上野裕寿
上野裕寿 四段 | |
---|---|
名前 | 上野裕寿 |
生年月日 | 2003年5月5日(21歳) |
プロ入り年月日 | 2023年10月1日(20歳) |
棋士番号 | 340 |
出身地 | 兵庫県加古川市 |
所属 | 日本将棋連盟(関西) |
師匠 | 井上慶太九段 |
段位 | 四段 |
棋士DB | 上野裕寿 |
戦績 | |
一般棋戦優勝回数 | 2回 |
2024年10月14日現在 |
上野 裕寿(うえの ひろとし、2003年5月5日[1] - )は、日本の将棋棋士である。兵庫県加古川市出身[1]。井上慶太九段門下[1]。棋士番号は340[1]。扇子や色紙などへの揮毫の文字は「前進」。
棋歴
[編集]アマチュア時代
[編集]2012年、第11回全国小学生倉敷王将戦の低学年の部で優勝[2]。
加古川市立野口南小学校 6年生であった2015年4月19日の第40回記念小学生将棋名人戦 決勝大会3位[3][4]。同年 8月23日には、第4回J:COM杯 こども将棋大会 全国大会準優勝[5]。
奨励会時代
[編集]2015年9月、小学校6年生で奨励会入会試験を経て6級で奨励会入会[6]。
2016年4月、加古川市立中部中学校へ進学。入会後は順調に昇級・昇段を重ね、中学校3年生の2018年8月には三段に昇段。同年度後期の第64回三段リーグから三段リーグに参加。
2019年4月、兵庫県立加古川北高等学校へ進学し、囲碁・将棋部に入部。2020年度、2021年度と部長を務めた。奨励会在籍中のため、公式戦には出場できなかったが、顧問の梶尾良太先生のもとで後輩たちの指導・育成に努めた。囲碁・将棋部の後輩が、2021年に第29回全国高等学校文化連盟将棋新人大会女子個人戦出場[7]。第41回近畿高等学校総合文化祭滋賀大会将棋部門男子個人戦A級3位。2022年に第46回兵庫県高等学校総合文化祭将棋部門団体戦優勝[8]。第42回近畿高等学校総合文化祭和歌山大会将棋部門女子個人戦A級ベスト8。2023年に第43回近畿高等学校総合文化祭三重大会将棋部門個人戦A級3位と華々しい戦績を挙げ、強豪校としての礎を築いた[9]。
参加10期目となる第73回三段リーグ(2023年度前期)において、17回戦終了時点で14勝3敗としてリーグ成績2位以上を確定させ、10月1日付のプロ入り(四段昇段)を決めた。プロ入り(四段昇段)後の2023年12月には、母校の兵庫県立加古川北高等学校を訪問して昇段を報告した。また囲碁・将棋部の後輩たちとの指導対局も行った。
奨励会在籍中に公式棋戦出場経験が延べ7回ある(竜王戦<第36期>、新人王戦<第51期-第54期>および加古川青流戦<第12期-第13期>)。第36期竜王戦(2023年度)では6組ランキング戦において、三段ながら4勝1敗の好成績[注 1]で準々決勝まで進出した。第54期新人王戦(2023年度)では決勝進出を決めており、プロ入り後に三番勝負が行なわれた。
プロ入り後
[編集]2023年10月1日付で、四段昇段。翌2日にはプロ入り後デビュー戦となる新人王戦の対局日程(決勝三番勝負第1局)が、昇段2日目にして早くも組まれた。同門の藤本渚四段との対決となった、第54期新人王戦決勝三番勝負(2023年10月31日、第3局)では、上野が2勝1敗の成績で制して棋戦初優勝[10]。四段昇段ひと月以内に達成した上野の新人王戦優勝は、最速記録(プロ入り31日後)・最短記録=最少対局数(プロ入り後3局目)での棋戦初優勝の記録となった[11]。ちなみに、同年度の囲碁の新人王戦では上野愛咲美が優勝し、12月13日の表彰式で「ダブル上野」が並んで表彰となった[12]。2024年1月14日に加古川観光大使に就任。ニッケパークタウンで行われた第10回 棋士のまち加古川 将棋フェスタで委嘱式が行われ、岡田康裕加古川市長から委嘱状とたすきが手渡された[13]。この年10月に行なわれた加古川市主催の第14期加古川青流戦で優勝した。
人物
[編集]井上門下から5-6人目の棋士として兄弟子の横山友紀と狩山幹生の同時四段昇段した際には、師匠の井上慶太に「門下から7人目の棋士誕生」として上野の昇段を期待されていた[14]。
昇段履歴
[編集]昇段規定は、将棋の段級を参照。
- 2015年奨励会入会時12歳)[6] 9月12日 = 6級(
- 2015年11月15日 = 5級([15] 〃 )
- 2016年[16] 1月11日 = 4級( 〃 )
