トクヤマ
種類 | 株式会社 |
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市場情報 | |
本社所在地 |
日本 〒101-8618 東京都千代田区外神田1丁目7-5 フロントプレイス秋葉原 |
本店所在地 |
〒745-8648 山口県周南市御影町1-1 |
設立 | 1918年2月16日 |
業種 | 化学 |
法人番号 | 1250001009080 |
事業内容 | 塩ビ、電子材料などの製造販売 |
代表者 |
代表取締役兼社長執行役員 横田浩 代表取締役兼専務執行役員 安達秀樹 |
資本金 |
100億円 (2018年3月31日現在)[1] |
発行済株式総数 |
6,993万4,375株 (2018年3月31日現在)[1] |
売上高 |
連結:3,246億6,200万円 単独:1,952億3,300万円 (2019年3月期) |
営業利益 |
連結:352億6,800万円 単独:276億5,900万円 (2019年3月期) |
経常利益 |
連結:334億円 単独:250億900万円 (2019年3月期) |
純利益 |
連結:342億7,900万円 単独:289億5,500万円 (2019年3月期) |
純資産 |
連結:1,635億2,500万円 単独:891億8,400万円 (2019年3月期) |
総資産 |
連結:3,796億3,000万円 単独:2,907億100万円 (2019年3月期) |
従業員数 |
連結:5,734名 単独:2,520名 (2024年3月31日現在) |
決算期 | 3月31日 |
主要株主 |
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 11.42% 日本トラスティ・サービス信託銀行(信託口) 10.19% 日本生命保険 3.13% 山口銀行 2.37% 明治安田生命 2.14% (2018年9月30日現在[2]) |
主要子会社 | #関係会社参照 |
関係する人物 |
岩井勝次郎(創業者) 岩瀬徳三郎(元技師長、東ソー創業者) 中原茂明(元社長) 幸後和壽(元社長) 楠正夫(元会長、現相談役) |
外部リンク | www.tokuyama.co.jp |
株式会社トクヤマ(英: Tokuyama Corporation)は、日本の大手総合化学工業メーカー。登記上の本店(徳山製造所)を創業地である山口県周南市(旧徳山市)御影町に置く。また東京都千代田区に東京本部を設置する。さらに開発・製造拠点として山口県周南市と茨城県神栖市に工場を、茨城県つくば市に研究所を持つ。日経平均株価の構成銘柄の一つ[3]。
三水会とその後身社長会である水曜会およびみどり会の会員企業であり三和グループに属しているが[4][5]、旧岩井商店系の企業で構成される最勝会グループのメンバーでもある[6]。
事業
[編集]旧社名・「日本曹達工業」、「徳山曹達」の示すとおり、元々は電解ソーダをはじめとしたナトリウム部門が主力であったほか、セメント製造分野でも、山口県や九州を中心に「トクヤマ」のブランドで知られ、大手の一角を占めてきた。近年は事業の多角化を進め、石油化学全般の様々な分野に力を入れている。中でも高純度ポリシリコンは世界第二位の生産量を誇っており、99.999999999%(イレブンナイン)という高い純度を持っている。
1982年には、吸湿性の高い粒状塩化カルシウムを主成分とした除湿剤「水とりぞうさん」を発売し、家庭用品分野に進出した。同製品はエステー・白元アースなどの競合製品が登場した後もトップクラスのシェアを誇ってきたが、トクヤマのリストラの一環で2004年に家庭用品部門をオカモトへ事業譲渡したため、以後の製造・販売はオカモトが手がけている(一時、小林製薬が有力視とされていたが断念した)。また、かつては新日鐵化学(当時、上場会社。現・日鉄ケミカル&マテリアル)や南部工業と共同出資して設立していた南部化成を通じプラスチック形成加工事業へも参入していたが、金型・試作品大手のアークに買収され資本撤退。なお、そのアーク社も近年の経営環境の悪化や世界不況などの関係でグループ再編が取り沙汰され、2009年に南部化成の株式を国内の有力投資会社・日本みらいキャピタルの組成するファンドへ売却している。
なお社名の由来ともなった旧徳山市を含む周南地域では、地名としての徳山と区別するためしばしば「株トク」と呼ばれる。
太陽電池用シリコン生産での損失
[編集]2009年、トクヤマは当時需要が急増していた太陽電池用のシリコン生産を経営の柱に据えるべく、電気代の安いマレーシアに工場を新設することを決定。工場建設が始まった2011年には第2工場の建設も発表された。しかし2011年後半、太陽電池価格の暴落が起こり、工場は稼働前から採算を取ることが困難な状況となった[7]。
2015年3月期決算では、マレーシアの多結晶シリコン工場で半導体向け製品の生産開始のめどが立たないとして、748億円の減損処理を実施したほか[8][9]、連結で653億49百万円の過去最大の赤字を計上した[10]。これに伴い当時の社長が引責辞任したほか[11]、東京本部の規模を半数に縮小し、徳山製造所などに移転するなどの経営改革を実施した[10][12][13]。
また翌2016年3月期の連結決算でも純損益は過去最大となる1005億6300万円の赤字を計上した[14][15]。これによって財務立て直しが急務であるため大手銀行や日本政策投資銀行、三菱商事などが出資する「ジャパン・インダストリアル・ソリューションズ」から200億円前後の出資を受け入れた[16]。
