神谷広志
神谷広志 八段 | |
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名前 | 神谷広志 |
生年月日 | 1961年4月21日(63歳) |
プロ入り年月日 | 1981年3月18日(19歳) |
棋士番号 | 149 |
出身地 | 静岡県浜松市 |
所属 | 日本将棋連盟(関東) |
師匠 | 廣津久雄九段 |
段位 | 八段 |
棋士DB | 神谷広志 |
順位戦クラス | B級1組(6期) |
2024年4月11日現在 |
神谷 広志(かみや ひろし、1961年4月21日 - )は、将棋棋士。 棋士番号は149。廣津久雄九段門下。静岡県浜松市出身。
昭和55年度にプロとなった強豪グループ、いわゆる「55年組」の一人。
棋歴
[編集]中学1年生のときには、まだアマチュア4級という遅咲きながら、それから1年足らずでアマチュア四段の実力となる[1]。そして、中学2年の秋に奨励会に入り、20歳の誕生日を迎える前にプロ棋士となった。
1983年の若獅子戦で準優勝。1984年の早指し新鋭戦でも準優勝。
1987年の2月から8月にかけて、当時未開拓だった「飛車先不突き矢倉」を武器に[2]公式戦28連勝の記録を樹立(下記参照)。同じ「55年組」の塚田泰明が半年ほど前に作ったばかりの記録(22連勝)を、あっさりと、そして大幅に塗り替えた。以後、30年間破られなかった記録であったが、2017年6月26日の第30期竜王戦決勝トーナメントで藤井聡太が29連勝を達成し、歴代2位となった。しかしプロ棋士相手の連勝記録は保持している(藤井聡太の相手2名はアマチュアである)。
1997年度のB級2組順位戦で9勝1敗の成績を収め、B級1組へ昇級。
第48期(2007年度)王位戦で、同棋戦初のリーグ入り。森内俊之名人(当時)に勝利するが、リーグ残留失敗。
第74期(2015年度)C級1組順位戦では初戦から6連敗し、後半に巻き返したが3勝7敗に終わり、降級点2でC級2組へ降級が決まった。
第78期(2019年度)C級2組順位戦で1勝9敗の成績で2回目の降級点を取り、2020年4月1日付でフリークラス宣言を行った。以後、満65歳を迎える2026年度まで現役となる[3]。
連勝 | 対局日 (1987年) |
棋戦 | 相手 | 手番 | 結果 | |
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- | 1月29日 | 第37期王将戦 | 一次予選 1回戦 | 小野敦生 | 後手 | ● |
1 | 2月10日 | 第45期順位戦 | C級1組 9回戦 | 野本虎次 | 後手 | ○ |
2 | 2月23日 | 第37回NHK杯戦 | 予選 | 伊藤果 | 先手 | ○ |
3 | 予選 決勝 | 安恵照剛 | 先手 | ○ | ||
4 | 3月 3日 | 第45期順位戦 | C級1組 10回戦 | 富沢幹雄 | 先手 | ○ |
5 | 3月19日 | 第13期棋王戦 | 予選 2回戦 | 山口英夫 | 先手 | ○ |
6 | 3月26日 | 第10回勝ち抜き戦 | 予選 2回戦 | 池田修一 | 先手 | ○ |
7 | 予選 決勝 | 佐伯昌優 | 先手 | ○ | ||
8 | 4月 1日 | 第51期棋聖戦 | 一次予選 2回戦 | 瀬戸博晴 | 先手 | ○ |
9 | 4月 8日 | 第13期棋王戦 | 予選 3回戦 | 池田修一 | 先手 | ○ |
10 | 4月30日 | 第13期棋王戦 | 予選 決勝 | 関根茂 | 後手 | ○ |
11 | 5月 4日 | 第37回NHK杯戦 | 本戦 1回戦 | 石田和雄 | 先手 | ○ |
12 | 5月12日 | 第13期棋王戦 | 本戦 1回戦 | 石田和雄 | 先手 | ○ |
13 | 5月15日 | 第51期棋聖戦 | 一次予選 3回戦 | 山口千嶺 | 後手 | ○ |
14 | 5月25日 | 第21回早指し戦 | 予選 | 武者野勝巳 | 先手 | ○ |
15 | 永作芳也 | 後手 | ○ | |||
16 | 鈴木輝彦 | 後手 | ○ | |||
17 | 6月 5日 | 第13期棋王戦 | 本戦 2回戦 | 青野照市 | 先手 | ○ |
18 | 6月 9日 | 第46期順位戦 | C級1組 1回戦 | 剱持松二 | 先手 | ○ |
19 | 6月12日 | 第51期棋聖戦 | 一次予選 4回戦 | 達正光 | 先手 | ○ |
20 | 6月23日 | 第51期棋聖戦 | 一次予選 決勝 | 堀口弘治 | 先手 | ○ |
21 | 6月27日 | 第21回早指し戦 | 本戦 1回戦 | 有野芳人 | 後手 | ○ |
22 | 7月 7日 | 第46期順位戦 | C級1組 2回戦 | 武者野勝巳 | 後手 | ○ |
23 | 7月10日 | 第6回全日本プロ | 1回戦 | 滝誠一郎 | 先手 | ○ |
24 | 7月13日 | 第51期棋聖戦 | 二次予選 2回戦 | 石田和雄 | 後手 | ○ |
25 | 7月17日 | 第13期棋王戦 | 本戦 3回戦 | 二上達也 | 後手 | ○ |
26 | 7月22日 | 第36期王座戦 | 一次予選 2回戦 | 武市三郎 | 先手 | ○ |
27 | 7月24日 | 第51期棋聖戦 | 二次予選 決勝 | 青野照市 | 後手 | ○ |
