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川上猛

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
 川上猛 七段
名前 川上猛
生年月日 (1972-07-12) 1972年7月12日(52歳)
プロ入り年月日 1993年4月1日(20歳)
棋士番号 206
出身地 東京都足立区
所属 日本将棋連盟(関東)
師匠 平野広吉七段
段位 七段
棋士DB 川上猛
順位戦クラス C級2組(20期)
2024年4月12日現在
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川上 猛(かわかみ たけし、1972年7月12日 - )は、将棋棋士棋士番号は206。東京都足立区出身。平野広吉七段門下。

棋歴

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中学1年の頃、第10回中学生名人戦で準優勝(優勝者は屋敷伸之)。翌年の第11回では優勝。

中学3年の春(1987年)に、奨励会に入会。その2年後の1989年1月15日に、師匠の平野広吉が73歳で他界する。

初参加の三段リーグ(1992年度後期)において15勝3敗で1位の成績を収め、三段リーグを1期抜けしてプロ入りする。

その翌年(1994年度)、早くも銀河戦(第3期、非公式戦時代)で準優勝する活躍を見せる(優勝者は田中寅彦)が、第53期順位戦では2勝8敗と振るわず降級点を喫する。

1995年度、第9期竜王戦の竜王ランキング戦6組で優勝。挑戦権を争う本戦トーナメントでは初戦で敗退したが、5組に昇級した。

△森内 銀歩三
987654321 
     
       
     
    
      
     
   
      
     

1998年9月18日の全日プロでは森内俊之八段と対局。研究の妙手を見せた。図1は当時よく指されていた矢倉3七銀戦法から先手が飛車を中央に回し、後手が追随した結果、中央で銀交換が行われ、それを森内が同飛と銀を取り返した局面。第1図以下、▲同飛△同角と飛車交換も行われ、▲1五香△同銀▲2五桂△3七角成▲4一飛△2六馬に対して、▲1二歩△同香▲1三角成と妙手を放ったのが第2図。

△森内 飛銀香歩五
987654321 
     
      
     
     
      
     
    
       
       

第2図以下は△1三同香の一手に▲1一銀△同玉(△1二玉は▲4三飛成)▲1三桂成△1二銀▲4三飛成△8二飛(△4三同金は▲2二金)と森内が必死の抵抗を見せ、川上の失着もあって金星とはならなかったが、存在感を見せた。

2004年度、第18期竜王ランキング戦4組で優勝して、3組へ昇級。また、本戦トーナメントでは、初戦で3組2位の島朗を破り、準々決勝に進出した。

2006年度、第14期銀河戦で決勝トーナメント進出。高橋道雄に勝ち、ベスト8。

2012年度、第71期順位戦C級2組で3つ目の降級点を取り、フリークラス陥落が決定した。

2017年10月17日、第66期王座戦一次予選(対中座真七段)に勝ち、七段に昇段した[1]

フリークラス在籍期限まで残り4年となった2019年度は、2020年3月10日時点で年度成績17勝11敗(勝率0.607、10棋戦参加)となり、3月末までに組まれた2局のうち1勝すれば「年度内に『参加棋戦数+8』勝以上、かつ勝率6割以上」の規定により順位戦C組2組への復帰できる状況であったが、残る2局の対中座真戦(3月25日・第70期王将戦 一次予選)、対窪田義行戦(3月30日・第33期竜王戦 5組昇決)を連敗し、2019年度を17勝13敗(勝率0.567、10棋戦参加)の成績で終えて順位戦への復帰を逃した。

2019年度成績での順位戦復帰は適わなかったが、この期間の好成績により2020年7月17日時点で直近31局の成績を20勝11敗(勝率0.645)とし、次の対局に勝利すれば「連続30局以上の勝率が6割5分以上」の規定により順位戦へ復帰できる状況となった。しかし、7月30日の第92期棋聖戦一次予選で北島忠雄に敗れ、順位戦への復帰を再び逃した。

2022年度の第35期竜王ランキング戦5組で決勝へ進出し4組昇級を決めたが、順位戦復帰の規定を満たす成績は修められず、同年度限りでフリークラスの在籍期限が満了となった。2023年度以降は、竜王戦のみの出場(ランキング戦4組以上の在籍または5組最大2年間が条件)となる。