- 2016年10月22日 = 3級(昇級時13歳)[17]
- 2017年 1月21日 = 2級( 〃 )
- 2017年 3月19日 = 1級( 〃 )
- 2017年11月 4日 = 初段(昇級時14歳)
- 2018年 3月17日 = 二段( 〃 )
- 2018年[18] 8月 3日 = 三段(昇段時15歳 / 第64回奨励会三段リーグ<2018年度後期>から参加)
- 2023年10月[19] 1日 = 四段(昇段時20歳 / 第73回奨励会三段リーグ成績2位)
主な成績
[編集]棋戦優勝
[編集]優勝 2回
棋戦成績一覧
[編集]- 竜王戦:第37期 6組ベスト16(3勝2敗) / 過去最高:6組ベスト16(4勝、第36期=三段当時)
- 順位戦:第83期から参加:C級2組52位 / 過去最高:記録なし
- 王位戦:第66期から参加 / 過去最高:-
- 叡王戦:第10期から参加 / 過去最高:-
- 王座戦:第73期から参加 / 過去最高:-
- 棋王戦:第50期 予選敗退 / 過去最高:予選(1勝、第50期)
- 王将戦:第74期 一次予選敗退 / 過去最高:一次予選(1勝、第74期)
- 棋聖戦:第96期 一次予選敗退 / 過去最高:一次予選(1勝、第96期)
(一般棋戦・若手棋戦)
- 朝日杯:第18回 一次予選敗退 / 過去最高:一次予選(1勝、第18回)
- 銀河戦:(未参加、第33期より参加予定)
- NHK杯:第74回 本戦敗退 / 過去最高:本戦(0勝、第74回)
- 新人王戦:第55期 ベスト4敗退/ 過去最高:優勝(第54期)
- 加古川青流戦:第14期 優勝 / 過去最高:優勝(第14期)
在籍クラス
[編集]竜王戦と順位戦のクラスは、将棋棋士の在籍クラスを参照。
開始 年度 |
順位戦 出典[20]
|
竜王戦 出典[21]
| ||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
期 | 名人 | A級 | B級 | C級 | 期 | 竜王 | 1組 | 2組 | 3組 | 4組 | 5組 | 6組 | 決勝 T |
|||||
1組 | 2組 | 1組 | 2組 | |||||||||||||||
2022 | 四段昇段前 | 36 | 6組三段 | -- | 4-1 | |||||||||||||
2023 | 四段昇段前 | 37 | 6組 | -- | 3-2 | |||||||||||||
2024 | 83 | C252 | 38 | 6組 | -- | |||||||||||||
順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。右欄の数字は勝-敗(番勝負/PO含まず)。 順位戦の右数字はクラス内順位 ( x当期降級点 / *累積降級点 / +降級点消去 ) 順位戦の「F編」はフリークラス編入 /「F宣」は宣言によるフリークラス転出。 竜王戦の 太字 はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。 |
年度別成績
[編集]年度 | 対局数 | 勝数 | 負数 | 勝率 | (出典) |
---|---|---|---|---|---|
2019 | 2 | 2 | 0 | 1.0000 | [22] |
2020 | 2 | 0 | 2 | 0.0000 | [23] |
2021 | 3 | 1 | 2 | 0.3333 | [24] |
2022 | 8 | 6 | 2 | 0.7500 | [25] |
2023 | 5 | 4 | 1 | 0.8000 | [26] |
合計 | 20 | 13 | 7 | 0.6500 | |
2023年9月までの公式棋戦成績 (棋士通算成績の合算対象外) |
年度 | 対局数 | 勝数 | 負数 | 勝率 | (出典) |
---|---|---|---|---|---|
2023 | 11 | 7 | 4 | 0.6363 | [27] |
(小計) | 11 | 7 | 4 | 0.6363 | |
通算 | 11 | 7 | 4 | 0.6363 | [28] |
2023年度まで |
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d “新四段誕生のお知らせ|将棋ニュース|日本将棋連盟” (2023年9月9日). 2023年9月9日閲覧。