28 | 8月17日 | 第51期棋聖戦 | 本戦 1回戦 | 米長邦雄 | 後手 | ○ |
- | 8月21日 | 第36期王座戦 | 一次予選 3回戦 | 室岡克彦 | 後手 | ● |
棋風
[編集]居飛車、振り飛車ともに指し、また、それぞれ色々な戦法を指すオールラウンドプレーヤーであり、力戦調の将棋が多い。
強気の棋風であり、ギリギリの変化にも躊躇なく飛び込んでいく「見切り」「玉さばき」が持ち味。
人物
[編集]- 1989~1993年、関東奨励会幹事。
- 愛猫家。テレホンカード収集も行っている[5]。
- アニメはもう一つの趣味で、ジブリ作品を批評したことがある[6]。
- 2017年5月11日、袴田事件の元被告で将棋好きで知られる袴田巌の浜松市の自宅を訪れ、袴田にアマチュア初段の免状を贈った[7]。
- あだなは「アルマジロ」[8]。
- 2024年8月14日に通算600勝目を挙げて将棋栄誉賞を受賞したが、達成時勝率.458は歴代受賞者で最低である。これは七段から八段への昇段に約17年かかるなど現役中盤の苦労が背景にあり、B1在籍経験もある実力者としては異色の数字を残すこととなった。
昇段履歴
[編集]昇段規定は、将棋の段級 を参照(ただし、四段昇段は旧規定)。
- 1975年奨励会入会 : 5級 =
- 1978年 : 初段
- 1981年 3月18日 : 四段 = プロ入り
- 1984年昇降級リーグ3組昇級[注 1]) 4月 1日 : 五段(
- 1989年 3月17日 : 六段(勝数規定/五段昇段後公式戦120勝)
- 1997年12月12日 : 七段(勝数規定/六段昇段後公式戦150勝)[9]
- 2014年 5月 1日 : 八段(勝数規定/七段昇段後公式戦190勝)
主な成績
[編集]将棋大賞
[編集]- 第15回(1987年度) 連勝賞
在籍クラス
[編集]開始 年度 |
順位戦 出典[10]
|
竜王戦 出典[11]
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期 | 名人 | A級 | B級 | C級 | 期 | 竜王 | 1組 | 2組 | 3組 | 4組 | 5組 | 6組 | 決勝 T |
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1組 | 2組 | 1組 | 2組 | |||||||||||||||
1981 | 40 | C231 | 6-4 | |||||||||||||||
1982 | 41 | C212 | 5-5 | |||||||||||||||
1983 | 42 | C217 | 9-1 | |||||||||||||||
1984 | 43 | C119 | 7-3 | |||||||||||||||
1985 | 44 | C104 | 6-4 | |||||||||||||||
1986 | 45 | C108 | 5-5 | 棋戦創設前 | ||||||||||||||
1987 | 46 | C109 | 8-2 | 1 | 4組 | -- | 1-2 | |||||||||||
1988 | 47 | C101 | 7-3 | 2 | 4組 | -- | 2-2 | |||||||||||
1989 | 48 | C104 | 7-3 | 3 | 4組 | -- | 4-1 | |||||||||||
1990 | 49 | C105 | 9-1 | 4 | 3組 | -- | 4-2 | |||||||||||
1991 | 50 | B220 | 5-5 | 5 | 3組 | 1-1 | 3-1 | |||||||||||
1992 | 51 | B212 | 3-7 | 6 | 2組 | -- | 4-1 | |||||||||||
1993 | 52 | B217 | 5-5 | 7 | 1組 | -- | 0-3 | |||||||||||
1994 | 53 | B214 | 6-4 | 8 | 2組 | -- | 2-2 | |||||||||||
1995 | 54 | B208 | 5-5 | 9 | 2組 | -- | 1-2 | |||||||||||
1996 | 55 | B210 | 6-4 | 10 | 2組 | -- | 1-3 | |||||||||||
1997 | 56 | B208 | 9-1 | 11 | 3組 | -- | 2-2 | |||||||||||
1998 | 57 | B112 | 5-6 | 12 | 3組 | -- | 0-3 | |||||||||||
1999 | 58 | B108 | 7-4 | 13 | 4組 | -- | 3-2 | |||||||||||
2000 | 59 | B104 | 4-8 | 14 | 4組 | -- | 2-2 | |||||||||||
2001 | 60 | B109 | 4-8 | 15 | 4組 | -- | 5-2 | |||||||||||
2002 | 61 | B109 | 6-5 | 16 | 4組 | -- | 4-1 | |||||||||||
2003 | 62 | B108 | 3-9 | 17 | 3組 | 1-1 | 4-0 | |||||||||||
2004 | 63 | B201 | 4-6 | 18 | 2組 | -- | 1-2 | |||||||||||