2022年度時点で「三段リーグを1期で通過しながら順位戦の昇級歴が無い(最高位C級2組)」唯一の棋士である。

2023年5月23日、第36期竜王戦4組残留決定戦で中村太地に勝ち、4組残留を決めた。2010年に制定された引退規定が適用されて以降、引退後に竜王戦限定で継続出場した棋士は、第34期の桐山清澄・藤倉勇樹に続き3例目だが、引退時点で4組以上に在籍し無期限で継続出場する権利を得た棋士は川上が初のケース(桐山及び藤倉は引退時点で5組在籍だったため、2年間の期限付きであった。)。

棋風

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デビュー以来、相矢倉、および、居飛車振り飛車の対抗形(どちらを持っても指す)を好み、飛車を振る場合は四間飛車にすることが多い。

2008年前後からは、後手番一手損角換わりも指している。

昇段履歴

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  • 1987年00月00日 : 6級 = 奨励会入会
  • 1990年00月00日 : 初段
  • 1992年06月00日 : 三段(第12回三段リーグ<1992年度後期>から三段リーグ)
  • 1993年04月01日 : 四段(第12回三段リーグ成績1位、1期抜け) = プロ入り
  • 1999年06月03日 : 五段(勝数規定 /公式戦100勝、通算100勝96敗)[2]
  • 2005年09月20日 : 六段(勝数規定 /五段昇段後公式戦120勝、通算220勝192敗)
  • 2017年10月17日 : 七段(勝数規定 /六段昇段後公式戦150勝、通算370勝365敗)[1]

主な成績

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在籍クラス

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順位戦・竜王戦の在籍クラスの年別一覧
開始
年度
(出典)順位戦
出典[3]
(出典)竜王戦
出典[4]
名人 A級 B級 C級 0 竜王 1組 2組 3組 4組 5組 6組 決勝
T
1組 2組 1組 2組
1993 52 C253 7-3 7 6組 -- 3-2
1994 53 C215x 2-8 8 6組 -- 2-2
1995 54 C242* 5-5 9 6組 0-1 5-0
1996 55 C227* 7-3 10 5組 -- 1-2
1997 56 C208* 4-6 11 5組 -- 4-1
1998 57 C225* 6-4 12 4組 -- 1-2
1999 58 C216* 6-4 13 4組 -- 2-2
2000 59 C212* 6-4 14 4組 -- 2-2
2001 60 C211* 4-6 15 4組 -- 3-2
2002 61 C225* 8-2 16 4組 -- 2-2
2003 62 C203* 4-6 17 4組 -- 1-2
2004 63 C224* 6-4 18 4組 1-1 5-0
2005 64 C219* 5-5 19 3組 -- 0-2
2006 65 C227* 7-3 20 4組 -- 1-2
2007 66 C209* 6-4 21 4組 -- 3-2
2008 67 C212* 4-6 22 4組 -- 4-2
2009 68 C229* 5-5 23 4組 -- 3-2
2010 69 C224* 3-7 24 4組 -- 0-3
2011 70 C233*x 1-9 25 5組 -- 3-2
2012 71 C241**x 2-8 26 5組 -- 1-2
2013 72 F編 27 5組 -- 1-2
2014 73 F編 28 5組 -- 1-2
2015 74 F編 29 5組 -- 2-2
2016 75 F編 30 5組 -- 1-2
2017 76 F編 31 5組 -- 1-2
2018 77 F編 32 5組 -- 3-2
2019 78 F編 33 5組 -- 1-2
2020 79 F編 34 5組 -- 1-2
2021 80 F編 35 5組 -- 4-1
2022 81 F編 36 4組 -- 1-2
81 2022年度末で「F編」在籍期限満了 36 36期4組残留/37期以降は引退棋士特例での参加
4組以上の在籍(37-38期は5組以上)が参加条件
2023 82 F編 37 4組 -- 0-3 特例1期目
2024 83 F編 38 5組 -- 特例2期目
38 4組昇級時のみ現役継続、5組残留以下なら引退
順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。右欄の数字は勝-敗(番勝負/PO含まず)。
順位戦の右数字はクラス内順位 ( x当期降級点 / *累積降級点 / +降級点消去 )
順位戦の「F編」はフリークラス編入 /「F宣」は宣言によるフリークラス転出。
竜王戦の 太字 はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。
※2023年度以降は竜王戦のみ参加する「引退予定者」、引退者の特例参加期間は37期が1期目、38期が2期目