2016年9月28日、一連の損失の原因となったマレーシア工場を約100億円(9800万米ドル)で韓国のOCI Company Ltd.へ売却することが発表された[7][17][18][19]。
沿革
[編集]- 1918年2月 - 関西貿易業界の立役者である岩井勝次郎によって、山口県都濃郡徳山町(後の徳山市で、現在の周南市)にアンモニアソーダ法製造を目的とした日本曹達工業株式会社(現存する日本曹達株式会社とは無関係)が設立される。
- 1936年1月 - 商号を徳山曹達株式会社に変更。
- 1949年5月 - 東京証券取引所、大阪証券取引所に上場。
- 1989年5月 - つくば研究所を新設。
- 1994年4月 - 現在の商号に変更。
- 2005年 - 自社の企業立病院であった徳山病院を経営分離。
- 2009年12月 - 大阪証券取引所(現在は市場統合)上場廃止。
- 2010年7月29日 - 連結子会社の徳山生コンクリートが解散[20]。
- 2018年2月 - 創立100周年。
主な事業拠点
[編集]本部・支店
[編集]- 東京本部 -東京都千代田区外神田1丁目7-5(フロントプレイス秋葉原)
- 大阪オフィス - 大阪市北区中之島2丁目2-7(中之島セントラルタワー)
- 広島支店 - 広島市中区鉄砲町8-18(広島日生みどりビル)
- 高松支店 - 香川県高松市寿町2丁目1-1(高松第一生命ビル新館)
- 福岡支店 - 福岡市中央区天神2丁目8-38(協和ビル 7階)
工場・研究所
[編集]関係会社
[編集]2016年3月31日現在、子会社55社及び関連会社30社が存立する[21]。
不祥事
[編集]2015年、トクヤマの男性社員 (当時30代)が、自殺したのは過剰な業務が原因だとして、遺族が同社を控訴している[22]。
ギャラリー
[編集]-
所有するセメントタンカーである第一トクヤマ
-
つくば研究所
-
徳山製造所(山口県周南市)
出典
[編集]- ^ a b “株式会社トクヤマ 第154期 有価証券報告書”. EDINET (2018年6月25日). 2019年5月20日閲覧。
- ^ 四半期報告書(第155期第2四半期)
- ^ 構成銘柄一覧:日経平均株価 Nikkei Inc. 2021年10月8日閲覧。
- ^ “メンバー会社一覧”. みどり会. 株式会社みどり会. 2024年3月19日閲覧。
- ^ 田中彰「六大企業集団の無機能化 : ポストバブル期における企業間ネットワークのオーガナイジング」、『同志社商学』64巻5号、同志社大学商学会、doi:10.14988/pa.2017.0000013201、NAID 110009605659 pp. 330-351
- ^ “長岡禅塾”. 双日公式サイト. 双日株式会社. 2024年3月21日閲覧。
- ^ a b 渡辺清治(東洋経済記者) (2016年10月4日). “名門トクヤマ、2000億円投資の悲しい結末 太陽電池バブルがはじけ、原料工場を売却”. 東洋経済ONLINE 2016年10月4日閲覧。
- ^ “トクヤマ特損860億円 15年3月、マレーシア生産見込めず”. 日本経済新聞. (2014年10月31日) 2015年7月21日閲覧。
- ^ 「記者の目 株価逆行安のトクヤマ、巨額損失で迫られる後始末」『日本経済新聞電子版』 2014年11月18日
- ^ a b “トクヤマ 過去最大653億円の赤字 15年3月期”. 山口新聞. (2015年5月1日) 2015年7月21日閲覧。
- ^ “トクヤマ社長が引責辞任 後任に執行役員の横田氏”. 日本経済新聞. (2015年1月30日) 2015年7月21日閲覧。
- ^ “トクヤマ 本社機能、創業の地に 来春、東京から100人異動”. 山口新聞. (2015年6月25日) 2016年5月19日閲覧。
- ^ “トクヤマに分散支援補助金 県、適用第1号”. 山口新聞. (2015年5月18日) 2016年5月19日閲覧。
- ^ “トクヤマ赤字1000億円超 3月期決算”. 山口新聞. (2016年5月13日) 2016年5月19日閲覧。
- ^ “太陽電池で大ヤケド、"名門"トクヤマの失態 社運を懸けた事業で1200億円の減損損失”. 東洋経済オンライン. (2016年2月3日) 2016年5月19日閲覧。
- ^ “トクヤマ再建、銀行系ファンドが支援 200億円前後出資”. 日本経済新聞. (2016年5月12日) 2016年5月19日閲覧。
- ^ “子会社の第三者割当による新株発行及び子会社株式譲渡による子会社の異動に関するお知らせ” (PDF). 株式会社トクヤマ (2016年9月28日). 2016年10月4日閲覧。
- ^ “OCI will acquire new shares of Tokuyama’s Malaysian subsidiary for polysilicon production”. OCI Company Ltd. (2016年9月28日). 2016年10月4日閲覧。
- ^ “トクヤマ、マレーシア事業撤退”. 山口新聞. (2016年9月29日) 2016年11月1日閲覧。
- ^ 子会社の解散に関するお知らせ
- ^ 「事業の内容」『株式会社トクヤマ 有価証券報告書 ‐ 第152期』
- ^ “男性社員遺族側が控訴/トクヤマ自殺損害賠償訴訟”. 山口新聞 電子版. 2022年12月5日閲覧。