- ^ “第11回全国小学生倉敷王将戦”. www.shogi.or.jp. 2024年12月12日閲覧。
- ^ “小学館・集英社杯第40回記念小学生将棋名人戦【決勝大会】”. 2023年9月9日閲覧。
- ^ “小学館・集英社杯 第40回記念 小学生将棋名人戦〈決勝大会〉開催報告|イベント|日本将棋連盟” (2015年4月20日). 2023年9月9日閲覧。
- ^ “第4回大会(2015年) | JCOM株式会社 | J:COM”. J:COM. 2023年10月2日閲覧。
- ^ a b 関西奨励会(2015年9月12日時点)
- ^ “競技歴7カ月で全国大会も…出場幻「次は実力で」”. 神戸新聞NEXT (2021年1月25日). 2024年8月7日閲覧。
- ^ “県高校総合文化祭将棋部門 加古川北高、3人1組の団体初V 昨年は2人で準V「優勝だけ狙ってた」”. 神戸新聞NEXT (2022年12月22日). 2024年8月7日閲覧。
- ^ “先輩・上野裕寿四段らの教え 大切に 将棋部員、近畿や県で躍進 加古川北高”. 神戸新聞 (2023年12月26日). 2024年8月7日閲覧。
- ^ “将棋の20歳・上野裕寿四段がデビュー3戦目で新人王獲得! 18歳の弟弟子・藤本渚四段を下す”. スポーツ報知. 2023年10月31日閲覧。
- ^
- これまで日本将棋連盟に記録が残る内の最速記録・最短=最少対局数記録はいずれも森内俊之四段(当時)のプロ入り164日後、15局目。
- “「最後は運がよかった」将棋の上野裕寿四段がプロ入り後、史上最速で優勝 兵庫県加古川市出身の棋士(読売テレビ) - Yahoo!ニュース” (2023年10月31日). 2023年10月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月31日閲覧。
- ““藤井8冠”も超えた! 上野裕寿四段が史上最速棋戦優勝 阪神ファンで一押しは…― スポニチ Sponichi Annex 芸能” (2023年10月31日). 2023年10月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月31日閲覧。
- ^ 瀬戸花音「囲碁・将棋新人王は”ダブル上野“の表彰式に 祝辞では「ご両家の皆さま」」『スポーツ報知』報知新聞社、2023年12月13日。2023年12月14日閲覧。
- ^ “プロ棋士・上野裕寿四段に加古川観光大使を委嘱しました。”. 加古川観光協会 (2024年1月16日). 2024年8月25日閲覧。
- ^ ““棋士のまち加古川”で新四段2人がお披露目 師匠はともに井上慶太九段、門下のプロ棋士は総勢6人に”. スポーツニッポン. 2023年9月11日閲覧。
- ^ 関西奨励会(2015年11月15日時点)
- ^ 関西奨励会(2016年1月11日時点)
- ^ 関西奨励会(2016年11月12日時点)
- ^ 第64回奨励会三段リーグ戦
- ^ 第73回奨励会三段リーグ戦
- ^ 「名人戦・順位戦」『日本将棋連盟』。
- ^ 「竜王戦」『日本将棋連盟』。
- ^
- 2019年11月 1勝0敗/2019年11月の対局結果(日本将棋連盟)
- 2020年2020年(日本将棋連盟) 1月の対局結果 1月 1勝0敗/
- ^
- 2020年2020年(日本将棋連盟) 6月の対局結果 6月 0勝1敗/
- 2020年11月 0勝1敗/2020年11月の対局結果(日本将棋連盟)
- ^
- 2021年2021年(日本将棋連盟) 7月の対局結果 7月 1勝1敗/
- 2021年11月 0勝1敗/2021年11月の対局結果(日本将棋連盟)
- ^
- 2022年2022年(日本将棋連盟) 5月の対局結果 5月 1勝0敗/
- 2022年2022年(日本将棋連盟) 8月の対局結果 8月 0勝1敗/
- 2022年12月 2勝0敗/2022年12月の対局結果(日本将棋連盟)
- 2023年2023年(日本将棋連盟) 2月の対局結果 2月 2勝0敗/
- 2023年2023年(日本将棋連盟) 3月の対局結果 3月 1勝1敗/
- ^
- ^ 2023年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
- ^ 通算成績(2024年3月31日対局分まで) - 日本将棋連盟(2024年4月1日時点のアーカイブ)