年度別成績

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公式棋戦成績
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
1993 29 16 13 0.5517 [5]
1994 31 11 20 0.3548 [6]
1995 31 16 15 0.5161 [7]
1996 35 19 16 0.5429 [8]
1997 31 16 15 0.5161 [9]
1998 34 19 15 0.5588 [10]
1999 39 23 16 0.5897 [11]
2000 32 16 16 0.5000 [12]
(小計) 262 136 126 0.5191
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2001 31 14 17 0.4516 [13]
2002 35 21 14 0.6000 [14]
2003 36 20 16 0.5556 [15]
2004 34 21 13 0.6176 [16]
2005 37 21 16 0.5676 [17]
2006 32 18 14 0.5625 [18]
2007 35 23 12 0.6571 [19]
2008 32 13 19 0.4063 [20]
2009 28 13 15 0.4643 [21]
2010 24 7 17 0.2917 [22]
(小計) 324 171 153 0.5278
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2011 25 6 19 0.2400 [23]
2012 27 8 19 0.2963 [24]
2013 19 9 10 0.4737 [25]
2014 21 11 10 0.5238 [26]
2015 25 15 10 0.6000 [27]
2016 19 7 12 0.3684 [28]
2017 21 9 12 0.4286 [29]
2018 22 13 9 0.5909 [30]
2019 30 17 13 0.5667 [31]
2020 21 11 10 0.5238 [32]
(小計) 230 106 124 0.4609
年度 対局数 勝数 負数 勝率 (出典)
2021 16 5 11 0.3125 [33]
2022 15 4 11 0.2667 [34]
2023 4 1 3 0.2500 [35]
(小計) 35 10 25
通算 851 423 428 0.4970 [36]
2023年度まで

脚注

[編集]
  1. ^ a b 川上猛六段が七段に昇段|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟 (2017年10月20日). 2017年10月20日閲覧。
  2. ^ 近代将棋(1999年9月号)』近代将棋社/国立国会図書館デジタルコレクション、187頁https://dl.ndl.go.jp/pid/6047371/1/84 
  3. ^ 名人戦・順位戦」『日本将棋連盟』。
  4. ^ 竜王戦」『日本将棋連盟』。
  5. ^ [1][名無しリンク]
  6. ^ [2][名無しリンク]
  7. ^ [3][名無しリンク]
  8. ^ [4][名無しリンク]
  9. ^ [5][名無しリンク]
  10. ^ [6][名無しリンク]
  11. ^ [7][名無しリンク]
  12. ^ [8][名無しリンク]
  13. ^ [9][名無しリンク]
  14. ^ [10][名無しリンク]
  15. ^ [11][名無しリンク]
  16. ^ [12][名無しリンク]
  17. ^ [13][名無しリンク]
  18. ^ [14][名無しリンク]
  19. ^ [15][名無しリンク]
  20. ^ [16][名無しリンク]
  21. ^ [17][名無しリンク]
  22. ^ [18][名無しリンク]
  23. ^ [19][名無しリンク]
  24. ^ [20][名無しリンク]
  25. ^ [21][名無しリンク]
  26. ^ [22][名無しリンク]
  27. ^ [23][名無しリンク]
  28. ^ [24][名無しリンク]
  29. ^ [25][名無しリンク]
  30. ^ [26][名無しリンク]
  31. ^ [27][名無しリンク]
  32. ^ [28][名無しリンク]
  33. ^ [29][名無しリンク]
  34. ^ [30][名無しリンク]
  35. ^ [31][名無しリンク]
  36. ^ [32][名無しリンク]

関連項目

[編集]

外部リンク

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