2005 | 64 | B215x | 2-8 | 19 | 2組 | -- | 0-2 | |||||||||||
2006 | 65 | B223* | 5-5 | 20 | 3組 | -- | 3-1 | |||||||||||
2007 | 66 | B213+ | 6-4 | 21 | 2組 | -- | 0-2 | |||||||||||
2008 | 67 | B208 | 3-7 | 22 | 3組 | -- | 0-2 | |||||||||||
2009 | 68 | B218 | 4-6 | 23 | 4組 | -- | 1-2 | |||||||||||
2010 | 69 | B218 | 5-5 | 24 | 4組 | -- | 1-2 | |||||||||||
2011 | 70 | B213x | 1-9 | 25 | 4組 | -- | 2-2 | |||||||||||
2012 | 71 | B223*x | 2-8 | 26 | 4組 | -- | 2-2 | |||||||||||
2013 | 72 | C101 | 3-7 | 27 | 4組 | -- | 1-2 | |||||||||||
2014 | 73 | C127x | 2-8 | 28 | 4組 | -- | 0-3 | |||||||||||
2015 | 74 | C132*x | 3-7 | 29 | 5組 | -- | 1-2 | |||||||||||
2016 | 75 | C202x | 2-8 | 30 | 5組 | -- | 1-2 | |||||||||||
2017 | 76 | C242* | 4-6 | 31 | 5組 | -- | 1-2 | |||||||||||
2018 | 77 | C234* | 4-6 | 32 | 5組 | -- | 0-3 | |||||||||||
2019 | 78 | C234*x | 1-9 | 33 | 6組 | -- | 0-2 | |||||||||||
2020 | 79 | F宣 | 34 | 6組 | -- | 0-2 | ||||||||||||
2021 | 80 | F宣 | 35 | 6組 | -- | 1-2 | ||||||||||||
2022 | 81 | F宣 | 36 | 6組 | -- | 3-2 | ||||||||||||
2023 | 82 | F宣 | 37 | 6組 | -- | 1-2 | ||||||||||||
2024 | 83 | F宣 | 38 | 6組 | -- | |||||||||||||
順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。右欄の数字は勝-敗(番勝負/PO含まず)。 順位戦の右数字はクラス内順位 ( x当期降級点 / *累積降級点 / +降級点消去 ) 順位戦の「F編」はフリークラス編入 /「F宣」は宣言によるフリークラス転出。 竜王戦の 太字 はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。 |
その他
[編集]- 連勝記録
- 28連勝(1987年2月10日-同年8月17日)(歴代2位=2017年6月26日時点、達成当時歴代1位記録)
- 表彰
著書
[編集]- 居飛穴なんかコワくない 振り飛車の逆襲(1987年3月、毎日コミュニケーションズ、ISBN 4-89563-510-4)
- 奇襲虎の巻 明日からすぐ勝てる(1994年12月、毎日コミュニケーションズ、ISBN 4-89563-621-6)
- 奇襲虎の巻(MYCOM将棋文庫、2003年5月、毎日コミュニケーションズ、ISBN 4-8399-1092-8)
- 禁断のオッサン流振り飛車破り (マイナビ将棋BOOKS、2016年5月、マイナビ出版)
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ 「将棋世界」2000年1月号付録
- ^ 藤井四段に神谷八段がエール 歴代最多28連勝より天下獲り スポニチ 2017年6月15日
- ^ 2020年度からのフリークラス転出者
- ^ 将棋連盟 棋士別成績一覧より。
- ^ 将棋世界1993年5月号、「オレたち将棋ん族・エピソード2」ほか
- ^ 将棋世界1997年1月号、神谷広志六段(当時)の「待ったが許されるならば……」より。
- ^ “袴田さんに将棋アマ初段、浜松 プロ棋士が自宅訪問”. 京都新聞 (2017年6月11日). 2017年5月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月4日閲覧。
- ^ 能智映『愉快痛快 棋士365日」(日本将棋連盟)P.147
- ^ 『近代将棋 1998年3月号「日本将棋連盟広報室インフォメーション」』近代将棋社/国立国会図書館デジタルコレクション、171頁。
- ^ 「名人戦・順位戦」『日本将棋連盟』。
- ^ 「竜王戦」『日本将棋連盟』。
- ^ 「神谷広志八段、600勝(将棋栄誉賞)を達成|将棋ニュース」『日本将棋連盟』2024年8月15日。
- ^ 「通算成績(2024年8月14日対局分まで、未放映のテレビ対局を除く)|成績・ランキング」『日本将棋連盟』2024年5月23日。2024年8月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。