
ʼĂḏār | Adar | Adhār | アダル |
אֲדָר א׳ | Adar I | 第一アダル アダル I | ||||||
Makaruša Addari | 閏月 | אֲדָר ב׳ | Adar II | Adhār Šēnī waAdhār Veadar |
第二アダル アダルII アダル・シェーニー ヴァ・アダル | |||
ユダヤ暦における月名 | ||||||||
各月の日数
[編集]月名 | 政暦 | 教暦 | 平年 | 閏年 | グレゴリオ暦 の月 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
353 | 354 | 355 | 383 | 384 | 385 | ||||
ニサン | 7 | 1 | 30 | 30 | 30 | 30 | 30 | 30 | 3月~ 4月 |
イヤール | 8 | 2 | 29 | 29 | 29 | 29 | 29 | 29 | 4月~ 5月 |
シバン | 9 | 3 | 30 | 30 | 30 | 30 | 30 | 30 | 5月~ 6月 |
タンムーズ | 10 | 4 | 29 | 29 | 29 | 29 | 29 | 29 | 6月~ 7月 |
アブ | 11 | 5 | 30 | 30 | 30 | 30 | 30 | 30 | 7月~ 8月 |
エルール | 12 | 6 | 29 | 29 | 29 | 29 | 29 | 29 | 9月~10月 |
ティシュリー | 1 | 7 | 30 | 30 | 30 | 30 | 30 | 30 | 8月~ 9月 |
マルヘシュヴァン | 2 | 8 | 29 | 29 | 30 | 29 | 29 | 30 | 10月~11月 |
キスレーヴ | 3 | 9 | 29 | 30 | 30 | 29 | 30 | 30 | 11月~12月 |
テベット | 4 | 10 | 29 | 29 | 29 | 29 | 29 | 29 | 12月~ | 1月
シュバット | 5 | 11 | 30 | 30 | 30 | 30 | 30 | 30 | 1月~ 2月 |
第一アダル | 6L | 12L | - | - | - | 30 | 30 | 30 | |
アダル/ 第二アダル |
6 | 12 | 29 | 29 | 29 | 29 | 29 | 29 | 2月~ 3月 |
ユダヤ紀元
[編集]創世紀元(そうせいきげん)、宇宙創世紀元(うちゅうそうせいきげん)、あるいはユダヤ紀元(ユダヤきげん)、世界紀元(せかいきげん)(Anno Mundi、アンノ・ムンディ)は、ユダヤ教において神が世界を創世した日とされるユリウス暦換算で紀元前3761年10月7日の18時を紀元1年ティシュリー月1日(CJD:347998)とする紀年法である。グレゴリオ暦との間では差があるため、現在の西暦と日付は対応していない。ただし、これは中世に算出されたもので古代ユダヤ史とは関わりがない。
暦法
[編集]置閏法
[編集]太陽暦のグレゴリオ暦や閏月を挿入しないヒジュラ暦とは異なり、閏月を挿入する太陰太陽暦である。閏月の挿入は19年に7回、メトン周期により行われており、創世紀元を19で割った余りが0,3,6,8,11,14,17の年にアダルの月を2回繰り返すことで行われている。[3]
翌年の新年との日数がその年の日数となり、平年では353、354、355日のいずれか、閏年は383、384、385日のいずれかとなる。
ヘレク
[編集]ヘレク(ヘブライ語: חלק、英語: helek)とは時間の単位。なお、複数形ではハラキム(ヘブライ語: חלקים、英語: halakim)となる。
以下の等式が成り立つ[4]。
平均朔望月
[編集]ティシュリー月1日(新年祭)は実際に朔の瞬間を含む日ではなく、平均朔望月から計算される仮想上の朔moladが含まれる日が基本的にそのまま新年祭となるが、安息日との関係による延期や、延期に伴う1年の日数による調整を行なった上で実際の新年祭の日付を決定される。
平均朔望月は29日12時間793halakim、
紀元1年ティシュリー月5時204halakim(紀元前3761年10月7日23時11分20秒)[4]を元期として各年の新年のmoladから新年の日付を決定していく。
新年を決定する際の特別な調整
[編集]- 18時(正午)以降の延期[4]
- 安息日との関係による延期[3]
- 日数による延期[4]
- 平年でmoladが火曜日の9時204halakimから18時までの場合
- 閏年の翌年でmoladが月曜日の15時589halakimから18時までの場合
- 一年の日数が356日や382日となるのを防ぐため、それぞれ木曜日、翌日火曜日を新年とする。
注釈
[編集]- ^ 別の説では王国時代にすでに北方の部族(北王国)ではバビロニアからの文化的影響で南王国とは別のバビロニア風の月名を使っていた可能性も考えられている。
- ^ バビロニア暦の新年は春分を基準として決まり、春分に最も近い朔日(新月の日)が元日である。春から1年が始まるのはバビロニアの他にペルシアもそうであり、秋から1年が始まるのはミタンニ王国やセレウコス朝などがあり、古代オリエントには古くから両方の暦法が並存した。南王国はエジプトからの文化的影響を受けたが、エジプト暦は恒星暦であるので趣旨が異なるが夏の終わり頃が元旦に当たり、ほぼ秋から始まる部類に入る。
- ^ a b ユダヤ暦とは - コトバンク
- ^ a b c d 暦wiki/ユダヤ暦 国立天文台暦計算室
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- ユダヤの祭り 株式会社ミルトスのサイト
- JEWISH HOLIDAYS - 1998 to 2017(ただ、単純化されている)
- 暦wiki/ユダヤ暦 国立天文台暦計算室
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